04/05/22 (土)
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「好きな人なら」国籍・家柄不問 欧州王族に若い価値観

 デンマーク皇太子が14日、豪州人女性と結婚したのに続き、22日にはスペイン皇太子が離婚歴のあるジャーナリストと結婚する。一生の伴侶を決めるのは恋愛経験を重ねてから、本当に好きな相手なら国籍も家柄も気に留めない――。欧州では、そんな普通の若者のライフスタイルが王室にも浸透し始めた。各国の国民の大半は価値観を共有できる若い王族の振る舞いを温かく見守っているが、王室の「庶民化」が進むあまり、権威が低下してしまうことを懸念する声もないわけではない。

 スペインフェリペ皇太子(36)の結婚式が行われるマドリードのアルムデナ大聖堂の前にできた記念グッズ店は連日、長蛇の列だ。ブランカさん(25)は「相手の離婚歴? 皇太子が愛する人なら大丈夫よ」。
 皇太子の愛を射止めたのは国営テレビの元キャスター、レティシア・オルティスさん(31)。スペイン初の庶民出身の皇太子妃になることに加え、離婚歴があるため、婚約発表当初は「品位に欠ける」という声も出た。だが今月初旬の有力紙エルムンドの世論調査では、66%がレティシアさんを「良い王妃になる」と回答した。

 「プレーボーイ王子ですって。だれでもしていることでしょ」

 デンマーク国営ラジオの王室担当記者アニテ・ピックさんは、過去に数々の恋人との交際が取りざたされてきた同国のフレデリック皇太子(35)を米英メディアがそう揶揄(やゆ)していることを笑い飛ばした。「いろんな人と付き合って、人間として成熟して結婚するのは普通のことです」
 14日に結婚したお相手は、豪州人のメアリー・ドナルドソンさん(32)。弟ヨアキム王子の妻で香港出身のアレクサンドラ妃に続く外国出身で庶民出の王族だ。

 スウェーデンの王位継承順位1位のビクトリア王女(26)は、同じく庶民出身でスポーツジムを経営する恋人と交際中。ノルウェーホーコン皇太子(30)は01年、男児を連れた未婚の母と結婚した。婚約相手が麻薬ギャングと交際していた過去を問題視されたオランダフリーゾ王子(35)は昨年、第2位の王位継承権を放棄、結婚を選んだ。

 統合が進む今の欧州では国家間の垣根がぐんと低くなり、王室の存在意義も問われている。
 スペイン皇太子の結婚式に招待されたバスクとカタルーニャの地方政党の代表は、そろって欠席すると回答を寄せた。いずれも独立志向の強い自治州の政党で、かねて王室の権威を認めていないからだ。こうした自治州を抱えるスペインは常に分裂の危機をはらむ。それでもこれまでは、フランコ独裁後の民主化に道筋をつけて国民に敬愛されるフアン・カルロス国王(66)が「重し」の役を果たしてきた。
 「国民の役に立つ王室でなければ生き残るのは難しい。庶民に近いだけではだめで、模範とならなければ」と保守系ABC紙のペレスマウラ副編集長は注文をつける。
 デンマークなど、欧州統合の流れに埋没しかねない小国では、国の顔として王室の存在が見直されている。王族の外遊時に経済使節団を同行させるなど「経済効果」への期待も高い。
 だからこそ各国国民は、王室の政治介入や無駄遣いには敏感で、こんな声も聞かれる。
 「王族にも自由はあるべきだが、庶民と同じまねをするだけなら、高い税金を費やして王室を維持する意味はあるのだろうか」(ノルウェーのオスロに住む研究者アーンシン・アンデルセンさん) (05/21 17:37)

 まずデンマークとノルウェーの王室は、デンマーク王室グリュクスブルク家から輩出したホーコン7世(在1905-57)によって姻戚関係となる。そのホーコン7世の、王妃モードはイギリス王室ウィンザー家の王女であるから、ここでデンマーク、ノルウェー、イギリスという三国の王室が全て同族と分かる。またデンマーク王室フレデリク9世(在1947-72)の王妃イングリは、スウェーデン王室グスタフ6世(在1950-73)の王女であるから、前述の三国に加えてスウェーデン王室も同族となる。
 スペイン王室の現国王ファン・カルロスはかの有名なハプスブルク家から派生し、その家系を遡ればフェリペ3世の王女アンヌがフランス国王ルイ13世と、フィリペ4世の王女マリー・テレーズが次のフランス国王ルイ14世と結ばれるといった華やかさだ。つまり、スペインとフランスの王室はとっくの昔に同族だった、ということになる。もっといえば、ハンガリー王室もフランス王室と同族であり、ルイ16世(1774-92)の王妃はマリー・アントワネットである。彼女はフランス革命で処刑され悲劇の王妃としてあまりに有名だ。フランス革命といえばユゴーの「93年」を思い出した。革命児ロベスピエールの名前が懐かしい。マリー・アントワネットから継続するハプスブルク・ロートリンゲン家がやがてハンガリー王室となっていく。
 そのハンガリー国王カーロイ1世(在1916-18)の王妃ツィタはブルガリア王室ブルボン家の王女であり、また比較的近いところではブルガリア国王ボリス3世(在1918-43)王妃ジョヴァンナが、イタリア王室サヴォイア家のヴィトリオ・エマヌエレ3世(1900-46)の王女だ。さらにクロアチア、ユーゴスラビア、ルーマニアなどの王室も同族となる。
 オランダ王室はヴィレム1世がオラニエ公ヴィレム5世の皇太子であるから、イングランド王室から派生したオラニエ公ということから、かつてのイングランドとオランダ王室は同族だったということになる。いや、系図形態からしてかつてのイングランド王室がオランダ王室を派生させたと云うべきか。(この点、歴史を詳細に調べてみる必要がありそうだ) 現在のオランダ女王ベアトリクスはシェル石油の大株主として、父親は死の商人として悪名高いベルンハルト殿下である。ベルンハルト殿下のことはこの日誌で何度か書いてきた。ちなみにシェル石油の「ロイヤル・ダッチ・シェル」のロイヤル・ダッチとはオランダ王室を意味する。謎めいた名称ではある。

【関連】
王室結婚花盛り、デンマーク、スペイン、ヨルダン、2004/05/01
オランダ王室ウィレム王子の妃が娘を出産、2003/12/22
イタリアのフリーメイソンとベルンハルト殿下、2003/01/28
証拠は遺体安置所にある──子どもたちの死
2004.5.20
クリス・マクグリール (ガーディアン)
http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,2763,1220635,00.html

 殺されたアスマの右耳のちょうど上、濃い黒髪を掻き分けた下に穿た
 れた小さな穴はイスラエル軍によると「まぼろし」ということになる。
 
 パレスチナ人は撃たれて殺された子どもたちと主張しているが、イス
 ラエル軍は子どもたちがパレスチナ側の爆発物によって殺されたと発
 表しているからだ。
 
 **
 ラファの病院の責任者、アリ・ムーサ医師は激怒して言った。
 「彼らは嘘つきだ。本当に大嘘つきだ。子どもたちは頭を負傷してい
 るんだ。間違いない」
 
 二人の死を宣告したアハマド・アブ・カリア医師は殺害の方法を証明
 すると言い張った。カリア医師はアスマの遺体を保管庫から取り出し
 てきて、少女の髪を掻き分け、銃弾が入った耳の上の穴を見せた。
 の上から入り、反対側にさらに大きな穴を開けて銃弾が貫通していっ
 たことがわかる。
 
 「いつも彼らは言うんです。──殺されたのはみんな武装闘士だっ
 た。無差別に子どもを殺していない、と。でも、最初の日に殺された
 4分の1は子どもたちでした。その証拠は、この病院の遺体です。」
 とカリア医師。
 
 アスマの遺体は他のテルエッスルターン地区の犠牲者と同じように、
 家族が家から外へ出られないため、病院の遺体保存庫に横たえられて
 いる。13歳の弟は遺体保存庫に入りきらず、少し離れた冷えた部屋
 に置かれていた。
 
 「小さな少年」
 
 アハマドの遺体は他の14人の遺体とともに横たえられていた。他の
 大人の遺体がそれぞれの所属党派の旗にくるまれているのに対し、ア
 ハマドは白い布にくるまれていた。彼はとても小さい。誰もこの小さ
 な少年を大人だと間違えることはできないだろう。
 
 カリア医師はアハマドの遺体の向きを変えて、額の前髪の際にある小
 さな丸い穴を指し示した。銃弾が抜けていった後頭部にはもっと大き
 な穴が開いている。アスマにもアハマドにも他の傷跡はどこにもな
 かった。特に爆発によるような火傷や、破片による傷なんてものは。
 
 医師は他の若者の遺体も指さした。「これはイブラヒム・アルクン。
 14歳。後頭部を撃たれました。銃弾は右目から出ていっています」
 この少年の顔は傷でむちゃむちゃになっていた。
 
 子どもたちの遺体は昨日、次々と遺体置き場に運び込まれていた。
 
 サベール・アル・リッダ(13)は、朝、家族のために水を探しにテル
 エッスルターン地区の家から外に出て、撃たれて死んだ。銃弾は背中
 から入り、心臓を貫いた。サベールの兄も撃たれて重体になってい
 る。
 
 「誰がこの少年を『闘士』だと言えるんでしょう?この体の大きさを
 見て下さい。傷の場所を見て下さい。背中です。誰かを攻撃などして
 いないのです」とカリア医師は語った。

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イスラエル軍は明らかに子どもの頭部を狙って撃ったということだ。つまり死ぬのを承知の確信犯ということになる。これはイスラエルによる国家的犯罪であり、虐殺以外のなにものでもない。今さら云うまでもないが、イスラエル政府は平和と人道に対する罪を定めた戦争犯罪の双方に抵触する。

国を鉄床にたとえよう。ハンマーは支配者、打ち曲げられる鉄板は民衆。勝手気ままなめくら打ちに、いつまでたっても金ができあがらねば、鉄板こそ迷惑である。(ゲーテ)



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