03/01/28 (火)
今日のTV番組選別
 昨日はシンドナが青酸カリ中毒で死んだことに触れたが、彼が毒殺されたのではないか?という疑惑には根拠がある。ヒットマンが近付かぬよう女囚専門刑務所内の特別独房で、しかも国防相の派遣した特殊護衛官12人と監視用カメラに守られ、窓には防弾ガラスが嵌め込まれての厳重な警護体制にあった。ところが風呂場でコーヒーを飲んだとたん倒れ「奴らに毒を盛られた」と云い残して死んだのである。コーヒーからは青酸カリが検出され、毒殺されたことは疑いようがなかった。一見、厳重な監視の隙をついの犯行のようだが、仮にシンドナを守る立場にある者がそうでなかったとしたら・・・これは組織的な犯行となる。医師が患者の命を救うどころか、意図的に誤診して殺すようなものである。しかも看護婦も共犯というオマケつきだ。この場合、看護婦は特殊護衛官ということになろう。シンドナも会員となっていたP2には、陸軍司令官ジョバンニ・トリーシ、秘密警察首脳ジュゼッペ・サントビートとジューリオ・グラシーニ、ほか関税長、閣僚、各政党の有力者、将軍30人、提督8人、マスコミ首脳、実業界の大物など政財界全ての分野でのトップが名を連ねていた。変死したカルヴィやシンドナはP2頭目リーチョ・ジェッリと深い親交があり、いわば知りすぎた存在でもあった。超大物が勢ぞろいしたP2にあって、その組織の影響が刑務所に及ばないとは考えにくい。完全犯罪の成立だ。
 ちなみにイタリアと日本はロッキード事件にも共通するように、両国の風土慣習が酷似しているようなところがある。ヨーロッパでのロッキード社による売り込みではオランダのベルンハルト殿下が大きな役割を果たした。ハーキュリーズ輸送機の売込みではイタリア国防省首脳が賄賂のターゲットとなった。この時仲介役になったのが弁護士ロジャー・B・スミスで、ロッキード社が9年前にベルンハルト殿下と接触した時と同じ弁護士だった。賄賂の総額は200万ドルに及び、その間に国防相が入れ替わると新任者もまたカネを要求した。我々はここでジェッリのP2のリストを思い出す必要があるだろう。つまりイタリア政府閣僚の殆どがP2のメンバーで占められていたという事実のことである。イタリアのP2のような背景が日本にも蔓延るような土壌があっても不思議はない。「ヤミ金融、押し貸し被害相次ぐ、勝手に振込み」や「傘下店の呼び名に隠語、摘発防ぐ工作か、暴力団ヤミ金融 」といった昨日のニュースにもその片鱗を窺い知ることが出来よう。つい一昨日も前橋でスナック発砲事件が起きたばかりだ。有形無形の暴力構図が日本列島を支配しているという現実、それを受け入れてしまっている日本風土と悪しき慣習・・・それら闇を代表する紳士たちと有力政治家が並んで写っている記念写真なども、歴代総理の中にさえ見られる日本のこと、イタリアの犯罪組織と何ら変わらないと思えるほどだ。かつての三億円強奪事件のように、権力介在の捏造犯罪が少しずつ明らかにされてきている現在、これまでタブーとされてきた、これらのことを日本国民も深刻に受け止めてしかるべき時期にきているのではないか。

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