補給線の安全確保に全力 首都攻略態勢整うまで米英
【ワシントン29日共同】イラク戦争で米英軍は首都バグダッド攻略の態勢が整うまでの間、首都周辺を守るイラク共和国防衛隊や各地への空爆を続行するとともに、イラク側の攻撃にさらされているクウェートからバグダッド郊外への武器弾薬・食料補給線の安全確保に全力を挙げる方針だ。米主要メディアによると、29日現在バグダッド南方約80キロに位置する米陸軍第3歩兵師団は、十分な兵力が整うまで本格的な進撃開始は控える方針。米国防総省高官などによると、移動中の第4歩兵師団のイラク入りを含め、戦力が整うまでには今後1週間以上の時間が必要とされる。その間は、南部の要衝ナシリヤなど、ゲリラ攻撃が激しい南部地域で、米海兵隊が中心となり、イラク軍や民兵組織サダム・フェダイーン(サダム挺身=ていしん=隊)の掃討作戦を集中的に続けるという。(共同通信)
ペンタゴン誤算の最たるものは、イラク全土への南北挟み撃ち作戦が崩れたことだろう。南からの陸軍第3歩兵師団の快進撃も、ここにきてイラク共和国防衛隊およびメディナ機甲師団らの抵抗にあい、第4歩兵師団の援軍を待つ足踏み状態を余儀なくされている。こうした米英軍の苦戦にイラク西部の米軍特殊部隊だけがルトバ周辺の二つの空港を制圧、南進と北進の二方面作戦に移行すると云われている。南進とはバクダッド侵攻を基軸とした第3歩兵師団への側面からの援軍であり、これは第4歩兵師団のイラク到着を待つしかない。北進は大油田地帯キルクークを目指すもので、すでに投入されている第173空挺旅団と合流することになるだろう。しかし、ここでも重装備を持たない空挺旅団の弱点が足枷となって足踏み状態を強いられるはずだ。何よりトルコ国境を通過できなくなった米英軍の痛手は大きく、それに替わってトルコ軍が進駐している現在、彼らがイラクに侵攻すればトルコ、イラク、クルドの三つ巴の混戦は避けられなくなる。つまり、総体的にみて米英連合軍は第4歩兵師団の援軍が到着するまで身動きがとれないということだ。それまではイラクへのゲリラ掃討作戦に移行せざるを得なくなり、ためにキティホークなど第5空母戦闘群による空爆はよりいっそう激しくなると思われる。それに伴なう誤爆もさらに増えるだろうし、民間人の犠牲者も増えていくことになる。【参考】イラク開戦MAP(03/30)
今月最後の仕事を仕上げ、夕刻、ワインを飲み始めたところで寝込んでしまったようである。イラク開戦から10日経過、今日で11日目に入った。最初は短期決戦を宣言したはずのアメリカも、ここにきて長期戦を認めざるを得なくなってきている。大きな誤算だったとアメリカ政府は自認するが・・・本当にそうなのか?うっかり信用できるものではない。戦争の最初の犠牲者は真実である、との諺もある。戦争そのものが権力者の偽りから始まることは、歴史がそれを証明する。騙されてはならぬ。こと戦争にあって騙されるということは、すなわち殺されるということだ。殺されるのは嫌だ。殺すのはもっと嫌だ。人を殺すぐらいなら殺されたい。人殺しを英雄に奉る戦争こそ偽善の最たるものだ。その戦争を正当化し、戦場という殺戮の真っ只中に自国の若者を導く権力者は、偽善の仮面をかぶった悪魔だ。日暮れに寝入り、夜半に目覚めた今、遅い食事を摂りながら再びワインを飲み始めている。酔いながら、このまま戦争のない世界に行きたいと思った。
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