03/02/20 (木)
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日本、米英支持鮮明に イラク問題で安保理公開討論会
 イラクの大量破壊兵器問題で国連安全保障理事会は18日、理事国以外の加盟国も参加、発言できる公開討論会を開いた。16番目に発言した日本は、イラクへの最終的な通告となる新たな安保理決議の採択を強く主張し、国際社会がイラクに対して断固とした態度で臨むべきだと訴え、米英支持の立場を鮮明に示した。討論は、米英の主張する「武力行使」か、仏独などが掲げる「査察強化・継続」かで国際世論が二分される中、15理事国のほかに約60カ国・機構が発言を求めた。このため19日にまたがって行われることになり、初日はイラクを含む26カ国とアラブ連盟が発言した。
 27カ国・機構の中では、日本とオーストラリアの2カ国が、米英が提出準備を進めている新たな決議の必要性を強調した。他のほとんどは査察の強化・継続を要望した。日本は原口幸市・国連大使が声明を読み上げた。イラクが湾岸戦争後、多くの国連決議を履行していないことを「国連の権威への挑戦」と表現。安保理決議1441はイラクに「最後の機会」を与えるものだが、同国は査察に対して完全かつ自発的な協力を行っていないと指摘した。そのうえで、このまま査察を継続・強化しても、イラク側の姿勢が抜本的に改められない限り大量破壊兵器の廃棄に結びつかず、査察の有効性に疑問が生じていると主張。国際社会の断固たる姿勢を示す「新たな決議」の採択に安保理は努力すべきだと訴えた。「武力行使」には直接言及しなかった。原口大使は、「安保理が結束して行動できなければ国連の信頼を傷つける」と、仏独などを牽制(けんせい)したともとれる主張に続き、「すでに12年に及ぶ外交努力が費やされてきた。もはやイラクに残された時間は限られている」などと発言を締めくくった。「新たな決議」は、数週間の短い期限を切ってイラクに大量破壊兵器の廃棄を求め、実行されない場合に武力行使を容認する内容。早期の査察打ち切りを主張する米英が、安保理への提出準備を進めている。日本の主張は、現在までのイラク側の査察への非協力がすでに「重大な違反」に相当しているとの認識で、仏独などの提唱する査察強化・継続による武装解除には否定的な見解だ。公開討論は、イラク問題への発言機会を理事国以外にも与え、安保理協議に透明性を持たせるべきだとの、非同盟諸国会議の要請で実現した。同会議を代表して開催を申し入れたクマロ南アフリカ国連大使は討論の冒頭、過去に大量破壊兵器を武装解除した経験のある南アからの使節を、イラク側が受け入れ表明したことを評価。査察に時間が必要だと仏提案を支持した。

 云うまでもないことだが、この原口国連大使の声明は「日本が米英の対イラク武力行使支持を世界に表明した」ものであり、小泉首相がいかに「武力行使を求めたわけではない」などと弁解がましいことを云おうが、世界各国は日米英豪四国をして「武力行使を容認する」同盟国と見なすだろう。あと五カ国以上の容認を取り付ければ安保理のゴーサインが出ることになるが、反戦運動の高まりもあって安保理の承認を得るのは今のところ難しいだろう。しかしブッシュは安保理の賛同を得ずとも単独で武力行使に踏み切る強硬姿勢をみせており、すでにペンタゴンは18日に湾岸地帯に2万8000人の増派を決定、3月初頭には20万人の兵力を投入するつもりらしい。現時点においてもクウェート北部には米英軍7万人が展開中であり、そのクウェートにして武力行使には慎重を要する声明を出している。曰く「残念だが、イラクの態度は戦争の可能性を高め、平和的解決のチャンスを逃そうとしている。しかしクウェートは武力行使が最後の手段であることを望む」 一方、アラブ諸国は難民、治安、経済の恐れから戦争反対を訴え、特に戦争になればイラクからの難民流失は防ぎようのない深刻な事態になる恐れがあろう。なのに日本はここにきて金魚のフンよろしく、彼らの戦争に追従しようというのだから恐れ入る。原口国連大使は「安保理決議1441はイラクに「最後の機会」を与えるもの」などと安保理決議1441をまるで錦の御旗のように持ち出しているが、その安保理の存在自体が合衆国憲法からすれば違法なのだ。第一条10節1項「合衆国が国家として外国地域で戦争を行うための準備をしてはならない」との規定によっても、アメリカ国民は自国の大統領を合衆国憲法違反者として提訴する権利すらあるのだ。【参照・2月13日の日誌
戦争においてさえ、戦争が最終目的ではない。(シェイクスピア)
人類は戦争に休止符を打たなければならない。そうでなければ、戦争が人類に休止符を打つことになろう。(ジョン・F・ケネディ)
戦争は戦争のために戦われるのでありまして、平和のための戦争などとはかつて一度もあったことはありません。(内村鑑三)
ウォール街資本家の冨は、第一次世界大戦の死者一千万、第二次世界大戦の死者三千万の上に築かれた。(アンリ・クロード)

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