「ゲームは終わった」米大統領、イラクに強い警告
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ロンドンで反戦デモを展開するイスラム教徒 |
ブッシュ米大統領は6日、イラクのフセイン大統領が国連安全保障理事会決議1441に応じようとしていないと非難したうえで、「ゲームは終わった」と強い警告を発した。国連がイラクに武装解除を迫る決意を明確にするための「新たな決議」も歓迎し、支持する意向を示した。ホワイトハウスで声明を発表したブッシュ大統領は「サダム・フセイン(大統領)は最後の機会を与えられたが、それを手放そうとしている」と語った。また、「(国連査察に対する)隠蔽(いんぺい)工作はフセイン大統領や彼の息子、副大統領や査察活動に協力すべきイラク政府当局者がかかわっている」と指摘。「フセイン大統領は最近、軍司令官に化学兵器の使用を認めた」と批判した。国連に対しては「要求は独裁者によって無視された。ここで引き下がってはいけない」と述べ、イラクに武装解除を求める立場を改めて示すための新決議に前向きな姿勢を示した。声明の発表には、国連から戻ったパウエル国務長官が同席。ブッシュ大統領は「慎重かつ力強い発表だった」と長官の労をねぎらった。
【関連サイト、国連安全保障理事会決議1441(全訳)】
国連安保理事会(Security Council)は国連の総会に優先する主要機関と位置付けられているが、それはあくまでも国連という組織内のことであって、アメリカ国民が拠り所とする合衆国憲法に優先するものではない。むろん国連も例外ではない。なのに国連は実質上、合衆国大統領に専制的権力を与えている。これは違法ではないか?第一条10節1項「合衆国が国家として外国地域で戦争を行うための準備をしてはならない」は、国連の経済かつ軍事制裁の行使を認めないことは明らかだ。何となればまさしく「合衆国憲法は世界機構のいかなるものにも優越し、かついかなる協定及び条約においても優先する」からである。主権を持たないはずの国連が武力行使を認可すること自体違法なのだ。イリノイ州選出の下院議員ジェシー・サムナー氏は国連に抗議する。
「議長は我が政府の平和計画が全くもって平和的でないことを御存知のことと思われますが、これらの動向は昔ながらの戦争屋によって指導されてきたことは明らかであります。彼らは平和のプリンスのように装い、我が国民を戦争に巻き込まないよう見せかけては、その実、我々国民を戦争に関わらせてきたではなかったか・・・武器貸与法など、我々を戦争に加担させた諸法案同様、国際連合憲章はこれ以降もあらゆる戦争に我々を引きずり込もうとしているのです」
1945年において合衆国上院が国連憲章の討議に費やしたのはたった三日間だと云われている。ハーマン・フォン・ホースト教授は有名な著作『合衆国憲法』の中で明確に語る。
「権力は憲法の下においてのみ存する。したがって、憲法の条文と矛盾する条約は一切許容されないのであり、憲法を遵守するならば、それ自身がすでに無効なのである」
ゆえに合衆国憲法に悉く矛盾する国際連合条約は「それ自身がすでに無効なのである」。よってブッシュ大統領がイラクへの武力行使を正当化しようとして国連安全保障理事会決議1441を持ち出しても、合衆国憲法に照らせばその権限は全く効力を発揮し得ないことになる。まさにアメリカ合衆国憲法は伝家の宝刀であり、これを振りかざせば国連はその存在価値を失う。権力者たちが踏みにじってきた平和を、アメリカ国民の手に取り戻すにはその伝家の宝刀を抜くしか道はない。そして、それは平和を装いながら戦争をつくってきた国連への手痛い一撃となるはずなのだ。ブッシュよ、本当のゲームはこれからだ。
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