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Roger Vadim |
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Brigitte Bardot |
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Jacques Charrier |
テッド・ターナーからジェーン・フォンダが登場したところで、ここでどうしても登場してもらわなければならない人物がいる。ジェーンが映画「ジェリア」で共演した親友ヴァネッサ・レッドグレーヴにちなんで「ヴァネッサ」と名付けた娘の、その父親ロジェ・ヴァデム(Roger
Vadim 1928- 本名Roger Plemiannikov)のことである。彼は映画界の稀有な色事師監督として、ブリジット・バルドー、アネット・ストロイベルグ、カトリーヌ・ドヌーブ、ジェーン・フォンダと片っ端から女優を口説いては結婚と離婚を繰り返し、ジェーンと別れてからも遺産相続人カトリーヌ・シュネーデル、脚本家アン・バイダーマンへと女性遍歴の輪舞を繰り返してきた。皮肉にもジェーンが始めてロジェと出会うのも、彼の映画「輪舞」であった。ロジェの最初の妻ブリジット・バルドー(Brigitte
Bardot 1934- 本名Camille Javal)は母Anne-Marie
Muselの再婚相手にして裕福な液化ガス経営者ルイ・バルドーに育てられていた。ちなみに彼女の母は保険会社の重役にして、バルドーの実父Monsieur
Javalは航空会社の重役だった。全く演技の出来ない彼女を逆手にとったロジェは、殆ど演技を必要としない奔放な色気そのままのブリジットを撮る。それがブリジット初の主演作「素直な悪女」で、同じく主演のジャック・シャリエ(Jacques
Charrier)がロジェと別れた後の彼女の再婚相手となるのだ。映画の奔放な悪女のまま、やがて二人は別れるのだが、シャリエは大手穀物会社「ルイ・ドレフェス」の令嬢France
Louis-Dreyfusと再婚する。
1989年のパリ日米欧首脳会議「アルシュ・サミット」を取り仕切ったミッテラン大統領でさえ「ルイ・ドレフェス商会」の使用人であり、その彼を大統領にするために資金を提供した7人のパトロンには、穀物会社ルイ・ドレフェスの筆頭取締役にしてルイ・ドレフェス銀行の会長ジャン・フィリッピがいる。もう一人のパトロン、ジルベール・トリガノもあげよう。彼は「地中海クラブ」の創業者だが、先月25日の日誌に書いた「フィアット社」会長ジョバンニ・アニェリが「地中海クラブ」の重役だったことを想起せられたい。この「地中海クラブ」はロスチャイルド家の観光会社である。俳優ジャック・シャリエが結婚したドレフェス家とはそのような途方もないものあった。そのシャリエと結婚した令嬢France
Louis-Dreyfusの母方Nervo家はフランス商業銀行&ソシエテ・ジェネラル&クレディ・フォンシェ支配のDavillier家に結ばれている。そこから毛細血管のように派生している血脈を辿っていくと、クレディ・リヨネ創業一族Germain家にぶち当たる。これらNervo家とDavillier家のソシエテ・ジェネラル&クレディ・フォンシェ、そしてフランス商業銀行も全ては「フランス銀行」と直結している。Germain家のクレディ・リヨネしかり、である。昨日はその「クレディ・リヨネ」の不正会計に関与したトリシェ仏中央銀行総裁のニュースが報じられている。10年前の古傷がぶり返したようだ。
欧州中銀の総裁人事混乱 最有力候補は汚職疑惑で脱落か
欧州中央銀行(ECB)の次期総裁人事が揺れている。最有力とされたトリシェ仏中央銀行総裁が、過去の汚職疑惑で後継レースから脱落する可能性があるためだ。この際、政治家の意向をくんでくれる人物をと独仏が画策している、との見方もある。トリシェ氏は、仏財務省国庫局長時代の92年、当時国営だったクレディ・リヨネ銀行の経営破綻(はたん)をめぐる不正会計に関与したとして、今月上旬、検察当局から執行猶予付きの禁固10カ月以上を求刑された。不起訴予想から一転しての起訴に、市場には「政治が働きかけた結果」との説が流れた。こんな憶測が出るのは、ユーロ圏各国の財政赤字を抑える協定で財政出動が抑えられており、景気テコ入れのかぎを金融政策、つまりECBが握っているためだ。市場では「本命のトリシェ氏以外が総裁に就くことになれば、新総裁は自分を祭り上げてくれた政治に感謝せざるを得ない。当然、利下げに傾くから、トリシェ以外はユーロ売りの材料」(UFJ銀行ロンドン)との観測がささやかれている。
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