新型抗がん剤の副作用死者、81人に 厚労省まとめ
肺がん用の新型抗がん剤「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)の副作用問題で、急性肺炎などの副作用の報告があった患者が291人に増え、うち死者は81人になったことが4日、厚生労働省のまとめでわかった。厚労省は、7月の販売開始から約4カ月で81人の死亡は異例とし、専門家に症例分析を依頼し、今後の対応を検討する。
厚労省が、輸入販売元アストラゼネカ社(大阪市)と、医療機関からの報告を11月25日時点でまとめた。薬と死亡との因果関係がはっきりしていないものも含まれているという。同省によると、これまでの推定の使用患者は約1万7千人。「ほかの抗がん剤に比べ危険との印象はない。現時点で有用性が否定されたわけではない」としている。今月中に、薬事・食品衛生審議会の部会にはかり、症例の分析を求める。10月26日の同社の発表では、同23日時点での副作用報告があった患者は125人、死者は39人だった。この薬は、英国アストラゼネカ社が開発した。手術不能な肺がん患者などに使われる。正常な細胞も攻撃する従来の抗がん剤と異なり、がん細胞のみを標的とするため、副作用は比較的少ないとされていた。今年1月に承認申請され、ほかの治療法よりも有効との推定から優先審査され、異例の早さで承認された。
ゲフィチニブについてはすでに先月15日の日誌で書いた。死者数はもっと増えるだろうと内心予想していたが、その通りになった。銀行の甘い自己査定と同じだ。厚労省(2001年から厚生、労働両省が統合され厚生労働省となった)がここに至っても「危険との印象はなく、有効性が否定されたわけではない」と思っていること自体、問題ではないのか。15日時点で「ゲフィチニブ投与で肺の細胞からは上皮細胞が消滅しているのが確認された」ということは、ゲフィチニブの副作用が致死性であることを示しているのだから、厚労省は早急なゲフィチニブの使用禁止のみならず追跡調査を徹底すべきなのだ。推定使用患者1万7000人が本当なら、被害はさらに拡大してしまっていることになる。人の命がかかっているだけに、厚労省の「有効性が否定されたわけではない」発言は実に無責任極まりないことだ。ガン抑圧に有効でも副作用で死亡してしまったら何にもならない。厚労省は被害家族に何と説明するのだろう?「ゲフィチニブという薬のおかげでガン細胞は絶滅しました。しかし残念ながらその副作用で死んでしまいました。それでもこの薬は有効なんですよ」と・・・これでは被害家族が納得するわけがないだろう。
北朝鮮籍の貨物船が日立港防波堤で座礁 燃料重油流出
5日午前0時10分ごろ、茨城県日立市久慈町1丁目の日立港東防波堤で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)船籍の貨物船「チルソン」(3144トン)が座礁したと、同船から那珂湊海上保安部に無線連絡が入った。燃料重油とみられる油が流れ出した。防波堤の内側に長さ約1キロ、幅約50メートルの濃い油の層が見られるほか、港内のほぼ半分に薄く広がった。防波堤の外にも流出し始めたという。乗組員21人は全員が北朝鮮籍で、けが人や転覆などの恐れはないといい、船内にとどまっているという。
海保などによると、船は4日午後7時半ごろから、入港の検疫を受けるため、防波堤外側の錨地(びょうち)に止まっていた。波のうねりで約800メートル北へ流され、防波堤の消波ブロックに乗り上げたらしい。現場付近は当時、約6メートルの西風が吹き、3〜5メートルのうねりがあったという。船は北朝鮮・清津から名古屋港などを経て、日立港に来た。名古屋港などで北朝鮮向けに廃タイヤを細かく切ったチップ約1200トンを積み、同港でも約1100トンを積む予定だった。9日に北朝鮮に向けて出港予定で、燃料タンクにはC重油約160キロリットルが入っていたらしい。タイヤチップは燃料難の同国で発電所などの燃料に使うとみられるという。油の拡大を防ぐため、巡視船やタグボートがオイルフェンスを張る。港湾荷役をしている「日立埠頭」によると、北朝鮮船籍の貨物船は日立港に月1、2回ほど入港しており、同船も昨年11月に寄港していた。近くの久慈町漁協の関係者は「アワビの漁場が近いので心配だ。近くの市場でも港内の海水をくみ上げて使っており、汚れてしまう」と不安を訴えている。
北朝鮮は今年12月からKEDOからの重油が入らなくなっている。【参照】北朝鮮への重油供給の打ち切り(11月28日の日誌) 日本国内でのタイヤチップ国内生産は約80万トン、海外向け12万トンのうち8万トンが北朝鮮へと輸出されている。今回座礁した貨物船「チルソン」のタイヤチップは海州(ヘジェ)のセメント工場に輸送され、このセメント工場でボイラー用の熱源として燃やされるという。ここは日本が戦前に建設したところで、1998年頃から日本のタイヤチップが燃やされていた。しかし、表向きはボイラーの熱源用とされているが、実際には火力発電の熱源として利用されている。これまで北朝鮮の火力発電所では石炭を燃料としていたが、鉄道事情の悪化している北朝鮮は石炭運搬のための輸送力が欠乏、ために日本のタイヤチップが用いられるようになった。これなら港から発電所まで短距離で輸送可能となるのだ。北朝鮮ではブラスチックなどの廃棄物も熱源としているが、しかしこれらは燃焼効率が悪く、ダイオキシンなど副産物の排出も問題となってくる。ただこれら廃棄物は石炭などよりはるかにコストが安いだけに、これからも引き続き用いられていくことに変わりはないようだ。むろん金王朝が続く限りの話だが・・・
【視聴予定】
選別対象局→NHK総合 NHK教育 テレビ朝日 日本テレビ TBSテレビ フジテレビ
■22:00-23:00 NHK総合NHKニュース10 ▽どうなる道路民営化”7人の侍”の結論は▽外食産業の挑戦・究極の倹約作戦▽ヤワラちゃん復活
■23:00-24:10 NHK教育金曜フォーラム「世界の飢餓を克服するために」
■23:50-24:00 NHK総合読む 迷走道路民営化
|