11月14日、アメリカはKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)による北朝鮮への重油供給の打ち切りを決定したが、さらに核開発を止める見返りに軽水炉建設を容認するKEDO事業そのものを打ち切る姿勢を示唆してきた。あからさまな経済封鎖だ。北朝鮮へのKEDOからの重油支援は年間50万トン、中国からは60万トン、年間消費量110万トンの北朝鮮にしてみれば、KEDOの重油打ち切りは致命傷となる。解せないのは何かと北朝鮮に肩入れしてきた中国が、こうしたアメリカの強引なやり方に沈黙を守っていることだ。中国とアメリカは何らかの合意に達しているのではないか?と勘ぐりたくなる。それを暗示させてくれるのが10月25日の江沢民の訪米であり、このとき江沢民はテキサスにおいてブッシュの農場を訪れている。ここでブッシュと江沢民の間で重油供給禁止の件が話し合われた公算が大きい。中国が北朝鮮の金王朝に見切りをつけた、となれば、その崩壊は意外と早い時期にやってくるかも知れない。
その江沢民は11月14日の共産党第16回党大会において引退を表明、新たな後継者として59歳の若き胡錦涛を指名した。【参照】胡錦涛氏が総書記に就任 江氏は中央軍事委主席に留任(11月17日の日誌) 見事な引き際としてマスコミでも江沢民の人事手腕を評価していたようだが、実際には江沢民の院政で胡錦涛はがんじがらめにされたとする見方も浮上している。香港のジャーナリスト、ウィリー・ラム(Willy
Wo-Lap LAM)によれば、本命は曽慶紅・前党組織部長(63)であり、江沢民は曽慶紅を次期後継者にするために胡錦涛を足掛かりとして利用している、というのだ。それ以前に江沢民は胡錦涛の病弱なことを示唆していたが、ここにきて胡錦涛は致命的な血液疾患を抱えている、との噂が流れている。これらの真偽は別にしても、胡錦涛が政治的にも短命に終わることを暗示しているかのようである。江沢民が最も嫌いかつ恐れていたのが李瑞環・全国政治協商会議主席(68)で、人民大会堂建設を指揮した棟梁として、その指導力は圧倒的な国民の支持を受けていた。李鵬(74)の後釜に全国人民代表大会常務委員長になると思われていたが、予想に反して引退させられてしまった。すでに「李瑞環落とし」は曽慶紅の筋書きだとの噂も広がり、今回の党大会で党政治委員会メンバー25人中16人が江沢民派閥で占められたといわれる現在、来年の春には国家主席となる胡錦涛が江沢民の院政にどう対処していくのか?見ものである。
【追加】今月11月の日誌から朝鮮半島に関するものをまとめた。
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【視聴予定】
選別対象局→NHK総合 NHK教育 テレビ朝日 日本テレビ TBSテレビ フジテレビ
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代 密着・外国人就労者の3カ月
■21:54-23:00 テレビ朝日 ニュースステーション 脱北者が語った北朝鮮極貧生活の惨状▽成田空港”エクスタシー”密輸摘発の現場を見た▽バイクでモンゴル走破した女性
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