<モスクワ劇場占拠>武装集団と政府の交渉続く 外国人5人解放
ロシアの首都モスクワで23日夜に起きたチェチェン武装勢力によるドゥブロフカ・ミュージカル劇場占拠事件は、24日朝から武装集団と政府側との交渉が続いているが、同日夕までに依然500人以上が人質に取られたままになっている。ロシア政府は対策本部を設置、プーチン大統領は26日からメキシコで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席取りやめを決めた。
人質の中には米国、英国、ドイツ人ら約70人の外国人が含まれているとみられる。武装集団は24日朝になって、外国人や子供の解放に向け、国際赤十字や国際医療団体「国境なき医師団」(本部パリ)との交渉を要求。赤十字の代表2人が同日午後、医薬品などを持って劇場に入り、この後、英国人ら5人が解放された。また、改革派連合「右派勢力連合」の日系女性議員、ハカマダ下院副議長らが個別に劇場に入り交渉を行うなど、事態打開を探る動きも出てきている。「国境なき医師団」も仲介役となることを表明した。プーチン大統領は「人質の安全を最大限考慮する」と述べ、当面、交渉によって打開の糸口を探る方針を示した。事件の長期化で人質は衰弱しているとの情報もあり、政府対策本部は飲料水や食糧の供給を働きかける方針だ。24日午前、武装グループが投げたとみられる手りゅう弾の爆発音が劇場近くで聞かれたが、けが人などは報告されていない。
【参照】
ロシアVSチェチェン紛争動向2002
劇場占拠事件略図
【関連サイト】
チェチェン&イングーシ(国境なき医師団)
チェチェン総合情報
【過去ログ参照】
ロシア軍がチェチェンのグデルメスを制圧1999
ロシアVSチェチェン情報-連続爆弾テロ2001
今のところ劇場を占拠したとされるチェチェン武装勢力の具体的な動きがつかめないので、参照として簡単な略図にとどめておく。詳しいことが分かり次第、随時更新していきたい。ちなみに冒頭の写真撮影場所を3DCGで推定してみた。およそ500人もの人間を人質にした例はこれまでなかったのではないか。武力制圧で一気にカタをつけたいロシア側が多数の人質が盾になって踏み込めないのはもとより、武装勢力側にとってもこれだけ大勢の人質を統制するには無理がある。食糧を補給してもすぐに底を尽くことから、今後数十人単位での人質解放が繰り返し行われると予想される。最終的には管理統制可能な人数に絞られてくると思う。それ以前に、彼らが自爆覚悟の破滅的な意志を表明しているように、劇場と観客丸ごと爆破する最悪のシナリオも考えられる。現時点で劇場内の様子は全く分からないが、大まかには観客を取り囲むように監視するグループ、それらを舞台上で観客の全容を把握監視するリーダーを含む主要グループ、外のロシア軍と対峙するグループとの三つに大別していると推測される。ロシア軍と対峙するグループでは、入り口付近を監視するグループと、屋上でロシア軍を狙撃するグループとに分けられるているのではないだろうか。そして、それらを統制するモフサル・バラーエフと思われるリーダーが参謀格らと共に舞台上で睨みをきかせている。劇場占拠事件は皮肉にも生死をかけた現実のドラマがいま開幕したようにも思えてくる。
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【視聴予定】
■21:00-21:54 テレビ朝日 運命のダダダダーン!「大富豪」
世界屈指の独身セレブが(秘)仮面舞踏会…デビ夫人発見▽富豪スパイ
■22:54-23:10 テレビ朝日 ニュースステーション
横田めぐみさんの15歳娘キム・ヘギョンさん▽人質500人以上…モスクワ劇場占拠速詳報
■23:50-24:00 NHK総合 読む 劇場占拠の背景
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