イスラエルVSパレスチナ
2002/8/22PFLP創立者、イスラエルへの攻撃強化を呼びかけ
[ダマスカス 21日 ロイター] パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の創立者、ジョルジュ・ハバシュ元議長は、アフマド・サアダト現議長の弟が20日に殺害された事件について、この報復としてイスラエルに対する攻撃を強化し、暫定自治政府とイスラエルの間の治安合意を破棄するよう、パレスチナの武装組織に声明で呼びかけた。
元議長は、モハメド・サアダト氏が殺害された事実は、イスラエルに対する武力闘争を加速させ、治安合意を阻止する必要性が証明されたことになる、と述べた。
さらに、「この犯罪へ応酬するため、シオニストの敵(イスラエル)との治安協力を凍結し、占領軍と入植者に対するわれわれ人民の武力闘争を強化するよう、全パレスチナ勢力に呼びかける」と述べた。(ロイター)
イスラエル軍、ハンユニス難民キャンプを攻撃
[ハンユニス(ガザ地区) 21日 ロイター] イスラエル軍が、ガザ地区のハンユニス難民キャンプを攻撃し、建物を破壊するなどした。
イスラエル軍のヘリコプターの支援を受けた同軍戦車がこの日未明に難民キャンプを攻撃、これによって家屋の下敷きになったパレスチナ人男性1人が死亡した。
キャンプの住民で攻撃を目撃したある住民は「上空にはヘリコプター2機が見えた。ヘリコプターは、家屋や道路に向けて機関銃で攻撃し、電線を切断した。キャンプ全体が闇に包まれた」と述べた。
イスラエル軍は声明を発表し「テロリストの銃撃拠点および隠れ家となっていた」空きビル2棟を破壊した、と述べた。(ロイター)
イスラエル、警官・消防士などに天然痘の予防接種を実施へ
[エルサレム 21日 ロイター] イスラエル保健省報道官は、同国政府が、警官や消防士、病院職員など1万5000人を対象に天然痘の予防接種を実施することを明らかにした。
ハダリ報道官は、イスラエルの治安担当閣議で予防接種の実施が決定したと述べた。
同国では、米国がイラクを攻撃した場合、イラクが生物兵器による報復攻撃の対象になる可能性を懸念している、(ロイター)イスラエル、ヘブライ大爆弾事件でハマスの実行部隊を逮捕
[エルサレム 21日 ロイター] イスラエル軍は、7月に発生したヘブライ大学の爆弾事件で、イスラム原理主義ハマスの1部隊を逮捕した。
イスラエルの国内治安機関の関係者は記者会見で、拘束された東エルサレムの部隊は、これ以外の爆弾事件にも関わっており、合計で35人の死亡に関与したとみられている、と述べた。
この部隊に属する容疑者5人は17日、イスラエル中部で新たな爆弾攻撃を行おうとしているところを発見されたという。(ロイター)ファタハ革命協議会、アブ・ニダル氏は暗殺されたと主張
[ダマスカス 21日 ロイター] パレスチナのゲリラ組織、ファタハ革命協議会(アブ・ニダル・グループ)は声明を発表し、指導者のアブ・ニダル氏の死因は自殺ではなく、ある国の情報機関に暗殺されたと主張した。
このなかで、「アブ・ニダル氏は不屈の闘志にあふれており、自殺する理由がみあたらない。いずれかの国の情報機関に暗殺されたものと考えている」と述べた。
そのうえで、「ファタハ革命評議会発足以来、われわれの活動がアラブ国家、あるいはアラブ国家間の関係においてネガティブな役割を果たしたという事実はない」と述べたうえで、イラクのフセイン大統領に対し、アブ・ニダル氏の死因に関する捜査を監督するよう要請した。<前米大統領>何かと話題クリントン一家 司会者や大統領候補?
米国の最高権力者の座を降りても、クリントン前大統領(56)の一家は何かと話題が多い。11月中間選挙の応援に忙しい夫人のヒラリー上院議員(54)は、民主党の「将来の大統領候補」の地位を固めつつあり、英国留学中の一人娘、チェルシーさん(22)の政界進出を期待する声も上がっている。そして米テレビは最近、前大統領をトーク番組の司会者に起用する交渉を始めたという。【ワシントン布施広】
米メディアによると、ヒラリー議員は既に全国的な政治組織づくりに着手し、次の次(08年)の大統領選への準備を始めたとの見方がもっぱらだ。ヒラリー議員の広報担当者は21日、毎日新聞に対し「現時点で議員が大統領選に出馬する計画はない。上院議員の職務に専念している」と語り、「全国的組織」については「それは何のこと?」と首をかしげた。
だが、将来の出馬を全面否定したわけではない。00年上院選でニューヨーク州から立ったヒラリーさんは、「落下傘候補」と批判された。当面はテロに見舞われたニューヨークの復興に努め、08年大統領選に備えるのが得策とヒラリー陣営は読んだのだろう。もともと04年大統領選は、高支持率のブッシュ大統領と戦うことになるため、民主党には苦しい選挙だ。
実際、ヒラリー議員は着実に力をつけ、保守系紙ワシントン・タイムズ(12日付)は、同議員を「民主党最大の兵器」と表現した。同議員が、中間選挙に出馬する民主党候補のために集めた資金は約46万9000ドル(6月末現在)で、党内では「稼ぎ頭」。ちなみに同党のダシュル上院院内総務は約26万9000ドルにとどまった。
ブルッキングス研究所のサラ・バインダー研究員は「女性の政治家は一般的に集金力に難があるが、ヒラリー議員は例外的。夫から受け継いだルートに加え、女性団体など自前の支持基盤を持っている」と評価しながら、「米国には『女性大統領』をタブー視する層もある。ヒラリー議員はなお高いハードルを越さねばならない」と指摘する。
一方、クリントン前大統領は、ヒラリーさんの大統領選出馬は時間の問題との見方を示し、「反ヒラリー」の空気が強いユダヤ系有権者を取り込むためか、7月末の講演で「イラクがイスラエルを攻撃するなら、私は銃を取ってざんごうに立てこもり、戦って死ぬ」と勇ましい発言をしている。
昨年1月の退任から講演ざんまいのクリントン氏は、60回の講演で、総額920万ドルを手にした(6月公表の連邦議会資産公開)。弁舌さわやかな前大統領にはテレビも注目、21日付ニューヨーク・タイムズ紙によると、CBSテレビがトーク番組の司会者に起用する交渉を続けている。クリントン氏側は年間3000万〜5000万ドルの出演料を求めている模様だ。
一方、英オックスフォード大の修士課程に在籍するチェルシーさんは、かつて父親の外遊にしばしば同行して人気を集めた。英誌が「セックス・シンボル」と表現するほど魅力的な女性になった彼女は、国際政治専攻ということもあって、「英国から帰ったら母親と同様、公職をめざせばいい」(クリントン氏の選挙参謀、ジェームズ・カービル氏)との声もある。
08年選挙では「ヒラリー大統領」「チェルシー議員」の誕生を、「司会者クリントン」が報じるかもしれない。(毎日新聞)