イスラエルVSパレスチナ
2002/8/20

<パレスチナゲリラ>アブ・ニダル氏が死亡 暗殺説も

 19日付のパレスチナ紙アルアイヤムは、パレスチナ・ゲリラの指導者として知られ、外国人相手の数々のテロに関与したとして国際指名手配されているアブ・ニダル氏が、イラクの自宅で死亡していたと報じた。65歳だった。遺体から銃弾が見つかり自殺とみられるが、一方で、カタールの衛星放送は暗殺だったと伝えた。(毎日新聞)

イスラエル軍、段階的撤退合意受けベツレヘム撤退

 【カイロ20日=久保健一】イスラエル軍は20日未明(日本時間20日午前)、同軍がヨルダン川西岸中部のパレスチナ自治区ベツレヘム市内から撤退したと発表した。パレスチナ自治政府が過激派取り締まりを行うことを条件とした18日の段階的撤退合意を受けたもの。同軍の撤退は、パレスチナ側の自爆テロが相次いだ6月に同市に侵攻して以来約2か月ぶり。これに伴い、パレスチナ治安警察官約100人が同市内に展開した。

 ベツレヘムからの報道によると、撤退は19日夜から始まり20日未明に完了した。しかし、軍は、市周辺に部隊をとどめ包囲を続けており、いつでも再侵攻できる態勢を取っている。ベツレヘムとともに先行撤退区域となったガザ地区からの撤退は同日未明現在、始まっていない。

 イスラエル側は今回の合意を「信頼醸成措置」(ベンエリエザー国防相)と位置づけている。パレスチナ側によるテロが発生することなく現在の小康状態が維持され、西岸の他の地域からの撤退に結びつくかどうかが今後の焦点となる。ただ、イスラム原理主義組織ハマスなどは自爆テロ継続方針を崩しておらず、予断を許さない状況に変わりはない。

 西岸では19日、北部ジェニン近郊で13歳のパレスチナ人少年がイスラエル軍戦車の砲撃で死亡、北部ナブルスでも軍とパレスチナ過激派の銃撃戦が発生するなど、小規模な衝突は依然続いている。(読売新聞)

ベツレヘムでの軍事行動は終了、包囲は続ける=イスラエル軍

 [エルサレム 20日 ロイター] イスラエル軍は声明を発表し、パレスチナ暫定自治政府との合意に従いベツレヘムでの軍事行動を終了したが、包囲は続けることを明らかにした。
 このなかで、「イスラエル国防軍はベツレヘム市内から撤退し、包囲するかたちで再配備についた。今回の再配備はパレスチナ側がテロとの闘いを進め、同時に通常の生活を取り戻すことを可能にすることを目的としている」と述べた。
 イスラエル軍は6月、パレスチナ武装勢力による自爆テロの頻発を期にベツレヘム再占領作戦を開始したあとも、市内に恒久的な駐屯地を建設することはしなかったが、巡回パトロールは続けていた。
 18日にはイスラエルのベンエリエザー国防相とパレスチナのアルヤヒヤ内相が会談し、イスラエル軍がガザ地区とベツレヘムから撤退し、パレスチナ警察が治安に責任を負うことで合意していた。(ロイター)

イスラエルが、米国のイラク攻撃をけしかけている=イラク外相

 [バグダッド 19日 ロイター] イラクのサブリ外相は、米国によるイラク攻撃から利益を得るのはイスラエルだけだ、との見方を示し、イスラエルが米政府を対イラク軍事攻撃に駆り立てようとしているとして非難した。
 外相はイラク国営衛星テレビ局とのインタビューで、「中東地域や世界でこうした攻撃の意図から利益を得るのは、シオニズム国家をおいて他にない」とし、「イラクは、米国のイラク攻撃計画を正当化するほどの損害を、米国の国益に与えていない」と述べた。
 そのうえで、イスラエルのシャロン首相率いる「犯罪的な」政府が、「悪の米政権を(イラク攻撃へと)計画的に駆り立て、後押ししている」と述べた。(ロイター)