2002/7/27-日本の原発動向
<訃報>飯田國廣さん76歳=東京大名誉教授
飯田國廣さん76歳(いいだ・くにひろ=東京大名誉教授)27日、急性気管支肺炎のため死去。葬儀は31日午前11時、埼玉県越谷市宮本町2の137の1の武蔵野さがみ典礼越谷葬斎センター。自宅は同市大泊524の11。喪主は妻相子(あいこ)さん。
金属疲労の権威。国の原子力関係の委員会に多数加わり、91年の関西電力美浜原発2号機の蒸気発生器電熱管破断事故では、国の調査委員長を務めた。(毎日新聞)
中電、信頼回復へ努力必死 点検対象の拡大−−浜岡原発水漏れ事故で /静岡
浜岡原発2号機で今年5月下旬に起きた炉水漏れ事故を受け、中部電力が26日、振動による金属疲労で対策が必要な121カ所に加え、1〜3号機の計9400カ所を点検対象に挙げたことは、中電が住民の信頼回復に必死になっていることを印象づけた。中電では「二度と同じ事故が起きないとは断言できないが、これで対策は十分だ」と主張している。
2号機では、振動により金属疲労が起こりうる小口径配管は約650本あり、溶接部は約4500カ所ある。このうち対策の必要な溶接部が856カ所あったが、他の原発サイトでの事故を受けて85年ごろから改修を始め、対策済みの813カ所を除く43カ所が残っていた。炉水漏れはこのうち1カ所で起きている。(毎日新聞)
県と関西の市民グループが脱原発講演会 あす鯖江市で /福井
県と関西の脱原発市民グループ「若狭連帯行動ネットワーク」は28日午後2時〜4時半、鯖江市水落町2のアイアイ鯖江・健康福祉センター大会議室で、講演会「終わりの時を迎えた原子力発電」を開く。世界的には原子力推進政策の見直しも検討される一方、県内では敦賀原発3、4号機の増設など、原発依存が続いていることから、原発を身近な問題として考えてもらうのが狙い。
講師は原子力発電の経済性などに詳しい長沢啓行・大阪府立大工学部教授。3、4号機増設する日本原電とはどんな会社か▽電力自由化で、電力会社は生き残れるのか▽原発の電気は本当に火力発電より安いのか▽大地震が敦賀・若狭の原発を襲ったらどうなるのか――など、専門家の立場から市民の疑問に答えてもらい、県や電力事業者などの主張も検証する。
資料代200円。問い合わせは同ネットワークの山崎隆敏さん(0778・42・3630)へ。 【横田信行】(毎日新聞)
漏水問題 予備プール、現状維持の方針示す−−日本原燃 /青森
原子燃料サイクル施設環境放射線等監視評価会議監視委員会(会長・木村守男知事)が26日、青森市であり、日本原燃は六ケ所再処理工場の使用済み核燃料貯蔵プールの漏水問題で、トラブルを想定した予備プールの増設を聞かれ、「増設は考えていない。きちんと原因調査して運用再開に全力を挙げる」と現状維持で進める考えを示した。また、貯蔵プールを製造した業者の製造責任については「調査結果が出てから検討する」と言及を避けた。
原燃が貯蔵プール漏水調査の報告をした後、委員からは「操業に支障をきたさないためにも、トラブルを想定した貯蔵プールの増設や使用済み核燃料中間貯蔵施設の検討が必要ではないか」と質問があり、原燃は「漏水は想定していなかったが、早く問題を解決してプールの使用を承認してもらえる方向で考えたい」と話した。【湯浅聖一】(毎日新聞)
<浜岡原発>金属疲労対策121カ所必要 炉水漏れ事故受け発表
中部電力浜岡原発2号機で5月に起きた炉水漏れ事故を受け、中電は26日、振動による金属疲労の対策が必要な溶接部が1、2号機を合わせて計121カ所あったと発表した。中電によると、これらについて亀裂の有無を確認する検査や疲労の評価を行い、問題があれば応力が集中しない溶接方法に変更するなどの措置を取る。(毎日新聞)