2002/7/17-日本の原発動向
核燃料格納容器運び込まれる−−中国電力島根原発 /島根

 中国電力島根原発(鹿島町片句)1号機の使用済み核燃料を日本原燃の貯蔵施設(青森県六ケ所村)に輸送するための格納容器が16日、同原発に運び込まれた。7月末から約1カ月かけて、原子炉建物内のプールに貯蔵されている使用済み核燃料110体(ウラン・プルトニウム約19トン分)を容器に収め、今年度第3四半期(10〜12月)中に六ケ所村に運び出す。
 容器は直径2・6メートル、全長6・3メートルの円筒形で重さ88トン。1基で22体を収納。ステンレス鋼や中性子遮へい体などで放射能漏れを防ぐ。この日は格納容器5基を積んだ専用の輸送船が原発構内の港に接岸。銀色に光る容器を作業員らがクレーンなどでトラックに荷揚げし、放射性廃棄物を処理・保管するサイトバンカ建物に運び込んだ。
 同原発では、これとは別に9月までに、使用済み核燃料34体を核燃機構の再処理センター(茨城県東海村)に運び出す。 【阿部雄介】(毎日新聞)
ヨウ素剤、県内全域に配布へ−−被ばく・甲状腺がん防止 /茨城

 ◇子供向け錠剤開発も国に要望
 被ばくによる甲状腺がんなどを防ぐ「ヨウ素剤」の服用基準を国が改定したことを受け、県緊急時医療専門委員会(委員長、大倉久直・県立中央病院副院長)は、原子力事故があった際には速やかにヨウ素剤を配布するための具体案づくりに着手した。ヨウ素剤はこれまで、原子力関連施設が集中する東海、大洗地区の9市町村に配置されていたが、配置場所を県内全域に広げ、避難先でも入手できるように改善することなどを検討し、今年度内に県独自の配布マニュアルをまとめる。【塚田健太】
 国の新基準は、7歳未満に与えるヨウ素剤をこれまでの錠剤から、飲みやすくするためにシロップを加えた液剤に切り替えた。しかし、液剤は長期保存ができないため、事故時に粉末を保管場所から保健所などの衛生的な場所へ運び、シロップに溶かす作業が必要になる。このほど開かれた委員会で、「速やかな服用が望ましく、運搬時間は無視できない」として、子供向けの糖衣錠開発などを国に要望することで一致した。
 ◇独自マニュアル、今年度内に作成
 また、新基準で「飲む必要なし」とされた40歳以上の人から、事故時にヨウ素剤を求められて現場が混乱する恐れがあるため、「ヨウ素剤は若年層に起きやすい甲状腺障害を予防するもので、放射線障害すべてを防ぐものではない。副作用もある」といった内容を国レベルで日常的に啓発すべきだとした。県は同委員会から受けた指摘を、今年中に国がまとめる「ヨウ素剤取り扱いマニュアル」の検討委員会へ提出するとともに、県独自のマニュアルづくりにも反映させる方針。(毎日新聞)