1998年4月の日誌
1998/04/30、木曜
- 櫻井よしこ女史が『週間新潮』4月23日号の中で日本外交を手厳しく非難している。題して「中国の掌で踊る日本外交の罪」54〜58頁。のっけから『やがて中国との戦いがはじまる』というアメリカ本が紹介され、アメリカは日本に対して「永久に戦略的に従属させておく」ことで対中国戦略を図っていく趣旨が述べられている。そして昨年七月の加藤紘一幹事長発言「中国に数百倍の軍事的能力があっても本気で心配していない」が、いかに時代錯誤的な楽観主義であるかを非難するのである。95年11月、江沢民主席と韓国の金泳三元大統領の共同記者会見の席上、金泳三はこう言ったのである。「今度こそは日本を必ず攻めさせる」と・・・これを櫻井女史は『凄まじい反日姿勢』と表現する。「攻めさせる」の真意が軍事的示威を指すものか、それとも単に経済戦略を示唆するものかは判断しかねるところである。93年、イギリスの雑誌エコノミスト新年号は「日本が核装備をはじめようとしたとき、中国のミサイル潜水艦が東京湾に核ミサイルを一発撃ち込んだ」なる物騒な架空シナリオを載せている。ここでも日本は先の加藤幹事長いわく「本気で心配しない」であろう。そして櫻井女史は「強大な中国と、よい関係を結ぶために、疑うことさえ知らぬかのような善意に溢れたアプローチで十分か。このナイーヴさで日本はもつのか」と心配するのだ。彼女はさらに「中国の対日政策の意図を、日本は全身全霊の英知で読みとらなければならない」と続ける。日本外交の甘さが至る所で露呈している現在、それが国民の生命財産がかかっているという認識の欠如であるとすらなら、事は重大であろう。
- しかし同時にこうした論調にありがちな危険性も考えねばならないだろう。「強大な中国に対するには強かな外交手腕が問われる」というところから「有事への対処」へと直進することの危険である。櫻井女史の意図するところは何処にあるのか、それに触れていない点が気がかりである。逆に、元々日本に外交手腕なぞ無に等しいと、腹をくくってしまうほど楽なことはない。
1998/04/29、水曜
英金融グループHSBCが日本で投信販売へ
- 香港上海銀行やミッドランド銀行を中軸とする英国の国際的な金融グループ、HSBCグループは、日本の投資信託市場に参入する方針を決め、大蔵省に免許申請した。年内にも日本の銀行や証券会社を通じて投信の販売に乗り出す。同グループの持ち株会社、HSBCホールディングズの次期CEO(最高経営責任者)に昇格するウィットソン・ミッドランド銀行CEOが、朝日新聞社のインタビューで明らかにした。HSBCグループは香港上海銀行やミッドランド銀行などグループ内の銀行を通じて、米国、カナダ、英国、香港、シンガポールなどで投信を販売している。日本でも12月から銀行の直接販売が認められるのを受けて、証券会社だけではなく、複数の銀行と交渉している。「お客と親密な関係のある銀行が販売をてがけることで、証券会社との競争も促進され、日本でも投信市場は拡大する」(ウールハウス・HSBC投資顧問アジア・太平洋市場開発部長)とみている。【朝日新聞より】
- アメリカの大御所メリル・リンチに続いて、今度はイギリスの大手信託会社HSBCグループが日本に侵攻してきた。中軸のミッドランド銀行はイギリスの五大銀行の一つで、その子会社に金価格の決定権をもつ「サミュエル・モンタギュー商会」がある。創業者のサミュエル・モンタギュー(Samuel Montagu)はエレン・コーエン(Ellen Cohen)を妻としているが、このコーエン家はイギリス最大の織物商として「ウェスト・ミンスター銀行」をも支配している。ウェスト・ミンスター銀行の創立者はデヴィッド・サロモンズ(David Salomons)であり、その妻ジャネット・コーエン(Jeannette Cohen)を通じて一大ファミリーを形成している。しかもコーエン家から輩出したジュリアナ嬢は何とロスチャイルド家に嫁いでいるのである。ミッドランド銀行はさらに怪しい光を放つ。イギリス国防大臣ウォルター・モンクトン(Walter Monckton)はミッドランド銀行の会長も兼ねていたが、同時にカイロ情報局長という顔をもつ。そうした経歴がイラク石油会長の椅子を引き寄せていく。こうした背景を考えれば、日本に侵攻するイギリスの大手信託会社は、それらを統括するロスチャイルド財閥の食指が伸びていることにも気付くのである。
- HSBCグループのもう一つの中軸「香港上海銀行」は元々アーサー・サッスーン(Arthur Sassoon)が設立したものである。その父親が悪名高きアヘン王デヴィッド・サッスーン(David Sassoon)であり、中国をアヘンまみれにした張本人である。その長男アーサーと次男のアルバートの血にロスチャイルド家の血が注がれていく。つまり血縁となる。インドのロスチャイルド家と言われる所以である。そのサッスーン一族からローレンス・カドーリーを輩出して香港経済を動かしていく。返還後の香港も実質的には彼ら、ロスチャイルド一族の影響下にあることは言うまでもない。それを良く知っているトウ小平は知恵袋のロータクシンを中国経済の要として起用し、ロスチャイルド一族のカドーリーと協力体制にあたらせている。93年にそのカドーリーが死亡し、現在は息子のマイケルが香港を引き継いでいる。ローレンス・カドーリーの母親はラウラ・モカッタといい、金価格の決定権をもつ「モカッタ・ゴールドシュミット商会」の一族でもあった。こうしてHSBCグループの中軸ミッドランド銀行と香港上海銀行にはロスチャイルド財閥の影がつきまとっている。
1998/04/28、火曜
- タイ偽ドル事件の田中被告が「殺されかけていた」ことを例のキツネ目の男・宮崎学氏が暴露している。「黒社会」を通じて得た情報とのこと、ある意味でこれほど確かな情報はあるまい。この事件にはアメリカ財務省はもとよりCIAも絡んだ国際的な組織の影がたえずつきまとっている。宮崎氏の奮闘に期待するばかりだが、闇から闇に葬り去られる公算も大きい。私も別の視点からこの事件を分析していきたいと思っている。
- 日本の構造不況が我がオンボロ会社にも暗い影を落としてきた。ここ10日ばかり全く仕事が入らなくなった。夏になれば別口の仕事で何とか急場をしのげる見通しでいるが、何が起きてもおかしくはない状況である。その覚悟はできている。ある組織から総会の勧誘もあったが、一匹狼の私の組織嫌いは徹底している。酒宴の場なら顔を出す、と言っておいた。何を言い出すか分からない私のこと、遠慮した方がよさそうだ。言いたいことは山ほどあるのだが。
- 連日の目眩に不安がつきまとっている。人間とは弱いものだとつくづく思い至っている。若い頃はあれほど体力に自信があっても、老いは確実に肉体を蝕んでいく。団塊の世代、まだまだ若いもんには負けない気概だけが辛うじて私を支えている。この国を担うべき世代のこと、あまりにも過酷な未来が見えればこそ、生きている今、やっておきたいことがある。それまでは死ねない。
1998/04/26、日曜
- サンデープロジェクトでも環境ホルモンが取り上げられていたが、『週刊現代』4月25日号でも「虫歯の詰め物に猛毒・環境ホルモンが使われている!」という記事がある。丸橋歯科クリニック院長の告発が話題になっているのだが、歯の詰め物に環境ホルモンのビスフェノールAが使われているというのだ。歯を治療したことのある多くの日本人が食事をするたびに環境ホルモンも摂取していることになる。こうした丸橋院長の警告に、日本歯科医師会は「ビスフェノールAを含有する充填材は、国産、輸入品を問わず存在していない」と否定している。確かにビスフェノールAそのものは使われていないが、化合物であるビスGMA(ビスフェノールA誘導体)は柔軟剤として充填材に使用されている。このビスGMAは高温や強アルカリ、酸性などの状況下でビスフェノールAに分解してしまう。ではなぜ危険な充填材を歯科医師たちは使い続けるのか。それは安全なセメント素材の充填材は割高であり、虫歯の溝を埋めるCR(コンポジット・レンジ)や子供の虫歯予防に使われるのシーラントなどプラスチック製は点数が稼げるという理由で使用されているにすぎない。歯科医師たちの利益のためには患者の健康が度外視されていいものだろうか。
1998/04/24、金曜
- 4月10日、吉沢前課長の逮捕で引責辞任した松下康雄・前総裁が3400万円、福井俊彦・前副総裁が6100万円の退職金が支払われた。日銀幹部にしては意外と少ないと思われた人もいたと思う。しかし実際にはこの時の退職金は2度目の退職金であり、彼らは局長から理事に昇進する際にすでに1度目の退職金を手にしているのである。福井前総裁を例にあげると、局長を辞めた時点で5000万円の退職金をもらい、2度目の退職金と合わせると1億円以上になる。つまり日銀は「二重退職金」を出していたことになる。こうした疑問に対し日銀の広報課は「日銀の職員は雇用契約、役員は委任契約であり契約関係が異なる。雇用関係が終われば退職金を払う民間企業と同じで問題はない」と突っぱねる。日銀職員は公務員と民間の中間的存在の「みなし公務員」であり、そうした特権を盾に二重退職金は合法だと言うのである。しかも「一回目の退職金(雇用契約)についてはプライバシーに触れるから具体的な退職金額は公表しない」とまで言う。さらに日銀マンには退職後の天下りが待っている。天下り先の高給の後に控える退職金を考えると「三重退職金」となる。こうした日銀が日本経済の頂点で指導しているのだ。国民の窮状を汲み取るだけの温情が日銀には欠落している。卑しい公僕というべきか。以下、今後「三重退職金」が約束されている理事6人を列記する。
永島旭 |
58 |
日銀プロパー |
理事。93年〜 |
本間忠世 |
57 |
日銀プロパー |
理事。94年〜 |
米澤潤一 |
57 |
大蔵省出身 |
理事。94年〜 |
安斎隆 |
57 |
日銀プロパー |
理事。94年〜 |
鴨志田孝之 |
58 |
日銀プロパー |
理事。95年〜 |
木下栄一郎 |
56 |
日銀プロパー |
理事。96年〜 |
- 【参考『週刊現代』5月2日号「恥知らず日銀は二重退職金まで出していた!」36〜38頁】
1998/04/23、木曜
日銀支店長宅は広すぎる?、衆院行革特別委で論争
- 「首相公邸より広い支店長の社宅が必要なのか」「緊急時に仕事ができる場所は必要だ」。22日の衆院行政改革特別委員会で、日銀大阪支店長の社宅がやり玉にあがった。質問にたったのは平野博文氏(民主)。敷地は3688平方メートル、阪神大震災後に建て替えられた家屋は鉄筋コンクリート2階建てで延べ床面積439平方メートルという社宅について「首相公邸もこんなに広くはない。社会常識からかけ離れているのではないか」と批判した。これに対し、日銀の本間忠世理事は「地震など緊急時の対応や大阪支店長の役割を考えれば(広さの)意味があると思う。全部が生活の場ではない」などと反論。平野氏が改善を迫っても「改善すべき点があれば」とかわした。【朝日新聞より】
- およそ1000坪の敷地にどんな「広さの意味」があるというのだろう。「地震など緊急時の対応」と言うなら、それをそっくり寄付したほうがいい。上の「大手銀行の老害リスト」の面々も、玄関に辿り着くのに難儀するほどの豪邸の持ち主が溢れている。日銀の水増し給与疑惑もここで書いたが、どうやらうやむやに終わりそうな気配を呈してきた。銀行の中の銀行と称される日銀にあっては、汚点は決して許されるべきものではなく、事実を隠蔽しても日銀は日本経済基盤の頂点に揺るぎなく位置するものであるかのようだ。ついでだからその日銀本丸を少し揺さぶってみたい。
- 日銀が最高機密にランク付けする資料に『情勢判断資料』がある。これは『日銀短観』と並ぶ最も機密性の高い最重要書類扱いされているようだが、実際にはこの最高機密が大手金融機関にすっかり漏れてしまっている。収賄罪で逮捕された日銀営業局の吉沢保幸前課長も、接待の見返りに「情勢判断資料」を日本興業銀行に漏らしていたと言われている。そもそも「情勢判断資料」は日銀の調査統計局で作成するものだが、それこそ各金融機関の機密性の高いデータが集まる心臓部である。経済予測には欠かせない判断資料としては国のお墨付きの超一級資料ともいえる。これを各金融機関のBOJ(日銀)担当は虎視眈々と狙い、ために接待漬けなどあらゆる手段で手に入れようとしている。最も有効な手段は日銀の調査統計局へ直接出向者を送り込むことである。現在判明しているだけで5人があげられる。以下。
Y・Y、経済調査課景気分析グループ、東京銀行から
K・H、企画調査課企画調査グループ、富士銀行から
宍粟と豊能の焼却施設で測定数値を低くおさえる工作か?
- 基準値の20倍近くのダイオキシン汚染で再調査を行った神戸市千種町の宍粟環境美化センターで、調査にあたって炉を作った三井造船から届いたのが運転マニュアルだった。測定の前に「急にはダイオキシンの濃度が低くならないので、調査の二日前から低減運転に入る」とあるほか、本来は運転をしていない夜間も油で空炊きするなど、厚生省の指示に反し普段とは違う運転条件で測定が行われていた。一方、能勢町の焼却施設(豊能郡美化センター)でも三井造船が作った炉で同じように調査前の空炊きが行われている。三井造船は「炉を改良するための調整運転だった」と話しているが、測定数値を低くおさえる工作だったのではないかという疑惑が出ている。【TBSニュースより】
- ダイオキシン問題でも原発同様、ついに隠蔽工作が発覚した。三井造船が作った焼却炉そのものが当初からダイオキシン除去能力がなかったのではないか、とさえ疑わせてくれる。この件に関しては重大な問題と考え、今後随時追跡していきたいと思う。人の命を何だと思っているのだろうか。
1998/04/20、月曜
- 朝日の陽光に映える姫リンゴの白い花が美しい。美しいと思う私の心を、まるで感じているかのように咲き誇る花のこと・・・自然の営みの素晴らしさを実感している。人間のやることはやはり自然にはかなわない。どんなに理想を追い求めても、人間の作る社会はどこか綻び、そして崩壊するようになっているようだ。洪水を防ごうとして河川をコンクリートの防御壁で囲み、それがかえって河川に生息する植物や魚たちを絶滅に追いやり、河川の流れを早めては新たな危機を招いてしまう。それに気付いて自然な環境を作ったと思っても、それが人間の知恵である限りにおいて、河川はそれをぶちこわすかのようにあらぬ方向へと進展する。人間のもつ自然観が自然そのものによって問われ、そして破壊される。いつしか人間は自然への関わり合いを忘れていたようだ。何も手を加えない、あるがままの自然を受け入れながら、その自然によって生かされている人間のことを考えるべきかも知れない。人間もまた自然の一部として・・・なるようにしかならない、なるようにしてなった流れの中で。
- リンクの申し込みが相次いでいる。つたないホームページで恐縮するばかりだが、やはり嬉しい。「めーる・まがじん」の登録者も確実に増えている。不定期ということ配送が遅れがちで申し訳なく思っている。私も「あれもこれもやりたい」というところから「これだけは言いたい、伝えたい」という考えに変わってきている。知っていて書くのではなく、知らないから調べる過程の中で自分で勉強しているつもりでいる。ご存じのように決まったテーマはない。日々起こること、考えたことをそのまま書いている。いつも心を動かしていたい。
-
1998/04/18、土曜
- 沖縄県読谷村(ヨミタンソン)に住むアントニー道子さん(主婦34歳)は、ある日、娘の真弓ちゃん(9歳)の右腕の全体に広がる赤い発疹に気付く。やがて娘の通うアメリカンスクール「オキナワ・クリスチャンスクール・インターナショナル」(OCSI)に通学する子供たちに娘と同じような症状を発見する。目ヤニに溜まって目が開けられない、口内炎が15カ所もできた、唇が腫れ上がった、咳がとまらず吐き気がする・・・こうした子供たちが原因は学校にありとして退学したとたん治ったという例が続出する。このアメリカンスクールは米軍関係者と日本人女性の間に生まれたハーフの子供など、幼稚園児から高校生まで約350人の生徒が通っている。産業廃棄物処分場だった敷地に96年に建てられたもので、建設のためのボーリング調査では廃タイヤや木クズが見つかっている。コザの保健所は言う。「硫化水素、アンモニア、メタンガスなど検出されたが、いずれも基準外で問題はない」どこかで聞いたような返答である。保健所は「廃棄物は無害なもの」としているが、何より子供の症状が異常を物語っている。それを無視するかのように保健所は続ける。「あくまでも木クズが発熱しているに過ぎず、それらの化学物質は成分調査の対象外である。県の要請があれば再調査するが、今のところは予定にない」子供たちの症状からダイオキシンやカドミニウムの汚染も予想されている。親の訴えをよそに保健所や学校が何の対策もこうじていないのに業を煮やし、危険を感じた生徒たちは一年間で約100人も学校を退めていった。当然のことであろう。保健所の安全を信じたら死んでしまう。いや、殺されてしまう。その時、責任をとるのは誰なのか?【参考『週刊現代』4月25日号「産廃のガスで生徒が100人退めた!」38〜39頁】
1998/04/17、金曜
池の泥から高濃度ダイオキシン
- 大阪府豊能郡能勢町の焼却場「豊能郡美化センター」敷地内の池の泥から、猛毒物質のダイオキシンが1グラム当たり2万3000ピコグラム(ピコは1兆分の1)検出されたことが、16日分かった。昨年11月、焼却場に隣接する府立能勢高校の農場で2700ピコグラムが検出されているが、過去最悪とされたこの数値を大幅に上回った。焼却場を運営する能勢町と豊能町でつくる豊能郡環境施設組合(管理者・南殿利正豊能町長)が、財団法人・関西環境管理技術センターに委託して再調査していた。昨年、高濃度のダイオキシンが検出された農場のクリ林から南方へ約5キロにわたって、48カ所で土壌を中心に調査した。その結果、焼却場の煙突から約100メートル離れた池の底の泥から2万3000ピコグラムが検出された。土壌では、焼却場南部の法面(のり・めん)から8500ピコグラム、4地点の水田土壌で55―110ピコグラムが検出された。ダイオキシンは排ガスに対する規制はあるが、土壌汚染の危険性について国の基準はない。厚生省によると、ドイツでは40ピコグラムを超えると農業利用の制限、100ピコグラムだと幼児の遊戯の制限、1万ピコグラムだと土壌交換が必要という。
- とんでもないと言うか、予想されていたと言うか、日本列島はダイオキシン汚染列島と化した感がある。『週刊現代』4月29日号34頁には「日本全国54カ所に枯葉剤(ダイオキシン)が捨てられていた!」とするショッキングなレポートが載っている。71年に林野庁が作成したもので「2、4、5−T系除草剤の埋設箇所と数量」と題された資料には全国54カ所の地名と数字がつけられている。埋設方法について長官通達では「一カ所あたりの埋設量は300キログラム以内。セメント1、水0.6、土4に、埋設する枯葉剤の10倍の量の土を練り込んで、コンクリート詰めにする」との指示を出している。しかし実際には杜撰な埋設が行われ、84年に愛媛県津島町八面山で枯葉剤を缶に入れ、ビニール袋で包んだだけで放置されたダイオキシンが大量に流出した。慌てた林野庁はかたちだけの調査を開始、14年を経た今、次のように返答する。「84年に全て調査して問題なしの判断を下した。専門家の話では毒性は1〜2年で半減するとのこと、埋設から30年も経っているので無害だと思っている」。これには嘘がある。実は同じ84年に愛媛大学農学部の脇本教授が調査したところ、半数を超える29カ所が通達どおりの処理を行っていなかったのだ。岩手県だけを例にあげても、埋設地は一カ所にまとめて確保されていたわけではなく、21カ所に分散して埋設されており、一カ所の所在が不明になって調査もできなかった。文書の保管期限10年が過ぎたので記録がないという自治体まである。780万人分の致死量があるといわれる猛毒ダイオキシンは、林野庁の「30年で無害になる」とは裏腹に母乳から乳児に濃縮して伝達されていく。4月7日現在、厚生省は乳児がダイオキシンを摂取する量は許容摂取量の6〜7倍に及ぶとの中間報告を発表している。
- 枯葉剤の埋設場所54カ所
北海道 |
遠軽町 |
愛知県 |
設楽町 |
大分県 |
別府市 |
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清水町 |
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小原村 |
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玖珠町 |
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夕張市 |
高知県 |
安芸市 |
宮崎県 |
日之影町 |
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標茶町 |
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北川村 |
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西都市 |
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足寄町 |
|
大豊町 |
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須木村 |
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帯広市 |
|
本川村 |
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高岡町 |
|
広尾町 |
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東津野村 |
|
田野町 |
青森県 |
小泊町 |
|
窪川町 |
|
高崎町 |
岩手県 |
野田村 |
|
西土佐村 |
|
串間市 |
|
岩泉町 |
|
宿毛市 |
|
えびの市 |
|
川井村 |
|
土佐清水市 |
鹿児島県 |
大口市 |
|
雫石町 |
愛媛県 |
西条市 |
|
吉松町 |
福島県 |
会津坂下町 |
|
西河村 |
|
川辺町 |
群馬県 |
沼田市 |
|
松野町 |
|
内之浦町 |
|
中之条町 |
|
津島町 |
|
上屋久町 |
山梨県 |
甲府市 |
広島県 |
総領町 |
熊本県 |
北部町 |
岐阜県 |
小坂町 |
佐賀県 |
東脊振村 |
|
宇土市 |
|
下呂町 |
長崎県 |
福江市 |
|
芦北町 |
1998/04/16、木曜
アメリカ元商務長官のスタンズ氏が死去
- モーリス・スタンズ氏(元米商務長官)は14日、心不全のため、アメリカ・ロサンゼルス近郊の病院で死去、90歳。68年にニクソン選挙本部財務委員長として選挙資金調達役を務め、同政権下で商務長官となった。72年の大統領選挙では、同大統領の再選のため61000万ドル(現在のレートで約78億円)以上の選挙資金を集めたとされるが、ウォーターゲート事件に関連した不正献金問題で起訴され、有罪を認めた。
- テキサスの石油会社代理人としてのモーリスが、多額の選挙資金を集めるのは比較的容易だったと思われる。テキサコ(モルガン系)、ガルフ石油(メロン家=ロックフェラー系)と、アメリカ二大財閥の代理人でもあったわけです。ロックフェラー財閥と盟友関係にあるガルフ石油の持ち主メロン家は、他にアルミニウム会社とコパーズ・ユナイテッド社を保有し、さらに10社以上を傘下に収める財閥である。モーリス・スタンズはニクソン政権下で商務長官を務めているが、ユナイテッド・カリフォルニア銀行の副会長でもあった。この銀行の親会社はスタンダード石油カリフォルニアで、これはロックフェラー財閥の持ち物でもあった。またモーリスが代理人となっていたテキサコの子会社にはシェブロン・テキサコがあるが、この会社がカルテックスと合併しながら今や日本の石油会社を呑み込もうとしている。
興亜石油にカルテックス系の新社長誕生
- 石油精製大手の興亜石油は15日、瀬川雅夫社長が辞任し、後任には同社に50%出資しているメジャー(国際石油資本)系のカルテックス・ペトロリアムからドナルド・J・ロマノ氏が就任する人事を内定した、と発表した。6月26日の株主総会後の取締役会で正式に決める。同社でメジャー系の人物が社長になるのは初めて。また今回の役員改選により過半数がカルテックス系になり、メジャー色が一段と強まる。カルテックスはメジャーのシェブロン、テキサコが折半出資する合弁会社。瀬川氏は1991年6月に社長に就任しており、任期を1年残して4期目の途中での交代となった。現在の役員構成は、興亜石油7人、カルテックス系7人だが、今回の役員改選では定数を3人減の11にし、うちカルテックス系が6人になる。
- 興亜石油にメジャー系の社長が就任する以前に、興亜石油の筆頭株主はカルテックスで25%もの株を押さえられている。副社長はじめ常務2名がすでにカルテックスから派遣された外国人であった。さらにカルテックス系が増えるとニュースが伝えていることから、東亜石油は事実上メジャーのものとなったことが分かる。カルテックスもテキサコの支配下にあるとすれば、そのテキサコを持つモルガン財閥が日本の東亜石油を買収したという見方もできるかも知れない。その代理人モーリス・スタンズ元商務長官が亡くなった翌日に、日本の東亜石油の社長に国際石油資本であるところのロマノ氏が就任したことになる。興亜石油は今年の夏から約14万キロワット分の石油を関西電力に供給することになっている。日本の石油会社が実質的なメジャー配下になった例として昭和シェル石油があげられる。昭和石油は85年にシェル石油と合併して「昭和シェル石油」となったが、46%もの株が外資系に押さえられていては日本の石油会社とは言えまい。東亜石油と同じ運命を辿りそうな会社に「東燃」がある。ここも筆頭株主は外資系で占められ、取締役の椅子にメジャー系2名が座っている。弱体化した日本がこうしたかたちで国際金融資本に呑み込まれていくのは必然とも言えよう。
- 昨夜のテレビでキエフのチェルノブイリ博物館が紹介されていた。放射能が原因と思われる奇形動物も二つばかり出てきたが、一枚の家畜は牛と判断できるが、もう一枚の小動物の奇形はどう見ても人間の赤ちゃんに見えて仕方がない。いずれも原型をとどめない奇形だが、こうしたことが人間にも起こっていることは容易に推察できよう。出産時に処分された赤ちゃんもかなりいるのではないか。人間の原罪がここにあるような気がする。時間がかかると思うが写真はここにあります。
1998/04/15、水曜
日銀、為替介入の資金確保で米国債を大量売却か
- 円安是正のために先週末にかけて、外国為替市場で大規模な円買い・ドル売りの介入を実施した政府・日本銀行が13日、ドル売り介入の資金を調達するため、保有していた財務省証券(TB)をニューヨーク米国債市場で大量に売却した模様だ。為替の決済が迫ったための大量売却らしい。市場関係者は「先週末の介入規模にほぼ等しく、最大150億ドル相当が売られた」とみている。政府・日銀の外貨準備高は3月末時点で約2235億ドルで、この推測が正しければ、準備高の7%近くを先週の市場介入に使った勘定だ。中央銀行が大量の米国債を短期間で売却するのは珍しいため、「今後の市場介入の資金も確保したはず」という憶測を呼び、主要7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)を控えた外為市場を一層神経質にさせた。日銀の売却で米国債相場は急落し、3カ月物の財務省証券の利回りが0.1ポイント高の5.15%に上昇する「副作用」もあった。米経済の安定運営を望む米金融当局は、この程度の金利上昇なら前向きに受けとめる、との債券市場の見方もあり、関係者からは「売却のタイミングも悪くないはず」という声も出ている。【ニュースより転載】
- 上のニュースは、日銀が円安是正に大量の円買いドル売り介入をしたことで、米国債相場が急落したことを報じたものだが、今回は日銀が財務省証券を大量に売却したことで特別な意味がある。一般的にアメリカ国債はトレジャリー(財務省証券)と呼ばれているが、これを日本は71年当時から大量に買ってきた。財務省証券は償還期限まで無利子であり、30年物であれば30年後まで利息は払われない。これを大手企業一社で約1兆円ぐらい買っていたといわれている。今度の日銀の売却額150億円は、仮に1ドル200円当時に買ったとして約3兆円が支払われたことになる。そして今は1ドル100円の時代になっている。つまり利子は全くつかない。アメリカ国債の三割も買っていた日本は元本だけしか返ってこない一方、その元本に相当する利息は全てアメリカへと流れてしまったのだ。アメリカで国債を売り出す時にはドル安になり、日本が国債を買ったとたんにジリジリと円高になっていく。このパターンに日本が気付くのが遅すぎた。【参照『兜町の妖怪』204〜206頁】さらに追い打ちをかけるように金融ビックバンで国民の資産が海外に導かれていくことになる。ここで「トッテンズ・レター」で紹介されたのエコノミスト、ハドソン氏の言葉を思い出してみよう。彼は次のように言ったのだ。
- 「貯蓄が日本国外へ流出するにつれて、円のドルに対する価値が下がる。資本が国外へ流出すれば日銀は財務省証券を売却するであろう。その結果、日本は財務省証券から米国の株式市場へシフトするであろうが、米国企業の持ち株比率を過半数にすることはできず、支配権なしの所有となるであろう」
- 乱暴なことを言うようだが、今なら日本はアメリカにどんでん返しの報復を与えることができる。アメリカ国債であるところの財務省証券を全てアメリカに売却してしまうのである。それこそアメリカ国債の三割を占める日本しかできないことであろう。とたんに世界金融システムは崩壊し、結果的に世界大恐慌を早めるだけだろうが。
1998/04/14、火曜
- 接待疑惑を上回る日銀の水増し疑惑が浮上した。日銀は銀行の中の銀行として多い日には10兆円の現金を日本経済に供給し、金融の総本山として君臨してきた。JNNが日銀の水増し疑惑をキャッチしたのは一ヶ月前、接待汚職に揺れていた3月上旬だった。それは大蔵省などに報告する職員や厚生費の数をごまかすといった巧妙かつ大胆なものだった。日銀の決算報告によると日銀給料支払額は一人平均約1100万円、実際の日銀の職員数は報告より少なく水増しの疑惑が持ち上がったわけである。バブル発生前の80年代半ば、大蔵省の厳しい経費減要求の中に日銀は頭を痛めていた。給与を減らすと民間なみの給与水準が保てないためである。給与を下げず大蔵省に経費削減を認めてもらうための方便、それが含み人員といわれる職員の水増しだった。 これまで日銀職員の給料は高すぎるという非難があり、それを切り下げる一方、職員の水増しといった手口で高給が保証されてきた。日銀が大蔵省に報告していた職員数は約6000人、その1割が架空の存在だった。水増しされた給料は職員みんなに配分され、その額は10年間以上で約500億円に達するものとみられている。紙幣の発行元である日銀には毎年およそ2兆円の発行利益が入ってくる。1万円札の製造原価は約20円、一枚発行するたびに9980円が日銀に残る。つまり日銀は紙幣を発行するたびに毎年2兆円の利益をあげていることになる。(関連・貨幣博物館)しかしこの利益は日銀の独占的な発行権限がもたらしたもので、人件費、経費、積立金を除いたこれらの発行収入は国庫へ納めることが法律で決められている。旧日銀法第37条では「経費は大蔵省の認可を受けること」として定められており、今回の疑惑は経費の虚偽報告、つまり日銀法違反の恐れがある。それより問題となるのは、給与の水増しによって国庫への納付金が減らされていたことになり、その分国民の税負担が増え、水増しではすまされない重大な問題となる。これらに関し日銀幹部は否定し続けている。【TBS系「JNNニュース」より抜粋】
- TBSのスクープということで、このニュースが今朝の新聞に載るかどうかは知らない。世も末だと思うばかりである。いかに日銀幹部が知らぬ存ぜぬを決め込んでも、いずれ事実は明らかにされるだろうし、また明らかにされなくてはなるまい。それでなくては税金を納める国民感情がそれを許さないだろう。日銀ばかりではなく大蔵省も知らなかったではすまされまい。グルになって国民を騙してきた疑惑すら感じるからだ。ドロボー国家ニッポンここに極まれり、とりあえずもっと詳しく検証してみたい。
- 今年4月から施行された日本銀行法だが、戦時立法の国家統制力の強い日銀法が65年ぶりに改正されたものであった。日本銀行は特殊法人ではなくれっきとした株式会社で、最大の株主は大蔵大臣となる。日銀総裁は大蔵省との「たすきがけ人事」で、大蔵省の天下りは禁じられている。日銀は元々1882年に通貨の安定供給とインフレ抑制にのためにつくられた。また日銀法改正にあたっては当初から大手都銀なみの給与体系の見直しが盛り込まれていた。これが今回の日銀の水増し疑惑で新たにスポットライトを浴びることとなった。それについて日銀幹部は一様に否定しているが、いずれ事実が明らかにされることを予想して、現段階での彼らの言葉と後の弁明を比較されたい。
- 速水優・日銀総裁「そんなことは知らない。いや知りませんよ。そんなこと聞いたこともない」
- 福井利彦・前副総裁「そんなことはない。もちろん私は何も聞いていません」
- 横内竜三・人事局長「いやあ、そんなことはないです。そういうことでしたら今、広報を通してください」
- 鴨志田孝之・理事「広報を通してください。ここで話すわけにはいきません」
- 引馬・経営管理局長「報告自体は正しい報告をしております」
- 思わず笑ってしまったのが「知らない、聞いていない、広報を通せ」といった一様な逃げ口上であった。これはすでに発覚を予想しての口裏合わせが行われていた証拠でもあろう。いずれも言葉少なにインタビューから逃げるように去っていく姿が印象的だった。さてこれからどう展開していくことか。逃げ切ることのできない事実を前に、かれらには説明責任(アカウンタビリティー)が待っている。
1998/04/13、月曜
- 昨日の午後、何気なく観たベトナム映画が忘れられなくなった。タイトルは「ニャム」脚本&監督はダン・ニャット・ミン。17歳の主人公ニャムが田舎で農民として働く中で初恋、妹の死などを体験しながら成長していくというもの。過酷な農作業に堪え忍びながら詩をつくる夢想家のニャム、全編にやさしさが満ちあふれ、そして涙を誘う。久しぶりに感動に揺さぶられた映画だった。誇張も気負いもない淡々とした人間の営みが心に染みる名作である。
- 昨夜はまた夜桜を見に行った。酒宴の喧噪を逃れ静かな場所で夜桜を眺めていたら、ひとりの外人が佇んでいた。話しかけたらオーストラリアからやってきたのだという。桜は満開だった。じっと眺めていると吸い込まれるような目眩を感じる。明日から天候が荒れると予想されている。せっかく咲いた桜も明日には散りゆく運命にあるのだ。いつだったか、散りゆく桜の下で酒を飲んでいたら、桜の花弁がコップ酒の中に入ったことがある。それを一気に飲み干した私に降りそそぐ桜の花、花、花・・・時として自然は夢のような幻想を表現してくれるものだ。忘れられぬ心象風景として。
1998/04/11、土曜
- 猛毒ラップが環境ホルモンとして問題となっている。「家庭用ラップ編」としてリストを作成した。国内販売されているラップの半分に猛毒アジビン酸エステルが使用されているが、これはリストにもある柔軟剤の脂肪族多塩基酸エステルである。この化学物質は20年も前にアメリカでは発ガン性有りとする報告が出されている。家庭用ラップより危険なのが業務用ラップで、コストがかかるという理由で大半が塩ビ系など猛毒ラップを使用している。リストの危険度を「やや安全」とした項目は、例えば比較的安全とされるポリエチレン系のポリオレフィンの安定剤ノニルフェノールも環境ホルモンの一種で、完全に安全なものではないため「やや」を付け加えている。特に電子レンジを使うと柔軟剤が熱で溶け出すため、「柔軟剤なし」表示のあるラップを使用した方がいいだろう。これらの危険性に対して相変わらず厚生省の反応はにぶい。「これまでラップが環境ホルモンに関係あるとは聞いていない。健康に害を与えるレベルではないと判断している」これが国民の厚生を司る機関の答だ。すでにアメリカで猛毒と研究報告されているアジビン酸エステルはどうなるのか。厚生省のこうした無知は国民の命を危うくするということをまるで認識していない。京都大学の押尾教授が34人の若者に行った精液検査は驚くべき結果をもたらしている。WHOの定めた基準を満たした者はたった一人で、あとは精子数や濃度、運転率、奇形率などにおいて全て異常値を示した。これらは環境ホルモンを原因とする生殖異常とされている。厚生省の行政指導なくしてラップ業者が猛毒ラップを作り続けることは明白である。接待漬けの無能官僚ここに極まったか・・・
ページを少しでも軽くするため10日ごとに日誌を分割しております。今日の日誌はすこぶる早かろうと思います。これ以前の日誌は全て「過去の日誌」移動しています。というわけで宜しく。うむ、どうも風邪をひいたらしい。季節の変わり目は要注意だ。昨夜の桜は満開だった。今日を境に満開の花も散っていくだろう。「咲いた桜になぜ駒つなぐ、駒が動けば花が散る」明治維新で散った多くの若い命のこと、時々考えることがある。国全体が大きなうねりの中で変革していく善悪を超えた何か・・・身近な死に燃焼させていった束の間の青春。
1998/04/10、金曜
日本核燃料開発の施設から原子炉搬出の試験片紛失
- 核燃料・材料の検査や研究開発をしている日本核燃料開発(茨城県大洗町)の試験施設で、原子力発電所の原子炉から取り出された核燃料被覆材の試験片19個が紛失したにもかかわらず、4カ月近くも科学技術庁や茨城県に報告していなかったことが8日、分かった。科技庁によると、試験片に直接触れない限り、人体への影響はほとんどないといい、同社は「内部調査を進めていた段階だ」として、警察にも通報していなかった。昨年3月の動燃東海事業所(同県東海村)での火災・爆発事故をめぐる虚偽報告をきっかけに、県は県内の原子力施設に対する指導を徹底していたが、「動燃の教訓」はいかされなかった格好だ。同社によると、紛失したのは、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発5号機の原子炉から搬出され、1995年9月21日に日本核燃料開発の施設に搬入された計24個の試験片のうちの19個。核燃料を覆うためのジルカロイという合金製の試験片(1個の長さ39ミリ、幅8ミリ、重さ約1グラム)で、燃料被覆材の劣化度を調べるため、燃料体とは別に原子炉に入れ、定期的に取り出しては強度などを検査している。同社の説明によれば、貯蔵場所で保管した後、昨年7月、密閉施設に移して強度試験をした。試験後は筒状の小型容器に入れて同施設で保管。9月までは所在が確認されているが、昨年12月、なくなっていることに気づいた。試験片は、昨年9月の時点では1個当たり数十万―数百万ベクレルの放射能を帯びていたという。現在の放射能レベルは、19個合わせ、1メートルの距離で10時間浴びると想定した場合でも、胸部レントゲンの放射線量の約4分の1という。
日本核燃料開発の林取締役「試験片が盗まれた可能性も」
- 日本核燃料開発(茨城県大洗町)で放射能を帯びた試験片が紛失した問題で、同社の林洋取締役は9日、紛失が分かった昨年暮れから放射性廃棄物の保管施設などを調べたが見つからないため、「試験片が外部に運び出された可能性がある」と話した。同社は外部に運ばれた形跡がないか調査するとともに、改めて各施設を調べる。同社によると、昨年12月上旬に試験片を紛失したことに気づき、試験施設を含め放射性物質を扱う全施設を今月3日まで調べた。社内で保管したり、隣接する日本原子力研究所に処理を委託したりした放射性廃棄物のうち、試験片が紛れている可能性がある容器38個を調べたが、見つからなかったという。
- 多くの国民はこのニュースを聞いて「またか」と思ったのではないか。そして諦めに似た気持ちで日常生活にもどる。いつしか危機感も麻痺し、デタラメな核管理にも政府が容認してしまうのと同様に国民も又知らず知らずのうちに容認してしまっている。生活に追われて、云々の低迷する景気には危機感は抱いても、放射能を含むわずかな金属片が行方不明となったとて直接的には関係もない。報道でも「人体の影響はない」という。我が子がその金属片を手にする確立は天文学的数字に匹敵するぐらいあり得ないだろう。それこそ核開発を推進する側にとっては好都合なことはあるまい。事故が起こったらとにかく謝ってしまえ。申し訳ありませんでしたと、謝罪し続けながらも開発を続けていけばいいのだ。そうして事故が起こるたびに謝罪を繰り返していられるのも、それが悲惨な大事故につながらない限り許されてしまうと思い込んでいるからにすぎない。しかしその悲惨な大事故が起きたらどうするのか?ということは極力考えないことにする。プルトニウムの名付け親を讃えよ、何となれば地獄の大王プルトーンこそものの見事にその本質を言い当てているからだ。シェイクスピアは「マクベス」の中でスコットランドの貴族マクダフの口を借りて叫ぶ。「いくらでも血を流すがいい。みじめな祖国の運命!荒れ狂う暴政のあらし、思うぞんぶん国の岩根を揺るがすがいい、善も、もう貴様の力を押さえられぬのだ、さあ、いくらでも非道のふるまいに手を汚したらいい、苦情を言うものはどこにもいないのだぞ!」
- 日本核燃料開発は「試験管に触れない限り、影響はない」という。今から11年前、ブラジルのとある小さな町の屑鉄商が、解体した箱の中からブルーに輝くわずか113グラムの粉末を見つけた。これが町の人々の興味をひき、魔法の粉として話題になる。光を発するその粉に神秘を感じた近所の人たちは、こぞってそれを求め、そして分け与えられた。奇跡を求めるように体に粉で十字を描きながら、人々は光る十字を背負ったキリストを思い浮かべては悦楽していた。しかしその神秘的な光は地獄の大王プラトーンの放ったセシウムという悪魔であった。やがて悪魔の光は次々と人の命を蝕み、腕を切断される者など四人の死者を出し、被爆者約1000人、重症者40人を出したところで報道が途絶える。救済に駆けつけたIAEA(国際原子力機関)とWHO(世界保健機構)は何をしていたのだろうか?その秘密は彼らだけが知っている。そしてIAEAもWHOも国連の支配下にある機関であった。国連の救済という大儀にはたえず胡散臭さがつきまとう。国連軍が関与した例をあげるまでもなく、救済が弾圧や侵略と同義語ではないかと疑いたくなるほどだ。話を日本にもどす。こうした例から日本核燃料開発の言う「影響はない」は信じるに足るものではない。むしろそれが民間に流出した時の危険を考えれば、いかに放射能レベルが低かろうとそれを長時間保有すれば危険なことに変わりがなかろう。かつて核開発推進側が子供たち向けにプレゼントしたアニメ「ぷると君」では、その「ぷると君」がプルトニウムを飲みながら安全を訴えるというものであった。後には放射能肌着まで考案して安全性を訴える彼らの心中を知りたいものである。原発は安全だとしながら原発は僻地に建て、プルトニウムは飲んでも安全だとしながら子供に教え、事故が起きたらひたすら謝り、今度は放射能物質が紛失したと言っては「盗まれたかも知れない」と言う。そのどこに誠意があるのか。あるのは国民に対する欺瞞でしかない。彼らの杜撰な管理が国民の命を脅かすものである限り、それを許さない国民の意思も揺るぎのないものとすべきだ。ここに何度も登場してきたロサヌラ・アイヌルちゃんをご存じだろうか。母親の了解を得てこの写真は撮られた。その趣旨はたった一言「世界の人に放射能の恐ろしさを知ってもらいたい」ということであった。現代日本において母乳のダイオキシンを調べた結果、基準値を遙かに超えたことを知って、ある若い新妻は「知らなければ良かった」と語ったことが頭から離れない。果たしてそれでいいのだろうか?真実に目を背けてはならないと思うのだ。それでないと我々は権力に座する一握りの意のままにされてしまう。我が子のためなら命も捨てかねないとする母性があればこそ、その我が子の未来を脅かしかねないもの全てを排除する決意もうまれる。平和への祈りと満ちあふれた愛情に包まれた社会を理想とするなら、まずは我らが心のうちに樹立すべきだと。
1998/04/09、木曜
関東・東北の地震で東北新幹線、常磐線が止まる
- JR東日本によると関東・東北の地震の影響で、東北新幹線は新白河―古川間の送電が自動的に止まり、上り下り計8本の列車が3分遅れた。在来線でも茨城県から福島県にかけての常磐線で、同社の地震計が震度5に相当する揺れを観測したため、高萩―泉、広野―桃内の2区間で約3時間にわたって運転を見合わせ、16本が運休、39本が最高3時間10分遅れた。
- 午後5時45分頃、激しい地震があった。福島県の浪江町では震度4だという。浪江町と隣接する双葉町には福島第一原発があり、そこから10キロほど南には福島第二原発がある。浪江町の海岸線区域はたった4キロしかない狭さから、原発地帯も震度4クラスの地震に見舞われたはずである。底から突き上げるような激しい揺れに、さっそく福島原発に異常はないとの報道がなされた。少なくとも炉心部の冷却水は波打ったはずである。その地盤は先第三紀の酸性岩といわれる古い岩盤に、新生代の新第三系といわれる新しい岩盤が寄り添うように付いている。それが南北100キロに渡って伸びる。福島原発はそうした断層に接近するかたちで第一、第二合わせて10基の原子炉が稼働しているのだ。福島第一原発の1号機は1971年に運転開始された日本でも3番目に古い原子炉で、ここでは絶え間ない放射能漏れが日常的に起きている。地震でまず懸念されるのはこうした老朽化した原子炉であろう。今日のように地震直後に「異常なし」と報告する根拠が分からない。点検すらしないで何が異常なしなのだろうか。阪神大震災ではビルとビルを結ぶ連絡橋が殆ど落下した。原発の配管はできるだけ接合部が少ない構造になっているが、それがかえって配管全体に圧力がかかるギロチン破断を引き起こす可能性が出てくる。今度のような震度4クラスの地震によっては老朽化した原子炉内での配管割れは十分予測されるはずだ。段階的な点検なくして、たった一度きりの「異常なし」という報告では納得できない。昨夜も地震があった。当初は震度3が伝えられたが、やがて震度2と変化していた。いずれにせよ今夕の地震は家が突き上げられるような激しいものであったことを実感した。
組長宅に強盗、現金3000万円など奪われる
- 8日午後10時20分ごろ、東京都品川区中延4丁目、東亜会系暴力団の瀬川敏男組長(54)方に5人の男が押し入り、金庫から現金約3000万円と宝石を奪って逃げたと通報があった。荏原署は強盗事件とみて調べている。調べでは、瀬川組長の妻(53)が帰宅し、玄関を開けたところ、男たちが妻を家の中に押し込み、中にいた家族とともに粘着テープで口や手足を縛った。さらにスタンガンのようなものを見せながら「金庫を開けろ」と片言の日本語で脅した。妻が金庫のかぎを渡すと、男たちは金庫から現金と指輪2個(計400万円相当)を奪って逃げたという。
- 組長宅に強盗に押し入るとは度胸のある強盗ではある。片言の日本語を話したというから、どうやら歌舞伎町あたりで勢力を伸ばしてきたアジア系の外国マフィアの一団と思われる。【参照、「三合会」&「中国人ボス」】何しろ古典的な右翼の東亜会系の組長宅に多額の現金があると踏んでいるあたりは、ある程度の内情を知っていたふしがある。東亜会の発端は戦前の「大東亜共栄圏」の時代に遡る。愛国的ヤクザと称される国龍会などを頂点として国内の政情不安に乗じて右翼が急増していた時代でもあった。そうしたヤクザが軍部の大東亜共栄圏構想に組み込まれ、闇の工作に加担していくのである。しかし真珠湾攻撃を境に彼ら愛国的ヤクザ集団は突如として切り捨てられる。日本政府そのものが右傾化したため彼らは必要なくなったのである。当初は軍部と大企業が結びついて、政府を巻き込むことを画策していた。政財界と軍部が極右化しながら、やがては国民全体が愛国的主義に染まっていく。国民が我が子を喜んで戦場に送り出すことほど異常な時代はない。軍部と最後まで密着していた笹川と児玉は、その戦後においてA級戦犯として投獄されながら、やがては解放され再び右翼のボスに収まって日本を牛耳る「二人の首領(ドン)」として君臨していったことは衆知のとおりである。戦後においても大東亜共栄圏の亡霊は復活した右翼によって「東亜同友会」といった形で残され、これが全東京連合となり、関東一円のヤクザ連合を称する「関東会」となっていく。強盗にあった東亜系暴力団もそうした系列に属するものだろう。切った張ったの任侠時代はもはや終わりをつげ、大手銀行が暴力団を使って地上げをやらせたように、今度は闇に流れた莫大な資金がウラ社会の紳士たちによって活用され、やがてはウラの紳士たちがオモテ社会で堂々と日本を支配する時が来る。これほど恐ろしいことはあるまい。
1998/04/08、水曜
- 昨夜、公園の夜桜見に出向いた。まだ六分咲きというところか。一軒だけ屋台を開いていたので日本酒を飲もうと向かってギョッとした。そこには10年以上も前に死んだダチとそっくりな男がいた。奴はビルから転落して急死した。チンピラだった。兄貴は右翼の幹部で、地元では知らぬ者はいない無法者でもあった。通称「鬼マサ」と呼ばれていた。飲むとその兄貴を自慢げに話す癖があった。どういうわけか私は奴に慕われていた。夜中に泥酔した奴が突然やってきて「寂しい」と言ったまま涙を流し続けたこともあった。トラブルばかり起こしていた。寂しいのは誰にも相手にされぬゆえだった。直情的でカッとなると口より早く手が出た。そのくせ喧嘩は弱く、私を空手の使い手だと勝手に思いこんでいた。一度だけ素手で煉瓦を割って見せたせいかも知れない。とにかく奴と私は競うように大酒を食らって夜の街を徘徊していた。そして奴は突然死んだ。世間は「バカがひとり死んだ」と嘲笑っていた。私は奴の寂しさを実感した。夜の駐車場に奴の車を発見した時、涙がとめどなく溢れ出た。主を失った車がたった一台、寂しそうにそこに佇んでいたからだ。弱いくせに強がって、寂しさゆえに酒を飲む、そんな奴に私は自分を投影して見ていたようだった。そして今、奴とそっくりな男が、夜桜の下で酒を飲んでいる。もうあの頃は二度と還らない。無秩序でちょっと危険な青春の影が、今の私にも色濃く残っているようだ。純粋培養で飼い慣らされた縦割り秩序の世相に、どうもうまく噛み合わない今の私が孤独なのは、そのせいだと・・・
1998/04/07、火曜
- ゼネコン総裁こと松下康雄に関しては先月の日誌にも書いたが、ここでもう一度抜粋しながらその実態に迫ってみたい。太陽神戸三井銀行の頭取だった彼は、それを「さくら銀行」と改名して92年に会長となった。リストによれば92年には末松謙一が頭取に就任しているから、松下は会長として末松頭取を指揮する立場にあったことになる。この92年には松下が大蔵事務次官だった頃の部下、吉野良彦が日本開発銀行の総裁となっている。この年は日本開発銀行の指示の元に東京横断道路の入札で「フジタ」や「銭高組」が受注しているが、その「フジタ」の貝塚敬次郎会長の息子・貝塚正彰が、松下康雄の娘・万里子と結婚していた。大蔵省に属する正彰の父・敬次郎も元大蔵省日銀政策委員であれば、義父の松下康雄も元大蔵官僚であり、その松下の部下・吉野良彦が東京横断道路の入札を采配し、結果的に松下と姻戚関係にある「フジタ」が落札する。見事な構図である。その「フジタ」が危機に陥ると「さくら銀行」が救いの手を述べ、その手は会長・松下康雄であった。そればかりではない、東京横断道路入札に同じく落札した「銭高組」の一族とも、松下一族は遠い姻戚関係にある。詳しく調べれば大成、清水、大林、飛島、福田、ハザマ、西松、ほか蒼々たるゼネコン一族全てに松下一族の閨閥の範疇圏内にある。これらは広瀬隆著「私物国家」198〜210頁に渡って詳細に証明されている。
- 松下康雄の妻・弘子の旧姓は草場という。その弘子の母・華は川上家から草場家へ嫁いできた。華の姉・千代子は竹山家に嫁ぎ、その竹山家の系譜を辿ると銭高家に至るのである。東京横断道路で共に落札した「フジタ」と「銭高組」は松下康雄の妻を介する同族一門であった。まだ驚くにはあたらない。
- 松下康雄の妻・弘子の父親は草場晃といい、不二子という妹がいる。その不二子が横田武男と結婚して和子を産んだ。弘子とはイトコ同士になるが、そのイトコの和子が渡邊修自・後の日本道路公団副総裁に嫁ぐのである。渡邊修自が日本道路公団の副総裁に就任したのが86年、その年には岡昭が東京湾道路公団の社長に就任している。岡はその前に日本開発銀行の副総裁をしていたから、92年に総裁となった吉野良彦は岡の後輩になる。前述のように、吉野は松下康雄の部下でもある。
- 松下康雄は妻の弘子を通じて、母方から銭高組、父方から日本道路公団の副総裁を、そして娘の万里子から「フジタ」という閨閥をいただくのであるが、まだ終わらない。松下康雄夫人の母方からは「銭高組」が出てくるが、実はその銭高家の系譜は大倉家へと辿り着く。大倉喜八郎を創業者とするところの「大成建設」がここで同族として現出するのだ。その大倉家から末端にまで系譜を下っていくと、麻生セメントの麻生家を介して、やがてそこに中村久美子なる女性があらわれる。その久美子の夫の名を橋本龍太郎という。時の内閣総理大臣である。【参照『私物国家』系図7「ゼネコン業界トップと建設族ドンの姻戚関係」204〜205頁】
- バーチャル空間というか、ここでもインターネット上での3DCG表現が可能になるかも知れない。「ワールドブラウジング」とか言うのだそうだが、試行錯誤の末やっとローカルで取り込みができた。ただ、このページが遅いこともあって躊躇している。比較的データを少ないもので試してみたい。ローカルでの動作は確認しているので、インターネットでも大丈夫だと思う。うまくいくかどうか、いつになるか分からないが突然画面が変化して戸惑わせることになるだろうね。時間がかかるので、朝方のテレーホーダイ時間帯がおすすめです。マウスとキーボードを併用すればけっこう遊べる。一応報告まで。
1998/04/06、月曜
横浜市長に高秀秀信氏が3選
- 横浜市長選は5日投開票され、自民、自由、平和など8党が相乗りで推薦した現職の高秀秀信氏(68)が、弁護士で共産党推薦の森卓爾氏(52)や、前県議の向田映子氏(51)ら5人を破り、3選を果たした。際立った争点がなかったことから有権者の関心は高まらず、投票率は34.11%にとどまった。高秀氏は、2期8年の実績を前面に出し、福祉の充実と雇用の安定を訴えた。ほかの候補は、湾岸地区の巨大開発「みなとみらい21」を批判したり、国政とからめて消費税率引き下げなどを訴えたりした。選挙戦は多数の政党の推薦を取り付けた高秀氏が終始優位に進めた。中央政界からは自民党の加藤紘一幹事長が応援に来た。しかし、それを除くと、相乗り批判を意識して応援演説も地元代議士を中心にした。企業や各種団体、連合などの労組員が選挙活動を支えた。
- また高秀氏が横浜市長に再選された。「有権者の関心は高まらず」は横浜市民の政治への無関心さと絶望感を示すものであろうが、このことほど保守陣営にとっては好都合なことはなく「少なくとも国民の期待を裏切るような疑惑ある市長は選ばない」という有権者として当然の権利まで放棄したように思えてならない。高秀横浜市長はすでにゼネコンによる献金疑惑の渦中にあった人物であることは、私もここのゼネコン資料ですでに紹介しておいた。その疑惑とは主に次のようなものであった。
- 「高秀横浜市長の選挙資金、ゼネコン五〇〇〇万ずつ提供」
- 「ゼネコンが二億円献金、三〇社が各九〇〇から五〇〇万円、九〇年春横浜市長選向けか」
- 「ゼネコンから多額ヤミ献金、横浜、東京ルート計二億六〇〇〇万円」
- 当時は日本全国でゼネコン疑惑による逮捕者が続出しており、その過程で高秀横浜市長への疑惑も高まっていた。その高秀氏がそうした危機をなぜ回避できたのか、高秀秀信氏とはいったいいかなる人物なのか、我々はもう一度、この人物像に肉薄して調べるべきであろう。
- 高秀秀信氏 たかひで・ひでのぶ。68歳。無現。《現》市長・厚生省医療保険福祉審委員《元》水資源開発公団総裁・建設事務次官・国土庁水資源局長・中部地方建設局長▽北大工学部▽横浜市青葉区あざみ野2丁目▽当3
- 東京の大田区でまた中小企業の社長が自殺した。仕事が激減しているところへ銀行が矢の催促で借金の取り立てをしたためと言われている。製造を手がけるこの社長は仕事熱心で通っていたらしい。日本経済を底辺で支えてきたこうした人々が絶望の淵に追いやられている一方で、政府は30兆円もの血税を大手金融に融通しているのだ。今や、私の周辺でも収入の道を立たれてしまった者が溢れている。私も何とかしてやりたいが、食うに精一杯の身の上ではいかんともしがたい。この深刻な事態を政府はどれだけ認識しているのか。貧乏だけなら我慢もしよう。ひとつのパンを分け合っても凌いでみせよう。しかし、貧乏なうえに取られた税金が銀行に回され、その銀行が貸し渋りをするのであっては泣くに泣けまい。
- 1998/04/04、土曜
- 日用品にも環境ホルモンはしっかり含まれている。環境ホルモン日用品編を作成した。日用品にもっとも多用されるビスフェノールAは、2500ppb(1ppbは10億分の1の濃度)までは影響がないとする厚生省の基準値があるが、米スタンフォード大学の研究ではわずか2〜5ppbで乳癌の増殖が確認されている。哺乳壜から出る3.1〜5.5ppbとほぼ値が同じことになる。日本では昨年六月、通産省が中間報告を出したが「現状では問題なし」という、欧米の研究結果を無視したものであった。日用品の中ではカップ麺が最も危険視され、発泡スチロール製の容器からはスチレンという環境ホルモンが溶け出す。横浜国大環境科学センターでは、国内に出回るカップ麺が安全だと認定されたのはたった3銘柄にすぎなかった。後は知っていて口外しないだけのことである。欧米ではポリプロピレン製の比較的安全な容器を使用しているが、日本ではコストがかかるという理由でメーカーは導入せず、また行政指導もなされていないのが現状である。
1998/04/03、金曜
カレイでも「オスのメス化」現象、環境ホルモンの影響か
- 日本沿岸で採れたオスのカレイの体内からメスにしかないはずの卵黄タンパク質が検出されていることが、1日、日本水産学会で発表された。「メス化現象」の一種とみられている。淡水魚では過去に、河川の水に含まれる環境ホルモン物質が原因だと特定された例がある。東京水産大の橋本伸哉助手(環境化学)と北海道大の原彰彦教授(魚類生化学)らの調査で明らかになった。昨年5月から今年3月にかけて、関東近海と北海道近海で、それぞれ天然のカレイを採取。血清中の卵黄タンパク(ビデロゲニン)の濃度を比較した。【朝日新聞より】
- 環境ホルモンが深刻化している。住宅編リストを作成した。建築関連の仕事もしている私などには痛い情報であるし、また被害者でもある。防毒マスクは常備しているものの、夏の猛暑のもとで防毒マスクをつけるのは苦痛で使用しないことが多い。これから取引先の材料の安全性を吟味して選択するようになるだろう。添加剤に無臭化するものもある。これで毒性が消えるとは思えないが、揮発性の材料には有効かも知れない。いずれにせよ、プロそのものが材料の毒性を知らなければ、これからの顧客は納得しない時代になるだろう。私も深く自戒している。現代社会がありとあらゆる化学物質に取り囲まれている今、それらを排除することは至難の技である。少なくとも毒性検査を国が義務づけ、安全な材料を販売する取引先を認可するようなシステム作りが先決だろう。作業に従事する者は職業病としても毒性の被害者となってしまっている。かつ、そうした業者が余った材料を不法投棄していたという話も聞いている。被害者でもあり加害者にもなりうるこうした例は、日常の一般家庭でも言えることである。ダイオキシンが出るようなゴミは、それが巡り巡って自分の命を脅かす存在になって返ってくることを考えれば、捨てる側の責任もおのずと出てくる。そのためにはまず消費者自らが毒性の何たるかを学ぶ必要がある。私もそういう意味でこれから詳しい資料を提示しながら学んでいこうと思っている。すべては未来のために、将来を託す子供らのために。
- ダイオキシンによる催奇性は今後深刻な社会問題となるのは明らかだが、ベトナム戦争当時にアメリカ軍が行ったエージェント・オレンジ(枯れ葉剤)作戦も多くの奇形児出産を生んだ。そして今もってそうした悲劇は母親の胎内で受け継がれ、ベトナムの病院の地下にはダイオキシンによって奇形化した赤ん坊がホルマリン漬けになって保存されている。目が一つしかない、または眼底のない、指が足りない、または指が多い、ベトちゃんドクちゃんのように二人が一つの体を共有する例など、ありとあらゆる奇形の多様さが地下倉庫の保存室で見られる。これは日本の未来の姿でもある。ベトちゃんドクちゃんが来日すると日本人の同情が集まり、屈託のない彼ら(一人称で呼ぶべきか?)を知るとやがては同情が人気となってアイドル化していく。そこには枯れ葉剤作戦による被害者としてのかれらはどこにもなくなってしまうほどだった。ひとめ見ようとするファンがカメラをもって押し寄せる様相そのものが私には異様であり、それならそのファン以上に多い第二のベトちゃんドクちゃんをベトナムから来日させたらどうなるだろうか?とまで考えを巡らしたものだ。物言わぬホルマリン漬けの奇形児たちに囲まれても、日本のファンや無責任なマスコミは興味本位なカメラを向けてはしゃいでいられるかどうか。そういう意味での原罪を日本人はおのれに問うべきではないのか。今度は日本の番だ。飽食の限りを尽くしてきたこの国は、その排泄物によって自らの命が脅かされている。ダイオキシンが日本中の母親の体内に蓄積され、さらに濃縮された母乳によってダイオキシンも濃縮され、そして・・・
- 1998/04/02、木曜
牛乳のダイオキシン、焼却場近くは高濃度
- ごみ焼却場に近い牧場の乳牛から採った牛乳から、1グラム当たり0.2ピコグラム(1ピコは1兆分の1)、牛乳から抽出した乳脂肪から同4.6ピコグラムのダイオキシンが検出されたことが、帯広畜産大の中野益男教授(環境生化学)の調査で明らかになった。乳脂肪は欧州各国の規制基準では廃棄処分される濃度に近く、牛乳も「問題のある数値」としている。厚生省は「牛乳は広く集めてブレンドしており、市販段階では問題がない」としているが、欧米のような牛乳のダイオキシン規制がなく、中野教授は「広域的な調査と早急な規制が必要だ」と指摘している。研究結果は、名古屋市で開かれている日本農芸化学会で2日、発表される。調査は、自治体の大規模ごみ焼却場と隣接する民間の産廃焼却場を中心にした半径40キロの地域で、点在する10カ所の中規模牧場を選定。地域名を公表しないことを条件に各畜産農家に協力を求め、昨年4月と12月の2回、しぼりたての牛乳と、その牛乳から水分を抜いてバターなどの原料となる乳脂肪のダイオキシン濃度を調べた。この結果、中心から5キロ以内の牧場で採れた牛乳から1グラム当たり0.2ピコグラムが検出。中心から10キロ地点の牛乳では0.1ピコグラム、20キロ地点では0.05ピコグラム、30キロ地点では0.04ピコグラムと、焼却場から離れるほどダイオキシン濃度が低くなった。【朝日新聞より】
- まず驚かされるのが厚生省の「牛乳は広く集めてブレンドしており、市販段階では問題がない」という実に無責任な見解であろう。国民の生命安全に最も配慮すべき公的機関であるところの厚生省が、一連のエイズ問題でも分かるように逆に人間生命蔑視の頭脳しか持ち合わせていないのだ。何よりまして、母親の母乳から濃度の高いダイオキシンが検出されて問題になっている今、当然牛乳にも同じような現象が起きることは予想されていたはずである。ここでも厚生省はエイズ同様、被害が拡大しなければ対策すらたてない無責任さを露呈している。牛乳に高濃度のダイオキシンが発見されたなら、国民の生命を守ることを優先し、即刻規制に取りかかるべきなのだ。牛乳のダイオキシン規制がないなら、規制を作るぐらいの危機感をもつのが当然だ。血友病患者に対するエイズ問題でも、それが人の命を脅かすものであることを知りながら放置してきた厚生省が、今度はダイオキシン問題でも同じ過ちを繰り返す無策ぶりではないか。この国には国民の命を預けられない。
- 米国環境保護庁が設定した基準は人間の体重1キログラムあたり0.01ピコグラムだが、日本はその1000倍の10ピコグラムという信じがたい許容量の甘さなのである。日本人のダイオキシンにおける1日の平均摂取量は25ピコグラムで、アメリカの200倍にもなっている。今回、牛乳から検出されたダイオキシンだが、その加工品チーズやヨーグルトにも高濃度が予想される。肉より乳のほうが含有量が多く、魚介類に次ぐ汚染度を示している。以下、現代用語の基礎知識から抜粋
- ダイオキシン(dioxin)有機塩素化合物でポリ塩化ジベンゾダイオキシンの略称。塩素の数によって二塩化物、五塩化物、六塩化物など異性体は七〇種以上あり、他に例をみない猛毒物質であるが、とくに2‐3‐7‐8四塩化ジベンゾダイオキシン(TCDD)は史上最強の毒物として知られている。非常に安定した物質で水に溶けず、半永久的に毒性はなくならない。ベトナム戦争でアメリカ軍が枯葉作戦と称し大量の除草剤を散布したが、その主成分2.4.5−T、2.4−Dの中にダイオキシンが微量ながら含まれていた。解放後のベトナムではダイオキシンが原因とみられる非常に多くの重篤な胎児の奇形が報告されている。一九七六年七月にイタリア北部のセベソで農薬工場が爆発し、ダイオキシンが大気中に噴出した。周辺住民は立ち退きを余儀なくされたが汚染土の処理法はまだない。またアメリカではベトナム戦争枯れ葉剤(エージェント・オレンジ)を製造していた化学工業の跡地から続々とダイオキシンが検出され、政府が町ぐるみ買い取り、住民は全員移住するなど、ダイオキシン汚染は広がりつつある。
- ダイオキシンの毒性は、DDTやパラチオンの一〇〇〇倍以上で、皮膚、内臓障害や発がん性、催奇形性と多様かつ強力であり、そのうえに多くの異性体があるために全貌はわかっていない。日本でも水田用除草剤MOにダイオキシンが含まれていることがわかり、ゴミ焼却場の灰からもダイオキシンが発見された。環境庁が八五年から続けている全国調査でも、魚からは半数が、底土からは全調査地点でダイオキシンが検出されている。八四年五月に「一日体重一キログラムあたり○・一ナノグラム(一〇〇億分の一グラム)までは吸い込んだりしても影響はない」という安全指針を発表したが、ドイツの体重一キログラムあたり一日一ピコグラム(一兆分の一グラム)やカナダの一〇ピコグラムに比べて、国際的にはこの指針は「かなり高濃度」といわれている。【以上、現代用語の基礎知識より】
- 埼玉県所沢市は50以上の産廃施設が立ち並ぶ汚染地帯で、環境庁の安全基準の50倍のダイオキシンが排出されている。茨城県新利根町では何と基準値の125倍ものダイオキシンが検出された。海の汚染度をはかる指標資料としてはムラサキガイがよく使われるが、その調査によると大阪がダントツの1位で36.2ピコグラム、2位は愛知県で22.9ピコグラム、次いで3位の東京16.2ピコグラムと続く。これを分析してみると、大地や大気中汚染は僻地が多く、海の汚染は都会に集中している。都会のゴミは都市部からできるだけ離れた僻地へと投げ捨てられ、皮肉なことにそのゴミ焼却によって汚染された食料が都会へと集中していく。田舎からみれば、わざわざ都会からゴミを捨てにくるということは、田舎で都会人の排泄物の始末をしているようなものだ。新鮮な魚や野菜を都会の人に食べてもらいたいと思っても、都会から返ってくるのはゴミというのではあんまりではないか。原発にしても安全ばかり強調して田舎に建設しているけれども、そんなに安全なら都市のど真ん中に建ててもよさそうなものだ。ダイオキシン問題でも人間は必ず大きなしっぺ返しを受けることになる。
- 「キツネ目の男」こと、宮崎学氏が廃業宣言している。同じ団塊の世代としては何となく分かりそうな気がする。疲れたとか、そんなレベルの話ではない何か・・・面白がられるしかなかった寂寥感みたいなもんが伝わってくる。売れに売れていたのは本だけでなく、著者の自分も面白がられて売れていく商品価値でしかないのか、という自問。ウラ社会の闇で生きていればこそ体感できた覚悟も、オモテ社会では無用の覚悟がかえって懐かしくなってくる。「敵対する組への殴り込みの日、日本刀を持ってどしゃぶりの雨の中に飛び出したら、足元にネズミの死骸があって思わず飛び退いた」という話を聞いたことがある。その世界の住民でしか分からない説明のしようのないこともある。辺見庸が「体験を言葉で語ることができなかったら、それは体験にならないのではないか」というようなことを言っている。宮崎氏と辺見氏の、どちらも時代の人としては対照的な考えが印象的だ。辺見氏のいう言葉とは声に出して話す、または記述して伝えるたぐいの言葉ではないだろう。もっと本質的な何か、だと私は勝手に解釈している。宮崎氏はウラ社会の体験を言葉にし、辺見氏も世界を回って食する体験を言葉にした。そういう意味では同じだが、宮崎氏はその言葉に虚構文化の空洞を感じ、手応えのある体験に立ち返ろうとしているのではないか。皮膚感覚での覚悟を取り戻すためには、オモテ社会の虚飾を脱ぎ捨てる覚悟が必要だった。そこまで覚悟にこだわる必要のないオモテ社会に決着をつけるためにも。
1998/04/01、水曜
トヨタ会長の長男がGMとの合弁会社副社長に
- 豊田章一郎・トヨタ自動車会長(経団連会長)の長男で、将来の社長候補とも見られている章男氏(41)が、4月1日付でトヨタと米ゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社(NUMMI)の副社長になる。章男氏は販売情報網などの開発を担当する次長クラスで、今回の抜てき人事は帝王学の一環と見られている。章男氏は慶応大を卒業後、1984年の入社前に留学経験がある。トヨタは海外生産を加速させており、日米協調を象徴する会社での経営体験は「社長修行」の意味を持つ。もっとも、奥田碩社長は「豊田家は尊重するが、人事は公平」と明言しており、章男氏には新天地で実績をどう出すかが求められている。【以上、朝日新聞より】
- 奥田社長の「豊田家は尊重するが、人事は公平」には思わず笑ってしまった。人事が公平ならまずトヨタ会長の息子がいきなりGM関連会社の副社長になったりはしないではないか。カエルの子はカエル、帝王学で育てられた章男氏は生まれた瞬間からトヨタの跡取りとして育てられてきたと言うべきだ。それは日本に君臨する財閥の華麗なる閨閥(けいばつ)を見れば一目瞭然である。それは中曽根元首相の系図にも豊田章一郎の名があることからも分かろうというものである。ここで私が公表しているゼネコン資料の一部からでもその一端がうかがえる。豊田章一郎の妹の和可子は元衆院議員にして元建設大臣の斎藤滋与史に嫁いでいるが、その滋与史の父親が悪名高い大昭和製紙の斎藤了英会長である。高価なゴッホの絵を買っては「死んだら絵と共に棺に入れて焼いてくれ」と言って美術愛好家から顰蹙をかっている。数年前に他界したと記憶しているが、遺言が実現しなかったことは幸いである。その了英の三男に現在副社長の知三郎がいる。知三郎の妻・八重子の父親は中曽根吉太郎、あの中曽根康弘元首相の兄であった。こうして豊田家と中曽根家は結ばれている。
- 要は大昭和製紙を支配する斎藤家である。了英元会長の次男・斗志二の妻・千枝子は元衆院議員の増岡博之を父親にもつが、増岡博之の弟・正剛が家業の増岡組を継ぐことになる。増岡正剛の妻・洋子の父は元輸出銀行総裁の古沢潤一である。そして古沢潤一の妻・百合子の旧姓は「鳩山」、元内閣総理大臣の鳩山一郎の娘であった。こうして豊田家は斎藤家から増岡家を中継して、古沢家に至って総理大臣を出した由緒ある財閥「鳩山家」に辿り着く。音羽御殿と呼ばれる2000坪の屋敷は400億円ともささやかれている。最近になって鳩山家が世界の慈善団体(?)フリーメイソンの日本代表であったことが伝えられている。この組織が単なる慈善団体であるのかどうか、鳩山一郎の息子・威一郎(元外相)を通じて、鳩山由紀夫が「友愛」を旗印に政界に乗り出したことでも注目すべきだろう。こうして豊田家は鳩山家と遠戚関係にあり、日本の支配階級として厳然として君臨しているのだ。単にトヨタ会長の息子がGM関連会社の副社長になったのではなく、その背後にある日本支配階級層が世界と結びついていくための試金石ともとれるのだ。
- 1968年2月25日にラスク国務長官が月には『日米原子力新協定』に調印すると、1971年4『日米経済諮問委員会』が設立され、アメリカのそうそうたる財界のメンバーが来日する。
- チェース・マンハッタン銀行の統帥者、デヴィット・ロックフェラー
- デトロイト・エジソン社(原子炉運転業務)の会長、ウォーカー・シスラ
- ユニヴァーサル石油(放射性廃棄物の処理も兼ねる)の会長、M・P・ベネマ
- ベンディックス社(水爆メーカー)の社長、W・マイケル・ブルメンソール
- テキサス・インスツルメント社(原子力機器の製造)の会長、P・E・ハガティー
- デュポン(火薬メーカー)社の社長、C・B・マッコイ
- 原子力協定に調印したラスク国務長官は「ロックフェラー財団」の理事長であった。調印してから3年後にその統帥者デヴィット・ロックフェラーが配下の財界大物を引き連れて日本にやってきたのだ。その中にデトロイト・エジソン社がある。その重役の椅子に座っていたのがチャールズ・フィッシャーとオーティス・スミスという人物であるが、この二人はGM(ゼネラル・モーターズ)の重役陣でもあった。つまりトヨタ会長の息子は間接的にアメリカ最大の原子力関係会社に吸収されたとも考えられる。そして、それらはみんなロックフェラー家の持ち物であった。豊田家の親戚であるところの中曽根元首相の系図からも原子力関係業者に辿り着ける。なんとなれば中曽根元首相の娘(美恵子)は鹿島建設を支配する渥美健夫会長の長男・渥美直紀(公正取引委員会)に嫁いでいるからだ。日本の原子力発電所建設を一手に手がけた鹿島建設は、そのファミリーの中に中曽根元首相から鳩山、日本大手自動車会社トヨタ社の一族を含んでいる。
- 日本における系図は佐藤朝泰著『閨閥』を参考としたが、広瀬隆著『腐食の連鎖』にはさらに詳しく書かれていて驚いたものである。ところが、その後で出版された『私物国家』にはもっと驚かされた。今、日本を騒がしている金融スキャンダルの黒幕から政財界の指導層に位置する重鎮たちの殆どが同族となってしまうのである。冗談ではないと、緻密に網羅された連綿たる血族の系譜を辿ったが、それは違った意味で冗談ではなかった。つまり事実であった。中には「日本を支配する指導層が同じ一族であったと証明されたとて何が問題なのか?金持ちはそれだけで悪いのか?」と言う向きもあるだろう。問題は同族そのものではなく、日本社会に大きな影響を及ぼすところの権力者たちが、今や日本経済を崩壊に追いやるような愚策を繰り返しながら、その責任をとらないばかりか国民の税金をむしり取ってきた張本人が、同族だったということである。公的資金導入は国民の税金であり、その国民のものであるカネを平気で大手金融などに融通するのはおかしいというのだ。我々一般の通念ではそれをドロボー呼ばわりする。つなぎ資金を借りられないで自殺する経営者がいると思えば、税金を公的資金などと言い換えて大手機関にどんどん流し込んでしまう政府は、ドロボー国家と呼ばれて何が悪いもんか。さて、とうとう金融ビッグバンの幕が切って落とされた。ニッポンの国は国民の税金をあてにするしかないほど屋台骨が揺らいでいる。今度はその国民の懐のカネ、個人資産1200兆円が狙われている。狙っているのは誰だ!?
- メールが変更になると切り替えるのに大変です。まずアドレス設定から変更して他のサーバに登録されているメール・アドレスを書き換えたりと、振り回されている。そのうち自分もどっちが新しいアドレスなのか勘違いしてミスを犯す。パソコンの知識に疎い私にはプロバイダ側の知識についていけない。やはり懇切丁寧に説明してくれるプロバイダは初心者にはありがたいものです。ところが中には質問するにも憚られるプロバイダが存在することも確かです。そういう会社に限ってサービス・プロバイダなどを宣伝文句にしている。さてさて一段落と言うことでアドレスは一応変更したつもりですが、9日には古いアドレスがプロバイダに削除されるので、その時にもトラブルが考えられる。そうなったら別のプロバイダに乗り換えるつもりです。
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