1997年九月

おーる・どきゅめんと&どきゅめんと日誌・履歴

1997/09/30、火曜、晴

 現在資料収集中・・・先程「電磁波特集」に「MKウルトラの戦慄」を追加。

1997/09/29、月曜、晴

 そろそろ電磁波兵器について深く掘り下げていきたい。グレン・デイビスがレポートした「電磁波兵器開発はここまで進んでいた!」をサポートするかたちになると思う。まず携帯電話がマインドコントロール兵器として使用される可能性についてだが、すでに人間の頭蓋骨が携帯電話の専用周波数帯に増幅機能として働くという事実がアメリカで報告されている。この専用周波数帯はセルラーフォン・ネットワークで使用される840〜890メガヘルツの電磁波を指す。こうした一連の事実は『「アメリカ政府の陰謀」であり、世界統一政府樹立への一環として国民の心をも操作しようとするマインドコントロールにほかならない』として、海軍が中心となったグループ『COM-12』が陰謀阻止を目的に立ち上がっている。一般には荒唐無稽と思われがちな話だが、とりあえずは彼ら「コム12」のファイルも参考資料としたい。

 私が調べた限り、アメリカ政府及びCIAらが行ってきたマインドコントロール操作はかなり以前から行われていたと思われる節がある。代表的な例がケネディ大統領暗殺の実行犯ロスコー・ホワイトという警察官であろう。この人物はアメリカの公式文書には一切登場しないし、彼が残した唯一の証拠物件である日記はすでに押収されている。この事実が公表されたのは数年前だが、それを公表したのがロスコー・ホワイトの妻であり、夫の謎の死後に末期ガンとなり「もう恐れるものはなくなった」として暴露したものである(現在、彼女はすでに他界したと思われる)。彼女は若い時分、ジャック・ルービー経営するストリップ場でストリッパーとして働いていた(ルービーは言わずと知れたオズワルド射殺犯)。このルービーの店では何とオズワルドやホワイトらがルービーと共に会合を開いていたというのだ。その会合で話し合われていたのがケネディ暗殺のことであり、偶然話を聞いてしまった彼女が「その記憶を消す」ために洗脳の洗礼を浴びたのだという。話が長くなりそうなので要約するが、ロスコー・ホワイトとオズワルドは日本のおいてはCIAの下部工作員として連絡を取り合っていた旧知の仲でもあった。これらの事実は追々詳しく述べるとして、彼らがCIAの指令を受けてケネディ大統領暗殺の実行に関係していたことは分かる。それらを目撃していたホワイトの妻が記憶を消すためにマインドコントロールにかけられのだが、当時の洗脳は記憶を完全に消すことはできなかった。ゆえに末期ガンの死期を悟った彼女の証言に至るのであろう。ケネディ大統領暗殺の四年後、フィリピンでルイス・M・カスチロという青年がマルコス大統領暗殺を企てたという容疑で逮捕される。この時、尋問に使用された「真実の血清」によってカスチロがケネディ大統領暗殺にも関与していたことが判明する。何とカスチロは「私は催眠によってプログラムされ『オープンカーに乗ったある男を殺せ』と指令を受けた」と自白したのだ。大統領暗殺直前、カスチロはちょうどオズワルドの狙撃場所である教科書ビルの現場にいたと証言した。その頃、警官ロスコー・ホワイトはエルム通り脇の急斜面の立木の陰でライフルで大統領に狙いをつけていた。そしてホワイトと思われる警官が放ったダムダム弾が大統領の右後頭部を破壊する。その瞬間を8ミリフィルムで撮ったのが映画「JFK」でも使用された実写サブルーダー・フィルムで、サブルーダーは狙撃犯のすぐ左手にいたことになる。これらはあくまで私の推測だが、新資料を付け加えての推測だけに新たな発見もあると思う。極めつけは大統領暗殺後のロバート・ケネディの暗殺だろう。暗殺犯サーハン・サーハンの「尊敬していたロビーを私が撃つはずはない」との証言はそのままマインドコントロールを暗示するかのように思えるのだ。

 長くなった。最後にアメリカ政府が認めたマインドコントロールの人体実験について書いておきたい。1992年11月、カナダ政府は、アメリカ政府及びCIAとの共同で行った『洗脳実験』被験者リンダ・マクドナルド夫人に7万9000アメリカドルの賠償金を支払うことに決定している。この実験を行ったのは有名な精神科医ユーイン・キャメロン博士で、そのプロジェクトを「MKウルトラ」という。

1997/09/28、日曜

 昨夜、MTBに乗り急勾配の下り坂で転倒してしまった。全身打撲、頭部の出血で上半身びっしょり。日中だったら出血だけで騒ぎになっていたはず、夜の闇に紛れて帰ってきたけど、まだ痛みが疼いている。というわけで、日曜は部屋に籠もりっきり・・・で天気も分からない。これからはヘルメットを着用することにした。自転車とはいえ、坂を下る時は相当のスピードが出る。まがり間違えば怪我をするし、打ち所が悪ければ命にもかかわる。日曜とあって薬も買えない。髪の毛が血液で固まってしまった。明日はオキシドールで消毒&整髪しなければ・・・最近なにかとトラブルが続いている。今、映画「ゴダールの探偵」を観ている。殺し屋がホテルの宿帳を逆さに見て、人違いの人物を射殺してしまう。999号室を666号室と勘違いしたわけだ。思えば私も人生における勘違い、勝手な思い込みを何度繰り返してきたことか。恋愛においても、それは苦い思い出だ。愛さずにはいられない衝動は今も変わらない。

 例のハープに関する情報を収集している。これらが事実だという確証も固まりつつある。電磁波とマインドコントロールの関連に至っては先入観念の打破が前提になるだろう。信じようと信じまいとにかかわらず、未来はこれまでの装いを一変するような壮大な展開を示すはずだ。

1997/09/27、土曜、曇り後晴れ

 夜明け前、システムを回復しつつホームページも見れるようになった。。何と同じファイルをそれぞれ別のタイトルでアップしていたのでした。前のタイトルは消えてしまったもので、それが判明した今、ようやくこうして書いているわけです。しかし文字化けの原因はまだ分からない。メールを出しても文字化けだったと返事が来た時点でシステムダウン、これからメールの設定もしなければならない。電磁波兵器のリンクで文章が読めるようになるには正午頃になる予定。

 午後三時半頃、全て回復しました。と思う。電磁波に関しては原発問題を扱った「アサツユ報告」文中にも書きましたが、今私が書いているのはもっと深刻な「電磁波兵器による意図的で悪意ある」殺戮兵器とその組織のことです。下の書き込みの青文字のリンクから読めるようになっています。このことは原発以上に重要なことと考え、これから特集というかたちで随時情報を流し続けます。

1997/09/26、金曜、雨

 どういうわけか電磁波兵器の書き込みがものの見事に文字化けしている。リンクしてくださった方、申し訳ありませんでした。そればかりかシステムが壊滅的な打撃を受け、全てウィンドウズの再セットアップを四回も繰り返しています。多くのデータも吹っ飛んでしまいました。IE4.0は危ないよ。エクスプローラーよりナビゲーターの方が信用できるかも知れない。回復にはまだ時間がかかるようです。この日誌も読めるには数日後かも知れない。今度はシマンティクの「ノートン・ユーティリティー」の監視付きだから大丈夫だと思う。このソフトはもっと早くに手に入れるべきだったんだ。というわけで急ぎ修復していますので、今のところ下のリンク文字はクィックしても無駄です。修復完了時にはここでお知らせします。しかし、どうもうまくいかん。ホームページが日記を飲み込んでくれないのよ。

1997/09/25、木曜、小雨

 昨日は来客の多い日だった。寛いだところで電磁波兵器のことを話すが、やはり一笑に伏された。「この不況下、目の前のパンの方が大事だ 」と言うわけである。しかし、この不況下にある日本列島が電磁波兵器の影響を受ければ不況どころではない壊滅的な打撃を受けるのだ。北朝鮮の干ばつと洪水といった極端な異常気象も電磁波兵器の影響ではないか、とも囁かれている。信じ難いことだが、それが事実かどうかぐらいの調査は必要だ。のっけから信じない者は、信じたくないのであって論外とするしかない。事の重大さ、深刻さを危惧する者にしか未来図は設計できない。

1997/09/24、水曜、小雨

 日記を書き終えた今「SAPIO」10/08号が届き、つい数日前に書いた電磁波のハープ計画の全貌も載っていた。ここでは電磁波によるマインドコントロールにも触れられており、そろそろ私も電磁波兵器の全貌を書きたいと思う。あまり先に進むとパラノイア扱いにされかねないので小出しに書きますけど、その信憑性については読む人それぞれ自分なりに分析していただきたい。未来のSF映画に登場するような信じがたい兵器が現実のものとなる、その背筋が寒くなるような事実をもって直視してもらいたい。著作権の問題もあると思うが、できるだけ情報源を公表して対処したい。何よりも人類の前に立ちはだかる最終殺戮兵器の実態を知ることが先決だと思っている。人の命をゴミのように始末しようとする許し難い魔性の組織のこと、彼らに世界を支配させてはならぬ覚悟と祈りを込めて・・・私にできることはこうしてインターネットで事実を暴露することしかできない。何より次の世代へ、子供たちのために・・・とりあえず今夕配達された「SAPIO」からグレン・ディビス筆者「『電磁波兵器』開発はここまで進んでいた」をコピーします。青文字下線の部分をクリックしていただければ目的の文章が表示されます。数日前も私のホームページにリンクを張ってくださった方がおり感謝しています。電磁波の件に関しては至急追加資料を収集して書いていきますので、緊急特集ということでリンクしていただければ幸いです。

 今、友人から電話があり出かけなければならないので、電磁波の資料は明日に延ばします。

 歌舞伎町に浸透する中国マフィアのことを書いた。 日本に浸透する中国&台湾の「黒社会」

1997/09/23、火曜、雨・・・肌寒い

 コンビニで「週刊現代10月4日号」を買ってくる。体調を崩したという立花隆氏の連載「同時代を撃つ」が最終回を迎えたからだ。全身成人病の巣という、かなり疲労した状態だったらしい。ここで倒れるには惜しい人、休暇を取って再度蘇ってほしい。今回も佐藤孝行氏に関して突っ込んだ分析を展開してくれた。全日空の佐藤氏への賄賂200万は別件であり、検察の本命はやはり中曽根ルートだった。中曽根から児玉ルートへ、そして小佐野賢治という大物逮捕が、なぜか中断する。何らかの圧力が現場の検察にかかったとみて間違いあるまい。私の興味を引いたのは「佐藤氏は全日空などより東亜国内航空(現JAS)から多額の賄賂をもらっていた」というくだりだ。東亜の親会社は「東急電鉄」である。今では故人となった稲川会の会長、石井進氏が株を買い占めて仕手戦を行った会社である。稲川会が東急に食いついている頃、山口組はイトマンを狙っていた。その絵画取引での700億とも言われるカネが先頃暗殺された宅見組長に流れたという噂がある。ナンバー2とも目されていた宅見組長は山口組の財務を取り仕切り、イトマン事件の某被告とは知己であった。その宅見組長を射殺したのは同じ山口組系の中野会ということになっているが、実際は別に犯人がいるのではないかと噂されている。宅見組長から多額の返済を求められている山口組系の幹部は多い。中野会をスケープゴートにした幹部のクーデターが進められているというのだ。1976年8月20日保釈金2億円で釈放された田中角栄の元にNHKの小野会長が訪問、翌月に小野会長は辞任を強いられる。当初NHKが予定していた「田中角栄の光と影」に突然放送中止の業務命令が下ったのもこの頃だと思われる。この件に関しても週刊現代に載っている。

 雑誌をかいつまんで接点同士線を引いていくと意外なことが分かるものだ。参照にした本ともども詳しく調べてみたい。週刊現代にはほかにダイアナ元妃の事故現場写真なども載っている。インターネットに流れたものをモノクロで表示してある。たいして騒ぐような写真でもないように思うが、ここ私のホームページに写真を出せばまた問題になるのだろうか?「人は死ねばゴミになる」と言って死んでいった有名な検事総長がいたが、ダイアナ元妃とて死ねば単なる抜け殻だ。最近になってダイアナ元妃が妊娠していたらしいなどと報道されているが、それを加味する限りに置いては哀れとも感じよう。すでにインターネットで公表されてしまった画像を、大袈裟にスクープとして再度週刊誌に載せることも何か変だ。

 さっきイトコと山奥の自然水を汲んできた。「ゴミは持ち帰ろう」という立て看板の側にゴミが投げ捨ててあった。こうなると人間自体がゴミだと思いたくなる。自然は人間のためにあるのではない。人間も自然の一部なのだ。その自然を汚すことは人間を汚すことになる。ちょっと奥に分け入るとゴミがまた出てくる。こんな世の中、人間も生ゴミとして捨てられる時代が来るかも知れない。すでにそうなっているか・・・

1997/09/22、月曜、晴

 今朝の新聞に「デジタルビデオの電磁波、JAS機の計器狂わす」という記事があった。これまで携帯電話が医療機器を誤動作させるということは分かっていた。今では病院内での携帯電話使用を自粛するよう求められているが、便利さゆえについ使用してしまうアクシデントも考えるべきだ。つまり強い電磁波を出す機器は、命にかかわることが判明した場所での使用は厳禁とすべきであるし、弱いPHSにするか、規制すべきだろう。誰も命の危険にさらされてまで便利を優先するとは思わない。自分に被害が及ばないからかまわない、という人は加害者として裁かれることも覚悟しておくことだ。専門家の多くは「電磁波の影響だとは断定できない」と言葉を濁しているが、今回の飛行機内でのように「デジタルビデオのスイッチを切ったら計器が回復した」と分かっている以上、その使用は人命にかかわるという点で厳しく規制されなければならないだろう。我々は電気の本質すら本当は分かっていないで、便利だからという応用的な面だけを利用してきたにすぎない。こと原発にしろ電磁波にしろ、便利ゆえの危険が疑われる今、進歩に急ぐ足を踏みとどめる余裕が必要とされる。

 最近アメリカあたりで最新型の航空機が次々と墜落事故を起こしている。ステルス攻撃機が墜ちたかと思えば、今度はB1爆撃機が墜ちたという。原因不明だとされているが、これら航空機に共通しているのはハイテクの固まりのような最新型だということである。私の憶測にすぎないが、これらの事故には電磁波が関係しているのではないか?ビデオカメラの電磁波で計器が狂うほどの最新鋭機ゆえの弱点が、ここにきて相次ぐ墜落事故を引き起こしているように思えるのだ。以前に書き込んだアメリカ軍部のハープ計画に至っては「電離層にビームを発射して地球内に電磁波を拡散させる」という無謀な実験が実際に行われている。これが成功すれば海中の潜水艦とも簡単に通信可能となり、地球の何処にでも通信ができるのだという。しかしこれは電磁波の危険をまるで無視した狂気の沙汰としか言いようがない。これでは飛行機の操縦システムが電磁波の影響をもろに受けてしまう。ビデオカメラの類ではないだろう。この件に関しては追って詳細な資料を分析してみたい。

 人間とは何と愚かなことを考えつくものだろうか、と思われる記事が同じ今朝の新聞に載っている。アメリカの軍事基地で毎分100万発の機関銃がテストされたそうだ。オーストラリア人が開発した「メタル・ストーム」とか呼ばれているもののようだが、これを専門家は「60年代の機関銃以来の大発明」と絶賛している。こういうのを専門馬鹿という。殺戮兵器の性能が向上したからといって喜べる輩ほど人類にとって危険なことはない。湾岸戦争のピンポイント爆撃に参加したパイロットの「そのハイテク兵器の正確さ、素晴らしさ」を絶賛したインタビューを思い出す。ガンジーは卓見していた。「そこにはミサイルのスイッチを押す指があり、その指を動かす人の心がある」と。神戸の事件も「そこには残酷な殺人を犯した少年の手があり、その手を動かした少年の心がある」はずだ。それを専門家は少年法を改革して死刑にせよと言う。物理的に排除すれば事が済むような問題ではあるまい。犯罪の本質は加害者の物理的存在にあるのではなく、その心に起因するものだとすれば「その心を裁く」べきではないのか。それは西洋哲学「我想う、ゆえに我有り」であり、東洋の華厳経「三界は虚妄して、唯、是れ一心の作なり」であり、ヒンズー経「すべてこの宇宙の変化する多様性の中に一のみ看取する者たち、この者たちにのみ永遠の真理は帰属し、世の何人にも帰属することなし」に通じるだろう。

 全ては心の成せる技、指導層の心に巣くう権力の魔性もまた電磁波以上に危険だ。アメリカのクリントン大統領の心の隙に根ざした欲心が今裁かれようとしている。司法省がすでに大統領への献金疑惑で予備調査を開始、ゴア副大統領も同時に捜査線上に浮上している。クリントンはそろそろ用済みとする支援組織の意向が見え隠れする。ニクソンの退陣劇のような、不名誉な退陣がクリントンに強いられるのも間近だ。新大統領の登場が全てを物語る。時々神様は思いがけない番狂わせを計画することがある。ケネディ兄弟に課せられた運命もまたそうだった。ちょっと調べればJFK暗殺のオズワルド単独犯説がでっち上げだということはすぐ分かる。それもオズワルド単独犯説に固執してきたのが国防省やCIA、FBIはもとよりアメリカのありとあらゆる指導層であったことを念頭に置かれたい。ケネディ兄弟暗殺に今もってつきまとう陰謀説が噂される所以だ。私も独自に少しずつ資料を集めてきたが、そこには信じがたいマインド・コントロールの実態もある。CIAが極秘に開発してきた計画からみれば、オウム真理教のマインド・コントロールなどいかに幼稚かが分かる。それが事実であれ認めようとしない、認めたくない知識人が蔓延している。ライオンが襲いかかってもコントロールキイを押すだけで大人しい猫と化すようなことは驚くにあたらない。JFKの命日も近づいていることだし、私なりの慰霊の意味を込めて書いていきたいと思う。

1997/09/21、日曜、曇時々雨

 ヤオハンは何故倒産したのか?一言でいえば無謀な事業拡大に尽きるだろう。経済動向をまるで無視した強気が破滅につながった。初期の海外進出がトントン拍子に成功した勢いが、判断を誤らせたといえる。バブルの崩壊もひとつの警鐘とうけとるべきであった。絶頂期の総売上5000億円が和田一夫氏の強気となっていったのと、マスコミの「流通業界の風雲児」といった誉め言葉が更にヤオハンを増長させた。平成六年の設備投資額40億円が二年後の平成八年には135億円にも膨れ上がっていったが、当期利益は15億円から4億円と下がり続け、平成九年にはマイナス359億円と赤字に転落する。こうしてメーンバンク不在の過剰投資がヤオハンを追いつめていく。メーンバンクを持たない転換社債だけで乗り切ろうとしたのが裏目に出た。何より和田一族のワンマン体制がチェック機能を停止させ、暴走させた。いま日本国内の企業倒産の大半が事業拡大による資金不足が原因となっている。ヤオハン倒産の波及はこれから関連企業の倒産を招くことだろう。経営者の責任は重い。貪欲に事業拡大を押し進めるやり方は今後通用しないし、あらゆる無駄を省いていく手堅い清貧の経営でしか生き残れなくなっている。

1997/09/20、土曜

 運動不足を自覚、バーベルでトレーニングを開始する。息切れする。昔のようにはいかない。連日の飲食で体の不調を感じる。カネも使う。個人主義を押し通してきたが、ここに至って妙に孤独を感じる。今夜も元芸者の女将と飲んで歌って騒いできたが、深夜に飲む酔いざましの水が何故かまずい。妹に結婚をすすめられるが「妻など、つまらん」なんて駄洒落を飛ばしてしまう自分がおかしい。今さら晩婚もいいところだ。願わくば忘れたはずの彼女が現れないことを祈る。「元気?」なんて電話がかかってくると訳もなく戸惑ってしまう。ここ数年そういうこともない。忘れられた存在であり続けたいし、私も忘れたい。死ぬ時は小春日和、山奥に広がる草原にひとり、春の日差しの中でうたた寝をしたまま冷たくなっている。誰にも知られずに、そのまま朽ち果てていく自分。な〜んちゃって!武骨な私には似合わぬセンチメンタル、この二面性ゆえに私は悩み、そして誤解されるのだ。器用でないだけ不快な人生の展開になってしまうけど、死ぬまで自分を生きることしかできないね。うむ、そろそろ眠らなければ、現在午前四時。夜明け前田、否、夜明け前だ。「あたり前田のクラッカー」てなコマーシャル、分かっている人は私と同世代です。ハハハ・・・日曜の朝は体中からアルコールを発散して死んでます。夕方には生き返りますけどね。でも生き返らなかったらどうしよう?このホームページだけが頼りだな。今日の日付のまま半年過ぎたら疑ってください。おそらく白骨化した私の躯が発見されるでしょう。うむ、それでは遅いか・・・ま、いいか。??????

1997/09/19、金曜、曇

 ヤオハンが倒産した。負債総額1600億円、世界への拡張展開が裏目に出た。その余波をもろに被るのが静岡の中部銀行だ。ほか九月の中間決算を乗り切れないだろうと言われている関西の銀行が三つ、幸福銀行、紀陽銀行、福徳銀行。「九月危機説」で浮上する銀行はこれだけではない。アジアの好景気に乗った日本の進出企業は、今度の通貨危機と株価暴落で壊滅的な打撃を受けた。アジアの通貨危機を「ジョージ・ソロスとアメリカ政府の陰謀だ」と激しく非難したマレーシアのマハティール首相は海外投資家のカラ売りを規制、その報復として海外資金がいっせいに引き揚げられて外貨準備数十億ドルが消滅した。最新の会社四季報のグラフを見ると一目瞭然だ。日本はもとより、アジアの尻下がりも顕著に現れている。それとは正反対に欧米大国の尻上がりは見事なものだ。マハティール首相の卓見も過酷な現実の前には虚しくなる。世界金融システムそのものが欧米諸国、その中の金満家グループによって計画されたものであることを再度認識すべき。オルドリッチ法案に隠された罠、それが通過したことで始まった巨大トラストのことを・・・

1997/09/17、水曜、どしゃ降り

 雨が降ると思い出す。雨漏りが日常茶飯事だった頃のこと、少年だった私は雨漏りする箇所に洗面器や茶碗を置いていくのだ。それでも足りなくなるとコップを置き、最後には家の中で傘をさしていたこともあった。決して大袈裟ではない、そういう時代だった。深夜になると雨漏りが奏でる様々な雨音に耳を澄ましていた。貧苦が奏でる雨音のリズムはなぜか心に深く、懐かしさに溢れて残っている。台風がくるとトタン屋根が吹き飛び、台風一過の星空を見た。星がトライアングルのような金属音を発してキラリキラリ輝いていた。あの頃の空は澄んでいた。終戦後の焼け跡から這い上がっていく日本の成長期、その序盤に自然はとても美しい装いを私に見せてくれた。貧しさを感じさせないくらい、私の心は自然と同化していたように思う。母は弟を背負いながら妹の手をひき、父は私を肩車して歩いていた広くて長い、遠い日の幼い思い出。 それが、いつの頃か・・・屈折していったのは何故だろう?高度成長期がやがて飽食をもたらし、自然は汚れに汚れて人の心も混濁してきたように思える。歳を重ねるたびに切に思う。童話が本当に必要とされるのは大人だと。子供に与えるべき童話は、かつて子供だった頃の大人の遠い昔にある

1997/09/16、火曜、雨・・・雨

 台風の足踏みで九州ではまた土砂崩れによる被害が出た。土砂崩れは日本列島の宿命みたいなものだが、毎度の事ながら過去の教訓は殆ど活かされていない。防災の不備といえばそれまでだが、人間の命がかかっているだけに現場に即した具体的な防災対策が急務だろう。一瞬のうちに家が倒壊し、家族が土砂に呑み込まれていく悲惨は決して他人事ではない。今度も鹿児島に犠牲者が出たが、鹿児島にはすでに「土砂災害危険箇所マップ」なるマニュアルが存在する。その前触れとして「山鳴りがする」「雨が続いても川の水位が下がっている」「川が濁り流木が混じる」など三点が指摘されている。ここで地域住民が最も陥りやすい盲点がある。「川の水位が下がる」とかえって安心してしまうのである。しかし実際には川底に亀裂が走り、そこから地下水へと水が流れ込んでいるわけだ。問題はこうした指導が地域住民に伝えられていない点にある。現在国が発表する「土石流危険渓流」は八万箇所に及び、それは日本全土が危険区域であることを示唆している。しかも、そうした調査発表とは裏腹に被害は増加する一方なのだ。その原因のひとつに防災予算の削減があげられよう。国の指導層が「有事」を口にしてアジア近隣諸国から危険視されるなら、自然災害に命を奪われる今の現状を「国の最たる有事」として予算を増やすべきだ。自衛隊の公開演習で一瞬に炸裂する砲弾何億円なりを、防災予算にふりむけることは可能なはずだ。もう殺戮兵器はいらない。

1997/09/14、日曜、曇後雨

 書き忘れたが政府審議会の非公開の最たるものは大蔵省なんだな。大蔵といえば、橋本現首相が大蔵大臣をしていた91年当時は富士銀行不正融資事件で国会が大きく揺れていた。富士銀行赤坂支店の中村稔渉外課長がノンバンク相手に架空預金証書を捏造して2600億円もの不正融資を展開したのだが、ここに仲介者として橋本大蔵大臣(当時)の秘書、小林豊機が登場する。橋本の愛人と噂された東京赤坂の天ぷら屋「尾花」の女将、俳優の津川雅彦が経営する南青山の「グランパパ」、先々代花籠親方(故人)の次男坊が計画した「花籠&スポーツヒルズ」など14億円の不正融資に小林秘書が関与していた疑いがあった。これを当時の橋本大蔵大臣が知っていたかどうか?結局はうやむやの内に幕は下ろされた感じだった。

 富士銀行の中村課長は「協力預金」なる巧みな操作で不正にカネを動かしていたのだが、それと同じ手口を使っていたのが東海銀行のエリート森本亮だった。森本は東海銀行秋葉原支店で1500億円もの不正引出をしたのだが、それ以前に某広域暴力団の息のかかった闇の紳士たちに取り込まれていた。気になるのはその脅しに現職の警察官が同席し「警視庁が動いている」と忠告していることである。この事実はなぜか伏されたままであるという。最近も何かと物議をかもしている第一勧銀や野村証券の内部にも警察OBが天下っている。総会屋との腐れ縁が次々と明らかにされる中、彼ら警察の天下りは何もできなかったのだろうか?実に奇妙なことである。(「噂の真相」10月号69頁にはこれら警察OBが実名で載っているので参照されたい)やがて森本亮はウラ社会の手引きでタイに逃亡するのであるが、一方、東海銀行内部では必死の証拠隠滅が行われていたのである。その逃亡劇も含めて「文芸春秋」10月号164頁『東海銀行、封印された「狂気」』に詳しく載っている。その文中には「森本メモ」なる存在と、政界の大物政治家が名を伏せて紹介してある。謝礼は10億だという。

 同じ「文芸春秋」に『「マルタイ」の勇気が日本を救う』と題して伊丹監督と佐々淳行氏の対談が載っている。サブタイトルは「マルタイと刑事の心が通じ合えば悪は駆逐できる」とある。伊丹監督は言う「日本人が安全に暮らすためにも警察を支援するのは大切だ。いまの警察は人材の確保から何から何まで困難な時代なのだからサポートしてあげたい。ところがこういう映画を作ると『警察の犬』と言われる(笑)。日本人はすぐお上に何とかしてくれとか、何をサボっているんだとかいう発想になる」・・・アレアレ何か違うんじゃないの?映画「マルボウの女」ではリアルな総会屋の手口を教えてもらって感謝し、その後の襲撃事件では同情もしたけれど、暴力団怖さに警察に擦り寄り過ぎた感じ。これでは「マルボウの女」も作り替えてほしくなる。むろん警察も登場してもらう。総会屋はそのままでいいけど、舞台は銀行だな。さて警察にはどんな役がいいかな?

 噂には聞いていたけれどドキュメント映画「ゆきゆきて神軍」のモデル奥崎謙三が出獄、その過激ぶりは衰えていないようです。これも「噂の真相」に載っています。右傾がかった「文芸春秋」左傾よりの「噂の真相」両極端な文章を照らし合わせると意外な発見があったりします。出獄したばかりの奥崎氏の意気軒昂な過激ぶりを以下に・・・ああ、これじゃ眠気もブッ飛ぶなぁ。現在午前四時。

私は特別犯罪者、特殊国民です!

ズバリ、古今東西、天皇と国家の法律にも従わなかった者です。

私は医療刑務所に四年二ヶ月おりましたが、注射も薬も飲んでおりません!

医学、政治、法律、宗教、これ、みんなインチキです!

1997/09/12、金曜、曇

 佐藤孝行氏が総務長官に入閣したことでロッキード絡みの非難の声があがっていますね。当然のことですが、そうした声に佐藤氏当人が「あれは二十年も前の過去のこと」などと言うに及んでは人間的資質そのものを疑わざるをえない。当時、運輸政務次官だった佐藤孝行氏は丸紅ルートから二百万円を受け取っていたことが判明、そのルートの頂点に立つ田中角栄首相が五億円を受け取ったとして、東京地検は受託収賄罪と外為法違反で田中首相の逮捕に踏み切っている。ロッキード事件では大筋なカネの流れに三つのルートがあった。ロッキード社から直接カネを受け取っていた「児玉ルート」、全日空が政界にばらまいた「全日空ルート」、そして丸紅から田中を通じて流れた「丸紅ルート」である。結果的に田中首相の権限が効果を発揮し「丸紅ルート」がものを言う。右翼の大物から政財界のトップを巻き込んだロッキード事件は、国民を代表する指導層のいいかげんさを露呈している。

 今度佐藤氏が入閣する総務庁は、政府審議会などを牛耳る政財官界の監督的な立場も兼任する。それに佐藤孝行氏が適当かどうかは甚だ疑わしい。今年七月に総務庁は「政府審議会の67%が非公開」とする発表を行った。議事録も非公開とする32懇談会の中には「原子力防災検討会」も含まれている。経済関連審議会委員の半数が財界のトップ、会長・座長は高級官僚が占める審議会のあり方そのものに大きな疑問がある。国民に公表できない審議会とは何なのか。それは国民に知られてはいけないことを話す場なのだと思われても仕方があるまい。非公開を原則とするいかなる審議会も民主国家ニッポンには不釣り合いだろう。

1997/09/11、木曜、晴

 第二次改造橋本内閣 の顔ぶれを急遽載せた。後で追加訂正します。

1997/09/10、水曜、晴

 ダイアナ元妃の謀殺説流れている。「週刊ポスト97/09/19号」49頁にその記事が載っていた。一読した限り、それが起こってもおかしくはない状況だったと考えられる。むしろ、そう考えた方が自然のように思える。情報が少ないだけに推測に留まるが、現代の諜報機関はかなりのことが出来るようだ。CIAを例にする。今や目標の車に特殊な装置を付けれれば、その車が地球の何処を走っているかは偵察衛星で随時監視できるようになっている。そればかりではない。目標の車に信号を送れば停止させることも可能だ。暴走させることもできるだろう。考えたくないことだが、ダイアナ元妃の乗った車にその種の装置を付ければ・・・謀殺は可能になる。何よりダイアナ元妃が結婚しようとしていた相手はイスラム圏の黒幕であり、結婚すれば英王室にイスラムの王子が誕生するという前代未聞の歴史が定着しかねない。白人大国の威信が根底から崩される。アルファイド一族には死の商人としての裏の顔があるが、ダイアナ元妃の家系からも死の商人を操ってきた歴史的事実が浮かび上がる。国の威信などとはそのような血塗られた過去に支えられている。現代版「ロメオとジュリエット」が実現するには都合の悪い背景が整っていたことだけは確かだ。「週刊ポスト」ではモナコ王妃の事故にも触れているが、当時交際していたという武器証人カショーギとの関連から、今度のダイアナ元妃とドディ・アルファイドと酷似しているのは偶然だろうか。カショーギについてはアンソニー・サンプソン著「兵器市場」242頁に詳しく載っている。モナコ王妃の事故死も謎が多い。謀殺説が囁かれながら何故か警察当局はその後の調査を早々と打ち切っている。そして親戚筋の男性二名が離れた所で同時に心臓麻痺で急死するというオマケまで付いている。モナコ王室とバチカン、フリーメイソンやマフィアなどの影が色濃い、その謎が今もって人々の関心を呼んでいる。あくまでも憶測ということで書いてみたが、関連資料の追加過程で何かを暗示させるような実感があればと想う。

1997/09/09、火曜、曇

 しばらく仕事が途切れていたが再び仕事が入るようになって安堵する。一喜一憂の不安定な日々、不変の心を保ちたいものだ。山奥で撮った観音堂の写真をパソコンに取り込む。偶然辿り着いた名も知らぬ観音堂だが、巨石と滝と大樹のある風景に思わず足を止めた。小さな石碑には牛頭観音と彫ってある。大樹の葉のざわめきと滝の水音に耳を傾けながら、深呼吸した場所だ。ここにずっと居たら心が研ぎ澄まされるような気がしてきた。別の場所には天然の湧き水がある。美味しかった。もう一度行ってみたい。

1997/09/08、月曜、雨

 天気が分からなくなっている。日中に外に出ることがなくなったせいだ。山のように積んだ資料に埋もれて、何か調べ始めると夢中になってしまう。ノートパソコンは私の一部となった。商談の際にパソコン画面をテレビに映せたらと思い、馴染みのパソコン販売会社に電話したら何と倒産のお知らせだった。茫然自失となる。深刻な不況に政府は「緩やかな回復傾向」などとまたもや言い始めている。彼ら指導層には国民の悲鳴が聞こえないのだろうか。日本とは何と無慈悲な国だろう。私の周囲にも近々店をたたむしかない苦渋の選択を強いられている人が何人かいる。自殺した人もいる。たとえ貧苦にあっても生き延びてほしかったとつくづく想う。地べたに這いつくばってでも・・・与えられた命の限りに。

1997/09/07、日曜、曇

 マザー・テレサは『全ての救済の道はまず自分の身近な家族を愛することから始まるのです。それが満たされた上で今度は隣人を愛してください』と強調している。自分を振り返る時、私にはこの言葉が一番痛い。親不孝の限りを尽くしながら何が人間愛だと、自分を責めてしまうのだ。日本の古い諺に「冷や酒と親の小言は後で効く。さればとて墓に衣は着せられず」というのがある。私が幾度となく呪文のように呟く諺だが、まさしくそれは内なる私への呪いの言葉だ。作者は忘れたが、半裸で母の遺骸を抱きしめている労働者の絵画ある。この絵に何も説明はいらない。そこには、ただただ自分があるだけだ。

1997/09/06、土曜、晴

 マザー・テレサが死んだ。この人ほど、死んだと言うより「天国に召された」と言うに相応しい人はないだろう。「貧しい人に施す」のではなく「自ら貧しくなって奉仕する」ことを実践してきた女史は、餓死寸前の人々にキリストの顔を見ていた。「あなたが亡くなったあとの修道会はどうなるのか?」と問われた時、マザーはこう答えている。『まず私をあの世にゆかせてください。そうすれば、神さまが方法を考えてくださるでしょう。神さまは、私よりもっと無力で、もっと希望のない人をみつけて、仕事をお与えになるに違いありません』と・・・そこには現世への執着など微塵もない神への全き献身があるばかりだ。真の意味でマザー・テレサは人類に偉大な遺産をのこしてくれた。クリスチャンでない私でも、宗派を越えた信仰のありようを教えてくれた人であった。どうかゆっくりお休みください。

 今、台湾映画『童年往事・時の流れ』を観ている。数年前にも一度観たが、淡々と流れる当時の台湾と私の少年期の環境がだぶってくる。当時はみな貧しかったが、逞しく生きていけた時代だったような気がする。決して大袈裟ではないが、日常の過酷な運命に流されていく庶民の姿をリアルに演出するホウ・シャオシェン監督の才能が光る。85年制作発表後、翌年ベルリン映画祭とアジア太平洋映画祭において批評家賞を受けている。主人公の不良少年アハはそのまま私の少年期でもある。不良少年がいつしか社会性に否応なく適応させられていく過程での両親の死、そして縁側で死んでゆく祖母に伝うアリ・・・死は生と共に日常的であり、アハも例外ではないことを知る。アハのような落ちこぼれに学校の教育はかえって害悪になる。何のかんの言っても現代教育が一握りのエリートを育成する基本路線を訂正しないかぎり、落ちこぼれは増加する一途で落ちこぼれるばかりであり、教師や親は手こずるばかりだ。何より手こずっているのは落ちこぼれた本人であり、生身の人間としての発露に戸惑ってしまうのだ。そのほとばしる思春期の発露を認めようとしない、受け止めようとしない教育に何の意味があるというのか。話がずれた。食いかけのトウキビにアリが群をなしている。アハの祖母の遺骸に伝うアリのように・・・

1997/09/05、金曜、晴時々曇、涼しくなった

 急に涼しくなった。昨日はじっとしていても汗が吹き出ていたのに、今日はとても快適な涼しさだ。ムクゲの花が連日咲き誇っている。キュウイとカリンの実が日増しに大きくなっている。夜になると虫の声が微かに聞こえてくる。ああ、もう秋がそこまでやってきているんだ。私は幼年時代を山形の米沢で過ごした。電線に赤トンボが群をなしてとまっていたのを記憶している。映画館まで夜の田舎道を父に肩車されて行った思い出もある。母は妹をおぶって・・・何気ない幼年期の記憶がこんなにも恋しくなるのは何故だろう。めまぐるしく変化する世の中で、思い出だけが確かなものとして定着しているかのようだ。迷子になって父や母の名を呼びながら泣きじゃくる子供が、今も確かに私の中に息づいている。老いれば老いるほど子供の心が蘇ってくるように思える。居酒屋で私を二十歳代と勘違いしていたオヤジがいた。満更でもないが、やはり年相応に成熟して見られる方が嬉しい。ものみな枯れていく秋の枯れ葉のように、自然に紅葉の彩りを添えて散っていくのだ。明日も涼しければいいね。

1997/09/04、木曜、晴

 パーフェクで香港発「CTN中天」のニュースを観た。欧米発の洗練されたニュースとは違って、荒削りながらも混沌とした活力を感じる。日本のマスコミの多くが欧米発のニュースを視点としていることに改めて気づかされる。アジアでいま何が起こっているか、そろそろアジアの視点で日本の置かれた立場を考えるべき時代になってきているのではないか。日高義樹氏は「日本は既に欧米諸国の興味を失っており、アメリカの寄りの政策は通用しなくなる」として、自立した路線の確立を提唱する。(だから日本も力を〜と結論づけたい氏の論調にはついていけない面もあるが、世界の本音を知る立場にある上では貴重な存在だ)日本では話題にもならないが、台湾や中国などは世界の巨大プロジェクトにこぞって参加しようとしている。日本はバブル崩壊後、極端に元気を喪失しているように思える。アジアに多額の資金援助をしても、その資金がどのように使われるかは全く関知しないようだ。資金を活かすことすらできないほど自信をなくしているようにみえる。それでいてバブル損失の穴埋めに福祉予算を切り捨て、国民の血税をあてにする姑息な政策ばかりが目立つ。尻拭いや穴埋めといった修繕ではない積極的な改善改革が急務とされるように思う。

 ニューズウィーク誌の最新号に「いま明らかにするスイスの真実」なる元外交官ポール・ヨレスの記事が載っている。戦時中、ナチスが略奪した金塊をスイスの銀行が取り扱っていた、という非難に応えての反論。『当時の複雑な事情も知って欲しい』というわけだ。スイスはナチスに協力したと言うが、一方ではアメリカにも協力を惜しまなかった。ポール・ヨレスは「帰国した当時の自分の家はOSS(戦略事務局)ヨーロッパ支部として使用され、後にCIA長官となるアレン・ダレスも活躍していた」と証言する。ちょうど私が読んでいる「情報で世界を操った男」CIA創立者ドノバン(123頁)の中でも、ダレスがスイスでドノバンの部下として働いていたという記述がある。『この時ダレスは49歳で、魅力に富んだ和やかな表情の下に、いざとなれば情け容赦のない非情な性格を秘めていた』という当時のダレスが描かれる。本書ではダレスが情報収集と分析のプロとされているが、実際には世界の銀行をも動かす『バーゼル・クラブ』に関与していたことが広瀬隆著「億万長者はハリウッドを殺す・上」196頁で明らかにされている。世界中の人々が戦争に呑み込まれ悲嘆と飢えの地獄を味わっている最中に、彼らだけは敵味方なく戦争ビジネスの売上高を計算していた異質の世界だった。戦争が本格化した頃、ニューヨーク・タイムズは次のような記事を載せている。「スイスのバーゼルにある国際決済銀行では、連合国のスイス、スウェーデン、アメリカと、枢軸国のドイツ、イタリーの銀行家たちが、机を並べて仕事をしている。この戦争の中で敵味方が共同作業を行っているのは筋の通らぬことではないか。一体どのような暗黙の協定があるのか」たちの悪いパロディと勘違いしたくなるような事実である。彼らの『暗黙の協定』は現代にも引き継がれていることだけは知っておくべきだろう。最近、マハティール首相は「今度のアジア通貨危機は世界的な投機屋ジョージ・ソロスがアメリカ政府と結託しておこなった陰謀である」と発言して欧米諸国から失笑をかった。しかし実際に失笑をかうのは彼らの方かも知れない。なぜならジョージ・ソロスはアメリカ政府の公式行事に公然とその姿をさらし始めてきているからだ。かつて世界的な財閥ワールブルグ家の当主ジェームズはSFじみた妄言とも思える奇妙な言葉を遺している。我々は、諸君が好むと好まざるとにかかわらず、世界政府を完成させる。諸君の同意があればそれで良し、さもなくば征服あるのみだと。しかし、それが金持ちの妄言でも何でもなかったことを国連に具体的な例としてみることができるかも知れない。国連、アメリカの超財閥ロックフェラー家が設立したとされる『国際連合』は、これまで分かってきたように第三国などの意志が反映されるところではない。それは日高氏力説するところの「白人大国の利益を前提とした排他的な民主化」以外のなにものでもないのだろうか。ゲイリー・アレン著「ロックフェラー・ファイル」では国連をして『国連は参加することに意義があって、大国以外の諸国の意志がその決定に反映されるところではない』と看破している。そして『国連はあくまでも世界政府のイメージと必要性を一般大衆に訴えかけ、これらの人々の圧力で各国の主権を放棄させていくための大がかりな宣伝機関である』と続ける。事実、国連の現状を調べる限り、そうとしか思えない事実が次々と暴露されてきた軌跡がある。国連については広瀬隆氏が「ユーゴ内戦で国連が武器を調達していた」事実を暴露している。国連が武装した国連軍を世界中の紛争地域に派遣すること自体、国連が世界の平和を希求する人道的な組織とは決して思えまい。むしろゲイリー・アレン言うところの『世界政府の宣伝機関としての国連』と受け取る方が自然だ。結論を急ぐまいと思う。

 次から次とくる電話は「仕事はないか?」という業者の悲鳴だ。「こっちが教えてもらいたい」が合い言葉になっている。こうした国民の切羽詰まった生活苦をよそに、相も変わらず政治屋たちは党利党略に奔走している。くっついたり離れたり、ホホ連合とか訳の分からぬオール与党の迷走ぶりが神経を逆撫でする。バブル絶頂期のおり、株で大儲けして得意満面の知人に「株なんていつか必ず暴落するよ。それこそ倒産が相次いで失業者が溢れることになる」と忠告して笑われた記憶がある。その笑った本人はいま泣いている。今夜は友人と飲む約束をした。酩酊しながら歌うも良し、泣くも笑うも良しと・・・  

1997/09/03、水曜、晴時々曇、まだ暑い

 どこもかしこも不況の悲鳴が聞こえる昨今、テレビで沖縄のフリーゾーン構想なる番組をやっていた。何気なく観ていたが、これはかなり大胆で面白いプロジェクトだと思うようになった。おりしも日高義樹著の「白人の狂気と日本人」の中にも関連した「香港の資金は台湾に流出する」といった内容の文章があった。台湾のしたたかさは遙かに日本を凌駕する。日本はどうしてしまったのか?沖縄と台湾の政策を対比させながら、思うことしきり・・・

 ダイアナ妃事故死でパパラッチの過熱ぶりに非難がマスコミに集中する中、運転手の飲酒が明らかになるにつれマスコミの低姿勢の頭が少しずつ上がってきたようだ。「あれだけ酔っていれば事故を起こすのも当然だ」として取材の過熱ぶりという批判の矛先をかわし始めた。そんな中「運転手が『できるものなら追いついてみな』とパパラッチたちを挑発した」というニュースが流れると「これではパパラッチが追いかけるのは無理もない。報道の自由は守らなければならない」ときた。マスコミの低姿勢が高姿勢へと変貌する見事な過程だ。目撃者によると「瀕死のダイアナ妃を撮るためにパパラッチたちは事故車に殺到、フロントガラス上に跨ってカメラのシャッターを切っていた」という。これはハイエナですな。いやハイエナには申し訳ない、それ以下としか言いようがない。そしてパパラッチたちの写真をスクープとして多額で買うマスコミも同罪だ。酒鬼薔薇少年の写真同様、瀕死のダイアナ妃写真も密かに買われているのではないか。インターネットで流れたりするかも知れない。スクープの定義すら見失っているんだよ。

1997/09/02、火曜、晴、連日の残暑

 夜明け前にトラックの運転手をしている知人が来る。元は某大手のゲームソフトメーカーに勤めていたらしく、パソコンに詳しく自作のソフトを持ってきてくれた。仕事中で長居はできなかったが、おそらくこのページも読むだろう。こんなところで何ですが「今朝はお疲れさまでした」。お互い生活かかってますから、このところの不景気は痛手ですね。またいつでも寄ってください。

 昨日ここに書いたダイアナ妃のリンクによる系図は迷路に陥るようなので、迷ってもメニューにジャンプできるようにしました。随時更新追加していますから再度リンクしてみてください。誤字はもとより多少事実と異なった箇所があるかも知れません。そんなときはメールで教えて頂ければ幸いです。

 昨日は全国で防災訓練が行われましたが、もうもうと立ちのぼる黒煙に一抹の不安を覚えた。以前に、油膜が農作物や洗濯物に付着して広い範囲に被害が出たことがあったからです。油膜が付着したら殆どおとしようがないということです。ふとイブ・モンタン主演の映画「恐怖の報酬」を思い出しました。相棒が原油まみれになってトラックに轢かれるシーンです。あの映画は恐かったなぁ。

1997/09/01、月曜、薄曇り

 ダイアナ元妃の突然の事故死は全世界に伝えられ、どこもかしこもマスコミはダイアナ妃の悲劇一色で埋められていますね。パパラッチの執拗な取材攻勢での悲劇とあって、その過熱報道そのものが問われているようです。事故後も七人のカメラマンたちは警察に通報することなく、瀕死のダイアナ妃を撮り続けていたというから酷いものです。その写真を一億円で売りに出しているとの噂も出ている。テレビのチャンネルを回してもダイアナ妃の映像ばかり映し出しているが、その番組で妃を追いかけ回したマスコミの過熱ぶりを非難する、同じ穴のムジナという矛盾には気がついていないようだ。それも各局が示し合わせたように同じ内容のことしか報道しない。少しは視点を変えて独自な取り組み方をしてほしいものだ。

 元皇太子妃のダイアナ・スペンサーの父親エドワードは、イギリスの富豪ロッチ家のフランシス・ロッチと結婚している。婿養子と言った方がよいかも知れない。母方を通じて世界的な財閥が浮かび上がる時、ダイアナはその一族によって操られてきたことが分かる。つまり、一族の期待によってダイアナの皇太子妃がお膳立てされたというわけだ。母方の父エドモンドを遡ると、インド総督から英国蔵相ゲオルギー・ゴーシェンの名が浮上する。同名の親子である。親が英国の財源を支配し息子がインドの利権を支配する。そればかりではない。ダイアナの母親フランシスは、その妹にメリーがいる。メリーはベリィー家に嫁いだのだが、同じベリィー家に嫁いだ女性にローズマリー・ロスチャイルドがいる。ロスチャイルド財閥がここに登場する。ローズマリーの父がライオネル・ネイサン・R、その父がレオポルド・R、そしてその父ライオネル・Rから伝説の金融王ネイサン・マイヤーが登場する。ちなみにRはロスチャイルドを意味する。

 ダイアナはそうした一族の欲望の息づかいを聞いていたのではないか。世界の富を手に入れるためには英国王室を利用しない手はない。その結果が皇太子妃ダイアナとなった。しかしダイアナはひとりの人間として、女としての道を選んだ。彼女は同族や王室の偽善と虚飾に別離を決意する。彼女が選んだ自由は同族とは正反対のものだった。それは白人という人種的な壁も乗り越え、エジプトのドディ・アルファイドを選び、そして・・・共に死んでいった。私は元皇太子妃ダイアナではなく、ひとりの人間としてのダイアナに深い共感を覚える。その苦悩と共に・・・

参考資料「ロスチャイルドの謎・上」広瀬隆著105頁、「ロスチャイルド王国」フレデリック・モートン著

 最近読んでいる本

「情報で世界を操った男」CIA創始者ドノバン伝、吉田一彦著、新潮社1700円

「白人の狂気と日本」アジア覇権の行方、日高義樹著、光文社800円

「黒社会中国を揺るがす犯罪組織」何頻・王兆軍共著、草思社2500円