|
|
★ウクライナとのガス価格交渉、米国務長官がロシア非難
【ワシントン支局】ライス米国務長官は5日、記者団に対し、ロシアとウクライナの天然ガス価格交渉について、「ロシアはエネルギー資源を政治的な武器として利用している」と非難した。
ロシアは今夏、サンクトペテルブルクで開かれるG8サミット(主要国首脳会議)で初の議長国を務める。ライス長官は「国際経済の一員になりたいなら国際ルールを守るべきだ」と述べた。
一方、インターファクス通信によると、ロシア外務省のミハイル・カムイニン報道官は6日、「ウクライナへのガス供給は完全に(ロシアとウクライナの)二国間関係の問題だ」と述べ、ライス長官の発言に強く反発した。
(読売新聞) |
|

|
▲天然ガス問題 ルーマニアに飛び火 割高価格、露へ不満表明
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアとウクライナが四日に天然ガス価格の値上げで合意し、供給契約を締結したことから、両国の対立は当面収束に向かったが、今度は、東欧のルーマニアが、ロシアからの天然ガス価格に“物言い”をつけていることがわかった。今回、ロシアがウクライナ向けガス供給を一方的に停止したことで先鋭化した「天然ガス戦争」は、欧州各国を巻き込んで、今後もくすぶり続けるものとみられる。
ロシアのラジオ放送エホ・モスクブイは五日、ルーマニア政府が、ロシアに対し、なぜ隣国のウクライナやブルガリアより割高の価格で、ロシア産の天然ガスを購入しなければならないのか、公式の説明を求めたと伝えた。
同放送によると、ロシアとルーマニアは先に行われたガス価格交渉で、二〇一三年まで千立方メートル当たり二百五十ドル(約二万九千円)とする内容の契約に調印できなかった。このため、ルーマニアは今年第一四半期から同二百七十ドルの価格を支払うことになり、それ以降はさらに十五ドルを余計に支払うことになる。今年から実質的に同九十五ドルでガスを購入することになるウクライナとあまりに格差があり過ぎるというわけだ。
今回の「天然ガス戦争」をきっかけに、これまで水面下で行われていた交渉の経緯や契約の具体的内容が表に出てきたことで、ロシアからガス供給を受ける欧州諸国では今後、国によって異なる価格をめぐる問題がクローズアップされることは避けられない。
ロシアからは、欧州向け天然ガス輸送用のパイプラインとして、今回問題となった南部のウクライナ経由と、中部のベラルーシ経由の二つのルートがある。これに加え、バルト海海底を通り、ドイツに直接つながる北欧ガスパイプライン建設にも着工しており、二〇一〇年にこの第三のルートが完成すると、欧州へのガス供給量は飛躍的に増え、欧州の対露エネルギー依存も高まる。
しかし、問題は「ロシアが天然ガスや石油といったエネルギー資源を政治的な圧力に使おうとしている」(米国務省)ことにある。北欧ルートがバルト海海底を通るのも、反ロシア感情が強いバルト諸国やポーランドを経由させたくないとのロシアのプーチン政権の政治的な意図が濃厚に反映されたためだ。同パイプライン建設をめぐっては、バルト諸国やポーランドが「欧州の政治的な分断をもたらす危険がある」と警鐘を鳴らす。
ウクライナでも「ロシアは今後も、天然ガスを含むあらゆる手段でウクライナの欧州傾倒を阻止するための措置をとってくる」との見方が有力になっている。
(産経新聞) |
|

|
▲<露ガス企業>ウクライナとの紛争 原発維持論が独で再燃
【ベルリン斎藤義彦】ロシアのガス独占企業「ガスプロム」がウクライナ向けガスパイプラインを一時閉鎖した問題で、ドイツ国内で「脱原発」政策を見直す議論が高まっている。キリスト教民主・社会同盟のグロス経済相は4日、「他国に依存しない原子力エネルギーの良さを見直すべきだ」と公然と原発維持論を展開、連立相手の社会民主党から批判が出ている。両党は連立合意で原発問題を先送りしており、ガス紛争が飛び火し両党対立が再燃した格好だ。
ドイツは天然ガス輸入の3分の1をロシアに依存し、パイプライン閉鎖の余波で供給量が一時的に低下した。グロス経済相は原発を「自前のエネルギー」とたたえ、脱原発路線を再考しないと「次々に原発が停止される」と警告した。経済界から「ロシアへのガス依存は危険だ。原発を減らすべきでない」との声が出ているのを受けた発言とみられる。
独政府報道官は4日、「現政権の連立協定は脱原発に触れていない」と述べ、前政権が法制化した脱原発路線が維持されるとの考えを示した。しかし、社会同盟のシュトイバー党首は同日、「原発の運転長期化なら社民党と合意できる。協定は聖書ではない」と脱原発の見直しを今後も提起する方針を示した。
一方、社民党は「エネルギー危機を悪用している」と民主・社会同盟を批判。ガブリエル環境相(社民党)は「ウラン燃料こそ国外に依存している」と指摘、徹底抗戦の構えを見せた。
前政権は02年に脱原発を法制化。現在、電力供給の3割程度を担っている原発17基を20年ごろまでに順次停止し、風力など代替エネルギーやガスで補う計画を立てている。その一環として前政権は昨年、ウクライナを経由せずロシアから直接ガス供給を受けるパイプラインの建設でロシアと合意、昨年末に着工した。
(毎日新聞) |
|

|
▲露・ウクライナ 天然ガス交渉決着 5年契約、引き上げ合意
【キエフ(ウクライナ)=内藤泰朗】ロシアがウクライナへの天然ガス供給を一方的に一時停止した問題で、ロシア国営天然ガス独占企業体ガスプロムは四日、価格値上げでウクライナ側と合意に達したと発表した。この結果、欧州全体にまで拡大した天然ガス不安は当面、解消された。モスクワからの報道では、ガスプロムのミレル社長は四日、モスクワでウクライナ国営ガス会社ナフトガスのイフチェンコ社長と会談後、記者会見し、「双方は最終的な合意に達した。これで欧州への安定供給も保証される」と述べた。
同社長らによると、双方は、ウクライナ向けロシア産ガスの価格を千立方メートル当たり現行の五十ドル(約五千七百五十円)から二百三十ドル(約二万六千四百五十円)に引き上げることで合意。ウクライナは同時に、トルクメニスタンやカザフスタンの中央アジアからの天然ガスをロシア産ガスに混ぜることにより、同九十五ドルで購入する権利も得た。
ただ、輸出はガスプロムの関係企業を経由、ロシアのパイプラインを使うため、ウクライナが事実上、九十五ドルへの値上げを受け入れた形だ。
また、欧州に送られる天然ガスのウクライナ通過料も百キロメートル当たり一・〇九ドルから一・六ドルに値上げされた。契約期間は五年間で一月一日にさかのぼって適用される。
(産経新聞) |
|

 |
▲ティモシェンコが当事者を刑事告発するよう発言:リーマン・ブラザーズが提訴される
---HEATの日記 より抜粋
この不思議な価格の仕組みはこうなっている。まず、ガスプロム(ガスプロムバンク)が過半数の株式を握る「ロスクレネルゴ社」を設立、ここにジョイントベンチャーとしてオーストリアのライファイセン銀行が加わり、ナフトガスも株主となって参加する。この「ロスクレネルゴ社」にガスプロムが230ドルでガスを売る。「ロスクレネルゴ社」はトルクメニスタン(カザフスタン、ウズベキスタン)などの中央アジアから調達する割安なガスとガスプロムから送られてくるガスを混ぜる。混ぜることで“平均価格”を安くして、そのガスをウクライナに95ドルで売る。こういう仕組みである。つまりウクライナは、ガス通行料(1.6ドル)は受け取るが、ロシアや中央アジア各国から提供されてきた安価なガス提供の恩恵(特典)をほぼ全て失ったと見ることができる。今後ウクライナに天然ガスを供給するのは、ロシア・オーストリアの合弁会社である。ウクライナは2倍ほどになった95ドルの天然ガスを購入することで、年間負担増が15億ドルに上ることになった。契約が終了する5年後には、ロシアが230ドル或いは国際価格への値上げを迫ることも目に見えている。
上述したように、ティモシェンコは先日これを“売国行為”だと言っていたのだから、ティモコが沈黙するはずがない。1月5日の「Lentaru
Ru」の記事よると、ティモコは今回の決着に不満だとしてナフトガスと担当省庁(エネルギー省?)を刑事告発するよう動いているようだ。
|
|
|