【北京=加藤直人】中国外務省の劉建超報道局副局長は二十四日、定例会見で、中国東北部の化学工場で爆発があり有害物質が松花江に流れ込み、さらに下流のアムール川に悪影響が及ぶ可能性があるとしてロシアに汚染状況を通報したことを明らかにした。中国国家環境保護総局によると松花江に流入したベンゼンなど汚染物質の総量は約百トンに上るとみられる。
中国紙・北京青年報は汚染された水の帯は全長八十キロにおよび、二十四日にハルビン市の取水口付近に到達した、と伝えた。
劉副局長は「中国は汚染が隣国であるロシアに危害と影響を与える可能性があることを非常に重視している」と述べ、汚染状況や水質調査の結果などを二度にわたりロシアに通報したと述べた。
爆発事故は十三日に松花江上流部の吉林省吉林市の化学工場で起き、有害物質のベンゼンなどが松花江に流れ込んだ。下流にある黒竜江省ハルビン市では水源が汚染される可能性があるとして二十三日から水道の供給を停止し、地下水を利用するよう呼びかけている。
北京青年報によると、黒竜江省の張左己省長は「四日後には自分がまず水を飲んでみせる」と安全を強調したが、香港のテレビによると、松花江の吉林省と黒竜江境では基準値の九倍を超えるニトロベンゼンが検出されたという。
---東京新聞より
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