★イランで爆弾事件続発、8人死亡70人以上負傷
【テヘラン=緒方賢一】イランで12日、南部の拠点都市アフワズと首都テヘランで爆弾事件が相次ぎ、合わせて少なくとも8人が死亡し70人以上が負傷した。
イランでは17日に大統領選挙が予定されており、選挙前に混乱を引き起こすことを狙った爆弾テロと見られている。治安機関の取り締まりが厳しいイランでは近年、暴力的な反体制派による国内でのテロ事件は起きていなかった。
アフワズでは、2時間ほどの間に2つの政府機関ビル、県知事事務所前、国営放送幹部の住宅近くの4か所で相次いで爆発が起こった。国営通信によると、少なくとも7人が死亡し70人以上が負傷した。
アフワズはイラクと国境を接するフゼスタン州の中心都市で、イランの多数派であるペルシャ系ではなくアラブ系の住民が多い。4月にはイラン政府がアラブ系優位の人口構成を変えるため、アフワズのアラブ系住民を他地域に強制移住させ、非アラブ系を送り込もうとしているとの情報が流れ、アラブ系が反対集会を開き暴徒化し治安部隊と衝突して多数の死傷者が出た。
今回の爆弾事件について、ロイター通信は、フゼスタン州の民族主義団体の情報として「アフワズ革命殉教者旅団」と名乗るアラブ系の組織が犯行を認めた、と伝えた。
一方、国営通信によると、12日夕から夜にかけてテヘラン市内の3か所で爆発があった。これにより少なくとも1人が死亡し4人が負傷した。爆弾はゴミの中に隠され道路わきに置かれていたという。
(読売新聞)
アフワズ爆破現場
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