昨日05/03/21 (月)翌日
4-12℃
【トピック】
首相、自衛隊増強を明言 米軍再編で大統領に

 小泉純一郎首相が在日米軍再編問題をめぐり、昨年11月にチリで開かれた日米首脳会談でブッシュ大統領に対し、米軍基地の整理縮小に連動して自衛隊の任務や役割を増強する方針を明言していたことが分かった。複数の日米関係筋が18日、明らかにした。首相が米軍基地の集中する沖縄の負担軽減を要請し、基地返還に伴う地主らの経済的な損失は日本政府の責任で補てんするとの考えを伝達していたことも判明した。
 日米両政府は2月の閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を受け、3月15日の審議官級協議で日米の任務・役割分担や基地の共同使用について本格的な議論を開始した。首相が自衛隊による「肩代わり」を明言したことで、米軍再編が進んだ場合、沖縄を中心に自衛隊の機能と基地の整備・拡大が新たな問題として浮上する構図が浮き彫りになった。

★横田基地 日米共同使用の構想明言 大野防衛庁長官

大野功統防衛庁長官は18日、日本テレビのCS番組で、米軍横田基地を米空軍と航空自衛隊が共同使用する構想について「方向性として検討すべきだ」と明言した。共同使用が実現した場合は「航空管制権と管理権を日本で引き受けたい」と述べ、自衛隊が管理し米軍使用を認める形での運用を検討していることを明らかにした。米軍普天間飛行場の移設計画については「名護市辺野古以外の選択肢で実現可能ないい案が出てくれば、真正面から取り上げたい」と柔軟に検討する考えを示した。【古本陽荘】
(毎日新聞)

★<米軍再編>自衛隊との共同使用など議論 日米審議官級協議

 在日米軍再編をめぐる日米両政府の外務・防衛審議官級協議が15日、ワシントン近郊の国防総省関連施設で開かれ、先月19日の日米安全保障協議委員会での「共通戦略目標」合意を受けて、在日米軍基地の自衛隊との共同使用など「自衛隊と米軍の役割・任務の分担」や「個別の米軍施設・区域の再編案」について協議した。



★イラク戦争に反対していた小泉首相? 

 3月10日の読売新聞がイラク戦争をめぐる小泉外交の舞台裏を検証している。そこには日本が米国に対して単独でイラク攻撃をするなと申し入れていた数々の努力が書かれている。しかし私はこの読売新聞の記事を不愉快な思い出読んだ。その理由はこうだ。
 なぜ今頃こんな記事が書かれるのか。記事に書かれている内容の多くはイラク攻撃開始前後のエピソードばかりである。イラク攻撃の是非をめぐって国内の議論が高まっていた開戦前後に、なぜこの記事が出てこなかったのか。この記事を書いた記者は当時からこれらの情報を持っていたのであろうか、それとも最近入手したのであろうか。もし最近入手した情報に基づいてかかれたものであれば、多分に御用記事の臭いがする。いかに米国を説得するかに苦労したかを今頃になってアピールしたい政府が、わざと情報を流し読売新聞を通じて広報しているのではないかさえ疑いたくなる。

 私がこの記事に不快感を持つもう一つの理由は、政府は米国に対し「イラク攻撃は不当だから止めろ」と迫るのではなく、国際批判をかわすために単独攻撃だけは止めてくれと泣きついている事だ。開戦より半年前の2002年8月竹内外務次官(当時)は訪日中のアーミテージ国務副長官(当時)との日米戦略会議において、「米国対イラク」でなく、「国際社会対イラクの構図」にしてくれと頼んだという。米国のイラク攻撃の不当性には一切言及することなく、イラク攻撃を日本は支持するが、世論の批判にさらされることのないようアリバイ作りをしてくれと頼んでいるのだ。情けないではないか。そしてその願いさえ米国に一蹴される結果に終わっている。
 私が最も驚いたのは小泉首相の対応である。2002年9月ニューヨークのホテルで行われたブッシュ大統領との首脳会談で、イラク問題に議題が移ると小泉首相はやおら立ち上がってしこを踏んだという。そして「一体何事か」と目を丸くしたブッシュ大統領を前に、「横綱は自分からは決して仕掛けない。相手が仕掛けてきたときに初めて受けて立つのだ」と横綱相撲に例えたという。日本側同席者は「ブッシュの心に響き、かつプライドを傷つけないよう、首相が自ら考え抜いたフレーズだった」と解説している。
 更に小泉首相は、イラク攻撃が始まった後の2003年5月の米テキサス州クロフォードでの首脳会談においても、「日本には昔、将軍と天皇がいた。将軍は権力を持ち、天皇には権威があった」などと訳の分からない引用をして、「米国は今極めて強力な力を持っているがイラクの戦後問題は米国だけでは解決できない。国際協調のため国連という権威を使うことが必要だ」とブッシュに注文をつけたという。このような回りくどい説明はカウボーイのブッシュにはまるで理解してもらえなかった。米国のイラク占領のやり方を見れば明らかだ。単純な人間にはストレートな表現を使うべきだ。もっともストレートに言えば怒鳴られていただろう。
 それにしても小泉首相は国会答弁でなぜあれほどまでに米国を支持したのか。ブッシュ大統領を善意の人、正しい人と褒めるのか。この読売新聞の記事が正しいのであればどうして正直に小泉首相は自分のとった行動を説明しなかったのか。「ブッシュ大統領にイラク攻撃を踏みとどまるよう申し入れたが聞いてもらえなかった。残念だ。これ以上米国に逆らえないので仕方がない」と白状しなかったのか。それだけの正直さを小泉首相が国民の前で示したならば、私は小泉首相に敬意を表したに違いない。
---「天木直人・マスメディアの裏を読む」より


【私的めもらんだむ】
 「ブタですよ、彼らは。アメリカのタカ派は、中国やソ連に対して爪も嘴(くちばし)も持っている。日本のは、アメリカのタカ派が獲物を食い残したのをあさっているだけの、つまりブタですね。ブタが怒るだろうがね」
---宇都宮徳馬の司馬遼太郎氏への話、から
 で、太った(太らされた)ブタは食われる、というわけか。
【視聴予定】
19時
30 NHKスペシャル 情報が命を救う(01)ラジオ80年にみる放送の原点▽よみがえる歴史を彩ったあの音▽虐殺80万人ルワンダの悲劇▽地震その時ラジオは▽黒柳徹子 


新じねん」TOP