★【タイ】首長一族が上位独占[金融]
金融専門誌「マネー&バンキング」がまとめた今年の株長者番付は、タクシン首相の長女、ピントンター・チナワット氏が1位になった。首相親族は2位に義兄、4位に長男がランク入りするなど上位を占めた。昨年トップだった住宅開発最大手ランド&ハウス(LH)のオーナー社長、アナン・アサワポーキン氏は株価下落で3位に順位を下げた。
株長者番付は「マネー&バンキング」が毎年、チュラロンコン大学と共同でタイ証券取引所(SET)上場企業の株主を対象に行っている調査結果をまとめたもの。9月30日時点の株価から算出されている。今回の調査結果は同誌12月号に掲載される。
1 位のピントンター氏は、タクシン首相のチナワット財閥の持ち株会社シン・コーポレーション(SHIN)の株式14.91%、不動産開発会社SCアセット(SC)の28.97%を保有。保有株の時価はそれぞれ166億1,000万バーツ、14億2,276万バーツで、時価の合計は180億3,276万バーツと前年比76.65%増加した。株価上昇で昨年の2位からトップに躍り出た。
シン・コーポレーションは傘下に
携帯最大手のアドバンス・インフォ・サービス(AIS)、
通信衛星のシン・サテライト(SATTEL)、
SCアセット、
格安航空のタイ・エア・アジア(TAA)、
消費者金融のキャピタルOK
などを擁するチナワット財閥の中核企業。ピントンター氏は昨年、兄のパントンテー氏からシンの株式4億4,000万株を取得し、筆頭株主になった。
■2位は義兄
番付2位は首相夫人のポチャマン氏の兄、バンナポット・ダマポン氏で、シン株13.7%を保有している。保有株の時価は152億6,724万バーツと同62.72%増加した。
首相長男のパントンテー氏は3年連続の4位だった。同氏は2000年と01年に番付トップだったが、シンの保有株のほぼ半数を妹に譲ったためランクが下がった。同氏はシン株9.96%などを保有している。
■末娘もランクイン
首相の二女、ぺートンターン氏はSCアセットの株式28.97%(時価14億2,276万バーツ)で28位と番付に初登場した。
保有株を兄弟や子供に譲渡したため2000年から番付に載らなかった首相夫人のポチャマン氏は321位に復帰した。保有株は
SCアセットの2.88%、
ウィパワディー・メディカルセンター(Vibhavadi
Medical Centre、VIBHA)の0.63%。
時価の合計は1億5,011万バーツ。この他、首相親族では妹のインラック・チナワット氏も112位にランクインした。
■昨年トップは3位に
番付3位は、02年と03年にトップだったアナン・アサワポーキン氏。保有株の時価総額は123億1,484万バーツと前年比24.79%減少した。株価下落で順位が下がった。
5位はゼネコン最大手イタリアンタイ・デベロップメント(ITD)のプレムチャイ・カーンスート社長(時価総額75億8,432万バーツ)。
6位は芸能・音楽最大手のGMMグラミー(GRAMMY)のパイブーン・ダムロンチャイヤタム会長だった。
■一族別でも首相
一族別の番付でもチナワット家が1位だった。保有株の時価総額は315億4,375万バーツと前年比70.11%増加した。これには、バンナポット・ダマポン氏の保有株は含まれていない。
2位は民間テレビ放送局のチャンネル3を運営するBECワールド(BEC)のオーナーのマリーノン家(時価総額205億8,583万バーツ)、
3位はダマポン家(同152億6,724万バーツ)、
4位はアサワポーキン家(145億5,199万バーツ)、
5位はITDのカーンスート家(89億2,595万バーツ)だった。
---NNA BUSINESS アジア版
★電力民営化に反対する全国抗議運動に労働者と地域が参加
世銀とIMFの圧力を受け、タイ政府は、タイ発電公社(EGAT)をタイ株式市場で売却する提案をまとめた。
労働者や地域活動家は、こうした危険な民営化が価格上昇、サービスの質低下、強制的な雇用削減につながるとして、これまで抗議を行ってきた。150カ国2千万人の労働者を代表する世界的労働連盟、国際公務労連は、タクシン首相の電力・水道民営化政策が、タイ国民と地域に困難をもたらすと警告している。PSIのハンス・エンゲルベルツ書記長はタイ政府に対し、次のように警告した。
「多くの国々において、電力・水道民営化政策ではサービスや料金の改善が不可能になっている。民営化は貧しい人々に対する公共サービス提供を拡大する手段ではなく、むしろ、少数の企業やビジネス関係者の富を拡大するためのものだ。
タイ政府には、EGAT売却に先立ち、インドネシア、パキスタン、アルゼンチン、そしてイギリスの経験に目を向けてもらいたい。これらの国をはじめ、民営化によって価格の高騰が生じている。また、市民の利益ではなく企業や投資家の経済的便宜を図るために、電力インフラが何度も買収・売却されてきた。その上、約束されていた民間資本投資も実現していない。それどころか、こうした国々から資本が引き出され、企業や投資家の懐に消えている」
タイの組合は、民営化が、既に莫大な富を有するタクシン首相の家族や知り合いらに動かされるのではないかと懸念している。これはタクシン政府のもとで行われた以前の民営化でも見られた。エンゲルベルツ書記長はこう述べる。「最近では外国人投資家も注意をするようになっている。世界最大の年金基金であるCalPERSは、タイ政府の粗悪な労働法・慣行を主な理由に、タイからの投資撤退を続ける決定をした。投資家もタイ民営化への投資を評価するにあたり、確実にこの点を考慮している」。EGATの組合は、全国の労働者と地域住民を動員し、バンコクで大規模な集会を繰り広げている。
---タイ電力:PSIニュースより
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