配管の減肉「広範囲に」 美浜原発事故で調査委見解
関西電力の美浜原発蒸気噴出事故で、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の専門家調査会は11日、事故調査委員会を開き、配管破裂の原因は、腐食が水の流れにより加速され、配管の肉厚が薄くなる「減肉」が広範囲に起こっていたため、という見方で一致した。配管の肉厚は年平均で0.31ミリ進んでいたという計算も報告された。
配管で減肉が進むと穴が生じることが多い。ところが、今回の事故では、配管がバナナの皮がめくれるように延性破壊していた。このことから内部で減肉がかなり広がっていた可能性が高い。
事故が起きた2次系配管の自主点検は、東京電力の原発トラブル隠しによって昨年10月、法に基づく定期事業者検査に強化された。これに伴い、学会などの中立機関による指針類の整備が進められており、調査委員会でも整備のあり方が検討される見込み。
【私的めもらんだむ】
▼ 9時
軽水炉ぐらいしかなかった原発立地初期の段階では、せいぜい330℃の沸騰水で蒸気タービンを回していただけだった。それを高温に耐えられるような耐高温材料研究開発が進み、950℃まで耐えられるようになったと云われている。日本原子力研究所では高温工学試験研究炉(HTTR High Temperature Enginneering Test Reactor
熱出力30MW)も推し進められたが、経済的理由から開発が遅れがちだった。今回の美浜原発事故の破損パイプの材質は、こうした耐高温材料ではなかったようだ。腐食のみならず高速水流だけでバナナの皮がめくれるように薄くなる材質とは驚きである。原発がこんな危険な状況下にあるということを、現場で働く作業員たちには知らせていたのだろうか?
もうすぐ涼しい秋を迎えるはずだった犠牲者になった四人の方々に、逸早く手作りコスモスの花を捧げ、私なりに冥福を祈りたい。暑い夏に起きたこの原発事故を、さぞ熱かっただろう犠牲者の痛みと共に記憶に留めておきたい。
★美浜原発・水蒸気噴出事故データ 2004/08/11現在
美浜原発事故直後、消防隊員が携帯電話で建屋内部を撮影
蛍光灯が割れて飛び散り、配管の辺りは真っ暗で何も見えない。関電の社員が懐中電灯で照らしたが、配管がどうなったのかは暗くてよくわからなかった。
死亡した4人をはじめ事故に巻き込まれた作業員たちは14日からの定期検査に向けて建屋内で準備をしていた。そのために組んだ足場や安全さくは、配管破損現場を中心に半径約25メートルの範囲で、すべて外の方向に倒れていた。床にはアルミ片や断熱材が散乱。階段の手すりは熱くて触ることができない。
【詳細】
全原発の配管検査点検、18日までの報告要請 保安院
日本の原発は、原子炉の熱で温めた水でタービンを回す沸騰水型(29基)と、その熱を2次系の水に伝えてタービンを回す加圧水型(23基)がある。今回の事故のように、重要部位の検査に漏れがないかを確かめ、検査状況とともに報告するよう求めている。対象は美浜原発と同じ加圧水型が2次系冷却水の配管。沸騰水型は給水系統や主蒸気系統だ。【詳細】
事故のタービン建屋は見学コース、4カ月で300人訪問
事故で蒸気が噴出した配管は建屋2階の天井部分にある。3階の床の一部は網目状の鉄板で覆われており、今回の事故では噴き出した蒸気が3階にも立ちこめていた。【詳細】
▼11時、室内気温28℃、湿度55%
次々と明らかになる美浜原発事故を知れば知るほど、さらに犠牲者が拡大する危険を孕んでいたことが分かる。特に「足場や安全さくは、配管破損現場を中心に半径約25メートルの範囲で、すべて外の方向に倒れていた」といった事実は、その水蒸気噴出がもの凄いエネルギーであったことが、商売柄、実感できるのだ。足場の組立は直交クランプでガッシリと固定して、人が乗ってもビクともしないよう作られている。足場パイプも重量があって、シートで覆わなければ強風の影響を受けることは殆どない。それが瞬時にして倒れる状況というには、人間が簡単に吹き飛ばされるほどのエネルギーを意味する。「爆風」と云っていいほどの規模だ。今後の課題として、高熱もさることながら爆風対策も必須だろう。水蒸気はご存知のように鉄の塊のような蒸気機関車の推進力であり、かつて磐梯山は水蒸気爆発でその半分が吹っ飛んだことを想起されたい。見学者が巻き込まれていたら、その全員が高温水蒸気爆風で作業員ともども深刻な事態に直面したことだろう。
★風環境評価尺度
日最大瞬間風速
10m/s……ごみが舞い上がる。干し物が飛ぶ。
15m/s……立看板、自転車が倒れる。歩行困難
20m/s……風に吹き飛ばされそうになる。
日最大瞬間風速の超過確率
P(V≧υ, a)=A(a)×[-(υ/C(a))K(a)]
ここで、P(V≧υ, a):風向aでの風速υの超過確率
A(a):風向aの発生頻度(風配)
C(a),K(a):ワイブル係数
★美浜原発・追加資料(1988年現在)
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運転開始 |
出力 |
型 |
メーカー |
建設業者 |
1号機 |
1970/11/28 |
34万kw |
加圧水 |
Comb |
大林-前田-熊谷 |
2号機 |
1972/07/25 |
50万kw |
加圧水 |
三菱重工 |
大林-前田-熊谷 |
3号機 |
1976/12/01 |
82.6万kw |
加圧水 |
三菱重工 |
間-竹中 |
▼12時
阿修羅掲示板より、関連情報収集
●原発事故 また犠牲は… 危険作業は下請け頼み(東京新聞・特報)
福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故は、点検漏れ、点検軽視という“人災”の疑いが強まった。さらに、今回も「下請け」の作業員が犠牲になるなど、そのツケは、相変わらず弱いところに回ってくる。コスト削減、経済効率一辺倒で、安全性が軽んじられていないか。(早川由紀美、浅井正智)
-被ばく量 社員の3倍以上
『気ぃつけて、帰ってこいよ』、こう言って送り出したんよ。社長、この気持ち、分かってくれるか。こんなきついこと言って悪いが、三十年もわしら(夫婦)二人、努めてきたんや。その子がなんでこんなんなるねん。もう帰ってきぃへんのやど、うちの子は。最後に言うとく、二度と事故起こすな、うちの子だけにしといとってくれ
事故で亡くなった高鳥裕也さん(29)=同県小浜市=の父実さん(60)は、号泣しながら弔問に訪れた関西電力の藤洋作社長に訴えた。
-社員はエリート「机上の仕事」に
-効率重視 検査短縮に報奨金
-商業用の耐用年数に根拠なし
【詳細】
●ミス次々 上がらぬ非難 『信じなければ路頭に迷う』(東京新聞・特報)
住民は度重なる関電の「ミス」を知っており、不安がないわけではない。しかし、それでも現存する原発に依存しなければやっていけない町の現実は重い。
美浜町の場合、税収三十一億一千七百万円のうち、原発関連税収は二十一億二百万円を占める(〇二年度)。さらに新たな「財源」を求め、原発から出る使用済み核燃料を一時保管する「中間貯蔵施設」誘致に動きだしたばかりだ。
【詳細】
三階事故現場、タービン建屋の写真を元に場所を特定してみた。あとで3DCG製作過程で再確認したい。
▼15時
★美浜原発事故 仏で大々的報道 ITER誘致競争背景か(産経新聞)
フランスは一九七〇年代の石油ショック以来、「エネルギーの独立」を掲げて原発建設に力を入れてきた。現在、五十八基、電力の82%を原発に依存しているだけに、世界の原発の関連ニュースに関心が強い。仏放射能保護研究所(IPRN)広報部は十日、「この種の事故は原子力潜水艦で発生したことはあるが、原発ではない。信じられない事故だ」と述べた。日本とフランスは昨年来、ITERの建設場所の誘致合戦を行っているが決着がついていない。
【詳細】-阿修羅掲示板より
★ITER(国際熱核融合炉実験炉)計画について
(International Thermonuclear Experimental
Reactor)
5.ITERサイト候補地
(1) 日(青森県六ヶ所村)、EU(仏:カダラッシュ)の2ヵ所がITER建設サイトとして立候補している。
(注)EUは、昨年11月26日の理事会で、フランス・カダラッシュをEUの統一候補地とすることを全会一致で決定(スペイン・バンデリョスが脱落)。加(クラリントン)は、12月23日に資金不足等のためITER交渉から脱退した。
(3) 2003年2月国際的な専門家チーム等による技術的な観点からの各建設候補地の国際共同評価作業を行い報告書をまとめた(各建設候補地の国際共同評価作業の報告書(PDF))。報告書は各サイト候補地間に差異はあるものの、提出されているサイト提案(注:当時は日(六ヶ所村)、EU(カダラッシュ、バンデリョス)、カナダ(クラリントン)の4ヵ所)はすべて問題のないものであり、すべてのサイト用件、設計の前提条件を完全に満たす、と結論づけられている。
【詳細】
ITER誘致競争はスペインとカナダが共に脱落宣言をしていることから、結果的に日本vsフランスの対決ということになろうが、この勝負は最初から決定されているようなものだ・・・と思われる。六ヶ所村候補地は日本政府ならびに原子力主要機関の後ろ盾があるのはもとより、フランスのカダラッシュもまたフランス原子力庁の強力な後ろ盾があってのこと、と考えるべきだ。かつて六ヶ所村はそのフランス原子力庁の子会社「SGN」から再処理技術の提供を受けている。そして、1984年11月に来日したフランス核燃料公社「コジェマ」総裁フランソワ・ヴィソックは、4月の六ヶ所村計画を受けて、東京に事務所を開設した。実は、六ヶ所村への技術提供をした「SGN」の、その支配者はクリスチャン・ゴベールという人物で、「コジェマ」の理事長であった。このヴィソック総裁とゴベール理事は、共にアメリカのワイオミング州「パスファインダー鉱山」で仲良く重役室に座っていたのだ。表向き、この鉱山の親会社はフランス原子力庁ということになっているが、実際にはロスチャイルド家が実権を握っていた。何となれば、フランス原子力庁の創立者がベルトラン・ゴールドシュミット(Bertrand Goldschmidt)であったからだ。ゴールドシュミット家は何度もこの日誌に登場させてきたが、ベルトランは紛れもないロスチャイルド家の直系であるところのナオミ嬢(Naomi Rothschild)と結ばれているのだ。そのロスチャイルド家はフランスにおいて「ル・ニッケル」に資金を流してきたが、その会社が「イメタル」と改名してみれば、いつしかそこには副会長となったゴベールが、そしてヴィソックは重役室に収まるのだ。その時には「イメタル」は実質上ロスチャイルド家の持ち物となったことは想像に難くない。以後、長くなるので省略する。
つまり私の云いたいことは、ITER誘致競争で対立しているようにみえる六ヶ所村とカダラッシュの対立構造も、実質的にはロスチャイルド家が支配するフランス原子力庁の手の内にあって、彼らの思うがままに手玉に取られているということだ。そして今回の美浜原発事故は、彼らの願ってもない好機となったことだろう、ことは容易に想像できるのである。
▼18時
美浜原発の全景図を3DCGで表示すべく、写真と地形図とを見比べながら作成に取り掛っている。一言で云って「めんどい、やってられん!」・・・で、いま休憩している。図形を正確に置くのが最も困難で、それさえクリアすれば何とか仕上げる自信はある。いつ完成するか?分からぬものの、いま現在少しは形になってきたと、自己満足している。
いま妹がお盆の迎え火の準備をして行った。仏壇の扉を開けたら、なんと子猫が中に入っていたのでビックリするやら、怒るやら・・・彼女の言い分によると「あんちゃんが猫を甘やかすからダメなんだ!」とか・・・プンプン怒って帰って行った。そんなトラブルを面白がっている私も、昨夜は暴れまくるチビッコギャングに辟易し、かつ眠れないのであった。五匹の子猫が一斉に暴れまくる光景は壮観である。不眠症は当分つづきそうだ。

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