04/06/22 (火)
20〜24℃、南よりの微風
ナチス略奪?のシスレー名画、62年ぶりに仏へ返還
右側の写真は「春の太陽・ロワン川 Spring Sun, Le Loing」の正当な相続人・フランスの実業家ピエール・ドゥ・グンツブルグ(Pierre de Gunzbourg,)、その息子Vivien。彼の父親は1902年に絵を購入、パリのアルゼンチン大使館に預けたまま占領したナチスによって掠奪されたものと思われていた。
 第2次世界大戦中にパリを占領したナチス・ドイツに略奪されたとみられ、行方がわからなかった印象派画家アルフレッド・シスレーの作品が18日、所有していた日本の収集家から返還され、62年ぶりにもとの所有者であるユダヤ系フランス人の子孫の手元に戻った。

 この作品は風景画「春の太陽・ロワン川」(1892年)。AFP通信などによると、ユダヤ人資産家が1900年に買った。ナチス・ドイツによる接収を恐れて39年、パリのアルゼンチン大使館に預けたが、ドイツ軍が42年に同大使館を占領して以来、別のシスレーの作品とともに行方がわからなくなっていたという。
 85年になって日本で行われた展覧会にこの作品が出品され、それを知った所有者の子孫が99年に「盗品だ」としてフランス国内で刑事告訴。返還を求めてねばり強く交渉した結果、今年3月、東京のフランス大使館に引き渡されたという。
 「ロワン川」は推定で時価300万ユーロ(約4億円)。返却に応じた日本人収集家の名前は明らかになっていない。
 仏紙フィガロによると40〜45年にナチス・ドイツなどの手でフランスから持ち出された絵画は約10万点。うち6万1000点が見つかり、4万5000点が持ち主に返されたという。多くの略奪絵画がロシアや東欧諸国に渡ったほか、仲介業者を経て日本にも流入したとみられている。 (asahi.com)

【シスレー】
Alfred Sisley 1839-1899)フランスの画家。英国人を両親にパリに生まれる。パリ近辺の風景を好んで描く。印象派の代表的画家の一人。1870年と1890年代における作品には穏健な造型感覚とさわやかな抒情性がみえる。貧困のうちに没し、死後に評価が高まる
作品
「ポール‐マルリーの洪水」-1876年、オルセー美術館蔵
「サン・マメスの眺め」-1880年、ボルティモア、ウォルターズ美術館蔵
「モレ・シュル・ロワンの教会」-1897年、ルーアン美術館蔵
「サン‐マルタン運河」など。

【関連】
アルフレッド・シスレー(絵画写真)=Arts at Dorian
Alfred Sisley(絵画写真)=artcyclopedia
Sisley(シスレーとモレ=シュル=ロワン)
(以下抜粋)
 彼は同じような題名で 同じ情景を繰り返し何度も描いている。しかし、モレ=シュル=ロワンの教会を描いた連作の例を除けば、モネのように連作という意識を明確に打出した訳ではない。
 内向的な性格であり、ごく少数の画商や愛好家と取引があっただけで、経済的には恵まれなかった。しかし、印象派の中ではモネ、ピサロとともに風景画家グループをなし、1870年代の印象派の画風を最後まで変わらず持ちつづけた唯一の画家である。

【私的めもらんだむ】
8時
 シスレーの作品返還に関して、当初はナチス掠奪品に絞って調べていたが、その過程で元の所有者であるところのピエール・ドゥ・グンツブルグ(Pierre de Gunzbourg,)の名前が気になった。ひょっとするとロシアのロスチャイルドと云われたグンツブルグ家の子孫ではないか?・・・今のところフランス分家としてのグンツブルグ家、父親Pierreとその息子Vivienの名が手がかりになりそうだが・・・4億円ともいわれるシスレーの名画を所有するあたり、並みの実業家ではないだろう。おそらく私の推理に間違いはないと思われるが、それを何とか証明することは出来ないか?と、いろいろ資料を漁っている。こういう作業、けっこうしんどかったりする。

 いまテレビで早坂茂三氏の死去が伝えられている。(田中元首相の秘書、早坂茂三さんが死去) よくテレビのゲストに出ていたのを記憶している。ダンディさと政治屋の泥臭さがミックスして違和感のない、妙な存在感のある人物・・・そんな印象しかないが。
 昨日の台風6号は、深夜、我が家の開け放した窓から強風を吹き込んでいた。台所で吹き飛ぶザルの落下音を覚えているが、何故かぐっすり熟睡した。猫の鳴き声には反応して不眠症に成りかねない自分が、台風の猛威にはビクともしない、というのが自分でも変な性格だと思う。猫族たちが台風に吹き飛ばされる夢を見た。これからその猫たちの様子を見に行く。本当に吹き飛ばされていたりして・・・

9時
 見るとはなしに見ていたテレビ朝日の「モーニング」で、911事件に関連する「ボジンカ計画」なるテロ計画がテーマなっていた。同時多発テロ9.11事件以前に、フィリピンで11機の旅客機を爆破する計画が練られていたというのだ。それらの情報はフィリピンの警察からCIAを通じてアメリカ政府に伝達された、というような内容だ。911事件後、アメリカ政府は「そのような事実はない」として否定しているのだが、フィリピン警察の主張が本当なら9.11事件は未然に防げた可能性も出てくる。それらをアメリカ政府が黙殺したのなら、あの同時多発テロ911事件は限りなく自作自演説に近付いてしまうのだが・・・これは再検証に値する問題だ。

12時
 グンツブルグ家を調べる過程で気になることがあった。ロシア・グンツブルグ家の血を継承するLouise Gunzburgという女性がJoseph Sassoonという男性と結婚しているのだが、この男性はアヘン王サッスーン家の直系血縁者でもあるのだ。その叔父Artherが香港上海銀行の創立者でもあった。そこで思い出したのが15日の番組クローズアップ現代「追跡・海外に消えた闇の資金」である。内容は、山口組がヤミ金融で得た50億円近くの違法利益を、クレディスイス銀行の香港法人を通して、マネーロンダリング(資金洗浄)していた、というものだが、ふとグンツブルグ家の香港上海銀行と関係があるのではないか?と思った。今のところまるで根拠はないが、前述のJoseph Sassoonの叔父が「香港キング」と異名をとるElias Sassoonなのだ。そしてその孫が「上海キング」と呼ばれたEllise Sassoonだ。しかも、ジョゼフのイトコ、エドワード・サッスーン(Edward Sassoon)はAline Rothschildという女性と結婚している。あの世界的な大財閥ロスチャイルド家の令嬢だ。それも本家ロスチャイルド家の血縁者だ。
 どうも話が横道に逸れたようだ。ここでの新たな問題は、山口組が資金洗浄したところのクレディスイス香港法人が、サッスーン家の香港上海銀行と関係があるのかどうか?ということだ。シスレー絵画に纏わる相続人ピエール・ドゥ・グンツブルグについては、ちょうどフランスのグンツブルグ家を調べようとしていたところなので、これから開いた時間を使って少しずつ解明していきたい。
 ちなみに台風の件、猫は大丈夫だった。

17時
 今日の予報では24℃となっていた気温だが、現在の室内気温は28℃になっている。台風6号の南方よりの吹き返しのせいか、とにかく蒸し暑い。自動車内に隔離しているオス猫4匹が心配で、車の屋根にもう一枚毛布を被せた。毎日午前中、ホースで水をかけて冷やしているのだ。気化熱で車が冷やされるという寸法だ。その彼らを引き連れて自宅屋根に登ったら、屋根に這うキュウイの蔓を齧っては悶えている。やはりキュウイの蔓にはマタタビに類似する成分が含まれているようだ。人間が酒を飲んで酔っ払っているみたいに、瓦の上で引っくり返ってはしゃいでいた。

 今日一日、どうしてもボジンカ計画のことが気になって仕方がなかった。で、ビデオテープを再生しながら文章にまとめてみた。あとで映像も付け加えたい。あの9.11大惨事を未然に防ぐことが出来たはずなのに、どうしてアメリカ政府は動かなかったのか?どうしてだ?!抑えきれない怒りが込み上げてくる。暗号の天才フリードマンの言葉がよみがえる。日本軍の真珠湾奇襲攻撃の暗号を解読したフリードマンは、あの奇襲のニュースを聞きながら「どうして?どうしてなんだ?知っていたのに・・・どうしてなんだ?」と何度も呟いていたと云われる。歴史は繰り返す「どうして人間は、権力者はこうも戦争をしたがるのだ?」・・・自戒を込めて、今もオレは自問自答している。
【視聴予定】
19時
30 クローズアップ現代 ”民主化”圧力に揺れる中東 =NHK総合テレビ
今月8日からアメリカで開催されたシーアイランドサミット、最大のテーマは中東全域の民主化をどう進めるかという「拡大中東構想」である。ブッシュ大統領は、中東諸国の改革を支援し、民主主義の実現を促すとしているが、一方でテロの温床とする中東に変化を促したいという思惑が見え隠れする。
そうした中、中東各国はアメリカの進める「民主化」をめぐって大きく揺れている。親米国ヨルダンでは、政府が教育改革の一貫として「テロとの戦い」の概念を生徒に教える取り組みが始まっている。しかし教室では、パレスチナの抵抗運動を否定するものだと、生徒の間で反発が高まっている。一方、テロ支援国家とされるシリアは、アメリカの民主化は押しつけだと非難する一方で、独立系新聞の発行を新たに許可するなど、独自の民主化を進めていると政府はアピールしている。両国のルポを通して、中東の民主化の行方を占う。

(NO.1934)
スタジオ出演 : 飯塚 正人さん
    (東京外国語大学助教授)
     
  : 島崎 浩(NHK国際部記者)

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