04/05/05 (水)
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アブドラ2世国王の積極外交、ガダフィ&シュワルツネッガー
4月29日、アブドラ2世国王とリビアのガダフィ(Gadhafi)大佐 5月3日、アブドラ2世国王とカリファルニア州知事アーノルド・シュワルツネッガー(Arnold Schwarzenegger)
 積極外交を展開するアブドラ2世国王だが、当初、フセイン前国王はなぜか51歳になる実弟のハッサン王子に王位を継承させようとしている。実の子アブドラ王子に信用の置けないものを感じたのかどうか?今もって謎である。結果的にアブドラ王子が王位継承者となったものの、それには第4夫人ヌール王妃の子、ハムザ王子をアブドラの次の国王とするという条件が付け加えられている。そして今、フセイン前国王が亡きあと、国王となったアブドラ2世が積極外交を推し進めている。
 5月3日のシュワルツネッガー知事との談笑している写真を見ながら、ふと思い出したことがある。勝手な想像だが、映画俳優シュワルツネッガー知事との話の過程で「実は私もテレビ映画に出演したことがあるんですよ」と言い出しそうなアブドラをイメージしてしまう。彼はテレビの宇宙SFシリーズドラマ「スタートレック」に宇宙人役で出演しているのだ。こうしたアブドラの好奇心は国王になっても健在で、城を密かに抜け出しては城下で遊ぶバカ殿よろしく、アブドラ国王は異母弟のアリと連れ立っては身分を隠してヨルダン国民の中に紛れ込んで驚かしている。前国王フセインも、こんな子どもじみた性癖のアブドラに王位継承者としては頼りなさを感じていたのかも知れない。今のところ、アブドラ国王の好奇心は積極外交としてプラスになっているようにみえるが、中東の置かれている今の深刻な状況を考えれば、甚だ心もとない気もしてくる。

 大規模化学テロ計画摘発に呼応して、4月29日にはヨルダン国民によるテロ反対デモ行進があったが、下の写真はそれらの群集に混じって姿を現したラーニア(Rania)王女である。亭主アブドラ国王よりもアラブにおいては多大な影響力を秘めている。1936年のイギリス委任統治時代に蜂起した英雄アブドゥル・ヤシン(Abdul Rahman Yassin)の血を引くラーニア王妃は、今後のアラブ世界の運命を左右しかねないほどの影響力を秘めている。
大規模化学テロ計画摘発 ヨルダン、8万人犠牲の恐れ

 【カイロ27日共同】ヨルダン国営テレビは26日夜、8万人が犠牲になる恐れがあった大規模な化学兵器テロ計画が発覚したと報道、テロを計画したとされる武装組織幹部らの「自白」を放映した。幹部らは国際テロ組織アルカイダと関係が深いとされ、イラクで相次ぐテロとの関係が指摘されるヨルダン人アブムサブ・ザルカウィ氏の命令で、ヨルダン国内の米大使館や首相府、情報機関の攻撃を計画していたという。
 武装組織トップのアズミ・ジャユーシ容疑者は、タリバン政権崩壊前のアフガニスタンでザルカウィ氏と会い、化学兵器の使用法を学び、イラクでも同氏に再会、忠誠を誓った。同組織にはシリア人もいたという。
 ジャユーシ容疑者はシリア国境に近いヨルダン北部に化学工場を建て、ザルカウィ氏からテロ資金として受け取った17万ドルの一部で20トンの化学薬品を購入したと供述。(共同通信)


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