三枚の写真から、1996年11月当時のルイブキンの多忙が伝わってくる。ルイブキンにピッタリ寄り添っているのは「ロシアのユダヤ人犯罪組織のゴッドファーザー」との悪名高いブレゾフスキーだ。泥棒貴族の代表者とまで云われた彼と、チェチェン政府と和平外交を推し進めるルイブキンの組み合わせは奇妙なものだ。ブレゾフスキーの狙いはズバリ、石油利権だろう。首都グロズヌイはカザフタンのテンギスから、アゼルバイジャンのバクーから、そしてロシア連邦のノヴォロシスクから引かれるパイプラインの中継地点である。ルイブキンの和平折衝に同行することはチェチェン政府との太い利権パイプを結ぶことになる。【参照=カスピ海のパイプラインとチェチェン紛争】 ブレゾフスキーの悪知恵はフル回転していたことだろう。かくしてブレゾフスキーは資金面でルイブキンを支え、ルイブキンは経済苦を味わうことなくチェチェンとの和平折衝に専念できる。これをプーチンが快く思うはずがない。ましてルイブキンは大統領候補にまで出馬している。プーチンの足元の基盤がぐらぐら揺らぎ恐怖さえ感じたことだろう。何とか手を打たなければ・・・プーチンは古巣KGBの闇に溶け込みながら模索する。彼が唯一安心していられるその場所で・・・
【視聴予定】
11時
30 スクランブル 北朝鮮影の交渉人ミスターX正体▽申告忘れで大損年金の落とし穴▽免疫(秘)食材▽
19時
30 クローズアップ現代 医者が来ない・地方病院は今
文部科学省の調査で、全国3分の2の医科系大学が医師の名義貸しを行っていたことが発覚。そのうち最も多い247人分の名義貸しが、北海道で行われていた。
違法と知りながら病院側が名義貸しを大学に依頼した背景には、地方の深刻な医師不足があり、その実態が、病院長の証言などから浮き彫りになってきた。「名義貸し」の不正を行なった地方病院に対しては、いま相次いで保険医指定取り消しの処分が行われている。その大半は事実上の閉院に追い込まれ、地域医療に大きな波紋が広がっている。また医師確保の見返りとして、北海道や東北の多くの自治体が、大学の医局に「寄付金」という名目で数千万円もの謝礼金を送っていたことも明らかになってきた。
医師確保に苦悩する地方病院や自治体。地域医療を巡る構造的な課題を検証する。
(NO.1863)
スタジオゲスト: 鎌田 實さん(諏訪中央病院医師)
スタジオ出演: 山田 真里(NHK札幌局記者)
【私的めもらんだむ】
19時
地元テレビでピアノに夢中な某少年のことを紹介していた。彼は小学6年後期の頃、偶然聴いたショパン「バラード1番」の曲に心を打たれ、「この曲はボクが弾かなければならない」と思い込む。それから地元のピアノ教室に通いつめた彼は、同時に、よりショパンのことを知ろうと伝記を読み始める。そして三年後の今、短期間にその才能を開花させ、来月にはヨーロッパのコンクールに出場するのだと云う。「ピアノはボクの命の一部だ」という彼に、私が注目するのは、ピアノ奏者としての才能より「作曲者の心を知らなければ弾けない」という彼の心にある。ピアノの調べが聴く者の心を打つのは、同時にそれを演奏する奏者の心があり、そして何より作曲者への畏敬があるからではないのか・・・少なくとも彼の場合それがある。幼少から徹底して教え込まれて得たピアノの才能ではない。それだけに権威主義に押し潰されかねない試練も待ち受けていることだろう。そのとき、彼はショパンの苦悩を思い出すに違いない。音楽の調べで感動する聴者以前に、奏者が作曲者の魂をなぞるように感動していく・・・それを少年の心に見るのだ。彼は将来有望なピアノ奏者になるだろう。
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