03/12/30 (火)
西よりの強風
首相、対イラク債権の大規模放棄も用意と表明 米特使に

 小泉首相は29日、イラクの対外債務削減問題を協議するため来日した米国のベーカー大統領特使(元国務長官)と東京都内のホテルで会談した。首相は「04年中にパリ・クラブ(主要債権国会議)において、相当の債務削減を行うことを約束する」と、公的債務の削減に応じる考えを表明。さらに、ほかの債権国が足並みをそろえる場合は「かなりの債権放棄をする用意がある」と述べ、返済の繰り延べだけでなく、大規模な債権放棄にも踏み切り、債務削減を図る考えを伝えた。
 日本はイラクに対し、日米欧など19カ国でつくるパリ・クラブの中で最大の41億ドル(約4400億円)の公的債権を持っており、遅延損害金を入れると約70億ドルに上る。日本はすでに、イラク復興支援のために50億ドルの資金拠出を表明しているが、相当額の追加負担が避けられない見通しだ。
 日本側の説明によると、特使が「日本もぜひ積極的な対応をしてもらいたい」と要請したのに対し、首相は「イラク再建に向け日本が果たしているリーダーシップに合致するよう、もしほかのパリ・クラブ債権国が同様に対応する用意があるのであれば、日本もかなりの債権放棄を行う用意がある」と述べた。
 特使は会談後、記者団に「よい前進があった。米国はとても感謝している」と語った。
 政府は当初、イラクには石油資源があることを理由に債権放棄に慎重な姿勢だったが、米国の強い要請で放棄に応じることにした。ただ、財務省内には「債権の一部放棄に応じる代わりに、復興支援への拠出金を減らすことも検討すべきだ」(幹部)との声もある。

 アメリカの傀儡政権コイズミ内閣は相変わらずその気前の良さで尻尾を振りつづけているが、単純に計算してこれらイラクの公的債権、遅延損害金、イラク復興支援金を合わせるとおよそ1兆2000億円になる。それに今度のイラク自衛隊派遣にかかる隊員の危険手当などの日当、イラクでの滞在経費、陸海空にかかる燃料費など諸々の経費を含めると1兆5000億円は軽く突破してしまうだろう。自衛隊のイラク滞在が長引けば長引くほど日本の経済負担は雪だるま式に増加する。それに対し、政府は生活保護予算の大幅削減、増税など、弱者への強引な締め付けで予算を確保しようとしている。国民に多大な負担を強いながらカネを掻き集め、それをアメリカに献上垂れ流すといった図式だ。これはまるで暴力団への上納金ではないか。搾取される国民こそいい面の皮である。
 そのコイズミにして、来日しているベーカー特使が何者なのか?把握しているのだろうか。彼の使命はネオコン強硬路線を国際協調路線に変えていくことを内外に知らしめることにある。平和路線を打ち出しながら、これまでネオコンが強奪してきたイラク利権の整理にかかっている。「これまでアメリカは強引過ぎた。そのことは認める。ここはみんな仲良く、利権を分配しようじゃないか」というわけだ。その負担と尻拭いの役割が日本であり、飼い主に忠実なポチ公をして「よい前進があった。米国はとても感謝している」とベーカーが褒めているのだ。褒められて、それはそれはちぎれるほど嬉しそうに尻尾を振る我らがポチ公であった。ベーカーは笑いが止まらないであろう。日本組みし易し、ジパング国は脅してよし、褒めれば出る出る打ち出の小槌なのだ。
【関連ファイル】
/17- ブッシュの御意見番ベーカー
/18-ベーカーとブッシュの相関図-1
 吹き降ろしのからっ風、ひゅうひゅう電線を唸らせている。自宅裏のだだっ広い更地を吹き抜けて、おんぼろ我が家の隙間から吹き込んでくる。寒いよ〜。正月も残すところあと一日・・・今年一年を振り返ればただただ極貧に耐えた年でしかない。世間の風当たりの強さと同時に、それだけに心に染みた人の情よ。今に会社を動かせば自滅する。死んだフリを決め込んではいるが、死んだフリが本当に死んでは笑い種になる。ここは細々と食を繋いで仮死状態、「やっぱり死んでやがらぁ」足蹴にされても身動きせず、チャンス到来とみればガバッと起き上がるさ。ひゅうひゅうひゅう・・・冬もいつかは春となる。それまでの辛抱だ。


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