湾岸戦争症候群・レアちゃんの場合 | 目次 |
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レアちゃんの全家族、左から弟のギャレット君、父親のリチャード氏、レアちゃん、下の兄、母親リサさん、上の兄。父親のリチャード氏が湾岸戦争に行く前に生まれた二人の兄は健康体だが、湾岸戦争後に帰国して生まれたレアちゃんと弟のギャレット君は異常出産だった。レアちゃんは生まれた時から車椅子の生活。 元々海兵隊だったリチャード氏は軍を辞めて整備士の仕事をしていた。湾岸戦争が始まったとき、彼はヘリコプターの整備士として志願する。リサさんの証言「夫が帰国して最初の妊娠は六週間で流産しました。その後にも流産し、そしてレアが生まれたとき、これは変だと思うようになりました」 |
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レアちゃんは頭に水が溜まる水頭症と、脊椎破裂症という二つの大きな障害をもって生まれた。脊椎破裂症とは中枢神経を取り巻いている神経が途中で裂け、神経が断列してしまうことである。レアちゃんの体内にはチューブが埋め込まれ、頭に溜まった水が腹部から流れるようになっている。
下の弟ギャレット君は、一見何の障害もないように生まれたが、その後の検査で、聴力が全くないことが判明した。リチャード氏は何度もペンタゴンに窮状を訴えたが、ペンタゴンは湾岸戦争との関係を否定、先天的な遺伝子の異常として片づけている。その後、リチャード氏は会社を解雇され、無職の状態が続き、医療費の負担増に頭を抱えている。 |