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イラク開戦news
 <イラク戦争>米軍とクルド人組織が連携 トルコは警戒
 【アルビル(イラク北部)藤生竹志】イラク戦争で、北方からの首都バグダッド攻略に向けて、米軍が同国北部クルド人自治区入りして以来、米軍とクルド人組織が連携を強め始めた。だが、隣国トルコはクルド人が北部の油田都市キルクークを制圧することを強く警戒しており、パウエル米国務長官は2日、トルコ入りし、トルコ軍の自治区派兵見合わせを要請する見通しだ。このため、クルド人組織は米軍への支援に慎重で、アフガニスタン攻撃でタリバン政権崩壊を担った「北部同盟」のような役割は期待できないのが現状だ。
 自治区南部では米特殊部隊の支援を受けた「クルド愛国同盟」(PUK)の武装勢力が油田都市キルクーク近郊まで迫っている。愛国同盟のタラバニ議長は28日の記者会見で「我々は米国の了解がなければキルクーク市内には入らない」と明言し、独自の軍事行動を控える姿勢を見せた。見返りとしてトルコは派兵を見合わせているのが現状で、クルド人勢力がキルクークに進攻することがあれば、一挙に情勢は緊迫する
 北部では30日、イラク軍とクルド武装勢力が対じしている前線のカラクやクシュタパ近郊でB52爆撃機による激しい空爆が行われ、カラクではイラク兵十数人が投降した。米軍が確保したアルビル北東約45キロのハリル飛行場には連日米兵が到着し、軍用車両などが運び込まれている。第173空てい旅団約1000人に加え、今後1週間で2000人程度が加わるという。
 クルド人組織の本音はキルクークや北部最大の都市モスルを支配下に置くことだ。だが、兵力は愛国同盟とクルド民主党(KDP)を合わせても4万程度とみられ、所有する兵器はロシア製のカラシニコフ銃や機関砲だけで、戦車や重火器はない。米軍の支援がなければイラク軍と戦うのは厳しい。クルド民主党の対外関係責任者ゼバリ氏は「米軍に守られている限り、我々はゆったりと構えていられる」と語り、米軍との協調を最重視する姿勢を強調する。
 民主党武装勢力の最高司令官の1人によると、クルド人組織は米国から武器の供与は受けていないという。供与すればトルコを刺激するためだ。米軍は地元の地理に詳しいクルド武装勢力の兵士を道案内に利用しているとみられる。
 民主党のバルザニ議長はドイツ誌「シュピーゲル」に「クルド軍は過去数年で訓練を施し、米国に協力的な軍隊をつくりあげた」と語っている。
 クルド武装勢力が米軍とともにバグダッドを目指すかどうかは不明だが、今後の動きによってはトルコも巻き込んだ紛争に発展する可能性もある。(毎日新聞)

 キルクーク油田を巡る攻防戦は予想通りの展開になってきている。クルド愛国同盟はイラン・イラク戦争の際にイランと手を結び、それゆえにイラクはクルド愛国同盟を宿敵として攻撃してきた。1988年3月のイラクによるクルド人への化学兵器による虐殺も、そんな中で起きたと云われているが、それらが本当にイラクによるものなのか?疑問視されている。91年の湾岸戦争後に米英はフセイン打倒を呼びかけ、これに呼応してクルド人が立ち上がってイラク内戦が勃発している。しかし、イラク内戦を煽った当の米英が動かず、結果的にフセイン打倒は果たせずに生き残る。それが元でクルド人は100万単位でイランとトルコに押し寄せ、大量のクルド難民を出す原因になった。トルコは押し寄せるクルド難民を国境で追い返し、難民は国境付近に留まって生活するしかなくなる。トルコとクルド人の軋轢もここに起因する。クルド愛国同盟が米英と協力体制にあると云われる現在、大多数のクルド人は米英の裏切りを思い出しているはずだ。世界にも有数な巨大油田キルクークを舞台に、その石油利権と民族間の相克が絡まっての攻防戦はさらなる戦争拡大の危険を孕んでいる。

 ガソリン代が僅かずつ値上がりしている。野菜の値段などの急騰もあり、これから家計も苦しくなる一方だろう。便乗値上げを痛感したのはオイル・ショックの時だった。ドラム缶に石油をストックして逮捕される者、材料屋は買い占めた材料を倉庫に保管しては売ってくれない。先代社長の父が亡くなったばかりの時で、倉庫から材料を出せと詰め寄って逆に「アンタには一切売らない」と店から脅かされた。若かっただけにショックだった。人間は結局、自分のことしか考えないのか?と、人間不信になった。売り惜しみするだけで利益が上がるという、この馬鹿げた社会は、あの当時から認識していたはずだった。生産なくしてカネがカネを生むといったマネーゲームの有り様に、職人としての誇りをどうして保てようか。あの時の苦い体験が、今の不景気に思い出している。それでも苦しい世の中だからこそ互いに励ましあい、助け合って乗り越えていこう、という考えは変わらない。どんな裏切りにあっても、ふと垣間みせる人間の誠意を見逃さず、その僅かな誠意に縋って希望を維持していきたいと思っている。
 
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