米軍、首都まで30キロ=要衝2カ所突破−イラク
【カイロ2日時事】イラクの中部と南部に展開している米英地上軍は2日未明、イラクの首都バグダッド攻略へ向けた開戦後最大の攻勢を開始、首都南方と南東の戦略的要衝2カ所を突破し、首都への突入路を開いた。ロイター通信などによれば、米軍先頭部隊は2日午後に首都まで30〜40キロの地点に進出した。米CNNテレビによれば、この日の作戦成功により、フセイン・イラク政権打倒を目指す首都攻略作戦の早期発動が視野に入ってきた。 (時事通信)
米英軍が首都目指し攻勢 2方向から北進へ
【ワシントン2日共同】バグダッド攻略を目指す米英軍は2日、首都南東のクートから同南方のカルバラまで、東西約160キロにわたる扇形の前線で攻勢をかけ、イラク側精鋭の共和国防衛隊と、開戦後最大級の地上戦を展開した。
米地上軍はクート方面とカルバラ方面の2方向からバグダッド包囲網の形成を狙っており、最前線を押し上げる形で首都に迫る。イラク側も北方の部隊を南下させ、首都周辺で迎え撃つ構え。
クートでは2日、米第一海兵遠征軍などが共和国防衛隊のバグダッド師団を攻撃、チグリス川に架かる橋や首都への幹線道路を掌握して北進した。また、カルバラの東方を米陸軍第一○一空挺(くうてい)師団が北進。米陸軍第三歩兵師団は2日、カルバラを包囲し、共和国防衛隊のメディナ機甲師団を追撃した。(共同通信)
バグダッド南部で猛爆
【米空母キティホーク(ペルシャ湾北部)2日共同】イラク攻撃のためペルシャ湾に展開中の米空母キティホークの海軍当局者は2日、同空母艦載機が1日から2日未明にかけてバグダッド南部の特別共和国防衛隊施設やバスラなどへ開戦後最大の空爆作戦を実施したと発表した。
FA18戦闘攻撃機など艦載機69機が攻撃に参加。首都攻略をうかがう米軍地上部隊への支援として、バグダッドとカルバラの間の大砲、戦車、情報関連施設やレーダー施設などを空爆。2000ポンドの衛星誘導爆弾など計103発の爆弾を投下した。
海軍当局はまた、垂直離着陸戦闘機ハリアーが1日夜、ペルシャ湾で訓練中、母艦の強襲揚陸艦ナッソーに着陸しようとして失敗、海中に落下したと発表。パイロットは脱出後に救助され無事だった。(共同通信)
韓国国会、派兵案に同意 難航の末に大差で可決
【ソウル2日共同】韓国国会は2日、本会議を開き、イラク戦争で工兵隊など700人を派兵することに対する同意案を賛成多数で可決した。
同意案は2度にわたり採決が延期されるなど難航したが、採決では256議員が出席し、179議員が賛成、68議員が反対、9議員が棄権した。
韓国は米韓同盟強化の立場から、最大600人の工兵隊と最大100人の医療支援団を派遣、米国などの基地運営や診療活動、イラク戦争終了後の復旧支援や救護活動などに従事する。
韓国では、イラク戦争で派兵をすれば、朝鮮半島で危機が訪れた際に戦争に反対する名分がなくなると派兵反対の動きが活発化。一部の市民団体は、同意案に賛成した議員について、来年春の総選挙で「落選運動」を展開すると圧力を加えるなどしていた。(共同通信)
捕虜の女性米兵1人を救出 米中央軍が発表
【ドーハ2日共同】米中央軍は2日、カタールのキャンプ・アッサイリヤで会見、イラク戦争でイラク側の捕虜となった米兵7人のうち1人を救出したと発表した。
中央軍のブルックス准将は「救出した米兵は(イラク領内の)米英軍が管理下に置いた地域にいる」と述べたが、ほかの6人の行方など詳しいことは明らかにせず、声明を読み上げただけで会見場を去った。
米NBCテレビによると、救出されたのは19歳の女性兵士という。
米紙ワシントン・タイムズは3月29日、捕虜の7人はバグダッドに移送されたと伝えていた。(共同通信)
イラクに無条件降伏要求 米国防長官、停戦交渉を否定
【ワシントン1日共同】ラムズフェルド米国防長官は1日、国防総省で会見し、イラクのフセイン政権と停戦などの交渉は一切行っていないと述べ、フセイン政権とは「無条件降伏しか協議しない」と強調、イラクに無条件降伏を要求した。
長官は、イラク政府当局者が米英軍と停戦交渉に入ったとのうわさを流していると述べ「フセイン政権は真実を話していない」と批判した。
共同会見したマイヤーズ統合参謀本部議長は、集中的な空爆でバグダッドを防衛する共和国防衛隊のうち、メディナ機甲師団など二つの師団の戦闘能力を「50%以下」に弱体化させたと確認。その上で首都南部で既に相当規模の地上戦が始まったと述べた。
国防長官は、イラク戦で、現場の司令官から作戦計画への批判が出ていると伝えられたことに反論。フライシャー大統領報道官は1日の会見で、大統領が長官を支持していることを明言した(共同通信)
米国務長官がトルコ訪問 開戦後初の国外歴訪開始
【アンカラ1日共同】パウエル米国務長官は1日夜(日本時間2日未明)、イラク北部クルド人自治区へのトルコ軍派兵問題や、イラクの戦後復興などをトルコ政府と協議するため、アンカラを訪問した。イラク戦争開戦後、同長官が国外を訪問するのは初めて。
トルコは反戦感情が極めて高い上、3月1日に対イラク攻撃の際、米軍のトルコ駐留をトルコの国会が否決して以来、米国とぎくしゃくした関係が続いている。長官は同国政府首脳らとの協議を通じ、関係修復を図るとみられる。
米国務省などによると、長官は2日、エルドアン首相らトルコ政府および同国軍首脳と会談。その後、新国家セルビア・モンテネグロを構成するセルビア共和国のベオグラードに立ち寄り、同日中にブリュッセルに向かう。(共同通信)
<イラク戦争>空爆で市民56人が死亡 イラク情報相
【アンマン春日孝之、アッサイリヤ基地(カタール)福島良典】イラクのサハフ情報相は1日、バグダッドで記者会見し、過去24時間に米英軍によるバグダッドなどへの空爆で、市民56人が死亡、250人以上が負傷したと明らかにした。このうち中部バビロンで子供9人が死亡したという。情報相は「米英軍は市民の無差別殺りくを行っている」と非難した。
情報相はまた、アンマンからバグダッドに向かって走っていたバス2台が3月31日、ヨルダン国境から東約120キロのイラク西部・ルトバ付近で、米英軍の空爆を受け、多数が負傷し病院に搬送されたという。乗客らは「人間の盾」に参加した欧米人が中心だったというが、活動家が負傷したかどうかは不明。
一方、AP通信によると、バグダッド南西約80キロのカルバラ近郊の町ヒンディーヤでは第3歩兵師団の戦車部隊が31日夜までに中心部を制圧、ユーフラテス川の対岸に撤退した首都防衛にあたるイラク精鋭部隊「共和国防衛隊」を攻撃している。また、機動力を誇る米海兵隊はバグダッド南方約90キロのヒラに達した。
米中東軍によると、米英軍は31日夜(日本時間1日早朝)、バグダッドのイラク五輪委員会ビルなどを精密誘導爆弾で空爆した。フセイン大統領の長男ウダイ氏は同委委員長を務めている。
米中東軍によると、米軍地上部隊は31日のバグダッド南方の地上戦でイラク兵約700人を捕虜にした。米テレビは米軍筋の話として、これまでに米軍の捕虜となったイラク軍将校が化学兵器の保管場所に関する情報を提供していると伝えている。(毎日新聞)
イラク北部のイスラム過激派壊滅=米特殊部隊とクルド勢力
【カイロ1日時事】イラク北部のクルド人支配地域からの報道によれば、同地域に展開中の米軍特殊部隊司令官は1日、記者団に対し、イラク北東部のイラン国境付近に拠点を持っていたイスラム過激組織アンサル・アルイスラムを、クルド人勢力との共同作戦により壊滅に追い込んだことを明らかにした。
アンサルはテロ組織アルカイダとの関係が疑われていた。
同司令官によると、米軍は先週、アンサルの支配地域に巡航ミサイルによる攻撃を加え、その後、特殊部隊と数千人のクルド人部隊が掃討作戦を実施。アンサルのメンバーやアルカイダ戦闘員数百人を殺害したという。 (時事通信)
米地上軍、バクダッドに向け進軍を再開=ロイター記者
[イラク中部 1日 ロイター] ロイター通信の従軍記者によると、数日間進軍を停止させていた米軍は1日、イラクの首都バグダッドに向けて再び北進を開始した。
最近の一部の軍情報筋の話で、南部との間の兵たんの補給路が延びきっていることや、イラク民兵などの反撃が予想以上に強いために、米地上部隊の進軍停止期間は数週間にわたる可能性が取り沙汰されていた。
ロイターの従軍記者によると、北進を再開した部隊は、途中でイラク軍と交戦する場面もあったものの、大規模な戦闘ではなかったもよう。(ロイター)
イラク共和国防衛隊、一部師団の戦闘能力が半減=米統合参謀本部議長
[ワシントン 1日 ロイター] マイヤーズ米統合参謀本部議長は、米英軍の空と地上からの攻撃により、イラクの精鋭部隊「共和国防衛隊」の2つの師団の戦闘能力が、当初の50%以下に落ち込んだ、との認識を示した。
会見で述べた。
同議長は、この2つの師団が総じて守勢に立たされている、と指摘。師団は、後退はしていないものの、複数の米軍関係者が、近隣地域に分散したのを目撃しているという。
同議長は、「われわれは兵力を増強しており、今後も、地上と空から攻撃を続ける」と述べた。
同議長はさらに、「(共和国防衛隊は)兵力増強のため、一部の部隊を移動させている。ただ一部の部隊は、戦闘能力がかなり落ちており、少なくとも2つ(の師団)で50%を下回っている」と述べた。(ロイター)
<イラク戦争>米陸軍第4歩兵師団の第1陣がクウェート入り
イラクで戦闘を続ける米地上部隊への増派部隊として投入される米陸軍第4歩兵師団の装備第一陣が1日、クウェート東岸のシュアイバ港に着いた。国営クウェート通信によると、約5000人の同師団部隊も同日、空路到着した。
米軍当局者によると、計3万人規模の第4師団の兵力は順次集結し、2、3週間後にイラクで作戦行動に入る予定。
第4歩兵師団は当初、トルコからイラク北部に入り、クウェートから北上する第3歩兵師団とバグダッドを挟撃する計画だった。しかしトルコ国会が米軍部隊の駐留を拒否したため、第3歩兵師団などを増援する形でクウェートからイラク入りすることになった。(クウェート市共同)(毎日新聞)
<イラク戦争>戦場に帰る子供たち ヨルダンからバスで
米英軍とイラクとの戦争が始まって2週間。長期化、泥沼化が懸念される中、隣のヨルダンからイラクへ戻るイラク人が増えている。多くは出稼ぎのため、祖国を離れていた人たち。「家族や国を守るため」、戦火のイラク国内に帰国するという。
1日午後、この日も2台のバスが約100人のイラク人たちを乗せ、アンマン市内のバスステーションを出発した。弟がイラク人の妻の実家へ行くというヨルダン人のファレス・レス・カラハさん(42)は「米英は人間を人間と思わない攻撃を繰り返している。ヒトラーと同じ過ちを繰り返している」と涙をにじませながら怒りをあらわにした。
幼い兄妹も両親とバグダッドに帰るという。戦乱の状況を理解しているのか、兄妹の表情には、子供らしい明るさはない。 【五味宏基】(毎日新聞)
米軍、イラクの大統領宮殿に新たな空爆を実施
[バグダッド 2日 ロイター] ロイター通信の記者によると、米軍機が、バグダッドにあるイラクの大統領宮殿に爆弾を投下した。
同記者によると、チグリス川の近くにある同宮殿に爆弾2発が命中した。
同宮殿は過去数日、空爆を受けてきた。
同宮殿には、同国のフセイン大統領の息子クサイ氏や共和国防衛隊の関連施設も入っている。(ロイター)
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