イラク開戦MAPの作成の過程で、ニュースの錯綜に戸惑う。例えば、キルクーク基地が制圧されたかのような報道が伝えられれば、数日後にはトルコ軍が死守する態勢に入ったとの報道がなされるといった具合だ。これらの情報を鵜呑みにすれば、最初は米英軍に基地を制圧されながらトルコ軍が撤退、のち態勢は逆転、トルコ軍が再び基地を奪回したということになる。しかし、ニュース前後の脈絡から、一日で撤退と奪回という逆転劇が行われたとは考えられず、私の思い違いを含めて再検証の作業に手間取っている。こうした錯綜はイラク北部に多いようだ。その原因として、マスコミの現地取材がペンタゴンなどに制限され、大本営発表に頼らざるを得ないという事情があるようだ。したがって、これらの情報は大本営たる米英軍に有利な情報しか流されていないのではないか?という当然な疑問が起こる。これは敵対するイラク軍の発表にも言えることで、そんな中、今のところ現場取材に奔走しているアルジャジーラが唯一信用できるメディアということになる。それらが実際に起きたのかどうか?米軍とイラク軍双方の発表の食い違いにあって、それを確める方法はたった一つ、現場に向かって見たまま取材したままを忠実に伝えるということだろう。取材人が現場で確認した事実をそのまま伝えるという、報道の基本姿勢が問われている。錯綜したままの情報で私のイラク開戦MAPも混乱し、削除と更新の繰り返しになっている。一応ニュースに忠実に更新しているつもりだが、そのニュースに信憑性がない以上、状況を正確に把握するには全体像をみて自分で判断するしかない。
イラクに無数に散在しているという秘密地下壕を3DCGで描いてみた。かなり簡素に作っているが、実際にはもっと規模が大きいといわれている。地上と地下壕の境目には30センチ厚の鉄板で隔てられ、核戦争にも耐えられるようになっているそうだ。地下の通路は迷路になっており、外来者が侵入しても迷うだけ、バクダッド市内地の下にはこうした地下壕が迷路で網の目のように結ばれていると云う。アメリカでは有事の際に政府関係者などが数ヶ月間生活出来るだけの地下都市があり、有名な北朝鮮のトンネルはもとより、モスクワ、北京、イスラエルなど主要各国の地下壕及び地下都市の存在は公然の秘密とさえなっている感がある。。イスラエルなどは市民レベルでの地下壕が義務付けられ、イラクの場合、地上の道路の下に、そっくり地下道路が存在すると囁かれている。中国では天安門事件のとき、時を待たずに忽然と現れた戦車軍団は、予めそれら地下壕に集積されていた戦車であったとの未確認情報もあったぐらいだ。古典的なところではナチスはヒトラーの地下壕だろう。地下壕の存在は国家機密の最たるものであり、それらの全貌がこれからも明らかになることはないだろうが、地上で新聞を広げて読む人の、その新聞のタイトル文字ぐらいは判別できるという偵察衛星の機能からして、地下壕の利用価値はさらに大きいものがあると思われる。
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