03/01/21 (火)
長いマフラー、バイク後輪に巻かれ窒息 大阪で女性重体
 20日午前5時5分ごろ、大阪府東大阪市瓜生堂1丁目の市道で、女性がオートバイ(250CC)の下敷きになって倒れているのを、通りかかった会社員らが見つけ、119番通報した。女性は首に長いマフラーを巻いており、それが後輪の軸部分に巻き込まれた状態だった。会社員らはすぐに首からマフラーを外し、女性は救命救急センターに運ばれたが、窒息状態で意識不明の重体。
 河内署の調べでは、運転していたのは、同市在住の私立大2年の女性(20)。マフラーはベージュ色の毛糸製で、長さは約2メートルあった。女性は午前5時ごろ、「友人宅に行く」と家族に言ってオートバイで自宅を出たといい、その直後に転倒したらしい。現場は直線道路。同署は、風にあおられたか、車体の揺れなど何らかの原因で、マフラーの端が後輪の軸部分に巻き込まれたとみている。長いマフラーに関係した事故では、昨年11月、栃木県那須町の遊園地で、女性会社員(当時26)がバギーカーを運転中、首に巻いていたマフラーがエンジンの歯車に絡まり、首がきつく絞め付けられて窒息死したケースがあった。マフラーの長さは2・7メートル。バギーカーの後部にむき出しになっていたエンジンと歯車に、走行中に絡まったらしい。ファッションデザイナーの小西良幸さん(52)によると、長いマフラーが10〜20代の女性を中心に広がり始めたのは昨年10月ごろ。首に一度巻きつけ、残りをひざの辺りまでだらりと垂らすのが流行という。


 ぞっとするような事故である。以前から危ないなと思っていたが、当然予測された事故の類いであろう。今後もこうした事故は後を絶たないだろう。今から76年も前の1927年、モダン・ダンス創始者I・ダンカン(Isadora Duncan 1878-1927)は首に巻いたショールが自動車の車輪に巻き込まれて窒息死している。彼女は、ロシア革命をレポートした「世界をゆるがした十日間」の著者ジョン・リードの仲間だった。【参考】映画「レッド」その3(2002年6月27日の日誌) ちなみにマフラーとは・・・「マフラー(muffler)は、包む、覆うと言う意味のマフル(maffle)から来ている。長方形の襟巻きを総称した意味」(服飾辞典・文化出版局)だそうである。ショールも襟巻きということでは同じと思われる。ショールはペルシャやインド・カシミールものが名高く、元々防寒、防暑、砂除けなどのために東洋で用いられていた。頭や腰に巻いたり、西洋では肩を覆ったりするようになった。そのショールからマフラーへと変化していったようである。肩掛けとしてはストール(stole)があるが、古代ローマの女性の外衣ストラ(stola)が語源だと云われている。中世の聖職者が首にかける帯状の布から変化してストールと呼ばれたとも。こうしてみると、やはり東洋のショールを起源として、西洋に渡り、古代ローマのストラからストールへ、またマフラーにと変化していったもののようだ。現代人には一般的なネクタイなどにもイメージの幅を広げて考えてみると面白いだろう。私はどうも自分の首を絞めるようなネクタイなどは苦手で、冠婚葬祭以外は滅多にネクタイをしたことがない。よくテレビのミステリー・ドラマで首を絞め殺されるシーンが出てくるが、車輪に巻き込まれるマフラーを想像しただけでも怖くなる。長いマフラーは世界でも流行しているようである。
【関連サイト】世界で流行っている長いマフラー(写真)
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