02/11/24 (日)
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フセイン大統領長男の新聞発刊禁止 イラク
 フセイン大統領の長男ウダイ氏が発行するイラクの有力紙バベルが20日、情報省から1カ月間の発行禁止処分を命じられた。バベルはウダイ氏の権勢を背景に独自の裁量で編集を続けてきた。メディアが国家の完全な管理下にある同国で、発禁処分が下されるのは極めて異例。理由は明らかにされていない。
 12年前に創刊されたバベルはタブロイド判の日刊紙で、2万5千部ほど。政府や支配政党バース党の公式見解しか伝えないほかの新聞に比べ、バベルは海外の通信社の記事を掲載することもあった。最近は英国紙が掲載した「フセイン大統領一家のリビア亡命説」の記事の一部を転載、話題を呼んだ。

 イラクのバベル紙が転載したとされる「フセイン大統領一家のリビア亡命説」は、フセイン大統領がリビアに家族や側近を政治亡命させるためリビアのカダフィ大佐と交渉、35億ドル(約4200億円)で合意に達したというものであった。大統領とはイトコのアリ・ハッサン・アル・マジド将軍はじめ、アジズ副首相、サブリ外相、イブラヒム革命指導評議会副議長らを亡命予定者としていた。考えにくいことである。真偽のほどはともかく、こうしたニュースが流れるあたり、フセイン王朝崩壊を狙ったデマとも考えられなくはない。何より1995年8月8日の大統領の娘ラガドとのその娘婿フセイン・カメル中将らのヨルダン亡命は、次期大統領継承者にしてフセイン大統領の長男ウダイが追放したものと目されているのだ。そのウダイが支配するバベル紙が大統領に不利な情報を転載したとなれば、それはすなわち長男ウダイの父親フセインへの反抗とも疑われよう。それともバベル紙にウダイの権限が及ばなくなってきているのだろうか・・・そのへん現時点では解釈のしようがない。
 リビア亡命予定者とされる筆頭アリ・ハッサン・アル・マジド将軍は1991年11月に国防相に就任、1995年7月16日に解任されている。実業家のカメル・ハッサン、大統領顧問ハシム・ハッサンらを兄とする、ハッサン・アハメドを父親としている。彼らはフセイン大統領の実父モハメド・アハメドの【アル・マジド家】一族である。
スブハ・タルファ(母) ウダイ
サダム・フセイン(大統領) クサイ
モハメド・アハメド(父) ラガド*
ラナ*
ハラ
【アル・マジド家】 カメル・ハッサン フセイン・カメル*
ハッサン・アハメド ハシム・ハッサン サダム・カメル*
アリ・ハッサン
 フセイン大統領の一族はその殆どがイトコ同士の結婚で結ばれている。*印はヨルダン亡命した一族で、大統領の次女「ラナ」も姉と同じように父方親戚のアル・マジド家に嫁いだ。三女「ハラ」もまた例外なくアル・マジド家と結ばれている。上の系図は便宜上簡素にしてあるが、母方親戚を加えれば一族同士の結婚はさらに複雑になる。
【関連】イラク大統領二男、反体制派の襲撃で負傷(今年8月16日の日誌)

(1)-米英戦闘機、イラクの対空防衛通信施設を爆撃
 [ワシントン 20日 ロイター] 米中央軍司令部は声明を発表し、イラク南部の飛行禁止区域を偵察飛行中の米英両軍の戦闘機が、イラク側からミサイル攻撃を受けたため、イラクの対空防衛通信施設3カ所を爆撃したことを明らかにした。これによると、米英両軍の戦闘機は米東部時間午前6時(1100GMT)ごろ、バグダッドの南東約160キロのアルクト近郊の施設と、バグダッドの南東約400キロのアルバスラ近郊の施設を爆撃した。
(2)-米英戦闘機、イラク南部の施設を爆撃─イラク軍=INA
 [バグダッド 22日 ロイター] 国営イラク通信(INA)によると、イラク軍の報道官は声明で、米英両軍の戦闘機に、22日に南部の施設を爆撃されたが、対空防衛施設からの反撃で撃退した、と発表した。このなかで、米英両軍の戦闘機は、バグダッド南東のバスラの「民間および軍事施設」を爆撃した、とした。
(3)-<イラク>米英軍が通信施設を空爆
 米中央軍司令部は22日、イラク南部の飛行禁止空域を警戒飛行中の米英軍機が同日、イラク軍の通信施設を空爆したと発表した。同司令部によると、イラク軍機が飛行禁止空域に侵入。米英軍機は自衛のためバグダッド南東約260キロのアマラ郊外の通信施設を爆撃した。イラク側の損害状況は調査中。バグダッドからの報道によると、イラク政府はこの爆撃は一般市民が対象となったと主張している。しかし同司令部は「米英軍機は市民や民間施設を標的にしたことはなく、市民を傷つけないよう細心の注意を払っている」と説明した。(ワシントン共同)(毎日新聞)

 米英戦闘機が爆撃したとされるイラクの対空防衛通信施設3カ所を特定しようとしたが、20日時点で明らかにされたのはアルクト(またはクート・アル・アマラとも)とアル・バスラの二ヶ所だ。もう一ヶ所は何処かと思っていたが、22日報道時点でそれがアマラであったことが分かる。この三ヶ所はいずれもチグリス川沿いにあるイラク空軍基地で、正確にいえばバクダッドに近い順からアル・クート空軍基地、アル・アマラ空軍基地、アル・バスラ空軍基地ということになる。アル・クート空軍基地は先月15日にも米英戦闘機によって爆撃されている。
【参照】イラク軍事基地2002(全画面)

【視聴予定】
17:30-18:24 TBSテレビ 報道特集 自衛隊派遣延長の裏に…▽色覚バリアフリー
21:00-21:50 NHK総合 スペシャル「世界最速の車をつくりだせ」 トヨタF1・開発の現場に密着▽技術者の苦闘
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