02/11/07 (木)
4-13℃ 西-南南西〜4m/s弱風、夕方一時やや強風
慈江道煕川市ハガプ(赤矢印-出入口)
 昨夜のニュースステーションでは核ミサイル開発疑惑が持たれている慈江道(チャガンド)煕川市ハガプの衛星写真が公表されていた。ここはアメリカが北朝鮮を攻撃する場合、真っ先に攻撃されるであろうとされる場所だ。先月の日誌では寧辺(ニョンピョン)の衛星写真を元に分析したが、ハガプはその寧辺から北東へ50キロほど先にある。【10月19日の日誌参照】山岳が入り組んでいるので間違いやすいし、寧辺の衛星写真をハガプだと偽っても分からないだろう。上空5万メートルから撮影されたという衛星写真はそれだけでも鮮明さに驚くが、実際にはもっと鮮明な写真をアメリカは手に入れているはずだ。公園で新聞を立ち読みしている人間の性別はもとより、新聞のタイトルも識別できるという軍事衛星の機能からすれば、今回公表された写真は驚くに値しない。
 軍事コンサルタントのティム・ブラウン氏によれば、山際に面した場所に見える三ヶ所の穴は、地下核ミサイル基地の出入口であると断定する。ここには金正日総書記の司令室があり、緊急時の避難場所ともなっているらしい。前面に広がる湖水は人工貯水池で、これは核燃料の冷却水にも併用され得るとのことだ。むろん北朝鮮政府はこれらを全面否定するが、仮にそうだとすれば、戦争に突入した際には金正日はハガプ司令室に避難し、そこで北朝鮮全軍の指揮をとることになる。アメリカ軍は真っ先にそこを叩くというのだから、それだけで頭を吹き飛ばされた人間のように、北朝鮮全軍はたちまち麻痺してしまうだろう。もっともアメリカ政府がこうした極秘情報を全世界に流した時点で、即北朝鮮は金正日司令室を別の地点に移動するであろうから、これはアメリカの北朝鮮への威嚇忠告ということになる。金正日が隠そうとすればするほど逆に全世界の関心を引き、それを承知でアメリカは北朝鮮秘密軍事基地の衛星写真を公表して、結果的に金正日を追い詰めるという戦略だ。しかしながら、そうしたイタチゴッコもさほど長く続くとは思われない。
 飢餓による国民の不満が頂点に達しつつある現在、金正日は何としてでも経済を安定させるために日本など他国からカネを引き出す必要がある。この際なりふりなぞかまってはいられない。拉致を認め、日本に謝罪してもカネを引き出すのだ。そうしないと金王朝そのものが足元から崩れ去ってしまう。その弱みがあるゆえに、アメリカのみならず日本を含めた外交チャンスだと示唆するアナリストも出てきている。軍事的にはアメリカが優勢なのは誰でも知っている。譲歩するとみせて威嚇する、アメリカのこうした罠に怯えたかと思うと、逆に核使用をちらつかせて威信を保とうとする北朝鮮・・・アメリカという獰猛なドーベルマンが威嚇するのに対し、必死になって吼えまくるスピッツ北朝鮮では勝負も見え透いている。問題はそのドーベルマンが一気にスピッツの喉首を噛み切りはしないかという恐れである。その喉首から溢れ出す血は、単に金王朝とその太鼓もち軍部の血にとどまらない、多くの北朝鮮国民の命に付随するものになる可能性が出てくる。権力者たちの駆け引きに巻き込まれ、頭上のミサイルに怯えなければならない国民ほどいい迷惑である。金正日は飢餓という空腹を与えたが、ブッシュはその飢えた腹にミサイルをぶち込んだと・・・それでも戦勝国は誇らしげに「これで平和になった」と言うだろう。この血塗られた平和が何度繰り返されてきたことか、我々は彼らに感謝すべきなのであろうか?
 細心の注意を払った1000円に満たない部品の仕上げ、丸一日かけて乾燥し、最終仕上げに温風を吹きかける。みるみる剥がれていく様子に唖然とする。心が剥がれていく。下地のサーフィサーと仕上げのウレタンの温度差が膜を剥がしているのだ。これも仕事だと、自分の未熟を呪い、再びパテを付け、磨く・・・磨く。泣きたい気持ちを振り払い、磨く、磨く・・・何度でもやり直すさ・・・何度でも・・・磨け磨け、ひたすら磨け。それでも焦る心、足の痛みが引きつる。「そんな足、切ってしまえ」元友の冗談が心に食い込む。嘲笑を受ける前に自嘲してしまえ。オレは駄目な奴さ。バカな奴さと、懸命に手直しをつづける自分を自嘲する。バカでなけりゃやってられない仕事さ。父がよく歌っていた歌詞を思い出す。カネも要らなきゃ名も要らぬ・・・分かってくれるかい?とっくの昔に死んでしまった父に問い掛ける。分かるとも、頑張るんだ・・・頑張っても先が見えないよ・・・それでも頑張るんだ・・・分かっているんだ、死んだ人間が応えるわけがないってことを。オイラは二重人格、その対話はしょせん独り言さ。手を休めずに磨け、磨け・・・おいでおいで、母が手招きをしている。駄目だ!今、手が離せないんだ。バカな奴だと笑っておくれよ、埃にまみれた工場で、たった一人の流れ星・・・磨け、磨け、時間がないぞ、ひたすら磨け。午後2時過ぎの孤軍奮闘。
 急ぎの仕事が来た。午後4時半、油を全て洗浄用シンナーで洗い、拭き取り、メッキ部分を新聞紙とマスキング・テープで保護する。そしてパテ付けとなる。パテ付け作業は明日いっぱいかかるとして、とりあえず下地調整から戦闘開始だ。その間に厄介だった部品を仕上げる。猫が集まってきたのを見て監督が笑う。「猫の手を借りたら仕事進むんじゃないの?」「そうしたいけど、こいつらに手伝わせたら仕事遅れるからな。監督さん、責任とってくれる?」大笑いしながら帰っていく監督・・・どれ、まず飯だ。
【視聴予定】
19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ▽ベストセラーをめぐる攻防
20:00-20:54 フジテレビ アンビリバボー「実録音の犯罪捜査官SP」 ビンラディンの行方を追う日本人が暴く暗殺事件の謎・空白の10秒残された音
22:00-23:00 テレビ朝日 ニュースステーション 北朝鮮の”経済状況”▽不況で40・50代の自殺急増、遺児たちは…元社長は
「じねん」TOP