02/10/20 (日)
北朝鮮のウラン施設は「3カ所」 米が韓国に通知
 韓国の有力紙、中央日報は19日付で、米政府が韓国政府に対し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のウラン濃縮施設として3カ所を挙げ、中でも平壌市北部のウンジョン区域にある国家科学院が最も有力とみていることを通知したと報じた。消息筋などの話としている。
 報道によると、米国が伝えたのは国家科学院のほか、北朝鮮北部の慈江道熙川(ヒチョン)市ハガプと両江道金亨稷(キムヒョンジク)郡ヨンジョ洞(ドン)。いずれもこれまで核開発疑惑施設として取りざたされてこなかったという。ブッシュ政権の特使として初めて訪朝したケリー国務次官補が韓国入りした数日後の今月10日ごろ、米政府が関係者を韓国に送り、施設の場所を伝えた。ただ、米国は「北朝鮮の核兵器開発はまだ研究段階とみている」とも伝えたという。ある韓国政府筋は19日、朝日新聞に対し、10日に米国務省の北朝鮮担当者がソウル入りした際、疑惑施設の情報を伝えた可能性もあることを明らかにした。韓国の通信社、聯合ニュースも19日朝、米政府が3カ所の疑惑施設の場所を韓国側に伝えていたと報じた。同ニュースによると、韓国政府当局者は通告があったかどうかは明らかにしなかったが、3カ所については信憑(しんぴょう)性に疑問を呈したという。  北朝鮮のウラン濃縮施設の場所としては、これまで平安北道の博川(パクチョン)や黄海北道の平山(ピョンサン)などが取りざたされてきた。

 これまでウラン濃縮の疑惑施設としては国家科学院や慈江道(チャガンド)のハカブが浮上していたが、今回報じられた両江道(リャンガンド)のヨンジョドンは初耳であった。問題の国家科学院は警察に該当する国家保衛部の管轄で、平壌北部・平城市の理科大学の施設内にある。これら核関連施設の要となっているのが昨日の日誌で前述した寧辺(ニョンピョン)核開発センターで、度重なるIAEAの核査察に北朝鮮政府がいろいろと隠蔽工作をしているわけである。寧辺核開発センターの全ては旧ソ連の指導及び支援によって構成されていた。
 これから問題になりそうなのが寧辺の分江地区で、これらの核関連施設は全て秘密番号で呼ばれている。以下・・・
304号研究所  分江地区にある研究所の中で重点研究所であり、核兵器開発とともに化学兵器開発にも基本をおく骨幹的な研究所である。研究所の研究員の70%以上が外国留学と再研修を受けた集団である。核兵器開発の研究を重点に置くが化学兵器開発にも参与している。人員は150名前後、研究員の部屋ごとに実験室、シャワー室をはじめ、最新式の条件が保障されている。博士研究員研究員たちの下に助手たちを置いている。
206号研究所  研究員たちの70〜80%が物理部門を専門化した研究集団である。人員は100名前後、分江地区にある核兵器開発の重要研究所の一つである。
利用研究所  名称は経済利用という名称の研究所であるが、各種の部門と一般兵器生産をはじめとし、特に博川に分室の研究所を置いている。人員は150名前後
175号工場  分江の研究所から求められる実験用器具を生産する工場
8月企業所  アメリカの査察(90年代の核査察)の後、新たに出来た研究所であって、分江地区から新たに鉄道を開設し区域外の林の中に隠し、博川分室研究所から入ってくるウラニウムを直接加工処理し各研究所に実験用品を供給する。
101研究所  研究所としては、304や206と同じ研究所である。人員は100名前後
66事業所  研究所や区域内のすべての設備の保障・補強、生活家屋の建設、研究所構内の建設と補修、資材後方物資の補填事業所、人員は約2万名前後
輸出入資材商社  外国からの輸入品を取り入れ、研究所で所有する物資を補填する機関
2月企業所  1990年代の査察後に新たに出来た企業所であり、原子炉を保有しているという。
 特筆すべきは1970年に完成した地下の核施設で、査察や有事の際には核関連物資が地下施設に移送されることである。薬山(490m)トンデ山、ソクテ山などに洞窟の入り口があり、そこから枝分かれした洞窟が幾重にも張り巡らされているとのことだ。その薬山から九龍江を境に核起爆装置実験場や核物理学研究施設があって、その施設内には金日成の別荘だった薬山特閣がある。
【関連記事更新=北朝鮮の核開発動向2002/10
【視聴予定】
■17:30-18:24 TBSテレビ 報道特集 空白の24年と家族の思い…▽金融危機の行方
■22:30-24:45 フジテレビ EZ!TV 最新詳報(01)事件を語り始めた…拉致被害者揺れる週末(02)工作指令か…真夜中のラジオ”極秘暗号”(03)核の衝撃…カギ握る男が来日▽全米騒然…恐怖9人連続射殺犯▽森本毅郎
「じねん」TOP