明かされたカバラ04:発達の力と苦悩の意味
KABBALAH REVEALED
《 明かされたカバラ04:『発達の力と苦悩の意味』 2/3 》
では、私たちはどのようにして、この高い状態にいくことができるのでしょうか? どのようにしてこの高い視点から見れるのでしょうか?
それは自力では不可能です。そこにすでに存在するものの助けを借りるしかありません。私たちはそこに在るものを感じれないといけません。そうすればそれの様に成ることができます。
覚えているでしょうか、進化の力は単なる欲求の発達であり、この上層の光のシステムは私たちをこれらの欲求に沿って動かし、正しい欲求を持つまで発達す
ることを取り決めています。しかし私たちは無意識に発達してきたため、つまり私たちの意志ではなく、覚醒が起こる場所まで、突き動かされてきたのです。
覚醒は「善い・悪い」と呼ばれる、これらのでき事によって取り決められています。言い換えると、私たちの疑問が大きなものになるように、欲求は発達して
変化し続けるのです。そして私たちが“打撃”と見なすこれら各でき事は、私たちにどんどん深いレベルの疑問をもたせます。
「何が苦しみの本当の原因なのか? なぜ私は苦しんでいてるのか? どうすれば苦しみがなくなるのか?」
この発達の力はこれらの疑問の答えを見つけるまで、落ち着けないという状態になるまで無意識に進化させます。なぜなら、その疑問の答えはこのシステムを
司っている、高いレベルからしか得られなく、それが私たちにあたかも、悪いでき事と善いでき事があると思わせているからです。
この実在的で意識的な欲求が内面で感じられると、どんな欲求もその代わりにはならなくなり、この疑問の答え、このリアルで意識的な欲求だけが、その時に
答えを探しに行かせ人はそれを得るのです。しかし私たちが苦しむ理由を知るためには、何が善くて何が悪いかを知らなくてはなりません。
そして、それは変化する物差しでは絶対に感じ取ること、または測ることはできません。受取る意志の中からでは無理なのです。何か変化しないものと比較す
るしかありません。これが私たちの知っている常に与えることだけをするクリエーターの特質、無条件の授与なのです。被造物の特質は自分のためだけに受取る
という意志です。
その2つの特質の相違が、私たちがどこにいるのかを感じさせてくれるようになります。なぜなら、これしかクリエーターを感じ取る方法がないからです。問題はそれをどのようにして感知するのか。そして、それを何として知覚するのかです。
私たちは光の海のなかに住んでいます。その意味は、私たちが絶えず私たちの容器(Kli-クリ)の中に喜びを受け取っているということです。これが私た
ちの受取る意志です。そして、上層の光は常に私たちを喜びで満たしています。つまり、それは実際には光自体に対する私たちの感覚です。
それは常にクリエーターなのですが、人間側から見る物事の“装い”によって、私たちはただ違う名前で呼んでいるだけです。人生の全でき事はそれらを直に
感じるように、「直接の光」として送られて来てます。しかし、それらをそう感じるのなら、私たちがそれらを受取る意志を通じて感じていることを意味し、そ
れらが与えられていることの理由は分かりません。
私たちが探し求めていることは、その中に潜む考えを感じる事です。つまり、ここにあるこの特質とは何なのか、この状況を与えているクリエーターの、授与
の特質の意図とは何なのか。これがどのようにして私たちを充足に至らせる発達の力とつながっているのか、ということです。
もしも私たちがこれを理解し感じる事ができたなら、そのでき事を理解し私たちもそのレベルに上がります。そして私たちが人生のでき事で探し求める事のすべては、クリエーターを正当化することです。これが高潔なひと(Tzadik-ツァディック)です。
それは、人生においてどんなでき事が起きようともそのでき事が与えられたことに潜む思考、つまり、クリエーターの慈悲の力の導きを感じ取るひとのことで
す。そして、私たちのクリのなかで感じる事とクリエーターの思考との相違だけが、つまりクリエーターの思考と私たちの思考との差異が苦しみの唯一の原因な
のです。
この自己の性質の対比――光を受取るという自己の意図と光を授与するクリエーターの意図――この相違が不快や苦しみなどの原因です。
この授与の特質、上層の光を与えるという特質が宇宙の一般法則であり、宇宙のすべてのものがその結果として起こるのです。すべての法則、内的および外的
な自然法則が、その結果として起こるのです。そして、均衡つまり内側にあるものと外側にあるものの間のホメオスタシスを見つけることが、全生命の責務なの
です。
よって、この法則を遵守しない度合い、つまりそれに類似していない度合いによって、この世界とその全側面を損傷するのです。人間だけでなくその周りにあるもの、つまり世界、国家、家族、現実のすべてをです。
<2019.4.1 テキストファイル化>