明かされたカバラ03:『苦難の道とトーラーと戒律の道』

KABBALAH REVEALED

アンソニー・コジネック
Anthony Kosinec


《 明かされたカバラ03:『苦難の道とトーラーと戒律の道』 3/3 》

 この外側に存在するもの、エゴの非主観的状態の中には、客観的現実でありカバリストが、“授与する意志”というものです。授与する意志とは無条件の利他主義のことです。言い換えると、外側での体験とは、無限の存在と無制限の喜びと幸せです。しかしそこに到達する手段がないため、これを感じることはできません、本当でしょうか?
 霊的な世界には物質界とは違う特質が存在します。物質界において動くことは完全に機械的です。つまり、形態と用途(目的)の違う2つの物体を手に取り機械的に近づけ、ここには近さがあると言えます。しかし霊的な世界における近さとはまったく違う条件を要します。時間も空間もなく機械的なものが存在しない為です。
 カバリストは霊的な世界を構成するものは感覚状態と、内的な特質に関係する勢力範囲であると伝えます。また霊的な世界のすべての動きは2つの特質、または感覚状態の相違または相似から生じます。
 それを友情に置き換えて説明すると、もし私の友達がコメディが好きでそれを楽しんでいるのに、私は真面目でコメディに興味がないとしたら、私たちが親友になる可能性はとても低いといえます。もし私がコメディを嫌いなら、私たちは離れているとみなされます。が、もしコメディが好きで友達と同じ漫才師と、彼らの出演する映画が好きなら、コメディが好きということに関して、友達と私は感覚的に近いことになります。
 言い換えると霊的な世界において2つの特質と感覚が、類似しているなら近いとみなされ、相違しているなら距離があるとみなすのです。しかし、これは私たちにとって最も美しく貴重なことで、実に私たちを身体性からスピリチュアリティーに至らせることです。
 つまり、もしそれらにまったく同じ特質と目的と意図があるなら、それらは同一で結合していて繋がっているのです。そして「形態の同等性の法則」と呼ばれるこの法則は、私たちの分離した利己的な状態からもう1つの感覚を発達させて外に在るものを感じさせるのです。
 私たちに必要なことは自分の内側に、類似した周波数、類似した性質、授与する性質を持つ違う感覚を発達させることです。まだ私たちにはそれを簡たんに、感知することはできませんが、カバリストは現実のなかに存在するものは、2つしかないと伝えます。
 クリエーターと被造物だけです。私たちの感知するすべてのものは、たんにクリエーターの特性と被造物の特性です。クリエーターは上層世界で被造物は下層世界です。クリエーターの特性は授与する意志、被造物の特性は受取る意志、存在するものはこれだけです。
 箱の外側に出ることはスピリチュアリティーの空間に、移動しなくてはならないことを意味します。スピリチュアリティー空間への移動はここの特性の変化を意味します。つまり受取る意志という被造物の性質が、クリエーターの性質に徐々に類似していくことです。
 これらの世界からの降下を通じ、全世界が隠されてきた点、これらの世界はたんに受取る意志と、授与する意志の比率から成っています。私たちがこの世界に降下してきた梯子を登らせる方法は、私たちの受取る内的性質、エゴイズム、自己の為に取得する欲望を変化させ、受取ではない授与する意志の比率を徐々に増やすことです。
 これらの1つ1つの状態、梯子の段は、受取る意志にくらべて増えていく、授与する意志の割合です。この類似性を拡大することにより、授与の性質が実際に何であるかを感じれるようになることにより、存在するものすべてを愛し支えることの意味、自分の内側にその類似性を築くこと、これがカバラの扱う内容です。
 それは授与を感じることを可能にしこの特質の、類似性を自分の内側に作り上げる方法です。これが隠された英知の鍵に注目しながら私たちが研究していく内容です。ではまた見てください。

 <2009.7.7 テキストファイル化>   


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