自由意志はあるのか? 全てはあらかじめ決まっているのか?
【質問】
私たちに自由意志はありますか? それともすべてはあらかじめ決まっているのですか?
【回答】
私たちは、どの行為に実際に自由があるのか、または、たんに自由の幻想を抱いているのか分かっていません。なぜなら、私たちを支配している法則と力を知らないので支配がまったくないと思っているからです。従って、私たちの認識のこの空白部分が、私たちが自由意志と呼ぶものです。
しかし、私たちには1つのものを除いて意志の自由がまったくありません。それ以外のすべての行為は、内部と外部の性質によって決定づけられ、4つの要因によって決まります。私たちの自由がどこに本当にあるのかを知るためには、これら4つの要因の働きを見つけるために、私たちよりも低い生命活動レベルを見る必要があります。小麦の種を見てみましょう。
第一の要因:苗床、第1の物質。あなたはその種を手に取り、それを地面に埋めることができます。そして、それは分解し種の体は消えますが、将来に発達する特質に関する情報は古い形と共に消えません。それは新しいものに転換させられ、その情報はあとに続くすべての主な原因です。
同様に、滴の精液は、々の先祖からの抽象的な力を含んでいます。そして私たちは、蓄積された彼らの知識と、私たち自身の潜在的な性向として感じる身体的および精神的な特質を持って生まれます。しかし、それらは私たちのものではなく私たちに組みこまれたものであり、どんな方法を使ってもそれらを選ぶことも変えることもできません。
第二の要因:それ自身から生じる原因と結果、この時、種の中の情報は新しい形を獲得します。しかし、その形は情報を変化させません。それは決してリンゴの木、またはカボチャになりません。、れは種からの特質を発達させるだけです。唯一起こる変化は質か量においてだけで、それは小麦の茎としてしか成長しません。
遺伝学者は、私たちの中にすべてのものに対する遺伝子があると言います。最も深い個人的な願いと見なされるものにおいてさえも、彼らはどの遺伝子が前もって人に性的反応、依存体質、善行または犯罪行為の傾向を与えるのかを確認しました。
私たちが「私」として見なす内面のシステムとは、特質を肯定的または否定的に切り替えるプログラムによって制御されている、定まった特質の組み合わせです。私たちはそのプログラムに対し、直接的に影響を及ぼすことができません。
第三の要因:内部の原因と結果、小麦の茎がどのくらいよく成長するかは、良くも悪くも直接的にその本質とプログラミングに影響を与える特定の外部要因によって決まります。日照量、雨量、土の中のミネラルの量など。ミネラルの異なる組み合わせでは、上質な小麦を作るために適切な栄養を与えません。よって、これらすべての力がなければならず、それ以外では駄目なのです。
私たちが継承した欲求、考え、そして態度のプログラムは、私たちの家族(私たちは家族を選びません)と、家族が私たちをどう育てるのか、どこでどのように私たちが教育されるのかによって、肯定的または否定的に発達します。
当然私たちは子供の頃にどうすることもできなく、家族が私たちのためにこれらの事をします。それは、彼らの性格、考え、そして価値観との絶え間ない相互作用の連鎖によって影響されることを余儀なくさせます。従って、私たちがどう成長しようが、それは、これらの力との同意または反動の結果なのです。
しかし私たちには、私たちの本質を転換させる法則やその法則の転換の仕方を変えることはできなくて、この事においても自由意志はありません。
第四の要因:無関係な力を通じての原因と結果、これらは、雨やミネラルとは異なる、小麦との直接的関係をまったく持たない環境的影響力です。これらは、ひょう、通りすがりの動物、近くの植物のような力で、その他の3つの要因全体のすべてに影響します。
当然、植物は起き上がって動くことができません。しかし私たちの場合、発達における最初の3つの要因の、どれも取り決めていないという事実に関係なく、私たちは唯一環境を選ぶことによってそれらすべてに影響を及ぼすことができるのです。それが私の言っていた唯一のものなのです。
それは物質世界における私たちの唯一の自由のある箇所です。そして、私たちのゴールの方向に向かうためにこれらの法則を利用できるのは、この箇所からです。なぜなら、人には否定的な又は弱い第一および第二の要因がありえますが、たんにそれらの要因と発達のシステムを適切な環境の中に置くことによって発達の質を高めることができ、発達速度が大いに加速するからです。
私たちの人生の価値はこれだけによって評価されます。なぜなら、一旦環境を選択したのならすぐにこれらすべての法則が再び働きはじめ、その環境がその後に私たちの将来の状況を形作るからです。
そういった理由から、カバリスト達は私たちに適切な本と、正しい友達と正しい先生を選ぶように勧めるのです。
<2019.4.1 テキストファイル化>