カバラ 5つの基本概念

マイケル・ライトマン博士     
Rav Michael Laitman PhD     

 {カバラの原理や基本理念については、3個か5個ぐらいの原理(……5個ということにしましょう)を伝えたいと思います。}

 まず最初に、上層の力が存在していて、その中に私たち全員が住んでいること。そして、私たちはそれとは反対の利己的な部分であること。エゴは過去数千年のあいだこの世界で進化してきました。この進化の最後には、私たちがこの力と一体化しなければならない状況に到達します。

 私たちはだれか? これが二番目の原{(則-->)理}です。この上層の力は完全な善で、授与していて、与えています。それは私たちを、それと反対のエゴイストに創造しました。その理由は、私たちの性質が破壊的で、エゴよりも悪いものはないことを顕示できる地点まで、エゴを私たちの中で増大させるためです。そして、古い外皮から脱皮するようにその状態から脱したくなり、上層力のようになりたくなります。そうしたら、カバラの方法によって、そのようになることが可能になります。

 三番目の原理は、私たちはひとつのソウル(魂)である{ということ}。1つの願望として上層の主が創造した1つの利己的な願望、楽しみたいという願望{が生じました}。そして、私たちは何千何百万の部分に割れ、粉々になり、個人の魂と呼ばれるようになりました。それはこの全過程で展開するものです。私たちは自分たちを是正し、創造主のようにならなくてはいけないのです。その意味は、私たちは全員、共に統一しなければいけないこと。魂の全部が共に一つの魂に戻らなくてはならないことです。

 実際、私たちは利己的に仲が裂かれているので、おたがいを嫌悪しています。そして私たちの是正とは、その反対の状態になることです。エゴが破壊的であることと、私たちは共に繋がり戻りたいのだと理解すべきなのです。現代に現われはじめている破壊的で計り知れないエゴに到達したとき、私たちはエゴがどれほどひどいかを理解します。

 その時には二つの方法があります。叩かれながら進化する方法。これは基本的に今の私たちの暮らし方です。私たちが常に苦悩から逃げ回っていることです。どこに逃げればいいかわからなくて、ただ自分を傷つけるものから逃れていればよい。または、カバラの方法で、目標を自ら自分の目の前に明らかにすることです。その中で発達し、よって自分自身を引きつけます。

 一つ目のほうは「苦難の道」という進化の道です。そして、二つめの道は「光の道」と言います。私たちの選択肢はそのどちらかで進化するかどうかについて、今にいたるまで人間の進化に選択の自由はありませんでした。今までの私たちはただエゴの命令に従って行動していたにすぎないのです。エゴ、DNA、なんと呼ぶかは問題ではありません。むしろ問題は、今の人々がこの世界を超えるものに対する願望を懐いていることです。彼らはこの世界で見つけたものでは満たされないのです。そこで彼らは、なぜ自分が存在しているのかを問い{ます。でも}、なぜかは知らないのです。

 今や彼らには選択の自由があるのです。いままでやってきた苦難の道を生きつづけるか……罰を受けながら。それとも、{「光の道」を選ぶか。この道を選ぶなら、}彼らを引きつける目標に向かって進化できるのです。スピリチュアルな進化の道において、人はカバラの英知を発見したその瞬間から、カバラの書物を頼りに自分のより正された、そしてより前進した状態を学びはじめます。そして彼がそれについて読むとき、その人はその前進した状態に引き寄せられ、どんな苦悩も必要なくなります。むしろ、より前進した状態に絶えず引き寄せられます。しかしこれには、彼が真正のカバラの書物を正しい指導者のもとで学ぶという条件があります。

 現代におけるカバラの真正のカバラの書物は『ゾハールの書』、アリ(Ari)とバール・ハスラム(Baal HaSulam)による著述だけです。

 <2009.7.7 テキストファイル化>   


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