2001
11/27
11/27 アル・カーイダ洞穴基地、空調完備のホテル並み…英紙

 【ロンドン27日=渡辺覚】戦術核攻撃にも耐える強度で、内部はホテル並みの設備――。27日付の英紙インデペンデントは、アフガニスタン南東部の洞穴内にあるビンラーディンのテロ組織「アル・カーイダ」の秘密山岳基地の目撃証言を掲載した。

 約半年前に、南東部トラボラ地区にある秘密基地を訪問した東部ジャララバードの住民が、インデペンデント紙に語ったもの。

 住民が招かれたアル・カーイダの秘密基地の1つは、洞穴の入り口からの延長が約380メートル。入り口は車がそのまま通れるほどの広さで、約15メートル進んだところにドアがあり、そこから奥は、さまざまな用途の部屋に分かれていた。いずれの部屋も、内壁や床面はセメントで塗り固められ、ホテル並みに整備されており、山の水流を利用した小型水力発電で完全に電化され、空調や暖房も完備していたという。

 同紙は、こうした洞穴を利用した山岳部の秘密基地内には、アル・カーイダの残党が相当数立てこもっていると指摘。さらに、北部同盟筋の証言から、ビンラーディン自身が潜伏している可能性は70%に達すると推測している。(読売新聞)
米軍とアフガン部族軍、タリバンへの攻勢強める


 [アフガニスタン南部 27日 ロイター] アフガニスタンで軍事行動を展開する米軍部隊と、国内各部族の反タリバン勢力は、タリバンへの攻勢を強めている。
 26日未明にカンダハル南西に投入された米海兵隊は、初の夜間戦闘で攻撃ヘリを使い、米軍が新たに設置した基地に向かっていたタリバン軍の戦車や車両を攻撃した。
 増派要員は現在アフガニスタンに向かっており、既に7週間に及んでいる米軍の軍事行動は地上戦という新たな局面を迎える。軍関係者は、米海兵隊が1000人規模に拡大されるとしている。
 一方、国境に近いスピンブルダク周辺の部族軍の報道官は、タリバン司令官らとの降伏交渉が失敗に終わったことを明らかにした。
 また、北部クンドゥズでは、北部同盟の兵士らが支配を強めている。北部同盟によると、マザリシャリフ近郊の収容所で発生したタリバンの外国人義勇兵の暴動はアルカイダの戦闘員らが起こしたもので、完全に鎮圧されたという。
<アフガン>ボン会議に女性3人が参加 権利擁護を訴え

 アフガニスタン各派が集まったボン会議にはアフガン女性3人が参加した。参加4派中、元国王派と北部同盟派が国連などの強い要望に応えた。会議に先立ち、元国王派の特使シマ・ワリさん(50)は「問題は(全身を覆い隠す衣装)ブルカではなく医療、教育、職業の保障だ」と欧米メディアに語り、女性の権利擁護を訴えた。(毎日新聞)
タリバンが南部・国境拠点の街を放棄、撤退

 【クエッタ(パキスタン西部)27日=新居益】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンの本拠地カンダハルの南部一帯でタリバン部隊と戦闘を展開しているグラガ・シャラザイ元カンダハル州知事(元国王派)の報道官、アンワル氏が27日夕、本紙の電話取材で明らかにしたところによると、パキスタンとの国境にある街スピンブルダクを支配していたタリバン部隊は同日午前、この街を放棄、撤退した。

 またアンワル氏は、スピンブルダクとタリバンの本拠地カンダハルを結ぶハイウエー上にある町タフタプルも、シャラザイ部隊の支配下に入ったことを確認した。

 元国王派による同ハイウエー制圧が進んでいることは、タリバンにとって、カンダハルから南方への撤退や、パキスタン側の親タリバン勢力からの補給が遮断されつつあることを意味する。(読売新聞)
アフガン問題への対応を評価=比副大統領

 田中真紀子外相は27日午後、外務省で、来日中のギンゴナ・フィリピン副大統領兼外相と会談し、「これまでもフィリピンはテロに毅然(きぜん)とした対応をしており、高く評価したい」と述べた。同副大統領はアフガニスタン問題に関して「日本は和平プロセスに十分努力されている」と日本の姿勢を評価した。
 また田中外相が「9月のアロヨ大統領の訪日、小泉純一郎首相との首脳会談は大変有意義だった」と指摘。これに対し、同副大統領は「(自分も)日本との友好関係を強化するために来日した」と強調した。 (時事通信)
NGOの日本人、カブールに=避難民支援に向け準備作業−アフガン

 アフガニスタン支援を行う日本の非政府組織(NGO)から現地の実情把握のため派遣された日本人ら4人が27日、アフガンの首都カブールに到着した。派遣団は、アフガン国内の避難民支援に向け準備作業に入る。米同時テロ事件後、NGOの日本人がアフガンに入るのは初めて。 (時事通信)
<アフガン>東京で復興NGO会議 来月11日から

 アフガンの復興支援に向け日本やアフガン、欧米のNGOなどが協力体制を協議する「アフガニスタン復興NGO国際会議」が来月11日から3日間の日程で東京で開催されることが決定。農業、教育、保健医療などのジャンル別会合を開き行動計画を取りまとめ、来年1月に開催される政府レベルの復興国際会議に提言する予定。(毎日新聞)
<タリバン兵暴動>外国人義勇兵600人死亡 マザリシャリフ

 【マザリシャリフ(アフガニスタン北部)田中洋之】アフガニスタン北部のマザリシャリフ近郊の捕虜収容所でタリバンの外国人義勇兵が暴動を起こした事件で、北部同盟のドスタム将軍の補佐官は26日、収容されていた外国人義勇兵のほぼ全員にあたる約600人が暴動鎮圧の際に死亡したと明らかにした。また北部同盟側にも40人の犠牲者が出たという。

 暴動が起きたのはマザリシャリフ西方のカラハンギ要塞にある収容所。25日に捕虜の一部が北部同盟の監視兵を殺害、武器を奪って要塞の施設1カ所を占拠した。暴動鎮圧にあたって北部同盟の要請を受けて米軍機が空爆を行った。要塞にはアフガン北部クンドースで投降したパキスタン、アラブ系などの外国人兵が収容されていた。(毎日新聞)
<ブッシュ米大統領>テロ支援の定義踏み出す イラク攻撃布石か

 【ワシントン布施広】ブッシュ米大統領は26日、テロ支援の定義に関して「大量破壊兵器の開発によって他国を脅かす者も責任を問われる」と述べ、従来より一歩踏み出した見解を示した。アフガニスタン攻撃後のイラク攻撃を可能にする狙いがあるとみられる。しかし「テロとの戦争」の延長としてのイラク攻撃には内外に異論があり、大統領の「新見解」に対してロシアや欧州の反発も予想される。

 大統領は従来、「テロリストをかくまう者もテロリスト」との「ブッシュ・ドクトリン」によってアフガンのタリバン攻撃を正当化していた。だがイラクが現在、大物テロリストをかくまったり資金援助を行っているとの情報はなく、この規定による懲罰は難しい。

 一方、共和党保守派の間には反米イラクへの反発が強く、アフガン攻撃後はイラクと対決すべきだ、との声が高まっている。ブッシュ政権は支持母体・共和党の意向を酌み、イラクやスーダンへの攻撃をちらつかせているのが実情だろう。

 大統領は26日の会見で、イラクや朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に大量破壊兵器査察の受け入れを求め、イラクが拒否した場合は武力行使に踏み切る構えを見せた。大量破壊兵器の開発が他国を脅かしたり、それらの兵器がテロリストの手に渡る可能性もあると指摘、「テロとの戦争」には大量破壊兵器疑惑の解明も含まれるとの立場を示した。

 しかしクリントン前政権は98年、査察体制の崩壊を覚悟でイラク大規模攻撃に踏み切った経緯がある。国連で討議されてきた査察問題が、テロとは直接関係しないことは明らかだ。査察体制復活のために再び武力を使うことには、アラブ世界やロシアや中国、欧州の反発さえ予想される。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米海兵隊部隊に米メディアの記者同行認める

 【ワシントン中井良則】米国防総省は26日、アフガニスタン南部の飛行場を占拠した米海兵隊部隊に、米メディアの記者、カメラマン計5人の同行取材を認めた。アフガニスタン国内の地上作戦で取材を認めたのは初めて。

 AP通信によると、取材を認められたのは、AP通信をはじめ、ロイター通信、USAツデーなどの新聞を発行する「ガネット・グループ」の記者のほか、APテレビニューズとロイターのカメラマン。カメラマンはテレビと写真のプール(代表取材)とされ、加盟社への配信を担う。取材場所や海兵隊の配備人数、作戦計画などには触れないという約束があるという。

 このため、APは発信地を「南部アフガニスタン」とし、「町は見えない。唯一の光は海兵隊が設置した滑走路の照明と建物近くで燃える火だけだ。海兵隊参謀長によると、金持ちのアラブ人が狩猟の小屋に行くために作った飛行場という」と現場の様子を伝えた。

 米軍はアラビア海に展開中の空母への記者の乗艦は認めたが、アフガンに潜入した特殊部隊には同行取材を認めていなかった。(毎日新聞)
<難民問題>インドネシア・豪外相が会談へ

 【シドニー堀内宏明】インドネシア経由でオーストラリアに押し寄せる難民の問題をめぐり、両国の外相が28日にキャンベラで会談する。難民流入阻止を掲げて総選挙に勝った豪ハワード政権は、インドネシアに強力な対策を迫るとみられる。両国関係は2年前の東ティモール騒乱で悪化した後、改善の動きが続いていたが、難民問題が新たな火種となっている。

 豪州への難民は3年前からアフガニスタン人やイラク人が大半を占めるようになった。難民認定に手間取るのを嫌う人たちは密航組織に頼り、最終的にインドネシア各地の漁港から船で豪州を目指している。豪当局に摘発される難民は年間4000人に上り、中東方面の政情不安によっては今後も増えるとみられる。

 ハワード首相は8月、外国船に救助された難民の受け入れをめぐりインドネシアのメガワティ大統領と激しく対立した。10月にはインドネシアの海軍が「人権上、亡命先を求める難民を拘束できない」と表明した。豪政府は以前からインドネシアの公務員が金銭をもらって密航を手助けしているという疑いを抱いており、双方の不信感は深まる一方だった。

 このため難民問題は今月行われた豪州の総選挙の焦点になった。インドネシア国内では「人種偏見をあおる選挙」と批判されたが、結果は強硬姿勢を貫いたハワード政権が圧勝した。外相会談はジャカルタで開く予定だったが、インドネシアのハッサン外相が急きょ、訪豪を申し出た。会談では密航者の監視体制や両国の難民受け入れ枠について意見が交換される見通しだ。

 豪州とインドネシアとの関係は「アジアとの共存」を掲げた労働党政権の時代に緊密になった。しかし、96年に誕生したハワード保守政権は米英重視の外交に転じ、99年の東ティモール騒乱で多国籍軍を主導して両国の仲は一気に険悪化した。(毎日新聞)
<アフガン>米軍 カンダハル南に拠点 攻勢強める

 アフガニスタンの原理主義勢力タリバンに対して攻勢を強める米軍は27日、南部のタリバン本拠地カンダハル攻略に向け、同市の南約90キロの地点に拠点を築いている模様だ。27日昼までカンダハル市は依然タリバンが掌握している模様だが、同州の各地でタリバンの支配力は急速に低下しているとみられる。(毎日新聞)
アフガンで外国人カメラマン殺害される、報道関係者で8人目


 [タロカン(アフガニスタン) 27日 ロイター] アフガニスタンの反タリバン勢力、北部同盟が制圧した北部の都市、タロカンで、スウェーデン人記者団が滞在していた家に数人の武装した男が押し入り、カメラマン1人を射殺した。
 スウェーデン人記者団によると、死亡したのはテレビ局TV4のオルフ・シュトロンベリ氏(42)。米国のアフガン攻撃開始以来、ジャーナリストが殺害されたのはこれで8人目となった。(ロイター)
アフガン復興、水支援が重要=高村氏

 自民党高村派の高村正彦会長(元外相)は27日午後の派閥総会で、アフガニスタン復興支援について、「当面は水の支援が極めて重要だ。水は生きるために必要な人道支援であるばかりでなく、アフガンは本来農業国であり、経済インフラとしても水は必要だ」と述べ、日本としても井戸やかんがい施設の整備に積極的に取り組むべきだとの考えを示した。 (時事通信)
アフガン人4人を強制送還へ=法務省

 難民認定申請中に強制収容され、難民不認定処分が出されたアフガニスタン人4人について、法務省は27日、退去強制令書を出し、本人に通知した。条件が整い次第、4人は強制送還される。
 難民不認定の理由について、森山真弓法相は同日午前の閣議後会見で「迫害の恐れがあるという証拠がなく、就労目的と推論できる状況が分かったため」と説明していた。 (時事通信)
米海兵隊、対地ヘリ攻撃開始

 【ワシントン26日=林路郎】アフガニスタン南部に展開した米海兵隊は26日から27日にかけ、高速対地攻撃用ヘリAH―1「コブラ」など航空戦力を投入し、タリバンの拠点カンダハル周辺で、ウサマ・ビンラーディンのテロ組織「アル・カーイダ」及びタリバン部隊と見られる戦車、装甲輸送車、補給用車両などの車列に対する攻撃を開始した。

 海兵隊に同行しているAP通信が伝えた。また、ブッシュ大統領は26日、「軍事行動は、同時テロの責任者を追う段階に入った」と言明し、ビンラーディン拘束に向けた作戦が本格化したことを明らかにした。

 大統領はまた、低空からの対地攻撃開始で、米軍の軍事作戦が接近戦に突入したことを受け、米兵の間に犠牲者が出る事態を念頭に、「今は危険な時だ」とも述べた。

 一方、ラムズフェルド国防長官は同日の会見で、今回の海兵隊の展開規模について「1000人前後」と述べた。会見に同席したマイヤーズ統合参謀本部議長らによると、同部隊は〈1〉洞穴やトンネルの間を移動する敵部隊に対する低空からの直接攻撃〈2〉ビンラーディンの所在場所に関する情報収集〈3〉ビンラーディンの補給路となっているパキスタンへ抜ける山岳地帯のトンネルなどの封鎖――などを主な任務としている。米軍は兵糧攻めも念頭に、ビンラーディンのいぶりだしも狙っている模様だ。

 AP電によると、海兵隊が占拠したカンダハル近郊の飛行場では、米軍の前線基地を設営するための作業が急ピッチで進んでいる。

 一方、米空・海軍は25日、110機の戦闘機・爆撃機を投入。地上での捕そく作戦本格化に伴い、洞穴やトンネル、移動中の部隊への空爆も強化している。(読売新聞)
査察受け入れねばイラク攻撃も…米大統領示唆

 【ワシントン26日=坂元隆】ブッシュ米大統領は26日の記者会見で、イラクが核兵器や生物・化学兵器など大量破壊兵器の開発疑惑を調べる査察を受け入れなかった場合、反テロ闘争の一環としてイラクを軍事攻撃の対象とする可能性があることを示唆した。

 反テロ闘争の対象範囲を、テロリストに使用されかねない大量破壊兵器の開発疑惑国にまで事実上拡大したもので、大統領は北朝鮮に対しても査察受け入れを強く要求した。

 ブッシュ大統領は、アフガニスタンでの軍事行動が反テロ闘争の「始まりに過ぎない」と指摘、「テロリストをかくまったり支援したりする者もテロリストだ」と従来の主張を繰り返した上で、「他の国をおびやかす大量破壊兵器を開発する者も、責任を取らされることになろう」と述べた。また、査察を拒否しているイラクのフセイン大統領に対し、「査察を改めて受け入れ大量破壊兵器を開発していないことを我々に示すべきだ」と迫った。

 しかし、イラクが査察をあくまで拒否した場合の対応に関しては、「彼(フセイン大統領)自身が思い知ることになるだろう」とだけ述べ、具体的な回答を避けた。

 一方、北朝鮮についても、米朝関係改善をのぞむなら大量破壊兵器の拡散を防止すべきだと主張した。

 ブッシュ大統領の発言は、アフガニスタンでの軍事行動が大詰めを迎え、新しい段階の闘争の方向を示唆するとともに、イラクや北朝鮮に対して査察を受け入れるよう圧力をかけるものとみられる。(読売新聞)
<ここはカブール>北部同盟「我々が血を流して戦った」



26日、カブール中心部から北西に車で15分のところにあるボダムバフ軍事基地。 アフガニスタンの主要都市に連結する道路沿いに位置するこの基地は、タリバンが首都カブールの防衛司令部として使用した所だ。

爆弾が落下したところには大きなくぼみがあり、練兵場にはタリバンが捨てて行ったタンク20余基が放置されている。 案内人の説明によると、先月初めまでここにあった3階建ての本部の建物は跡形もなく消えてしまったという。

先月12日から3日間続いた米軍の爆撃で破壊されたのである。

鉄筋が出たコンクリートの山からは爆撃の威力を推察できる。 片方の柱が崩れ、まだ辛うじて形態を維持している2階建ての建物の内部には、各種の什器が散在しており、タリバン軍が急いで撤退したことを物語っている。

廊下で見つけた『ジハードの徳目』という題の英文冊子には、この本を回し読みして戦意を固めた外国人タリバン兵士の手垢が染み付いていた。 壁にはアラビア語で「アフガニスタンに入る外国人は皆餓え死ぬ」と書かれていた。

1996年血生臭い内戦の末にカブールを掌握したタリバンは、都心と周辺地域など13カ所の基地に軍隊を駐屯させた。 武力で掌握した権力を守ってくれる武力に依存するしかなかったということだ。

そのようなタリバン軍人があたかも夜中に逃走するようにカブールを捨てて退却した。 そこを埋めたのはやはりロシア製小銃とタンクで武装した北部同盟軍人らだ。 一時「鉄甕城」と呼ばれたタリバンの基地はボダムバホを除いてすべて北部同盟の基地に看板を代えた。

米軍の空爆に助けられた北部同盟のカブール占領はほとんど「無血入城」だったが、北部同盟の兵士らは血を流しながら戦った対価だと考えている。

米軍の爆撃で建物の半分だけが残るタリバン中央軍事基地を管理する中隊長級の北部同盟軍人、アブドル・アジズ氏(33)は「カブール市内にある軍事施設はすべて90年代半ばに我々が建設したもの」とし「自分たちのものを取り戻しただけだ」と強調した。

彼によると、12日夜と13日未明に撤退したタリバンは早くから撤退の準備をしていたという。 彼は「我々が一斉に主要施設に入ったとき建物はすべて空いていて、引き出しとキャビネットも清潔な状態だった」と説明した。

北部同盟の兵士ムシャ・ラフマド氏(29)は25日午後、カブール市内のバクタル劇場でインドアクション映画『サディック』を見るため、カリシュニコフ自動小銃を持ったまま列に並んだ。 16歳で軍に志願した後、対ソ連戦争、内戦、タリバンとの戦闘を経験したという彼の手はでこぼこしていて左手の親指の爪はなかった。

「6年ぶりに踏むカブールです。バンジシル渓谷で飢えと寒さ、そしてタリバンの空襲脅威に苦しんだが、いつか必ずここに戻ってくると信じていました」。

彼は「バグラム空軍基地付近の戦闘でタリバンの機関銃に同僚3人を失った時に付いたもの」と述べ、軍服に染み付いた血を誇らしく見せた。

勝利に喜ぶ北部同盟兵士らは、首都カブールに今後構成されるアフガニスタン挙国政府の主導権を北部同盟が掌握することを信じて疑わない。

カブールに駐屯した北部同盟の軍人らは大部分がパヒム将軍部下のタジク族出身の兵力だ。 彼らはやはりタジク族出身の北部同盟指導者であるラバニ元大統領が新政府を率いるべきだと考えている。

「米国の空爆がなければこれほど早くタリバンを追い出すことはできなかったが、戦場で血を流して戦ったのは我々だ。 我々は4年間の統治経験を持っている。

ラバニ元大統領が政府の代表になれない理由はない」。北部同盟の外務部で外国人滞留登録を受けているハジブル・ハディン氏(37)は確信に満ちていた。

外側ではアフガニスタンの新政権構想をめぐって列強の利害が衝突しているが、いまカブールで北部同盟に対抗できる勢力はない。 彼らは銃とロケット砲を前面に出して既得権を主張しているが、住民たちは静まっているだけだ。 いまカブールは「力は銃口から出る」という言葉が実感される所だ。

李相彦(イ・サンオン)巡回特派員 < joonny@joongang.co.kr >


2001.11.27 14:21

<ここはカブール>解放感に浮き立つ市民...女性はまだ外出を敬遠



「アッラーアクバル...(アッラーは偉大だ)」−−。

遠くから聞こえてくる声で目が覚めた。午前3時。礼拝時間を知らせるイスラム寺院聖職者がコーランを朗唱している。外はまだ暗いが、イスラム寺院に集まったカブール市民はアッラーに向けた礼拝でラマダン(断食月)の一日を始めていた。

25日、戦禍の中のカブールの朝はこうして明るくなった。市民の一挙手一投足を監視して抑圧したタリバン勢力の後退から12日目。いつの間にかカブールは昔の活気を取り戻していた。時々北部同盟の兵士らを乗せたトラックがエンジンの音を立てながら走っていることや、小銃を持った兵士らが巡察していることを除けば、ここが戦争中の国家の首都という事実を実感することはできない。

各種の店が並ぶ中心街マンデリは早朝から人で賑わった。ひげと髪の毛を切るために床屋を訪れる人、何年間も崩れたまま放置してきた家の補修のため、工具と建築材料を買いに行く人の姿が目立った。だが大半は明確な目的なく外出し、解放感を満喫する人たちだった。

「タリバン治下では人々の通行がほとんどなかった。宗教警察があちこちで人々の服装や動向を監視し、運が悪ければ彼らに連行されて殴られることもあった。この街を自由に歩けるようになったのはほぼ5年ぶりです」。

きれいにひげを剃ったシャムシュディン・シャムスさん(46)は明るい表情でカブールの街を案内してくれた。

すぐそばの4車線道路ジョディマイワン街。中央線もなくあちこちにくぼみがあるこの道は、早朝からタクシーと自転車がほこりを立てながら走る。

カブールはもはや戦争跡地ではなく、ただ貧しい人々の生活場所である。住民はトラックで薪を運び、自転車で煙筒を運ぶなど越冬準備に奔走した。羊一匹をつるしながら売っている精肉店と自動車部品を売る商店なども目についた。露天商の中にはペプシコーラやネッスルチョコレートなど西側国家の嗜好品を売る所もある。

カブール大学出身の通訳員、ハミド・シャハップさん(24)は「タリバンがこの都市を出てから最も大きく変わったことは、人々の口数が増えたことだ」と話した。男性はいつの間にかタリバン式の服を着ず、「パクル」や薄い「クーラ」などアフガニスタンの伝統帽子をかぶっていた。若者の大半がひげを剃った。

人々が何よりも喜んでいるのは、タリバン軍人のうち最も怖かった外国人志願兵が退いたという事実だ。カブールに駐屯した5000余人のタリバン軍の中にはアラブ人,パキスタン人はもちろん、フィリピンの軍人までいた。シャムスさんは「カブール市民を抑圧していた異邦人らに対する拒否感は強かった」としながら「彼らは北部同盟が押し寄せながら大部分がカンダハルと北部のクンドゥズ方向に逃げた」と話した。

治安も厳格に維持されており、憂慮された北部同盟の報復と略奪行為は起きていない。タリバン所属の運転手だったムハマド・ジャメルさん(35)は「相当数のタリバン協力者らはカンダハルに逃げた。私もタリバン賦役者の烙印を押され報復されるのが恐ろしく、彼らについて行こうかと考えましたが、ここが故郷なのでそのまま残った」とし、「近所の人たちの視線が気になるが、それでも脅威を感じるほどではない」と語った。

米軍の空襲を避けて避難した住民たちも相次いでカブールに戻っている。彼らは主にカブール市内北方のタリバン基地近くに住む人々で、およそ1万人が近隣山岳地帯や国境側難民村に避難していたことが知らされた。 

カブール市民は平静と活気を取り戻しているが、長い間の内戦で生じた傷はすぐには癒されない。

市内には爆撃を受けた建物がそのまま残っている。大部分はタリバン執権前の内戦時に破壊された建物だ。米軍の空爆で30−40軒ほどの民家も破壊された。旧ソ連軍が侵攻した1979年以来、この都市には20年以上も新しい建物がほとんど建てられなかった。

 カブール中心街のシャルナウ地域にイタリア救護機関が建てた病院と市内南方の赤新月社病院には、空爆による負傷者数十人が入院し、治療を受けている。

市内北部に行くとまだタリバン残党らが残っている。市場で服を売るメルジョディンさん(40)は先週、燃料を買うためにカブール北方15キロのシャカルダラサンに行ったが、タリバン兵士10余人が集まっているのを見たという。メルジョディンさんは「タリバン兵士らが草と木の根を食べていた」とし「北方40キロのカラゴアサンにも数十人のタリバン兵士らが隠れていると聞いた」と話した。  

タリバン支配化で激しい抑圧に耐えなければならなかった女性はまだ不安を抱いている。男性が市内をかっ歩するのに対し、市内を一日中歩き回っても外出する女性の顔を見ることは非常に難しかった。まだ女性たちは顔まで隠す「ブルカ」を身につけているためだ。シャハップさんは「女性はまだ、タリバンがまた現れ、ブルカを着なかったという理由で乱暴を受けないか心配している」と説明した。

北部同盟の占領後も、種族間の反目のため流血事態が起きないかが憂慮される。だがシャムスさんは記者の憂慮をこのように一蹴した。

「以前はお互い戦っていたが、今はそうでない。アフガニスタンの人々は長い間の内戦で一つ体得したことがあります。誰がカブールの占領軍になろうと、彼らを受け入れることが一番安全だということです。カブールのパシュトゥン族がタジク族である北部同盟を歓迎することも、内戦を通じて体得した生存の知恵です」。

「水と花の楽園」という意味の都市カブールにはまだ緊張が漂っているが、徐々に日常の自由が復元されている。

李相彦(イ・サンオン)記者 < joonny@joongang.co.kr >


2001.11.26 18:14

アフガン以外での対米支援、状況見て判断=小泉首相

 小泉純一郎首相は27日昼、米国が軍事行動の対象をアフガニスタン以外にも拡大した場合の対応について「状況を見て判断するしかない」と述べ、米軍の具体的な行動を見極めた上で判断する考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。 (時事通信
<イラク>大量破壊兵器廃棄査察拒否を理由に攻撃示唆 米大統領

 【ワシントン布施広】ブッシュ米大統領は26日、大量破壊兵器廃棄をめぐる国連査察を拒否し続けているフセイン・イラク大統領を名指しし「査察官の入国を許可し、大量破壊兵器を開発していないことを示す必要がある」と指摘、イラクが拒否した場合は軍事行動も辞さない構えを示した。米政府内では最近、アフガニスタン攻撃終了後、イラク攻撃を唱える意見が噴出しているが、ブッシュ大統領が同時多発テロとは直接関係のない国連査察を盾に、攻撃を示唆したのは初めて。

 また、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などを念頭に「大量破壊兵器の開発によって他国を脅かす者」は責任を問われると述べ、実際にテロに関与しなくても、大量破壊兵器の開発目的によっては、テロとの関連で懲罰対象とする「新見解」を示した。

 ホワイトハウスでの会見で大統領は「テロリストをかくまい、養う者もテロリスト」と従来の見解を繰り返した後、「世界を恐れさせるために大量破壊兵器を開発する者も責任を問われる」と語った。

 イラク査察の枠組みは、米英軍によるイラク大規模空爆(98年12月)によって完全に宙に浮き、99年以降、既に3年近くに渡り、イラクは査察受け入れを拒否している。イラクが査察を拒み続けた場合の対応を問われたブッシュ大統領は「彼(フセイン大統領)は、いずれ分かる」と述べ、軍事的懲罰を検討していることを強く示唆した。

 さらに北朝鮮に対しても、核査察の受け入れやミサイル輸出の停止などを改めて求め、米朝対話再開の条件として「彼らが大量破壊兵器を開発しているかどうかを知る必要がある」と述べた。

 一方、アフガン攻撃について大統領は「米国を攻撃した人々を狩り出す危険な段階に入った」と述べ、ウサマ・ビンラディン氏らを捜索する中で、米兵の犠牲も覚悟しなければならないと訴えた。また、テロの容疑者を軍事法廷で裁く米国の方針は、欧州諸国などの批判を浴びているが、大統領は「戦時には大統領が軍事法廷を設置する選択肢を持っている」と述べ、正しい決定と強調した。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米軍特殊部隊5人が重傷 米統合参謀本部議長

 【ワシントン佐藤千矢子】マイヤーズ米統合参謀本部議長は26日の記者会見で、アフガニスタン北部のマザリシャリフ郊外の刑務所で起きたイスラム原理主義勢力・タリバン兵士による暴動鎮圧にあたり、米軍特殊部隊5人が重傷を負ったことを認めた。ウズベキスタンの病院に運ばれたが、命に別状はないという。

 マイヤーズ議長らによると、北部同盟に拘束されたタリバン兵士による暴動を機に戦闘が発生し、鎮圧にあたった米軍機がタリバンを攻撃した際に、誤って米兵の周辺を爆撃したためという。アフガン攻撃での米兵の死傷者は、これまで事故によるものはあるが、戦闘での死傷者が報告されたのは初めて。

 米CNNテレビがこの戦闘で米中央情報局(CIA)の工作員が死亡した可能性があると伝えたことについて、マイヤーズ議長とともに会見したラムズフェルド米国防長官は明言を避けた。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>カンダハルへの海兵隊投入認める 米国防長官

 【ワシントン佐藤千矢子】ラムズフェルド米国防長官は26日の記者会見で、アフガニスタン南部にあるイスラム原理主義勢力タリバンの本拠地カンダハル周辺に数百人規模の米海兵隊を投入し、前線基地の設営を始めたと公式に認めた。また、その目的について、同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の支援組織「アルカイダ」とタリバンの動きを封じることにあると言明し、ビンラディン氏拘束に強い意欲を示した。

 長官は海兵隊投入について「占領軍ではない。タリバンとアルカイダの自由な移動を阻止し、圧力を加えるため、前線基地を設営することにある」と説明。また、カンダハルに基地を設営する意味について「(カンダハルには)幹線道路が通り、イランやパキスタンとの出入り口になっている。それらを破壊できる利点がある」と述べ、輸送や通信を寸断する作戦であることを明らかにした。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米海兵隊が初めて戦闘参加 カンダハル周辺

 【ワシントン布施広】アフガニスタンのカンダハル近郊に前線基地を設営している米海兵隊は26日、タリバン勢力とみられる戦車など15台の車列を攻撃、数台を破壊した。アフガンで海兵隊が戦闘に参加したのは初めて。同日も海兵隊員が前線に続々と到着し、基地設営は順調に進んでいるという。

 ロイター通信などによると、海兵隊は基地設営の一環として、カンダハル南方約90キロにあるドランギ滑走路を支配下に置いた。この滑走路はウサマ・ビンラディン氏が再建し、タリバンの最高指導者オマル師も数日前までヘリコプターの発着に使っていたという。前線基地の正確な位置は公表されていない。

 基地設営中に15台の戦車や装甲車などが近付いてきたため、海兵隊は攻撃ヘリで車列に発砲、撃退したという。基地設営を阻止しようとしたタリバン側が攻撃を仕掛けた可能性が高い。死者数などは不明。

 滑走路は砂漠に囲まれ、近くに小さなモスク(イスラム寺院)と、格納庫に使われたとみられる大きな建物があるという。前線海兵隊のマチス司令官は「海兵隊の到着により、我々はアフガニスタンの一部を占有した」と語った。

 アフガンに投入された海兵隊はカリフォルニア州とノースカロライナ州にそれぞれ本部を置く第15、第26遠征部隊で、26日までに約500人が到着、最終的には1000人を超える見通し。(毎日新聞)
迫害裏付ける証拠ない=アフガン人の難民不認定で−森山法相

 森山真弓法相は27日午前の閣議後の記者会見で、難民認定を申請したアフガニスタン人9人のうち4人に対し法務省が不認定の決定を通知した理由について「迫害の恐れがあるということを裏付ける証拠がないこととか、庇護(ひご)を求めてでなく就労目的でわが国に不法滞在していると推定できる状況が分かったため」と説明した。 (時事通信)
<アフガン>各国が相次ぎ特使派遣 暫定政権発足にらみ情報収集

 アフガニスタンの首都カブールを北部同盟が制圧したことを受けて、英仏独の各国が相次いでカブールに「特使」を派遣し、大使館の開設準備に乗り出した。新生アフガンが国際的に認知されるまでは「常駐代表部」との位置付けだが、すでに北部同盟幹部との接触を始めるなど、暫定政権発足をにらんだ情報収集を進めている。(毎日新聞)
<テロ>天然ガス施設標的の犯行計画情報入手 米司法長官

 【ワシントン斗ケ沢秀俊】アシュクロフト米司法長官は26日、米国の天然ガス施設を標的とするテロ情報を米政府が受け取ったことを明らかにした。米連邦捜査局(FBI)の警告に基づき、液化天然ガス製造施設や貯蔵施設は警戒を強化している。

 テロ情報は、同時多発テロ事件の首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏か、タリバンの最高指導者オマル師が拘束、または殺害された場合、天然ガス施設が攻撃されるとの内容。同司法長官は「10日か2週間前に寄せられた確証のない情報だが、真剣に対応している」と語った。(毎日新聞)
カナダ、アフガン派兵部隊の待機期間を2日間から7日間に延長=国防相


 [オタワ 26日 ロイター] カナダのエグルトン国防相は、アフガニスタンに派兵する予定のカナダ地上部隊1000人について、一部を除き、非常待機期間を当初の48時間から7日間に延長した、と発表した。
そのうえで、引き続き同国軍の必要性があると予想している、と述べた。
待機期間が延長されたものの、150~200人で構成される一個中隊は、依然として48時間の待機体勢にあるという。(ロイター
ユニセフ、アフガニスタンでの援助活動を拡大へ=幹部


 [テヘラン 26日 ロイター] 国連児童基金(ユニセフ)は、アフガニスタンに冬が到来する前、同国に対する援助活動を拡大する意向を明らかにした。
 ユニセフの中東・北アフリカ部門の地域責任者であるトーマス・マクダーモット氏は、イランの首都、テヘランで記者団に対し、「海外のスタッフはすでにカブールやマザリシャリフに戻っており、その他3地域の事務所についても、警備上の状況が改善し次第、人員を通常に戻す予定だ」と述べた。
 また、米軍主導の空爆の最中も継続して行われている援助活動は、冬が近づいているため、さらに迅速に実施する必要がある、と述べた。
 (ロイター)
国連、アフガンの捕虜の受け入れを拒否=報道官


 [国連 26日 ロイター] アフガニスタンの北部同盟が、国連に戦争捕虜の身柄を引き渡すことを望んでいるが、国連がこれを拒否する姿勢を明らかにした。
 国連のエッカード報道官は記者団に対し、「困難な状況が発生するたびに国連に頼って、何とかするよう求めても受け入れられない」と述べた。
 アフガニスタンでは、北部同盟に投降、あるいは捕らえられたタリバン勢力や外国人兵士の処遇が問題になっている。赤十字国際委員会は、捕虜の状況を監督することはできるが、実際に収容施設を設置することはない。
 同報道官は、捕虜収容にはインフラが必要だが、国連はアフガン国内にそうした施設を有していないとし、「国連が果たせるような役割はない。任務としては大きすぎる」と述べた。(ロイター)
アフガニスタン復興には本格的な政府が必要=ニールソン欧州委員


 [ブリュッセル 26日 ロイター] 欧州委員会のニールソン委員(援助、人道支援担当)は、アフガニスタンでの復興作業が始まる前に、同国には本格的な政府が必要だとし、信頼に足る政治的解決に達するにはかなりの時間がかかる可能性がある、との見解を示した。
 同委員は欧州議会で、「本格的な再興作業を行うには、一定の形をもった政府が必要だ」と述べた。
 さらに、「しかし、極めて短期的な枠組みのなかで、組織的な復興と開発作業を進めるために信頼に足る政治的な解決策を得ることは容易ではない」とした。(ロイター)
タリバンとの戦いは危険な局面に入りつつある=ブッシュ米大統領


 [ワシントン 26日 ロイター] ブッシュ米大統領は、アフガニスタンでのイスラム原理主義勢力、タリバンとの戦いは、危険な局面に入りつつある、としたうえで、犠牲者が発生する可能性がある、との見方を示した。
 米国は、アフガニスタン国内でのタリバンの最後の支配地付近に海兵隊を投入している。
大統領は記者団に対し、「今は危険な時期だ。われわれは、米国への攻撃に責任のある人物を追いつめているところだ」と述べた。
 そのうえで、「大統領も司令官も、犠牲が生じないことを望んでいる。しかし、これは起こり得ることだ」と続けた。(ロイター)
米海兵隊がカンダハル近郊の空港を制圧、誤射で米兵が負傷=国防総省


 [ワシントン 26日 ロイター] 米国防総省は、アフガニスタンのタリバン勢力が本拠地としていたカンダハルの近郊の空港を、500人規模の米海兵隊が制圧したことを明らかにした。また、北部の要衝マザリシャリフの捕虜収容所の近くで、「友軍の誤射」により複数の米国人兵士が負傷したことを確認した。
 国防総省のクラーク報道官は記者団に対し、数日中にこの空港に1000人以上の海兵隊を投入する、と述べた。
 しかし同報道官は、この海兵隊投入がウサマ・ビンラディン氏に対する「大規模な捜索計画の一環」ではないと述べた。
 また、25日にマザリシャリフ近くで米兵5人が「友軍の誤射」により負傷したことについて、いずれも危険な状態にはなく、3人は治療のためにウズベキスタンに空路で移送され、残り2人はマザリシャリフにとどまっている、と述べた。(ロイター)
タリバン勢力、「命が尽きるまで」米国と戦うと宣言=AIP通信


 [イスラマバード 26日 ロイター] アフガン・イスラム通信(AIP)によると、タリバン勢力は26日、最期まで米軍と戦うことを宣言し、最高指導者オマル師は引き続きカンダハルの拠点にとどまっていることを明らかにした。
この報道によると、タリバンの報道官は、「命が尽きるまで米軍と戦う決意だ」と述べた。
また、同報道官はタリバンは依然、カンダハルの空港を掌握していると述べたという。一方、一部の反対勢力幹部は、同空港はすでに反タリバン勢力の手に落ちていると主張している。(ロイター)
核の機密、漏れていない=パキスタン大統領

 【イスラマバード26日時事】パキスタンのムシャラフ大統領は26日、国営テレビとのインタビューで、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンに国家機密を漏らしたとしてパキスタン人核科学者2人が逮捕された問題について、「核兵器に関する機密は一切タリバン側に漏れていない」と言明した。
 同大統領は、この科学者2人の取り調べを続けていることを明らかにした上で、「核兵器開発に関与しておらず、テロリストに機密が漏れた恐れはない」と述べた。 (時事通信)
カンダハルの米部隊1000人超、本格地上作戦へ

 【クエッタ(パキスタン西部)26日=新居益】米軍は26日、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンの本拠地カンダハル近郊に前夜から投入を始めた海兵隊部隊の増強を着々と進め、本格的な地上作戦に乗り出す態勢を整えた。米軍は一方で、カンダハル近郊のタリバン陣地へ激しい空爆を続けた。

 反タリバン勢力のグラガ・シャラザイ元カンダハル州知事(元国王派)部隊の報道官アンワル氏が26日夕、本紙の電話取材で明らかにしたところによると、シャラザイ氏の部隊数百人は25日夜、カンダハルの近郊にある空港を制圧。その後、約1500人の米軍部隊が進駐したという。

 米国防総省の当局者によると、米軍は軍用ヘリに加え、輸送機C130も使って兵員と物資を次々と送り込んでいる。海兵隊だけで今後数日内に最大計1000人を投入する予定だという。

 また、クエッタ在住のアフマド・カルザイ氏は26日、本紙に対し、同氏の兄で元国王派の中心人物ハミド・カルザイ元アフガン外務次官の部隊がカンダハル北隣のウルズガン州に展開し、地元部族長らを通じてタリバンに投降を迫っていることを明らかにした。

 カルザイ元次官はシャラザイ元知事と連携しており、元国王派はカンダハルを南北から挟撃する態勢を固めた形だ。

 米軍は元国王派と連携して、タリバン掃討とビンラーディンの捕そく作戦を本格化させる。(読売新聞)
<米軍>海兵隊がカンダハルに本格攻撃開始

 【クエッタ(パキスタン中西部)井田純】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンの最後の拠点カンダハル周辺に投入された米海兵隊は26日、米特殊部隊、反タリバン連合(北部同盟)、アフガン人部族勢力などとともに、空と陸から本格的な攻撃を開始、タリバン側も応戦し大詰めの攻防戦に突入した。AP通信によると、米軍の空爆支援を受けた部族勢力はカンダハル中心部まで約7キロの地点に迫っている。

 現地からの情報によると、米軍は26日早朝からタリバン側の通信、水道など都市基盤を標的に激しい空爆を続行。タリバン側は対空砲で応戦した。米軍は同時に、カンダハル郊外の空港に前線基地を設置、1000人規模の海兵隊を展開した。

 また、カンダハル周辺では、米軍部隊とこれに呼応したアフガン人部族勢力がタリバンに攻勢をかけ、双方合わせ約100人の死者が出ているという。さらに、クエッタのアフガン人部族勢力によると、元国王派幹部、ハミド・カルザイ氏らの武装勢力が空港周辺に展開する一方、パキスタン国境近くの要衝スピンブルダックからもタリバン部隊が撤退、パシュトゥン系部族勢力が掌握したとの情報もある。

 タリバン側スポークスマンはアフガン・イスラム通信を通じ、徹底抗戦を強調しているが、当地のタリバン消息筋は同日、「タリバンはカンダハル周辺の支配を失いかけている。非常に厳しい状況だ」と述べた。(毎日新聞)
<タリバン>米軍海兵隊投入で厳しい立場に

 タリバンは、本拠地カンダハルに対する米軍の海兵隊投入により、厳しい立場に追い込まれたとの見方が一般的だ。パキスタン軍情報機関筋によると、カンダハル市内とその周辺にタリバンの精鋭部隊1万人以上が配置されているという。タリバンにとり、カンダハルは文字通り最後の拠点で、「死守する」と宣言している。(毎日新聞)
<米軍>大規模地上兵力投入 タリバンに「心理的圧力」

 【ワシントン布施広】米軍は25日、海兵隊員約1000人をアフガニスタンのカンダハル周辺に投入し、ウサマ・ビンラディン氏と「アルカイダ」の幹部拘束を主目的とする米軍の攻撃は新たな局面を迎えた。大規模な地上兵力投入は、攻撃の主体が空爆から地上作戦に移ったことを意味し、タリバン指導部らの逃亡を許さない意思表示とも言える。最後の拠点に立てこもるタリバンにとって、海兵隊の展開は大きな心理的圧力になりそうだ。

 米当局者によると、海兵隊員は、アラビア海に駐留する米揚陸強襲艦からパキスタンを経てカンダハル周辺に到着した。26日付ワシントン・ポスト紙は、海兵隊は26日中にカンダハル展開を終え、最終的な兵員は2000人程度になると報じた。パキスタンが米軍の使用を認めた2空港は表向き「捜索や救助などの後方支援」が主目的だが、事実上、米軍の出撃基地となっている現実が浮き彫りにされた。

 アラビア海では、揚陸強襲艦ペレリュー、バターンなどの艦船に海兵隊遠征部隊の計4400人が分乗、出動命令を待っていた。投入された海兵隊は、カンダハル攻略のほか、特殊部隊によるビンラディン氏と「アルカイダ」の幹部捜索、カンダハルからパキスタンへの道路封鎖などに従事する。情勢次第では、待機している海兵隊員を増派する可能性もある。

 既にアフガン入りしている特殊部隊は、ビンラディン氏の潜伏が伝えられるカンダハル北方やジャララバード近郊の山岳地帯などを重点的に捜索、米軍機はカンダハル周辺で洞くつなどの爆撃を続けている。カンダハルの空港に前線基地を設営する海兵隊は、装甲兵員輸送車や攻撃ヘリ、垂直離着陸の攻撃機などを搬入、米軍は陸上での臨機応変な攻撃が可能になる。

 また、北部同盟がタリバン兵の恩赦に前向きな姿勢を見せているのに対し、米側はタリバンに協力したアラブ人などは「殺すか捕虜にする」(ラムズフェルド国防長官)との立場だ。米軍地上兵力の投入は、北部同盟とタリバンの「取引」を封じる無言の圧力にもなりそうだ。(毎日新聞)
反乱兵3人、目前で処刑 アフガンの収容所暴動

 「キューン」。隣のカメラマンの頭を流れ弾がかすめた。カメラマンがのけぞり、しりもちをつく。「頭を下げろっ」。近くで銃を構えていた兵士が怒鳴った。アフガニスタン北部カライジャンギにある北部同盟の捕虜収容所。タリバーン兵が暴動を起こし、戦闘が続いていた現場を、27日取材した。(横村出)

 ロケット弾が黒煙を上げ、銃声が絶えない。目の前で、米軍の特殊部隊員が機関銃を連射した。

 収容所がある要さいの外壁の上に突然、反乱兵3人が引き出された。北部同盟兵5人がライフル銃の銃口を、3人の胸のあたりに突きつけた。「パーン、パーン」と銃声が空に響く。その瞬間、3人の体は要さいの内側に落ちていった。

 25日に始まった暴動は27日午後3時(日本時間同7時半)すぎ、鎮圧された。

 アフガニスタン北部のマザリシャリフから南へ約10キロ。「戦争の村」という意味のカライジャンギには、中世に土で築いた巨大な要さいがある。マザリシャリフを制圧した北部同盟のドスタム将軍は、ここを捕虜収容所として使った。

 数日前まで激しい戦闘が続いていたクンドゥズから、タリバーン兵が連行された。アフガニスタンの地元パシュトゥン人のほか、アラブやパキスタンなどの外国人兵士も交じっていたという。25日までに、その数は約800人にふくれあがっていた。

 暴動が始まったのは25日午後1時ごろ。連行されてきた数十人のタリバーン兵が、北部同盟兵に体当たりして、銃を奪った。その場で約20人の同盟兵士が射殺されたという。反乱兵は要さい内の武器庫から銃や重火器を奪い、北部同盟軍との銃撃戦が始まった。

 当時、2人の米国人が要さい内にいた。その1人、マイケルは反乱兵に捕らえられ、暴行を受けた末、殺された。米中央情報局(CIA)からドスタム将軍の司令部に派遣された軍事顧問とみられる。もう1人デービッドは取り残された。

 暴動開始直後、米陸軍のデルタフォースとみられる特殊部隊員50人が駆けつけた。一部が要さいの近くで、米軍機に空爆目標を指示し始めた。タリバーン兵が建物を出て、要さいの中や外へ逃げ始めていた。空爆はしつこく反乱兵を狙った。

 25日から26日にかけての激しい空爆と銃撃戦で、反乱兵の約半数が殺されたという。デービッドは25日夜に脱出した。

 26日午前には、米軍が落とした爆弾が目標をそれ、北部同盟陣地の近くで爆発した。同盟の兵士数人が死亡、米兵5人がけがを負った。3人が重傷だという。同日、米軍は隣国ウズベクに駐留する米山岳師団のうち100人を急きょ、カライジャンギに投入した。

 取材に訪れた27日午前、要さい内に立てこもっているタリバーン兵は数十人を残すだけになっていた。

 要さいまで数十メートルの地点に設けられた防塁で見ていると、米特殊部隊の30人が要さい近くに到着した。兵士は機関銃やロケット砲の装備を素早く整えると、5台の四輪駆動車に分乗して要さい正面に陣取った。北部同盟の兵士を乗せたトラックが後に続いた。

 要さいの中には三つの建物がある。反乱兵が立てこもる中央の建物に向け、ロケット弾が次から次へと発射される。発射の地響きの直後に、ドカーンと大きな着弾音とともに黒煙があがる。

 米兵が突撃しながら発射する機関銃の連続音。応戦する反乱兵のパンパンという銃声。北部同盟兵士が要さい外壁の上に陣取り、カラシニコフ銃で援護射撃をしている。

 前線で指揮を執っていた北部同盟のムハメド司令官によると、特殊部隊のほかにも、要さい内に50人の米軍兵士がいるという。「事態は米軍が掌握している。北部同盟は戦闘では援護に回っている」と語った。

 今回の暴動は北部同盟の非力さを露呈した。米軍の空爆に助けられて、陣地を拡大した北部同盟は、投降した敵兵の管理すらできないだけではない。米軍が主導しなければ、反乱を鎮圧することもできなかった。


 27日午後、暴動は鎮圧された。約700人のタリバーン兵と多数の北部同盟兵が命を落とした。反乱兵が立てこもっていた建物の中には、約300人の遺体が散乱しているという。(22:35)
インドネシアからの義勇兵50人が行方不明に

 インドネシアからアフガニスタンのタリバーン支援などへ向かった義勇兵約50人が行方不明になっている。義勇兵を募集したイスラム青年運動(GPI)幹部が27日、明らかにした。GPIは、カブール陥落後に北部同盟に捕らえられたのではないかとみて、同盟側に解放を呼びかけている。


 GPIは約300人の義勇兵を送り、うち約150人がパキスタンに、約100人がパキスタン、アフガニスタン国境付近にいることがわかっている。だが、残り約50人とは1カ月間連絡が取れないという。GPIは「我々の敵は米国などであり、北部同盟ではない」としている。(17:27)
ビンラディン氏チェチェンに逃走か パキスタン国防省筋

 パキスタン国防省筋によると、オサマ・ビンラディン氏はアフガニスタン北部のクンドゥズでタリバーンの投降が始まった23日から24日にかけて、混乱に乗じてウズベキスタン側に脱出し、同国とタジキスタン国境の間の山地伝いにチェチェン方面に向かったという。

 国防省筋の情報によれば、ビンラディン氏は昼間はくぼみなどに隠れて日没後、護衛の兵士とともにロバなどで山岳地を進み、アフガンを出国したという。


 この情報は確認できないが、クンドゥズではチェチェン人ゲリラがタリバーンに加わっており、ビンラディン氏はこのグループの手引きで出国したとの説が流れている。(14:38)