2001
11/21
11/21 <テルメズ>タリバン政権崩壊で人道・物資支援の拠点に

 戦火で疲弊したアフガニスタンに対する人道支援の拠点として、北部国境をはさんで隣接するウズベキスタンのテルメズが注目されている。両国国境は閉鎖されていたが、タリバン政権の崩壊で5年ぶりに物資の輸送が可能になった。厳冬期を前に国連関係者らは救援活動を急いでいる。(毎日新聞)
<アフガン>米軍が北部クンドースとカンダハルの空爆を続行

 米軍は21日、反タリバン連合(北部同盟)がタリバン勢力を制圧しきれていない北部クンドースと南部のタリバン本拠地カンダハルに激しい空爆を続行した。タリバン系アフガン・イスラム通信によると、クンドースにはタリバン軍とパキスタン、アラブ、チェチェン義勇兵で構成する1万人以上の軍隊がなお残っている。(毎日新聞)
ビンラディン氏とタリバンは現在無関係、連絡もない=オマル師スポークスマン


 [SPIN BOLDAK(アフガニスタン) 21日 ロイター] アフガニスタンのタリバンの最高指導者ムハマド・オマル師のスポークスマンは、タリバンが依然支配下にある南部諸州を防衛する決意であることを明らかにするとともに、ウサマ・ビンラディン氏とタリバンは現在関係がなく連絡もないと言明した。
 同スポークスマンは記者会見で、ビンラディン氏は引き続きタリバンのゲストか、との質問に、「現在のところ関係はない。連絡もない」と答えた。
 同スポークスマンによると、タリバンはビンラディン氏の所在については知らないという。
 同スポークスマンは、「われわれの(支配)地域は現在3~4州に限られているため、彼がどこにいるのか皆目わからない」と語った。
 さらに、「われわれの軍隊は十分に訓練されており、計画も了解している。彼らは現在支配下にある諸州を防衛することを決定した」と述べた。
 同スポークスマンはまた、オマル師にはカンダハルにとどまる宗教上の必要がある、と語った。(ロイター)
アフガン暫定政権樹立で貢献を=高村元外相

 高村正彦元外相は21日午後、東京・内幸町の日本記者クラブで講演し、アフガニスタンの復興支援について「日本としてもカンボジア和平の成功体験を生かし、暫定政権をつくることに協力することだ」と述べ、アフガンでの暫定政権樹立に向け積極的に貢献すべきだとの考えを強調した。高村氏は、人口や部族数がカンボジアよりはるかに多いアフガン和平の難しさを指摘した上で、「アフガン各界各層の人たちが参加した政府ができるように努力しなければいけない」と述べた。 (時事通信)
「湾岸」報道のアーネット氏がアフガン取材に復帰

 【ニューヨーク20日=勝田誠】10年前の湾岸戦争の報道で世界的に知られた元CNN特派員、ピーター・アーネット氏が、アフガニスタンでの「新たな戦争」の報道に“主任特派員”として参戦することになった。AP通信によると、同氏は、ニューヨークに本社を持つ独立系ニュース製作会社「ブロードキャスト・ニューズ・ネットワーク」に移籍、特派員40人以上のリーダーとしてアフガン情勢などを取材、生中継やビデオテープを米国内外のメディアに提供するという。

 アーネット氏は、AP通信の記者だった1966年、米報道界の最高の栄誉とされるピュリツァー賞をベトナム報道で受賞。CNNでも戦争報道で数々の賞を受けたベテラン記者だが、「ベトナム戦争時に米軍がサリンガスをまいた」とする98年の誤報でけん責処分を受け、翌年、18年間務めた同社を退社。その後、インターネット放送のニュース向けの取材活動を続けていた。(読売新聞)
カブールの大統領宮殿での爆発は事故、死者は出ていない=兵士ら


 [カブール 21日 ロイター] アフガニスタンのカブールにある大統領宮殿で爆発が発生し、警備所が破壊されたものの、爆発は事故で死者は出ていないもよう。
現場の兵士らがロイター通信に述べたもの。
兵士らによると、木材を集めていた少年ら2人が負傷しており、この少年らが不発のロケット弾に触れたとみられる、という。また、兵士がロケット弾に誤って点火したため爆発が起こった、とする情報もある。
11月13日に反タリバン勢力「北部同盟」がカブールを支配下に置いて以来、北部同盟の指導者らが当地の大統領宮殿を占拠していた。(ロイター)
<アフガン>亡命女性が、国連で虐殺や女性の権利侵害を訴え

 国連で20日、アフガニスタンの女性問題の討論会が開かれ、タミーナ・ファリャルと名乗る亡命女性が、服で顔を隠して「タリバン政権も北部同盟も、虐殺や女性の権利を侵害を行なってきた」と述べた。ファリャルさんは、北部同盟支配の時代にも「数百人の女性がレイプや強いられた結婚を拒むために自殺した」と述べた。(毎日新聞)
<タリバン軍>国連への投降受け入れ不能 ブラヒミ特別代表

 【ニューヨーク上村幸治】国連のブラヒミ事務総長特別代表は20日、アフガニスタン北部クンドース州で反タリバン連合(北部同盟)に包囲されているタリバン軍が19日、国連への投降を正式に申し出たと明らかにした。ブラヒミ特別代表は、「国連は現地に部隊を展開させておらず、受け入れる手立てがない。不幸なことに申し出を受け入れられなかった」と述べた。特別代表によると、現地のタリバン指揮官と在イスラマバードの宗教指導者らが国連に対してなら無条件降伏したいと伝えてきた。(毎日新聞)
22日、パキスタンへ出発=アフガン情勢など意見交換−外相

 田中真紀子外相は22日夜、パキスタンのムシャラフ大統領らとの会談のため同国訪問に出発する。9月の米同時多発テロ事件後、日本の閣僚が同国を訪問するのは初めて。外相は同大統領らとの会談で、テロ対策特別措置法に基づいて策定した対米支援基本計画などについて説明するとともに、今後2年間で3億ドルの無償資金を同国に供与する方針を伝える。 (時事通信)
<国連人口基金>事務次長がアフガンの妊産婦緊急援助を計画

 国連人口基金(UNFPA)の和気邦夫事務次長は20日、アフガニスタンの混乱により、現地の妊産婦が危険な状況にあり、緊急援助を計画していると述べた。せっけんやビニールシート、カミソリ、ひもなど出産に必要な道具を詰めた小型のセットを、現地に大量配布するという(毎日新聞)
カブールの大統領宮殿で大規模な爆発


 [カブール 21日 ロイター] アフガニスタンのカブールにある大統領宮殿で大規模が爆発が起きた。付近にいたロイター通信の記者が目撃した。
Michael Steen記者は、大きな爆発音を聞き、白いきのこ雲が立ち上っているのを見たが、それ以上の詳細は今のところ不明。
11月13日に北部同盟がカブールを支配下に置いて以来、北部同盟の指導者らが大統領宮殿を占拠していた。(ロイター)
北部同盟幹部と20日に会談した=米中東軍司令官


 [タシケント 21日 ロイター] フランクス米中東軍司令官は、同司令官が20日、カブール郊外のバグラム空軍基地へ行き、反タリバン勢力「北部同盟」幹部と会談したことを明らかにした。

 タシケントでの記者会見で述べたもの。
 アフガニスタン軍事行動を担当する米軍司令官が、アフガニスタン国内を訪問するのは、10月7日に空爆を開始してから初めて。
 フランクス司令官は、既に包囲しているアフガニスタン北部の都市クンドゥスの陥落までどれぐらいかかるかを予言することはできないと言明。「タリバンおよびテロ勢力は抵抗し続けるだろうが、最後にはわれわれが勝つ」と述べた。
(ロイター)
<テロ大戦>ビンラディン氏、金で捕らえる?      


「天文学的な懸賞金で、米国は手を血に染めずウサマ・ビンラディン氏を捕える」

ラムズフェルト米国防長官が19日(現地時間)、国防部のブリーフィングを通じ語った内容だが、果たして2500万ドル(約30億7000万円)という懸賞金だけでビンラディン氏を探し出すことができるか、その実効性に疑問も持ちあがっている。

国防部では、アフガニスタン人に金銭的動機を与えれば、米特殊部隊がビンラディン氏が隠れている洞窟を探すのに骨を折り、捜索に熱を上げる必要もなくなるだろうと期待している。

天文学的数字の懸賞金を狙うアフガン人を使って、米特殊部隊の代わりに洞窟をほじくり返してビンラディン氏の隠れ家を把握させた後、情報を受け取って取り押さえさえすれば良い、いうことだ。

だがこれは、あまりにも安易な発想だという指摘の方が多い。アフガンのイスラム教徒が、金に目が眩んで自分らの「客」であるビンラディン氏を米国側に引き渡すことを期待するのは難しい。仮にビンラディン氏検挙に決定的な助力を与え一躍大金持ちになったとしても、裏切者扱いされ命を守り抜くのは難しいだろうという恐れも考慮すべきだという訳だ。

広報不足も問題だ。米軍はビンラディン氏が潜伏しているだろうと思われる山岳地帯に懸賞金のビラをまいたと言っているが、これを見た人は果たして如何ほどになろうか。人気など、皆無に近いからだ。

ニューヨーク=慎重敦(シン・ジュンドン)特派員 < jdshin@joongang.co.kr >


2001.11.20 22:19

<テロ大戦>タリバン小学校は「戦士養成所」



「タリバン戦士」として育てられたアフガニスタンの子供らを「普通生徒」に戻すための再教育問題が、アフガニスタンの至急な課題として浮上した。

1996年、タリバンは政権を掌握し、学校教育を全面改編した。8才以上の女生徒への教育機会を取り上げ、音楽教育を全面的に廃止した。アフガン全域に「マドラサ」という宗教教育機関を設置し、コーランやイスラムの歴史・文化などとともに、実際戦闘に備えた精神武装教育を施した。

米紙ワシントンポストは20日、この5年間、アフガンの子供らをタリバン戦士に養成してきたタリバン政権の教育実態を告発した。

アフガンの子供らが小学校に入学し、一番最初に習う言葉は「剣」と「ジハード」。カブール市民は「生徒らは、一日7時間ずつコーランとイスラム思想や戦闘教育を受け、人間でなく戦士として育てられた」と証言する。特に、20年余りにわたる戦争で生じた数多くの孤児を、もっぱらイスラムの戦士として育てるために、タリバンは孤児を徹底管理した。アムネスティ・インターナショナルなどの国際人権団体は、こうしたタリバンの特殊な教育政策により、アフガンは15才未満の少年兵士が最も多い国になったと批判している。

問題は、マドラサで育った子供らを平凡な生徒に戻すことができるかどうかだ。アフガン人は、国際社会が「カラシニコフ小銃」「爆弾」「武器」など、戦闘的な単語ばかり並ぶ従来のタリバン教科書を改編し、子供らをここ5年間の悪夢から救ってくれることを切に願っている。

朴素ヨン(パク・ソヨン)記者 < olive@joongang.co.kr >


2001.11.20 22:18

45キロの装備で雪中訓練=アフガンの冬に備える米軍

 【ワシントン21日時事】米軍が主導するアフガニスタンでの軍事作戦はタリバン政権の崩壊を受け、同時テロの容疑者ウサマ・ビンラディン氏を捕まえられるかどうかに焦点が移った。降雪の激しいアフガンの冬に同氏捜索のため、山岳地帯で活動する米軍兵士は、約45キロの装備を背負って雪中を行軍するなど厳しい訓練を積んでいる。
 バーモント州ジェリコにある陸軍の山岳戦学校によると、訓練の目的は山岳地帯であらゆる気象条件の下、昼夜を問わず活動できる技術を身に着けることにある。異なる季節で地勢などの条件がいかに変化するかを学び取るため、通常の基礎訓練コースは冬と夏に2週間ずつ実施される。
 訓練は1日平均15時間、ほとんど昼夜の区別なく続く。厳冬の作戦行動の進め方や厳しい寒さを生き抜く方法などを体得する「肉体的、精神的に非常に過酷」(同学校のランバート司令官)な訓練だ。 (時事通信)
日米やEU・サウジ主導で、アフガン復興の運営グループ設置へ


 [ワシントン 20日 ロイター] 日米両政府が共同議長を務めるアフガニスタン復興支援高級事務レベル会議の初会合が、ワシントンで開かれた。初会合では、アフガン復興に向けた各国の支援取り付けを推進するため、日本、米国、欧州連合(EU)、サウジアラビアが共同議長を務める運営グループを設置することが決まった。
 ラーソン米国務次官が会合後に明らかにした。
 また、日米当局者らによると、アフガン復興支援に向けた次の段階として、運営グループが12月中旬に欧州で会合を開くほか、来年1月末に閣僚級の復興支援会合が日本で開かれることが決まった。
 一方、これに並行して、世界銀行、国連開発計画(UNDP)、アジア開発銀行(ADB)は来週中にもイスラマバードで会議を開き、アフガン復興支援について協議を行う見通し。
 今回の初会合では、日米両国が、1989年の旧ソ連軍撤退後のように、アフガニスタンを見捨てることはないと約束した。
 パウエル米国務長官は冒頭で、米国だけでなく国際社会全体が、アフガン復興に責任があることを強調した。
 日本政府代表の緒方貞子・前国連難民高等弁務官も、国家を崩壊したまま放置し、テロ組織を生み出す道を開いた過去の経験から、世界は学ばなければならないと指摘した。
 
 (ロイター)
国連、アフガン暫定政権の設置急ぐ


 [国連 20日 ロイター] 国連のブラヒミ・アフガニスタン担当事務総長特別代表は、アフガニスタンの将来について協議する国連主催の会合について、アフガン国内の情勢が急展開したため当初案の順序を修正し、小規模な暫定統治機関を早期に立ち上げる考えを示した。
 同代表が、国連安全保障理事会の協議後に述べたもの。国連主催の会合は26日からドイツのベルリンで開かれる。
 同代表は当初、広範な各派代表で構成する暫定評議会を設立した上で、暫定政権をつくるとの構想を明らかにしていた。
 しかし、今回、同代表は、小規模な暫定統治機関を先に立ち上げた後で、各派代表から成る広範囲の評議会を設置するなど次の段階に移ることを提案、暫定政権作りを急ぐ考えを示した。
 同大統領は26日の会合について、具体的な決定や手段が得られることを希望している、と述べた。
 (ロイター)
パキスタン、国連にアフガンでの虐殺回避を要請


 [イスラマバード 20日 ロイター] アフガニスタン北部クンドゥーズで包囲されているタリバン勢力の降伏交渉が伝えられる中、パキスタン政府は国連に対し、アフガンで懸念される虐殺発生に対する予防措置をとるよう要請した。
 パキスタン外務省の声明によると、ムシャラフ大統領は、タリバンと連携していた「アフガン勢力の投降に対する人道的対処」を呼びかけた。
 声明は、「パキスタン政府は、国連がアフガン勢力による国際法違反の懸念があることを認識し、これまでにマザリシャリフやヘラートで発生したような虐殺の回避に向けて努力するよう要請する」としている。
 パキスタンは、米国主導の空爆を経てタリバン勢力が後退した先の2都市を制圧後、北部同盟兵らが報復殺人を行ったと指摘している。(ロイター)
比イスラム過激派の掃討を支援…米大統領

 【ワシントン20日=長谷川由紀】ブッシュ米大統領は20日、フィリピンのアロヨ大統領と会談し、テロ対策などについて協議した。ウサマ・ビンラーディン率いるテロ組織「アル・カーイダ」とのつながりが指摘されている同国南部のイスラム原理主義過激派「アブ・サヤフ」について、ブッシュ大統領は「アブ・サヤフ掃討のため、比政府が望むあらゆる面で協力する」と述べ、同国への米軍部隊派遣も選択肢に含めた、全面的な軍事支援を行う方針を示した。

 会談後に発表された声明によると、国際テロ撲滅への協力を確認するとともに、フィリピンのテロ対策や国軍支援などのため、米政府が治安対策費用約1億ドルを援助する。米政府当局者によると、比国軍にヘリコプターや武器が提供される見通しだ。声明にはこのほか、貧困対策として10億ドルの経済支援を行うことなども盛り込まれた。

 ブッシュ大統領は「対テロの戦線はアフガニスタンだけではない。アブ・サヤフ掃討のため、比国軍を支援する」と強調。米軍部隊派遣の可能性についても、「アロヨ大統領が望めば」と、派遣に含みを残した。(読売新聞)
大量のタリバン投降兵を扱うする手段ない=国連


 [国連 20日 ロイター] 国連は、アフガニスタン北部クンドゥズ州で包囲されている多数のタリバン兵士らが投降した場合、これを扱う手段がないことを明らかにした。また、包囲している対抗勢力、北部同盟に対し、投降兵の扱いで戦時法規を尊重するよう呼びかけた。
 複数の国連筋は、19日にイスラマバードで正式に接触のあった宗教指導者らが、クンドゥズ州で包囲されているタリバン司令官らが国連に投降する意向を示していると語ったことを明らかにした。
 これについて、ブラヒミ・アフガニスタン担当国連事務総長特別代表は、「国連は、この要請を受け入れる手段も人員もなく、残念ながら応じることはできない」と語った。
 同特別代表はまた、ベンドレル国連特使に対し、北部同盟と連絡をとった上で、人道・人権に関する国際法を尊重し、”こうした状況をできるかぎり人道的に扱う”よう要請した、と述べた。(ロイター)
<アフガン攻撃>米軍が増強 地雷撤去作業などを近く開始

 【ワシントン布施広】米国防総省のクラーク報道官は20日、アフガニスタンのマザリシャリフ周辺で、近く米軍が地雷撤去作業や爆発物処理を開始すると語った。人道支援物資の運搬ルートを確保する道路補修も行われ、一連の作業のためにアフガン領内の米軍が増強される見通しだ。

 一方、ラムズフェルド国防長官は21日、ノースカロライナ州の米軍基地を訪れ、特殊部隊の活動能力に関して報告を受ける。国防総省は明言していないが、近く特殊部隊をアフガンに増派し、ウサマ・ビンラディン氏の捜索態勢を強化する準備との見方が強い。

 一部報道によると、米海兵隊が既にアフガン入りし、ビンラディン氏らの捜索作戦に加わったとされるが、国防総省は確認していない。(毎日新聞)
アフガン女性、デモ行進で集合も失敗に終わる


 [カブール 20日 ロイター] アフガニスタンの首都カブールで、数百人の女性が、頭からつま先までを覆う衣服を脱ぎ捨て、女性の権利を求めて集会の実施を試みたが、失敗に終わった。
 デモを行おうとした女性らは、皮の上着やスカート、花柄のスカーフなどを身につけ、女性の就業、女児の教育、政治参加の権利などを求めるために集合した。
 本来の計画では、元政治家らを先頭に、カブールの国連事務所までデモ行進を行う予定だったが、カブールを制圧した北部同盟の軍警察は、デモ行進の通知を受けておらず、デモ行進を1週間延期した、と述べた。(ロイター)
アフガニスタン元国王、ドイツでの国連主催の会合に代理人を派遣へ


 [ローマ 20日 ロイター] イタリアに亡命中のアフガニスタンのザヒル・シャー元国王は、来週ドイツで開かれる予定の国連主催の会合に代理人を派遣する意向。
スポークスマンが明らかにしたもの。
同会合では、アフガニスタンの将来についての協議が行われる。
同スポークスマンは、「原則として、代理人が出席する」と述べ、元国王の側近がその詳細を待っている、と付け加えた。
国連は、26日にベルリンで会合開催を予定しており、反タリバン勢力の北部同盟は同会合への出席に同意している。(ロイター)
米政府、アフガン政権崩壊後のヘロイン供給増に備え対応策を進める


 [ワシントン 20日 ロイター] 米連邦政府の麻薬取締当局は、アフガニスタンに対する空爆の副産物として、ヘロインの供給が増える可能性があるとして、この問題への対応策を進めている。
 女性の姿をすっぽり覆う「バルカ」の着用や子どものたこ揚げの禁止など、アフガニスタンをこれまで実効支配していたタリバン政権が採用した政策が廃止されるなか、農民も、ケシの栽培禁止令を実質的に無視している。
 国務省内の海外の麻薬を取り締まる部署や政府内の関係省庁は、タリバンのケシ栽培禁止令に対し、恐怖のかわりに報奨を利用した方法で取り締まりを継続する意向を示している。
 この栽培禁止令以前の2000年には、同国では19万7000エーカー(8万ヘクタール)を超える地域でケシが栽培されており、世界のヘロインの75%を供給していた。
 法務省の麻薬取締局のエーサ・ハッチンソン氏は、ロイター通信に対し、「世界のヘロインの70%を管理することが可能になる珍しいチャンスだ」と述べた。(ロイター)
北部同盟、アフガンの将来に関する国連主催の会合への出席に同意


 [カブール 20日 ロイター] アフガニスタンを訪問中のベンドレル国連事務総長特使は、反タリバン勢力の北部同盟が同国の将来について協議する国連主催の会合への出席に同意した、と述べた。同会合は来週26日からにもドイツで開かれる予定。
当地での記者会見で明らかにしたもの。
同特使は、「北部同盟当局は昨夜、国連事務総長からのドイツでの会合への招待を受け入れた。われわれは、26日にも会合が開かれることを望んでいる」と述べた。
(ロイター)
11/20 タリバン逃走認めぬ 拠点明け渡し交渉けん制 米国防長官

 【ワシントン19日平山孝治】アフガニスタン南部のタリバン勢力本拠地カンダハルと北部クンドゥズ州で進行している部隊撤退や条件付き降伏交渉に関して、ラムズフェルド米国防長官は十九日の会見で「(テロ組織)アルカイダやタリバンを国外に逃走させるようなことは認めない」と述べた。交渉はパシュトゥン人部族長らが中心となり、タリバン拠点の明け渡しに軸足が置かれていることをけん制。徹底したテロ組織一掃を目指す姿勢をあらためて示したものとみられる。

 クンドゥズでは、タリバン側が国連管理を条件にした降伏を既に北部同盟側に表明しているが、長官は交渉自体には米国が関与しないことを強調。一方で、アルカイダやタリバン部隊の大部分はアフガン国外から参加しているとし「国外に出れば、米国へのテロを企てる」などと指摘した。

 その上で「殺すか捕虜にすることを望む」と述べ、逃走の余地を残すような妥協案は容認できないとの姿勢を明示。場合によっては米軍が追撃することを示唆した。

 カンダハルについても「同様の姿勢か」との記者団の質問に対し「逃走を認めるかと問われれば、ノーだ」と語った。

 カンダハルでは、タリバンの最高指導者オマル師の追放を目指す動きなどが伝えられているが、タリバン側は部隊の「安全撤退」などの条件を示しているとみられ、折衝が続いている。(西日本新聞)
「包囲されたら私を殺せ」ビンラディン氏が側近に命令か

 21日付のサウジアラビア紙アルワタンは、オサマ・ビンラディン氏が、米軍やアフガニスタンの北部同盟部隊に包囲されて脱出できなくなったら、自分を射殺するように信頼できる側近らに命じていると報じた。米国と欧州の外交筋が明らかにしたという。タリバーンの逃亡兵が米情報当局者に伝えた情報とみられる。

 同紙によると、ビンラディン氏は米国への攻撃続行を呼びかける遺言をビデオテープに記録しており、死後にそのテープを公開するように指示しているという。


 また同紙は、ビンラディン氏は少数の側近や家族らと、カンダハル周辺の山岳部にひそんでいるとし、山中には、数カ月はしのげる物資を整えた隠れ家を用意していた、と報じた。(22:17)

米地上軍、すでにアフガンに展開 米中央軍司令官

 フランクス米中央軍司令官は21日、タシケントで記者会見し、ある程度の規模の米地上軍がすでにアフガンに展開していると述べた。また、米軍がすでに展開しているウズベキスタンだけでなく、タジキスタン、キルギスなど中央アジア諸国に基地利用を拡大する方針を表明した。

 司令官は、米地上軍について「アフガンでの軍事作戦では、空爆を続行しながら、海兵隊や地上部隊を投入する。一部はすでに展開した」と語った。アフガンの治安維持について、北部同盟を主体としたアフガン人に任せるのか、国際的に編成された部隊を受け入れるのか、結論を急ぐ必要を強調した。

 また、司令官は20日にカブール近郊のバグラム空軍基地を訪れ、北部同盟の指導部と会談したことを明らかにした。


 さらに、アフガンでの政情不安定は新政権樹立後も続く可能性があるとの見方も示した。そのうえで「米軍は今後も、中央アジア諸国での基地利用を拡大する」と述べた。空爆の拠点であるウズベクのハナバード基地のほか、すでに利用を決めたタジクに加え、さらにキルギスにも展開することを明らかにした。(20:12)