2001
11/17
11/17 米軍が援護強化、タリバン包囲網狭まる

 【イスラマバード17日=奥村健一】アフガン・イスラム通信によると、米軍は16日夜から17日にかけてアフガニスタン南部カンダハルを空爆し、市民6人が死亡、15人が負傷した。同国のイスラム原理主義勢力、タリバンの本拠地であるカンダハルに対して攻勢をかけている反タリバン勢力に対して、米軍が援護を強化したものと見られる。

 ロイター通信は、西部ヘラートを拠点にした、反タリバン勢力のイスマイル・カーン司令官の勢力がカンダハルに向かって南進したと伝えており、カンダハルへの圧力が強まっている形だ。

 アフガン・イスラム通信によると、米軍の爆撃機数機は17日、東部パクティア州にあるタリバンのハッカニ国境相の自宅や近接するマドラサ(イスラム神学校)を爆撃し、2人が死亡し、多数が負傷。さらに、タリバン軍が16日に南西部ファラー州から南部ヘルマンド州に撤退したと伝えた。

 AFP通信によると、米軍のB52爆撃機1機が17日午前9時(日本時間同午後1時半)ごろ、タリバンが抵抗を続けている北部クンドゥス州カナバード近郊の丘陵地に爆弾数発を投下した。(読売新聞)
タリバン政権下の家屋から「同時テロの証拠」…米紙

 【ニューヨーク17日=河野博子】17日付米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、タリバンが撤退したアフガニスタンの首都カブールで、タリバン政権下の国防省所属の家屋などから、ウサマ・ビンラーディン率いるテロ組織アル・カーイダが所持していたと見られる模擬飛行コンピュータープログラムや、米国内の航空学校のリスト、大量破壊兵器について書かれた文書などが発見された、と報じた。

 タリバンとアル・カーイダの極めて緊密な関係のみならず、アル・カーイダのカブール及び国際的ネットワークを通じた世界での活動状況を裏付ける証左として注目される。

 同紙によると、これらの文書は15日、カブールの旧外交官居住区にあるタリバン政権下の国防省に属した家屋と、3キロほど離れた2階建ての民家の2軒で見つかった。両家屋とも、人々があわただしく立ち去ったように見え、室内には緑色や黄色のアラビア文字で「アル・カーイダ弾薬倉庫」と書かれた紙や、武器のリストなどが散乱。さらに、ビンラーディンがタリバン最高指導者オマル師に米国への身柄引き渡しを拒否するよう要請した手紙のコピー、日々の軍事訓練内容や爆弾製造法などを記したノート、カナダ、イタリアに住むアル・カーイダ入りを希望する候補者リスト、欧州、アジア、アフリカの発電所の位置を記した地図などが見つかった。

 特に民家の方からは、航空関連の文書とともに、マイクロソフト社の「フライト・シミュレータ98」というコンピューター・プログラムが見つかった。隣の部屋には、航空専門誌から切り取られた、米国内の航空学校のリストが掲載されたページもあった。また「化学、生物、核兵器を使う前後に注意すること」というタイトルのアラビア語の文書も床の上に放置されていた。

 一方、国防省に属する家屋の場合、玄関の脇に、イスラム教の聖典コーランの下に2丁のカラシニコフ銃が交差する絵が描かれ、「ジハード(聖戦)はわれらの道」という言葉が書かれていたほか、フランス製の最新式対戦車ミサイル19基も発見されたという。

 2軒とも、20人ほどの人間が出入りしていたという。(読売新聞)
<アフガン攻撃>全米カトリック司教会議が支持声明

 全米カトリック司教会議はこのほど開いた年次大会で、米軍のアフガニスタン攻撃を「国家や国際社会は軍事力を行使する権利と義務がある」と支持する声明を167対4の圧倒的多数で採択した。キリスト教世界の伝統である「正戦論」に基づき、非暴力だけでは今回のテロに対応できないことを確認した。(毎日新聞)
<アフガン>パキスタン紙 「ナキブラ氏がカンダハル支配」

 パキスタンの夕刊地方紙は17日、「ナキブラ(元司令官)がカンダハルを支配下に」の大見出しで報じた。一方でタリバンが依然としてカンダハルに影響力を残している様子も伝えた。(毎日新聞)
国連特使がカブール入り、北部同盟側と協議へ

 【イスラマバード17日=岡田滋行】ベンドレル国連特使は17日、パキスタンから空路、アフガニスタンの首都カブール郊外のバグラム空軍基地に到着した。国連は、タリバン政権崩壊を受け新政権樹立に向けた工作を早急に進める方針で、ベンドレル特使は、カブールで北部同盟幹部らとロヤ・ジルガ(国民大会議)開催問題などについて協議する。

 北部同盟側は、既に、独自に後継政権を発足させる意図のないことは表明しているものの、国連、米国などの関係者による協議をカブールで開催することを主張。これに対し、国連は、北部同盟の影響下にあるカブールでの協議開催に強く反対しており、今回の訪問で、ベンドレル特使が北部同盟の説得にあたるものと見られている。

 一方、ザヒル・シャー元国王のスポークスマンは17日、「元国王はアフガニスタンに帰国する強い意思を持っている」と述べたが、帰国の時期などについては明らかにしなかった。(読売新聞)
「カンダハル撤退」を否定

 【イスラマバード17日=新居益】崩壊したタリバン政権の外務省報道官は17日、「カンダハルはタリバンの完全な支配下にあり、撤退の報道は根拠がない」と述べ、最高指導者オマル師がタリバン部隊に対してカンダハルからの撤退を命じたという報道を否定した。

 アフガニスタン南部のパキスタン国境近くにあるスピン・ボルダクで、ロイター通信などに語った。同報道官は、将来もタリバンがカンダハルの支配権を放棄することはないと断言した。(読売新聞)
北部同盟のラバニ氏、5年ぶりにカブール入り

 【イスラマバード17日=奥村健一】AP通信などによると、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」の中のタジク人勢力指導者、ブルハヌディン・ラバニ氏が17日、首都カブールに入った。国連でアフガン大統領として代表権を維持する同氏の首都帰還は、タリバンが1996年にカブールを制圧して以来、5年ぶり。

 ラバニ氏は、北部同盟の他の代表らを伴い、15台の車列を連ねてジープ型車でカブールに到着し、早速市内で会合に臨んだという。タリバン後の政権作りで、主導的な役割を果たす決意を行動で示したものと言える。

 北部同盟は、ウズベク人などアフガン少数民族が反タリバンで結びついた「寄り合い所帯」にすぎず、タジク人のラバニ氏が突出することへの警戒感が強い。このため、タリバンの後継政権についての合意成立まで「少なくとも3か月間、ラバニ氏はカブールの外にとどまる」と、北部同盟の情報担当高官がこの日、発言したばかりだった。

 ラバニ氏は、旧ソ連軍のアフガン侵攻に抵抗して戦ったムジャヒディン(イスラム聖戦士)主要8派の合意で93年、大統領に就任した。しかし、その後は各民族をまとめることが出来ず、アフガンは内戦に突入。この結果、タリバンが台頭し、国土の約90%を支配した。(読売新聞)
イラン、他国に先駆けカブールで大使館再開の意向=外交筋


 [カブール 17日 ロイター] イランが、他国に先駆け、アフガニスタンの首都カブールで大使館を再開する意向であることが分かった。イランはこれにより、タリバン崩壊後の新政権として、北部同盟を事実上認めたことになる。
 イランの外交筋が、ロイター通信に明らかにした。
 同筋は、正式な業務再開の日程については明らかにしなかったが、北部同盟がカブールを制圧し、タリバン勢力が南部に後退した翌14日には、同国の外交官数人が到着したという。(ロイター)
<イラン>北部同盟主体の政権を承認 大使館再開へ

 ロイター通信によると、イラン外交筋は17日、アフガニスタンで北部同盟主体の政権を承認し、カブールで大使館を再開する計画であることを明らかにした。アフガンでの影響力確保を目指したものとみられる。イランはタリバンがカブールを制圧した96年に大使館を閉鎖。以後、北部同盟を支援してきた。 (毎日新聞)
アフガン国民、イスラム圏の軍投入を望むだろう=サウジ紙


 [リヤド 17日 ロイター] 17日付のサウジアラビア紙アラブニュースは、アフガニスタン国民は、外国から投入される安定化部隊について、西側諸国よりもイスラム圏からの軍を望むだろう、と報じた。
 同紙は社説の中で、16日にアフガンに配備された英軍部隊より、マレーシア、インドネシア、トルコの各国軍の方が受け入れられるだろうと指摘した。
 英国、フランス、ドイツの3カ国が、食糧配給を保護する部隊の投入に向けた欧州の取り組みを主導してきたが、これが歓迎されるかどうかについては一致した評価がない。
 多国籍軍派遣の機運が高まる中で、北部同盟は、英軍部隊の配備について事前協議がなかったと述べ、アフガン残留について疑念を表明していた。
 外交筋は、北部同盟を構成する異なる民族間に緊張の高まりが見られる中、意思疎通の障害が懸念材料であることを認めている。(ロイター)
<アフガン>「タリバン政権後」パシュトゥン人勢力が台頭

 【イスラマバード井田純、澤田克己】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバンが南部の本拠地カンダハルの支配権を引き渡すため、パシュトゥン人勢力との間で協議を開始したことが17日明らかになったが、カンダハルにパシュトゥン人による一大勢力が生まれる可能性が出てきた。首都カブールを制圧した反タリバン連合(北部同盟)は少数民族のタジク人やウズベク人主導で、多数派パシュトゥン人との関係は悪い。「タリバン政権後」を巡る情勢は南北の2大勢力と山間部に逃れたタリバンの三者がにらみあう構図が現実味を帯びてきた。

 タリバン系のアフガン・イスラム通信によると、タリバンは既に発祥の地カンダハルの放棄を決めている。

 カンダハルには独自のイスラム解釈で国民を統制した宗教警察本部やイスラム最高裁判所、最高意志決定機関である「カンダハル評議会」という基幹組織のほとんどが置かれた実質的な首都。カンダハルの放棄はタリバンにとって政権としての機能を完全に失ったことを意味する。

 一方、「タリバン後」のカンダハルは地元のパシュトゥン人元ゲリラ指導者を主軸とする勢力が掌握する可能性が高い。これらはアフガン戦争(79〜89年)で旧ソ連と戦ったイスラム・ゲリラが地方軍閥化したものだ。地方軍閥の多くは北部同盟が攻勢をかける前にタリバンが撤退して「力の空白」が生じた東部の要衝ジャララバードなどでも独自の支配を確立し、北部同盟とは一線を画す動きを見せている。

 特に90年代の内戦で各民族が戦った歴史的背景から、パシュトゥン人の多い「パシュトゥン・ベルト」と呼ばれる南部や東部に拠点を置く軍閥の多くは反タリバンであるとともに、北部同盟にも強い反感を持っているとされる。南東部ガズニ州のパシュトゥン人軍閥である「部族評議会」が南部進攻を自制するよう北部同盟に求めたことも、こうした空気を反映したものだ。

 アフガン情勢に詳しいパキスタンの消息筋はパシュトゥン人軍閥の多くはザヒル・シャー元国王支持と指摘。北部同盟は新政権からの元国王排除を狙っているため、両者の対立が深刻化する可能性が高いという懸念を示した。(毎日新聞)
ラバニ前大統領のカブール入りは少なくとも3カ月後=北部同盟


 [カブール 17日 ロイター] アフガニスタンの反タリバン勢力、北部同盟の有力指導者であるラバニ前大統領のカブール入りが、少なくとも3カ月後になる見通しであることが分かった。
 北部同盟に属する情報機関のアリフ氏によると、ファヒム司令官率いる軍事評議会は、13日の制圧以降カブールを掌握し、3カ月間の委任統治を決定した。その後、ラバニ前大統領への正式な政権譲渡の道を探ることになる。
 同氏はまた、ラバニ政権はそれまでカブール入りしないことを決定したことを明らかにした。
 ラバニ前大統領は、早急にカブールに戻る意向を示しているが、北部同盟の大勢はこれに否定的とみられている。(ロイター)
<ウズベキスタン>米国が1億ドル規模の経済援助へ

 【ワシントン吉田弘之】米国務省高官は16日、米国がアフガニスタンの隣国ウズベキスタンに対し、1億ドル規模の経済援助を検討していることを明らかにした。ロイター通信が伝えた。同日、行われたパウエル国務長官とカミロフ・ウズベク外相の会談で話し合われた模様だ。

 ウズベクは米軍の対アフガン攻撃に空軍基地を提供。アフガンへの人道支援物資の供給や捜索活動のため、少なくとも約1000人の米軍山岳師団が駐留している。援助は対米支援への見返りや経済的コストの穴埋めが含まれるとみられる。(毎日新聞)
<中国>江沢民主席とパキスタンのムシャラフ大統領が電話協議

 新華社電によると、中国の江沢民国家主席は16日、パキスタンのムシャラフ大統領とアフガニスタン情勢をめぐって電話協議し、「各民族を代表できる過渡的な権力機構の樹立を急ぎ、カブール地区の安定を確保すべきだ」との認識で一致した。また、国連がアフガン問題解決で主導的な役割を果たすべきとの認識でも一致した。(毎日新聞)
<ロシア>アフガン北部のマザリシャリフに領事館を再開へ 

 ロシア外務省のロシュコフ次官は16日、ロシア政府がアフガニスタン北部のマザリシャリフに領事館を再開する計画があることを明らかにした。また、首都カブールにも大使館を再開する方針だが、アフガン情勢の安定や大使館活動の再開に伴なう問題を解決してからになると説明した。(毎日新聞)
北部同盟の幹部、英軍配備への対応を協議


[カブール 17日 ロイター] アフガニスタンの首都カブールを制圧した北部同盟の幹部は、カブール北部のバグラム空軍基地における英軍配備への対応を協議した。
 北部同盟に属する情報機関のアリフ氏は、ロイター通信に対し、「外国軍の投入に対する、アフガニスタン国民や近隣諸国の心情を考慮する必要がある」とし、協議の最終的な決断を間もなく発表すると述べた。
 また、同氏は今回の配備について、事前協議がなく、北部同盟側との合意もないことを明らかにした。
 約100人の英特殊部隊は16日、バグラム空軍基地に到着し、ただちに空港の安全確保に着手した。英政府は、アフガンでの人道的支援に向けた治安維持活動と位置づけている。(ロイター)
タリバン、カンダハルからは撤退せず=当局者


 [スピンボルダック(アフガニスタン) 17日 ロイター] アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは、南部の本拠地カンダハルを全面支配しており、撤退する計画はないことを明言した。
 タリバン外務省のナジブラ報道官が、パキスタン国境に近いスピンボルダックでロイター通信に語った。
 同報道官は「カンダハルは完全にタリバンの支配下にあり、タリバンが撤退したとの報道内容は事実無根」とし、カンダハル市内の情勢は正常だと述べた。
 パキスタンを拠点とするアフガン・イスラム通信(AIP)は16日夜、タリバンがカンダハルを放棄し、山地に撤退したと報じた。
 AIPはまた、タリバンの最高指導者オマル師が、ムジャヒディン(イスラム聖戦士)司令官2人にカンダハルを委ねる方針を決めた、と伝えた。
 ナジブラ報道官はこうした報道内容について、タリバンがムジャヒディン司令官2人にカンダハルの支配権を委譲することは絶対にない、とコメントしている。(ロイター)
<アフガン攻撃>北部同盟は進攻自制を 地方の武装勢力が反発

 【クエッタ(パキスタン南西部)亀井和真】アフガニスタン南東部ガズニ州に拠点を置くイスラム武装勢力「部族評議会」は16日、反タリバン連合(北部同盟)に南部への進攻を自制するよう警告した。在クエッタの広報担当者が毎日新聞に明らかにした。タリバン撤退に乗じて権力を握った地方軍閥が、北部同盟に対抗する姿勢を示したものといえる。

 評議会は北部同盟に、ガズニ州に接近しないことに加え、南部カンダハルを攻撃しないことを求めた。カブールとカンダハルを結ぶ唯一の基幹道路が同州を縦断しているため、カブールからの南進をうかがう北部同盟にとっては大きな障害となる。

 ガズニ州など南部地方は、多数派パシュトゥン人の居住地域で、タジク人やウズベク人といった少数民族主導の北部同盟に強い反感を持っている。北部同盟のラバニ前大統領は「タリバン後」の暫定政権から元国王を排除して権力独占を狙う動きを見せ始めており、こうした動きに反発した可能性もある。(毎日新聞)
タリバンますます窮地、地元民の支持失い移動すら困難

 【イスラマバード17日=新居益】タリバンの最高指導者オマル師が本拠地カンダハルからの撤退を決断したとの報道は、タリバンが米軍の空爆や北部同盟の攻勢にさらされるだけでなく、地元パシュトゥン人の支持さえ失い、窮地に追い込まれている現状を浮き彫りにした。タリバンはアフガン伝統の山岳ゲリラ戦を挑む方針と見られるが、米軍はタリバン追撃の姿勢を強化しており、無事撤退できるかどうかさえ疑問視する見方が出ている。

 反タリバン勢力指導者ハミド・カルザイ氏は16日深夜、米CNNテレビに対し、カンダハルから北方の山岳地帯に逃げ込もうとしていたと見られるタリバン部隊が、反タリバンの地元住民と衝突し、撤退が難航していると語った。

 また、タリバン問題の権威であるパキスタン人ジャーナリスト、アハメド・ラシッド氏は16日、ロイター通信に対し、タリバンは「安全な山岳地帯に逃げ込むまでに、(平野部で米軍の)空爆にさらされるだろう」と述べ、もはや撤退さえ困難になっているとの見方を示した。

 CNNによると、パシュトゥン人の部族指導者80―100人がパキスタン西部クエッタで会合を開き、タリバンに対し1週間以内に降伏しなければアフガン南部6州で反乱を起こす方針を確認。代表者が16日、カンダハルに赴いてタリバンにこの方針を伝えたという。

 首都カブールなどの放棄を「戦術的な撤退」などと言い張ってきたタリバンが本拠地カンダハルを捨てれば、山岳ゲリラ戦しか選択肢は残っていない。

 しかし、ラシッド氏が「地元住民の支持を失えば、生き残るのは難しい」と指摘するように、パシュトゥン人の支持さえ失いつつあるタリバンが反撃体制を維持するのは困難だろう。(読売新聞)
ウズベクにも低利融資を検討=アフガン攻撃支援見返り−IMF

 【オタワ16日時事】国際通貨基金(IMF)は、ウズベキスタンやカザフスタンなどアフガニスタン周辺国への低利融資供与について検討を始めた。当地で開催中の国際金融会議の関係筋が明らかにした。IMF最大出資国の米国が、アフガン攻撃での基地使用など、両国の貢献に報いるため、国際金融機関を通じて見返りを提供する色彩が濃い。アフガン情勢を見極めながら、IMFは両国と本格的な協議に入る見通しだ。 (時事通信)
アフガン各派の緊急協議を…国連の21か国会合で強調

 【ニューヨーク16日=勝田誠】日本や中国、米、英、仏、露などが国連の枠内でアフガニスタン問題を協議する21か国(G21)会合が16日、国連本部で約3年ぶりに開かれた。ブラヒミ・アフガン担当事務総長特別代表が政治情勢を参加国に説明、暫定統治機構を首都カブールに迅速に樹立するため、アフガン各派がタリバン崩壊後の政治体制について話し合う緊急政治協議の必要性を強調した。

 G21会合はガリ事務総長(当時)が1996年、アフガンの利害関係国などを集めて発足したが、各国の意見対立により求心力を失い、98年10月以降、“休眠状態”となっていた。

 特別代表は、記者団に対し、首都を制圧した「北部同盟が戦闘を続けるだけで緊急政治協議出席の意思を示してこない」と指摘。17日にカブールに入る予定のベンドレル特使が北部同盟の説得に当たることを明らかにした。協議参加者としては、北部同盟に加え、ローマ、キプロス、パキスタンなどに拠点を持つアフガン各派勢力を挙げた。

 開催地については、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビやドイツのボンのほか、イランが主張する国連機関所在地のウィーンやジュネーブが浮上している。北部同盟は「カブール開催」を主張しているが、「中立性に欠ける」(会合出席者)ことから反対意見が多く、開催地問題もネックになっている。(読売新聞)
北部同盟が国連主導のアフガン政権協議を遅らせている=事務総長特使


 [国連 16日 ロイター] ブラヒミ国連事務総長特別代表(アフガニスタン担当)は、アフガニスタンの新政権樹立について協議するための会合は、北部同盟が開催を遅らせている、との見解を示した。
 同氏は記者団に対し、協議開催の障害となっているのは、「アフガニスタン国内の勢力、特にカブールでの戦闘に忙殺されている北部同盟の対応だ」と述べた。
 そのうえで、ベンドレル国連事務総長次席代表(アフガニスタン担当)がイスラマバードに滞在しており、北部同盟と協議するために、17日にカブールに入る予定だと述べた。(ロイター)
<アフガン攻撃>「カンダハル撤退は信じない」 米作戦副部長

 【ワシントン吉田弘之】米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長は16日の記者会見で、タリバン最高指導者オマル師が南部カンダハルを放棄するとの報道について「現段階では信じない。タリバンと反タリバンの敵対関係が続いている」と述べ、まだ確認に至っていないことを明らかにした。

    ◇    ◇

 タリバンが南部の拠点カンダハルを放棄するとの情報に米政府は依然、懐疑的な見方を示しているが、これが事実とすれば、米軍にとって同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏と支援組織「アルカイダ」壊滅が現実味を帯びてきたと言える。オマル師とアルカイダ幹部が山峡部の洞くつやトンネルに身を隠すなど守勢に立たされることは確実で、洞くつの空爆のほか、特殊部隊を増派し、徹底的追跡を開始するとみられる。

 カンダハル制圧に伴い、米軍が同市などアフガン南部の空港を前線基地として使用出来るようになれば、現在アフガン国内に展開している特殊部隊の活動効率は飛躍的に上がるうえ、増派も可能となる。

 ラムズフェルド米国防長官は16日、アフガン国内に派遣されている米特殊部隊の活動を二つのタイプに分け、説明した。一つが北部で反タリバン連合(北部同盟)の軍事アドバイスや空爆標的の選定などを行っているグループ。もう一つが南部で検問所を設けるなどタリバン軍とアルカイダ軍の動きをチェックするほか、タリバン政権施設に侵入して資料を押収するなど情報活動を行っているグループだ。

 また、長官は特殊部隊が「タリバン兵を殺している」と述べ、実際に戦闘行為を行っていることも明らかにした。こうした発言から、特殊部隊がすでに南部で洞くつなどの捜索に当たっている可能性もある。

 長官は今後、ビンラディン氏ら最高幹部が国外脱出する可能性を指摘、アフガンから国外に逃げる航空機やヘリを発見した場合、「撃墜する」と明言、同氏追跡への執念を見せた。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米空軍機がモスクを誤爆 負傷者は不明

 【ワシントン中井良則】米国防総省は16日、アフガニスタン空爆の米空軍機が同日、アフガン東部ホストにあるモスク(イスラム教の礼拝堂)を誤って爆撃したことを明らかにした。ラマダン(断食月)の初日で、モスクにはイスラム教徒が集まっていた可能性があるが、「負傷者については分からない」という。

 米中東軍の発表によると、米軍機は同日、アルカイダの施設を爆撃し、2発は命中した。3発目の爆弾が、「レーダー誘導装置の誤作動により標的を外し、近くにあるモスクに被害を与えた」という。

 米軍は同日、タリバンの本拠地の南部カンダハルと、北部のクンドース周辺でも空爆を続けた。(毎日新聞)
<アフガン>オマル師がカンダハル放棄の方針 今後はゲリラ戦に

 アフガン・イスラム通信は16日、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者オマル師が南部の本拠地カンダハルを放棄する方針を決めたと報じた。情報が事実なら、タリバンは主要都市をすべて放棄し、テロの首謀者とされるビンラディン氏とともに山岳部に移動、今後、ゲリラ戦に撤することを意味する。(毎日新聞)
ラマダンの日中に食事をした国民は投獄刑=パキスタン政府


 [イスラマバード 16日 ロイター] パキスタン政府は、ラマダン(断食月)を迎えるにあたり、国民に対し、公共の場で日中に食事をした者を刑務所に収監する、とあらためて警告した。
 イスラム聖職者協会(JUI)は、16日に新月を確認し、17日からのラマダンを宣言した。アフガニスタンやアラブ諸国の多くでは、断食月は16日に宣言されている。
 同国政府は、声明を発表し、「大衆の関心は、"ラマダンへの敬意"との措置に向いている。これは、公共の場での食事、給仕、喫煙を禁じ、映画や劇場などの施設の閉館時間を定めるものだ。これに違反するものは、最長で3カ月の実刑か、500ルピーの罰金、または両方の刑罰を受けることになるだろう」と述べた。(ロイター)
アフガン南部で撤退中のタリバンに住民が攻撃−反タリバン筋=CNN


 [イスラマバード 16日 ロイター] アフガニスタン南部の拠点、カンダハルからの撤退を試みているタリバンは、地元住民による攻撃を受けているために、撤退に滞りがみられるという。
 反タリバン勢力の幹部ハミド・カーザイ氏が、CNNテレビに対し、明らかにした。
 同氏は衛星電話を通じ、「タリバン軍の一部は北部に向かっており、恐らくカンダハルを離れたと思われる。しかし一部で小競り合いが起きている。住民がタリバンの撤退を停止させて、小競り合いを起こしている」と述べた。(ロイター)
<アフガン>国連が最新情勢を報告 カンダハルでは戦闘継続中

 【ニューヨーク上村幸治】ブラヒミ国連事務総長特別代表は16日のアフガニスタン関係21カ国会議で、現地国連職員らから得た情報を元に、アフガン最新情勢を報告した。国連による、まとまった現地報告は初めて。

 報告によると、首都カブールは、比較的穏やかで、一部郊外では略奪が起きている。反タリバン連合「北部同盟」の指導者1人が現地に入ったという。タリバンの本拠地カンダハルは、戦闘継続中。地雷除去の機械が持ち去られ危険という。

 北部の要衝マザリシャリフは、以前に比べて平穏に戻っている。タリバン関係者らが相当数、殺されたという情報がある。現在、国連職員が現地に向かっている。

 北東部のタロカンは、一時避難していた非政府組織(NGO)のメンバーが戻った。隣のクンドースが激戦地になり、病院に負傷者が多数運び込まれている。東部のジャララバードは、以前より沈静化している。西部のヘラートも平穏だという。(毎日新聞)
アルカイダのアテフ氏が死亡との報道は信頼できるもの=米国防長官


 [ノースシカゴ(米イリノイ州) 16日 ロイター] ラムズフェルド米国防長官は、アルカイダの幹部、モハメド・アテフ氏が米軍機のアフガニスタン空爆によって死亡したとの報道は「信頼に足るもの」だと述べた。
 米政府高官が、アテフ氏はカブール南部に対する米軍機の空爆で死亡したと発言していることに関する質問に対し、ラムズフェルド長官は、その内容は信頼に足るものだ、と述べた。(ロイター)
ビンラディン氏がアフガン国内にいると確信する理由ある=米国防長官


 [ノースシカゴ(米イリノイ州) 16日 ロイター] ラムズフェルド米国防長官は、恐らく、ウサマ・ビンラディン氏が依然としてアフガニスタン国内におり、パキスタンに逃亡したとは考えていない、と述べた。
 同長官は、シカゴ近郊の海軍の訓練施設で、記者団に対し、ビンラディン氏が、「パキスタンにいると考える理由は何もない。彼がアフガニスタン国内にいると考えるだけの理由は、いくらでもある」と述べた。
 同長官は、同氏にとって移動先は多数あるとし、同氏が以前に、スーダンやソマリアに居住していたことを指摘した。
 これに先立ち、イラン・ラジオが、ビンラディン氏がパキスタンに向かった可能性がある、と報じていた。(ロイター)
仏軍は戦闘機を米軍主導のアフガン空爆に参加させる=シラク大統領


 [パリ 16日 ロイター] フランスのシラク大統領は、米軍主導で実施している対アフガニスタン空爆に戦闘機を派遣し、人道支援目的の空中投下に参加する方針を明らかにした。
 シラク大統領はテレビ演説で、「フランス軍はすでに2000人の兵士を派遣しているが、これに戦闘機を増派することで政府と合意した」と述べた。
 フランス軍はこれまで諜報活動と物資の補給に従事していた。
 シラク大統領に近い筋は、今回増派を決めた戦闘機はタリバンの壊滅とウサマ・ビンラディン氏の身柄の拘束をめざす作戦に参加する可能性があると述べた。(ロイター)
<アフガン攻撃>フランスが戦闘機派遣決定 掃討作戦に参加へ

 【パリ福島良典】フランスのシラク大統領は16日、テレビ・ラジオ演説で、アフガニスタンに対する米国の軍事行動への追加支援策として戦闘機派遣を決めたと発表した。これまで仏軍の任務は主に情報、兵たん分野に限られていたが、今後、米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏とテロ組織アルカイダを掃討する攻撃に加わるとみられる。

 シラク大統領はアフガン情勢について「テロ支援体制は崩壊したが、危機はまだ解決されていない。軍事行動はビンラディンが無力化されるまで続く」と強調した。

 フランスは米国への軍事支援としてこれまでに兵員約2000人を投入、フリゲート、補給艦、偵察機、空中給油機などを派遣している。(毎日新聞)
EUは米主導のテロとの戦争がアフガン以外に及ぶことに反対=独首相


 [ベルリン 16日 ロイター] ドイツのシュレーダー首相は、欧州連合(EU)の一部加盟国が、米主導のテロ撲滅に向けた戦争がアフガニスタン以外の国に拡大することに反対していることを明らかにした。
 同首相はZDF(ドイツ第2テレビ)の番組で、軍事行動拡大の可能性についての問われ、「英国、フランス、ドイツおよび他の諸国は、これが間違ったことであるとの見方で相互に一致し(ロイター)
米軍特殊部隊がタリバンとアルカイダの兵士を射殺している=国防長官


 [ノースシカゴ(米イリノイ州) 16日 ロイター] ラムズフェルド米国防長官は、米軍特殊部隊がアフガニスタン南部で軍事行動を展開しており、タリバンとアルカイダの部隊に発砲していることを明らかにした。
 同長官は記者団に対し、「特殊部隊は、降伏せずにいるタリバン兵と、移動を試みているアルカイダの兵士を射殺している」と述べた。
 そのうえで同国防長官は、アフガン国内で活動している米軍兵士は数百人単位にのぼることを明らかにした。
 さらに、タリバンと複数のアルカイダ幹部がアフガン国内の反タリバン勢力に身柄を拘束され、米軍による尋問を受けることになるとの見通しを示したが、これ以上の詳細については明らかにしなかった。(ロイター)
タリバンはアフガン国内の3分の2を失った=米統合参謀本部高官


 [ワシントン 16日 ロイター] 米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長は、アフガニスタンを実効支配していたタリバン政権は、米軍の支援を受けた反タリバン勢力の攻勢を受けて勢力圏を急速に失いつつあり、すでに国土の3分の2を失ったと述べた。
 同副部長は記者団に対し、「タリバンはいまや、アフガン全土の3分の2に対する支配権を失ったとみるのが正当だと考えている」と述べた。
 しかしタリバンの最高指導者、オマル師がカンダハルを放棄する方針を固めたとの報道は信じがたいとの見方を示し、「私自身はこれを信用していない」と述べた。(ロイター)
英中心に多国籍軍派遣 アフガン 仏、地上軍が初参加 独は3900人 首相信任案も承認

 【パリ16日坂井政美】反タリバン勢力が制圧したアフガニスタン各地の治安維持のため、欧州各国などによる多国籍部隊の派遣が始まった。国連安全保障理事会の決議を受けた動きで、英国部隊はすでにアフガン入り。フランスも十六日、初めて兵員がアフガンに向け出発した。

 英国部隊は十五日夜、海兵隊員約百人が首都カブールの北方にあるバグラム空軍基地に到着。当面は基地周辺の道路補修などにあたるという。

 アフガンでの反米感情を考慮し、米国は多国籍軍には加わらないことを表明しており、平和維持活動の中心となる英国は今後、四千人規模の兵員を投入する見通しだ。

 また、タリバンに代わる新政権づくりを支援するため、英国はアフガン駐在代表を派遣する方針を明らかにした。英国がアフガンに外交官を置くのは、旧ソ連撤退の一九八九年以来。

 インド洋に艦隊を派遣し、洋上警護などに軍事行動を限定してきたフランスも地上軍の派遣に乗りだし、十六日午前(日本時間同日夜)、南フランスの空軍基地から兵員約六十人が出発した。アフガン北東部のマザリシャリフに駐留し、人道支援活動を行う。

 一方、ドイツはアフガン派兵をめぐり世論が激しく対立。与党内にも反対があったが、十六日の連邦議会で連邦軍派遣案とシュレーダー首相信任案を可決した。これにより、約三千九百人の兵員派遣が決まった。このほか、大西洋条約機構(NATO)加盟国のカナダ、トルコをはじめ、アラブ諸国の中でもヨルダンなどが多国籍軍への参加を表明している。(西日本新聞)
米特殊部隊がタリバンと交戦

 【ワシントン16日=長谷川由紀】ラムズフェルド米国防長官は16日、ワシントンからシカゴ近郊の海軍訓練基地に向かう機中で、報道陣に対し、アフガニスタン南部に展開している米特殊部隊が、タリバン軍と交戦していることを明らかにした上で、米軍部隊が「降伏しないタリバン兵、(テロ組織の)アル・カーイダメンバーを射殺している」と明言した。

 同長官によると、この戦闘は、タリバン、アル・カーイダの高級幹部の捕そく作戦に伴うもの。

 同長官はまた、米軍や反タリバン勢力の攻撃でウサマ・ビンラーディンらを追いつめていると強調。多くのタリバン、アル・カーイダの高級幹部が反タリバン勢力に拘束され、ビンラーディンやタリバン最高指導者ムハンマド・オマル師らの所在などについて米軍が尋問を行うという。

 同長官は何か所で交戦があったかは明らかにしていないが、アフガン国内各地には数百人の特殊部隊が展開。各地で激しい戦闘が続いており、米軍側に死者は出ていないものの、同国北部マザリシャリフなど一部地域で米軍部隊がタリバン軍の攻撃の前に守勢に立たされ、米軍機の援護を求めて反撃する場面もあったとしている。反タリバン勢力に合流した米軍部隊の一部は馬に乗って戦闘に参加しているという。(読売新聞)
<アフガン攻撃>ビンラディン氏側近、空爆死か 米当局者明かす

 【ワシントン中井良則】米政府当局者は16日、同時多発テロの最重要容疑者ウサマ・ビンラディン氏の側近でテロ計画の立案者とされるモハメド・アテフ副官が米軍のアフガニスタン空爆で死亡した模様だと明らかにした。日時や場所は示さなかったが、首都カブール付近での14日以降の空爆とみられる。またラムズフェルド米国防長官は断食月(ラマダン)入りした16日、米特殊部隊がアフガン南部で交戦し、「降伏しないタリバンや移動するアルカイダの兵士を殺している」と述べた。 

 国防長官は、反タリバン連合(北部同盟)が拘束したタリバンやアルカイダ幹部を米軍が尋問する方針を明らかにした。アフガンに入った米特殊部隊は「数百人」と述べた。

 アテフ副官はエジプト人で、ビンラディン氏のテロ組織アルカイダの軍事部門の最高責任者とみられる。米紙ワシントン・ポストは先月、米英の情報当局が、副官が9月11日の同時テロの計画立案者と断定したと報じていた。今年1月、アテフ副官の娘がビンラディン氏の息子と結婚し、同氏の後継者とも言われていた。米当局者は「アテフ副官の死亡はアルカイダへの大きな打撃だ」と述べた。

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 米軍の空爆で死亡したとみられるテロ組織、アルカイダのナンバー2、モハメド・アテフ副官は、ウサマ・ビンラディン氏と行動をともにした側近中の側近だった。スタッフルビーム米統合参謀本部作戦副部長は16日「われわれがアルカイダにたどり着けることを示し、重要だ」と死亡情報を高く評価した。

 同副部長は「もし死亡が確認できれば、ビンラディンは、軍事・テロ作戦であてにしていた首席補佐官を失ったことになる。アルカイダの今後の作戦にも影響が出るだろう。米国にとってはいいことだ」と述べた。

 さらに、アテフ氏が、ビンラディン氏の身辺警護責任者だった可能性にも触れ「ビンラディンは今後、自分の身に何が起こるか不安に感じているだろう」と指摘した。空爆時にビンラディン氏がアテフ氏の近くにいた可能性については「一緒にいたとの報告はない」と述べ、別行動とみていることを示唆した。

 空爆した標的について「タリバンとアルカイダの司令統制施設のひとつを攻撃した。攻撃後、アテフが死亡したらしいとの情報が出てきた」と述べ、事前にアテフ氏の居場所を把握した攻撃ではなかったことをうかがわせた。

 報道によると、アテフ氏は57歳前後。エジプトの警察官出身で、サダト・エジプト大統領を殺害した過激派組織「イスラム聖戦」に所属したこともあり、80年代半ばにアフガンに入った。

 92、93年には、当時アルカイダの本拠があったスーダンからたびたびソマリアに入り、93年10月の米兵殺害事件に関与した疑いがある。起訴された米大使館爆破テロ事件では、容疑者とパキスタンで接触したり衛星電話で話しており、ビンラディン氏と実行グループの連絡役だったとみられている。(毎日新聞)
<米露首脳会談>総括 米露でコントロールする時代は終わった

 ワシントンで始まり、テキサス州に舞台を移して続けられていた米露首脳会談は15日終了した。ロシアでは「米露関係は新しい段階に入った」と評価する一方、米露による軍備管理時代が終わったとの見方も出ている。 【モスクワ石郷岡建】

 ブッシュ大統領は戦略核の大幅削減を表明、プーチン大統領も3分の1以下に削減する対抗案を出した。双方は大幅削減で合意した形だ。

 また、ミサイル防衛問題は継続協議となり、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの米国の一方的脱退はなかった。米国はロシアの主張を受け入れたといえる。

 経済問題では、米国は対ソ連経済制裁のジャクソン・バニック法の撤廃、世界貿易機関(WTO)のロシア加盟などで好意的な発言をした。

 アフガン問題でも、新政権構想で意見が一致した。北大西洋条約機構(NATO)問題では共同決定メカニズムの必要性で一致した。何よりも、両首脳の個人的関係が深まった。プーチン大統領は、テキサス州にある米大統領の牧場に招待された最初の外国元首だ。

 疑問もないわけではない。プーチン大統領は新国際安保体制の構築を呼びかけているが、ブッシュ大統領は慎重で、新しい構想はでなかった。

 ブッシュ大統領の戦略核大幅削減も合意文書になっていないし、検証の対象にもなっていない。米国の一方的声明にすぎない。

 ミサイル防衛についても、米が継続協議とした裏には、必要な時には一方的に脱退宣言をするとの本音が見え隠れする。

 ブッシュ大統領は、アフガン軍事作戦で協力姿勢を示したロシアに応えたが、大統領の考えの根底には「国際安保を維持するのは米国だけだ」という強い信念があるのではないか。

 ロシアの軍事力はソ連崩壊後、弱まる一方で、もはや軍事超大国・米国に対抗する力はない。米露で世界をコントロールする時代は終わった。

 ロシアの軍事評論家、フェリゲンガウエル氏は「70年代から続いた米露の軍備管理は正式に終わりを告げた」と総括している。だが、米露軍備管理時代が終わった後の世界については、まだ回答が出ていない。(毎日新聞)
<アフガン空爆>イスラム原理主義者がクエッタ市内で反対デモ

 アフガニスタンへの米軍の空爆に反対するイスラム原理主義者のデモが16日、パキスタン南西部のクエッタ市内で開かれた。デモに約3000人が参加したが、パキスタン軍・警察の警戒に加え、アフガン国内の拠点都市が制圧される中で反米感情が沈静化に向かっており、大きな混乱はなかった。(毎日新聞)
<タリバン>戦略会議で支配地域の明け渡しを拒否する決定

 アフガニスタンのタリバン当局者は16日、タリバン首脳部が15日に開いた戦略会議で政権の放棄とカンダハルなど支配地域の明け渡しを拒否する決定を下した、と明らかにするとともに「反撃に向け態勢立て直しを開始した」と述べた。最高指導者オマル師は「徹底抗戦」を訴えており、これを受けた決定とみられる。(共同)(毎日新聞)
11/16 <フランス>軍第一陣60人がウズベキスタンに出発

 【パリ福島良典】アフガニスタンでの非政府組織(NGO)などの活動を支援するフランス軍部隊の第一陣約60人が16日、南仏の基地からアフガンの隣国ウズベキスタンに向けて出発した。

 仏軍部隊は今週末からアフガン北西部の要衝マザリシャリフに展開する。仏紙フィガロによると、派遣兵員数は約400人になる見通し。

 仏英両国の提唱で国連安保理は14日にカブールなどへの多国籍軍派遣を決めたが、マザリシャリフへの仏軍派遣は別の枠組みで実施される。(毎日新聞)
<独議会>アフガン派兵と首相信任を承認する決議案を可決

 【ベルリン藤生竹志】ドイツ連邦議会(下院、666議席)は16日、米英軍のアフガニスタン攻撃を支援するための独軍3900人の派兵と首相信任を承認する決議案を賛成336票、反対326票(4人欠席)で可決した。

 与党・社会民主党と連立を組む90年連合・緑の党の中に派兵に反対する造反議員がいたため、シュレーダー首相(社民党)は派兵実現のために自らの信任と合わせて議会の承認を求めた。最大野党のキリスト教民主・社会同盟は派兵に賛成だが、首相不信任を示すため反対票を投じた。連立与党だけで辛うじて過半数の賛成を得たことで、連立政権崩壊の危機はひとまず脱した形だ。

 シュレーダー政権は今月7日、米国の要請に応じ、特殊部隊や核・生物・化学兵器に対応する特殊装甲車部隊など計3900人の派兵を閣議決定。北大西洋条約機構(NATO)はアフガン攻撃で「集団的自衛権」を初めて適用し、加盟国が個別に米軍支援を決めることになっていた。独軍のNATO域外への派遣には独下院の承認が必要だった。

 シュレーダー首相は同時多発テロ発生直後から「米国との無制限の連帯」を繰り返し表明しいる。(毎日新聞)
円、122円台後半=ロンドン外為

 【ロンドン16日時事】週末16日のロンドン外国為替市場の円相場は、米銀などのドル買いで、1ドル=122円台後半に軟化している。正午現在は122円70〜80銭と前日午後4時(122円35〜45銭)比35銭の円安・ドル高。
 市場には「アフガニスタンでの戦勝ムードで今週はドルが買われたが、米国にとって、まだテロの危険性が少なくなり経済再建に取り組める状況ではない」(邦銀筋)として、これ以上の大幅なドル高進行に懐疑的な声もある。
 一方、ユーロは堅調で、正午現在は1ユーロ=0.8840〜8850ドル(前日午後4時は0.8805〜8815ドル)。ドイツでシュレーダー首相信任案が可決される見通しとなったことを好感して朝方から買われ、可決後も高値圏にとどまっている。 (時事通信)