2001
11/15
11/15 <タリバン>カンダハル周辺に部隊集結

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは15日、南部の本拠地カンダハル周辺へ部隊を集結させ、大規模な防衛戦に備えている模様だ。タリバンのスポークスマンは最高指導者オマル師の所在について「カンダハルの安全な場所で、全軍を掌握している」と強気の姿勢を示した。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>ビンラディン氏追跡に自信 米副大統領

 タリバン政権崩壊を受け、米軍は近く同時多発テロ事件の首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏と「アルカイダ」壊滅に向け具体的な作戦立案に着手する見通しだ。米軍はビンラディン氏が依然、アフガン国内にいることを確信している模様で、チェイニー副大統領は14日、米CBSテレビで、追跡作戦に強い自信を示した。(毎日新聞)
「ビンラーディンは拘束より死選ぶ」タリバン報道官

 【イスラマバード15日=末続哲也】アフガン・イスラム通信によると、アフガニスタンのタリバン勢力のスポークスマンは15日、米同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディンについて、「ウサマを生きて捕まえることは出来ない。ウサマは、米国に捕まるよりは死を選ぶことを決めている」と語った。また、タリバン最高指導者のオマル師について、「(南部の本拠地)カンダハルの安全な場所にいて無事だ」と述べるとともに、タリバン兵はオマル師に「完全に従っている」と語り、離反者がでているとの見方を否定した。(読売新聞)
<アフガン>国連が特別副代表を現地派遣

 アフガニスタンのタリバン政権崩壊を受けて国連のアナン事務総長は14日、新政権構想や現地の治安維持について話し合うため、ベンデレル国連事務総長特別副代表と国連スタッフを16日までにカブールに派遣すると発表した。ブラヒミ国連事務総長特別代表もいずれアフガン入りし、北部同盟幹部と協議する予定だという。(毎日新聞)
<ビンラディン氏>ヘリで逃亡する可能性 米国防長官指摘

 ラムズフェルド米国防長官は15日付の米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、アフガニスタン国内に潜んでいるとされるウサマ・ビンラディン氏とテロ組織アルカイダ幹部がヘリコプターを使って逃亡を企てる可能性があると指摘した。アフガン国境を越えてパキスタン側への逃亡は「比較的簡単」と述べた。(毎日新聞)
パキスタン、アフガン国境に軍を派遣


 [クエッタ(パキスタン) 15日 ロイター] パキスタンが、同国南部のアフガニスタン国境に軍と戦車を移動させている。
 当局者によると、米同時多発テロ事件の首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏がパキスタン国内に逃亡してくるのを防ぐために国境警備が増強された。
 国境では果物を積んだアフガンからのトラックなども通行が禁じられている。一方で、救援物資を積載したトラックのアフガン入国は認められているという。
 (ロイター)
カンダハルの攻防続く、タリバン支配は3、4州に

 【イスラマバード15日=末続哲也】アフガニスタンからの報道によると、首都カブールから撤退したタリバンが集結している同国南部の本拠地カンダハルでは15日も、反タリバンの地元パシュトゥン人勢力らとの間で、一進一退の激しい戦闘が続いた。

 ロイター通信は、ザヒル・シャー元国王派の有力者ハミド・カルザイ氏が、「ほう起したパシュトゥン人勢力との激しい戦闘で、市内は混乱していると語った」と伝えた。米軍も同市周辺で数回にわたり激しい空爆を行い、8人が死亡した。

 一方、AP通信によると、同国南東部のパクティア、パクティカ両州が、北部同盟以外の反タリバンのパシュトゥン人勢力に掌握されるなど、同国情勢は混迷が深まっている。AFP通信は、「タリバンが掌握する州は、(30州のうち)3、4州ほどになった」と伝えた。

 また、北部各州から撤退したタリバン軍が集結している北部の都市クンドゥズ郊外では、米軍のB52爆撃機が激しい空爆を行った。(読売新聞)
解放のNGO8人、イスラマバードに到着

 【イスラマバード15日=大内佐紀】今年8月からアフガニスタンのタリバン勢力に身柄を拘束されていた民間活動団体(NGO)の外国人8人が解放され、15日午前、米軍機で無事、イスラマード郊外のチャクララ軍基地に到着した。

 ドイツ人のゲオルク・タウプマン氏は同日、当地のドイツ大使館で記者会見し、8人がカブール陥落後は首都の南西約80キロにあるガズニの刑務所に身柄を移され収監されていたことを明らかにするとともに、「13日夜に激しい空爆の音が聞こえ、その後まもなく北部同盟軍が解放してくれた。町には市民が繰り出しており、タリバンからの解放を祝っていた」と解放の経緯と喜びを語った。

 解放されたのは、米国人2人、オーストラリア人2人、ドイツ人4人の男女計8人。 (読売新聞)
唐家セン部長、アフガン暫定政権の早期樹立を提案
外交部の唐家セン部長は13日の国連総会で、アフガニスタン問題について演説を行った。唐部長の演説の要旨は次の通り。

われわれはアフガニスタン情勢に対する国連事務総長の分析と提案を称賛している。アフガンの政治、安全、人道、経済再建などの問題におけるブラヒミ国連アフガン担当事務総長特別代表の見解と提案は、今後のアフガンの発展に必要であり、積極的かつ建設的なものだ。中国政府もさらに踏み込んで検討していくつもりだ。

アフガン国内の戦況の変化に伴い、権力が空白の状態となり、社会的混乱の危険性が増している。国際社会、とりわけ国連は暫定政権の樹立など政権問題への対処を急ぎ、再建活動を一日も早く始める必要がある。

国連はこの重要な時期に主導的役割を果たし、国際社会とともに必要な政治的、技術的、資金的な援助を速やかに行わなければならない。

暫定政権は幅広い基盤を持ち、各民族の利益を代表して、各国、とりわけ隣国と友好関係を築いていける政権でなければならない。こうした政権の樹立は持続的な平和にプラスとなる。アフガン問題の最終的解決はアフガン国民が自ら決めなければならない。

「人民網日本語版」2001年11月15日
タリバンは軍を再編し、戦い続ける=オマル師


 [イスラマバード 15日 ロイター] アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者であるオマル師は、タリバンは軍を再編し、戦いを続ける、と述べた。さらに、アフガンに押し付けられるいかなる政治的枠組みに参加するよりも、死を選ぶ、とも表明した。
BBCとのインタビューに、スポークスマンを介して答えたもの。
同師は、同インタビューで、「タリバンはいくつかの過ちを犯したかもしれないが、軍組織を再編するのは大きな前進となろう」と述べた。
また、「4~5州がまだわれわれの支配下にある」ともしている。(ロイター)
ビンラディン氏は拘束されていない=AIP


 [イスラマバード 15日 ロイター] アフガン・イスラム通信(AIP)は、アフガニスタンのイスラム主義原理組織タリバンのスポークスマン、ムラー・アブドラ氏の話として、ウサマ・ビンラディン氏の身柄が拘束されていないと報じた。
アブドラ氏は「米国は決して、生きているウサマ・ビンラディン氏の身柄を拘束することはできない」と言明。「ウサマ・ビンラディン氏は米国にとらえられるなら、死を選ぶことを既に決めている」と話した。
ムラー・アブドラ氏は、ウサマ・ビンラディン氏の身柄が拘束されたとするうわさを否定。「0430GMT(日本時間午後2時半)にカンダハルの拠点に電話連絡したが、ウサマ・ビンラディン氏の話は出なかった」と語った。(ロイター)
オマル師はカンダハルで無事、タリバンを支配している=スポークスマン


 [イスラマバード 15日 ロイター] アフガン・イスラム通信(AIP)は、スポークスマンのムラー・アブドラ氏の話として、イスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者オマル師がアフガニスタン南部の都市カンダハルの拠点におり、軍を指揮していると報じた。(ロイター)
自衛隊派遣計画に変更なし=福田官房長官

 福田康夫官房長官は15日午後、チェイニー米副大統領がアフガニスタンのタリバン政権が崩壊したとの認識を示したことに関連し、「至近情報に基づき判断するが、(テロ対策特別措置法に基づく自衛隊派遣の基本計画は)現状では変わらない」と述べ、予定通り16日に派遣計画を決定する方針を明らかにした。首相官邸で記者団の質問に答えた。 (時事通信)
<テロ大戦>イスラム戦士が蜂起、タリバンを拠点から追放








カブールとパキスタン国境の間に位置する東部の拠点都市ジャララバードで13日、ムジャヒディン(イスラム戦士)らの蜂起が発生し、タリバンが同都市から撤退したと、イラン官営IRNA通信が14日報じた。

これに伴い、アフガニスタン内のタリバン勢力地域は全体の20%程度に縮小された。

国連は13日、アフガニスタンに新政府を樹立するため、反タリバン勢力の北部同盟などすべての政派が加わる会議の招集を骨子とする5つの原則を提示した。

国連のアフガニスタン特使であるのブラヒミ氏は同日、安全保障理事会に出席し、これを発表した。この原則には▽政府構成方法を議論する臨時委員会(過渡政府)の結成▽2年以内に権力を臨時委員会から新政府に委譲する法案の論議▽国民大会議(ロヤ・ジルガ)の招集▽「ロヤ・ジルガ」第2回会議での憲法承認後の新政府樹立−−などが含まれた。

この日、北部同盟のアブドル外相は記者会見で、新政府の樹立について議論するためタリバンを除いたすべての政派の代表をカブールに招待したと明らかにした。

北部同盟が占領したカブールと関連し、パキスタンのムシャラフ大統領は「非武装都市として造成し、イスラム諸国からなる国連平和維持軍を配置しよう」と提案、ブレア英首相は「なるべく早期に国連が介入すべき」との考えを示した。しかしアナン国連事務総長は「アフガニスタン国民のための人道的支援が最も重要で、政治的空白が生じないようにする緊急措置はその次の課題」との認識を示した。

一方、ラムズフェルド米国防長官は13日、「少数の米軍特殊部隊員が、カブールからタリバン軍を追放した北部同盟反軍を支援している」とし、「逃走するタリバン軍とテロリストを最後まで追跡する考え」と述べた。

ワシントン・国連本部=金ジン(キム・ジン)特派員 < jinjin@joongang.co.kr >


2001.11.14 21:36

安保理、多国籍軍の緊急展開決議を採択

 【ニューヨーク14日=勝田誠】アフガニスタン・タリバン政権の崩壊を受け、国連安全保障理事会は14日夜(日本時間15日午前)、アフガン国民による暫定政権の早期樹立を支援するよう国連に求め、多国籍軍の現地緊急展開を事実上承認する決議を、全理事国(15か国)一致で採択した。国連筋によると、多国籍軍編成は、同決議に基づき各国がそれぞれ「自発的に」部隊を派遣する形で進められる。米英両国はすでに自ら参加を表明した上で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部に参加を打診。早ければ今月中にも多国籍軍が編成される見通しだ。

 採択された安保理決議1378は、13日夜に米国が各理事国に示した決議案を基に、ロシアなど各国の意見を反映させる形で、英国が取りまとめたもの。

 カブール陥落後、治安回復・維持の問題は一層の緊急性を帯びており、決議は、「すでに(イスラム原理主義勢力)タリバンの支配下でなくなった地域、特に全アフガン国民の首都カブールの安全と治安の確保」の努力を理事国が支持する――との表現で、多国籍軍の編成、派遣を求めている。また、アフガン各勢力に対しては「報復行動を中止し」、「国連や人道支援関係者の移動の自由を確保」するよう求めている。

 理事国の中には、多国籍軍展開には「別の決議が必要」との見方もあるが、国連のブラヒミ・アフガン担当事務総長特別代表が13日、多国籍軍以外の選択肢がないことを明言したため、今回決議の採択を機に各国は多国籍軍編成作業を本格化させる。

 現時点で、想定される多国籍軍の規模に関する情報はないが、独仏など欧州各国やオーストラリア、さらにトルコ、バングラデシュなどのイスラム諸国が参加を表明すると見られ、これら「自発的参加国」が多国籍軍の規模、駐留期間などについて、今後、米英などと協議を進める。国連が「多国籍軍の編成にも軍事的コスト(費用)負担にもかかわらない」(国連事務局高官)ことは、すでに決まっている模様だ。

 同決議はさらに、タリバン後についても踏み込み、タリバンが「(国際テロ組織)アル・カーイダや、ウサマ・ビンラーディンに隠れ家を提供」したことを非難し、「タリバンに代わる政権樹立を支援する」と強調。

 その上で、国連が中心的な役割を担い、「新政権づくりに向けた新たな暫定統治機構を緊急に設立するアフガン国民の努力」を支援すべきだと言及。ブラヒミ氏の任務遂行を安保理が全面的に支持するとし、さらに、「社会的、経済的再建と復興に向けた長期的支援」を理事国に求め、日本提案のアフガン和平復興会議など各国の「取り組みを歓迎する」とした。(読売新聞)
<北部同盟>クンドースでも攻勢 大量のタリバン兵を包囲

 【イスラマバード井田純】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは14日も南部の本拠地カンダハルや北部クンドースなど残る支配地域で、反タリバン連合(北部同盟)と激しい戦闘を続けた。

 北部同盟幹部によると、アフガン北部に残るタリバン支配地域のクンドースでも北部同盟が攻勢を強め、14日はパキスタン人イスラム義勇兵を含むタリバン兵の集団を包囲した。同幹部は、タリバン側に相当数の死者が出ていると証言した。

 一方、タリバン系のアフガン・イスラム通信によると、タリバンは北部タハル州で北部同盟側に反撃し、双方に死傷者が出た模様だ。

 タリバンのスポークスマンは14日、「最高指導者オマル師、ウサマ・ビンラディン氏もアフガン領内で無事だ」と語った。スポークスマンは「ビンラディン氏を米国に引き渡すつもりはない」と従来の主張を繰り返し、抗戦継続の姿勢を強調している。(毎日新聞)
<アフガン>人道援助を目的に地上部隊数千人を増派 英首相

 【ロンドン岸本卓也】ブレア英首相は14日、国会での答弁で、国連主導のアフガニスタンの暫定政権が発足する過程での人道援助を目的に、英軍地上部隊数千人を今週末から増派することを明らかにした。首相によると、国連、欧州連合(EU)などの代表が16日にもアフガンで暫定政権交渉を開始するという。

 首相は首都カブールを撤退したタリバン勢力について「上級司令官らが離反し、支援者が消滅しつつある。退却が戦略的であるというタリバン側の主張は偽りだ」と述べた。首相は「厳しい圧制から解放されて自由が戻ろうとしている。早く南部地域の人々もタリバン掃討に立ち上がるべきだ」と呼びかけた。

 首相は「タリバンが退却した地域に北隣のタジキスタンやウズベキスタンから援助物資を運ぶ安全な回廊が必要だ」と指摘した。英軍は既に数百人の特殊部隊を派遣しているが、増派される数千人の兵士は人道援助物資の補給に欠かせない空港や道路の補修整備と地雷撤去が主な任務になる。

 首相は国会で、タリバン政権が「崩壊した」との認識を示している。米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏やテロ組織アルカイダのメンバーの追跡については「彼らが隠れる場所も手助けする人も少なくなった」と拘束が近いことを示唆した。(毎日新聞)
暫定政権は樹立しない=アフガニスタンの北部同盟


 [カブール 15日 ロイター] アフガニスタンの北部同盟は、暫定政権は樹立しないが、幅広い勢力で構成される政府の樹立が合意されるまで、カブールを支配下に置く、との方針を示した。広報担当幹部が、ロイター通信とのインタビューで述べたもの。
モハマド・ハビール氏は、「カブール入りした部隊は、政府を復権させるためにここに来たわけではない。われわれは市民に対して、支配しようと思っているわけでなく、部隊のプレゼンスについては、権力の回復を計画していることを示すと見るべきでない、と言いたい」と述べた。
同氏によると、カブールは、現在、北部同盟のファヒム国防相を中心とする最高軍事評議会が統治しており、評議会による統治は、政権樹立まで続けられるという。
同氏は、「どのような手段であれ、政権を樹立するため、評議会は、国内外にいる国民の代表に対し、できる限り早急にカブールに集まるよう呼びかけており、そうした代表を受け入れる用意がある」と述べた。
同氏は、”北部同盟が暫定政権を樹立するのか”との質問に対し、「そのような意図はない。ただ冬の到来で、すべての代表がカブールを訪れることは不可能になる。それまでは、最高軍事評議会がカブールを統治する」と述べた。(ロイター)
アフガン国内での活動再開=国境なき医師団

 国際的な非政府組織(NGO)「国境なき医師団(MSF)日本」は15日、米同時テロ発生後にアフガニスタンから引き揚げた外国人スタッフの活動が同日までに首都カブールやマザリシャリフなどで再開されたと発表した。
 カブールには4人のスタッフが13日に到着。病院などで現状調査を行っている。北部のマザリシャリフでも14日、3人の医療チームが現地スタッフと合流し、住民の医療状況調査などを始めた。 (時事通信)
<タリバン>拘束された柳田大元氏の消息つかめず 福田官房長官

 福田康夫官房長官は15日午前の記者会見で、アフガニスタンのタリバン政権に拘束されていた柳田大元氏について「今、どういう状況なのか確認されていない。パキスタンの日本大使館を中心に情報を収集している」と述べ、タリバン政権崩壊の中で消息がつかめていないことを明らかにした。(毎日新聞)
<アフガン>人道支援の8人救出に喜びの声明 米大統領

 ブッシュ米大統領は14日、アフガニスタンン・タリバンが拘束していた非政府組織の8人が救出されたことを明らかにし「信じがたいほど良いニュース」と喜ぶ声明を発表した。8人はドイツ人4人、米国人2人、オーストラリア人2人。カブール南西部80キロで米軍特殊部隊に救出され、既にパキスタンに到着している。(毎日新聞)
<タリバン>「政権は崩壊した」 米政府として認識 副大統領

 【ワシントン吉田弘之】チェイニー米副大統領は14日、米CBSテレビのインタビューで「タリバン政権は崩壊した」と語った。米政府としてタリバンが崩壊したとの認識を示したのは初めて。米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長も14日の記者会見で、アフガニスタンのタリバン軍が南部カンダハルを含む同国全土の支配都市を放棄しつつあることを明らかにし、こうした見方を裏付けた。

 副大統領は「タリバンは今日、ほとんどの主要都市で排撃され、もはや権力の座にない」との見解を示した上でウサマ・ビンラディン氏の行方について「反タリバン勢力の追撃で頻繁に居場所を変えている。我々は彼をいぶり出すまで追い続ける」と語った。

 また、ラムズフェルド米国防長官は同日、米特殊部隊が南部の道路で検問所を設置、地上作戦を本格化していることを明らかにした。タリバン軍とアルカイダ軍の動きを止め、孤立させる作戦とみられる。(毎日新聞)
カブール 人波あふれ活気 都留出身・山本記者リポート
タリバン圧制から一変 市民、自由期待「バンザイ」



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 タリバン軍が撤退し、北部同盟軍による治安維持活動が始まったアフガニスタンの首都・カブール。市民の間には「自由」への期待があふれ、男性へのひげ強要や女性の社会活動の禁止、娯楽や欧米音楽の排除などタリバン独自の宗教解釈による数々の戒律から解放された市民は、北部同盟の兵士らに「ズンダバー(ばんざい)」と叫ぶ。一方、長年繰り返された内戦の経験から、新たな勢力への警戒感も。このため北部同盟は「カブール進攻は、あくまで市民の安全を守るため」とアピールしている−。日本のメディアとしては最も早く、タリバン撤退直後のカブールに入った都留市出身のジャーナリスト山本美香さん(ジャパンプレス記者)に、現地の最新情報を衛星電話で聞いた。


 「ズンダバー、ズンダバー(ばんざい、ばんざい)」−。カブール市内を進む北部同盟兵士らの車列を、大勢の市民が出迎える。これまでアフガン北部のジャバルサラージ(ジャボルサラジ)を拠点に前線の取材を続けてきた山本さんは現地時間の十三日正午ごろ、北部同盟の治安維持部隊とともにカブール入りした。市民は、山本さんら外国人記者の車にも駆け寄り「ありがとう、ありがとう」と手を振ってきたという。

 山本さんは過去数回、タリバン支配下のカブールを取材した経験を持ち、半年前の今年五月にも同市内を訪れている。「前回訪れたときは、通りにはほとんど人の姿がなく、街は閑散としていた。しかし今は、『一体、市内のどこにこんなに大勢の人が隠れていたのか』と思うほど、街は人であふれかえっている」と、タリバン撤退にわき返る市内の活気を伝える。

 「ズンダバー」は直訳すると「長生きしろよ」などの意味という。「五年の長きにわたる恐怖政治の下、市民はあらゆる面で抑圧されてきた。自由な暮らしへの期待から、北部同盟の到来を待ち望んでいたようだ」と山本さんは話す。

 山本さんによると今回、カブール入りした北部同盟の兵士たちは、通常の軍隊ではなく、警察活動などを目的に独自に組織された約千人規模の特殊な治安維持部隊だという。一時的に市内に入った戦車部隊も、そのまま市内を通過し、南部のカンダハル方面に撤退したタリバン兵の追撃に向かった。このほか、約五千人規模の部隊が首都の周囲を固め、外部からの攻撃を警戒しているという。

 「北部同盟の最高評議会はかなり以前から、タリバンが首都を放棄すると予測していた。無政府化した市内で、略奪行為などが発生しないように早期のカブール入りを決め、治安維持のためのスペシャルな組織を用意していた」。これまでの経験から、北部同盟側はカブールへの進攻をめぐってかなりの神経を使っていたという。また、アフガン兵士は通常、民族衣装にベスト、頭にはターバンを巻き、肩から銃を下げるというスタイルが多いが、この治安部隊は、オリジナルのユニホームを着用。市民が一目で隊の性質を理解できるように工夫している。

 カブールの街に繰り出すお年寄りや子どもたちの表情は明るい。空爆中はシャッターを閉ざしていたバザールも、少しずつ店を開け始め、ニンジン、葉物野菜などがカラフルに店先を飾っているという。「ただ、今のところは街に目立つのは男性の姿ばかり。女性は時折、ブルカで全身を覆ったままの状態で姿をみせるくらい。しかし、街に平穏が続けば、少しずつ女性の姿も増えてくるのではないか」と山本さんは話している。

<アフガン>長崎型の核爆発方法など書類発見 アルカイダ拠点

 15日付の英紙タイムズは、アフガンの首都カブール市内にあるウサマ・ビンラディン氏のテロ組織アルカイダの拠点から長崎型原爆に似た方式で核爆発を起こす方法や化学兵器、ミサイルなどを研究した書類が見つかった、と報じた。アルカイダが放棄した同市内4カ所の拠点のうち2カ所で同紙記者が書類を見つけた。(共同)(毎日新聞)
<安保理>治安維持目的の多国籍部隊派遣を承認 

 国連安全保障理事会は14日、アフガニスタンに治安維持のため多国籍部隊を派遣することを承認する決議案を全会一致で採択した。採択と前後して、英国、フランス、トルコ、インドネシアが治安維持部隊の現地派遣を相次いで表明した。バングラデシュ、ヨルダン、ニュージーランドなども派遣の意向を伝えている。(毎日新聞)
米空爆で「アル・カーイダ」メンバー多数死亡

 【ワシントン14日=林路郎】ロイター通信は14日、米国防総省当局者の話として、米軍が13日にアフガニスタンで行った空爆で、ウサマ・ビンラーディン率いるテロ組織「アル・カーイダ」のメンバーが集まった建物を攻撃、多数の死亡を確認したと伝えた。アル・カーイダのメンバーがまとまって死亡したことが伝えられたのは初めて。

 米軍は13日以降、全土から撤退しつつあるタリバンの本拠地カンダハルに空爆の大半を割いている。この攻撃で、死傷者にビンラーディン本人が含まれていたかどうかは明らかでない。(読売新聞)
カンダハルの戦況混とん、タリバンの一部撤退か

 【イスラマバード15日=岡田滋行】カブール発のAP電などによると、アフガニスタン南部のタリバン本拠地カンダハルで14日、反タリバンの地元パシュトゥン人勢力がほう起し、タリバンとの間で戦闘を開始し、一部のタリバン勢力は撤退を始めた模様だ。

 反タリバン勢力「北部同盟」側は14日夕、駐タジキスタンの高官が「北部同盟がカンダハルを掌握した」などとしていたが、同日夜、タリバン当局者はAP通信に対し、「タリバン勢力は、カンダハル近郊の空港に砲撃を繰り返し、空港を奪回した」と語っており、情勢はなお、混とんとしている。米国防総省は、カンダハル周辺のいくつかの地点で戦闘が行われていることを確認したものの、戦況についての詳細は分からないとしている。(読売新聞)
<アフガン>南北で北部同盟とタリバン戦闘 攻防はヤマ場に

 【イスラマバード井田純】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは14日、南部の本拠地カンダハルや北部クンドーズなど残る支配地域で、反タリバン連合(北部同盟)と激しい戦闘を展開した。カンダハル周辺では、地元のパシュトゥン系反タリバン武装勢力が蜂起し、空港を制圧したとの情報もある一方で多数のタリバン側が展開しているともいう。これまで各地で撤退を繰り返してきたタリバンは、兵力の相当部分を温存していると見られ、攻防戦はヤマ場にかかっている。

 北部同盟幹部によると、アフガン北部に残るタリバン支配地域のクンドースでも、北部同盟側が攻勢を強め、14日にはパキスタン人イスラム義勇兵を含むタリバン兵の集団を包囲した。同幹部は、タリバン側に相当数の死者が出ていると証言している。

 カンダハルについても同幹部らは「近く陥落する」としている。しかしロイター通信がタリバン側の情報として伝えたところによると、カンダハルには4万〜5万人のタリバン兵が展開しており、同市の攻防がこれまでで最大規模の戦闘になる可能性がある。

 北部同盟幹部などの証言では、アフガンの約30州のうち、タリバン側の支配地域は5州前後になった。

 一方、タリバン系のアフガン・イスラム通信によると、タリバンは北部タハル州で北部同盟軍に反撃し、双方に死傷者が出た模様だ。

 またタリバンのスポークスマンは14日、「最高指導者オマル師、ウサマ・ビンラディン氏もアフガン領内で無事だ」と語った。同スポークスマンは「ビンラディン氏を米国に引き渡すつもりはない」とこれまでの主張を繰り返し、抗戦継続の姿勢を強調している。(毎日新聞)
<NATO>人道援助物資などの輸送支援で一致 タリバン政権後

 【ブリュッセル森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)は14日の大使級理事会でタリバン政権後のアフガニスタン情勢を討議し、共同活動は人道援助物資などの輸送を中心とした支援にとどめる方針で一致した。

 NATOは、米同時多発テロ後に「集団的自衛権」を発動したが、アフガン攻撃参加について共同活動とはせず、各国の判断に委ねている。アフガンが欧州から離れていることから、NATO軍としての長期派遣には慎重な国が目立つ。

 支援活動は国連の委託を受け物資や難民、現地で活動する職員らの輸送などになる見通しだ。(毎日新聞)
<タリバン政権>人道支援のキリスト教8人を米軍が救出

 【ワシントン中井良則】米政府当局者は14日、アフガニスタンのタリバン政権に3か月間、逮捕されていた人道支援団体職員の外国人8人を米軍特殊部隊が同日、救出したことを明らかにした。8人は米軍ヘリコプターでパキスタンに到着した。8人はカブールから撤退するタリバン軍が13日、南部に連行したと伝えられ、安否が気遣われていた。

 米国防総省によると、14日午後4時40分(米東部時間)、特殊部隊のヘリ3機がカブールの南西80キロのガンジで8人を救出した。救出作戦の詳細は明らかでない。

 8人はドイツ人4人、米国人2人、オーストラリア人2人。ドイツのキリスト教支援団体に所属し、アフガニスタンで人道支援に当たっていたが、イスラムからキリスト教への改宗を勧めているとの容疑で8月3日逮捕された。米軍の空爆開始後、裁判は無期限に延期されていた。(毎日新聞)
アフガン・北部同盟の残虐な行為は目にあまる=カダフィ大佐


 [チュニス 14日 ロイター] リビアの最高指導者、カダフィ大佐は、アフガニスタン・北部同盟の兵士がカブールを制圧してからの振る舞いは、タリバン同様の残虐な行為が目にあまる、と非難した。
 これは北部同盟のラバニ大統領にあてた書簡のなかで指摘したもので、兵士に対する取り締まりを強化するよう訴えている。
 リビア国営テレビは、カダフィ大佐が、「北部同盟軍がカブールを制圧してからの行動は、イスラム文明と人道主義に対する攻撃だ」と非難した、と伝えた。(ロイター)
<アフガン>支援物資積んだユニセフの6人不明 北部同盟が拘束

 イスラマバードのユニセフ(国連児童基金)当局者が13日明らかにしたところによると、アフガニスタン北部のマザリシャリフで10日、人道支援物資を積んだユニセフのトラック10台と運転要員14人が北部同盟の拠点に連行された。

 車8台と要員8人はその後解放されたが、車2台と6人が行方不明になっている。同当局者はうち2人が殺されたとの情報があるが、未確認だと語った。

 ユニセフのトラックは、北部同盟が9日にマザリシャリフを制圧した後、パキスタンのペシャワルから同市に入った。(ニューヨーク共同)(毎日新聞)
<北部同盟>カブール入りを遅らせる 指導者のラバニ前大統領

 アフガニスタン・反タリバン連合(北部同盟)の指導者、ラバニ前大統領は、14日に予定されていた首都・カブール入りの予定を遅らせ、今週末にもカブールに入る予定だ。AFP通信が伝えた。(毎日新聞)
北部同盟によるトラック没収を受け物資輸送を一時停止=ユニセフ


 [イスラマバード 14日 ロイター] 国連児童基金(ユニセフ)は、アフガニスタンへの援助物資輸送トラックと職員の一部が北部同盟の兵士らに没収、拘束されたことなどを受け、輸送を一時中止することを明らかにした。
 パキスタンで記者会見したユニセフのアフガニスタン代表、あるヒョン・チョルホ氏は、ユニセフのトラックを北部のマザリシャリフまで運転した運送会社のドライバー2人が殺害された可能性に関する報告を確認中である、と述べた。
 複数の国連関係機関は、事務所の一部が略奪行為の対象となっている一方、マザリシャリフでは残虐行為も報告されている、と指摘している。
 ヒョン氏によると、ユニセフのトラック10台からなる輸送団が、パキスタンのペシャワルを出発し、10日にマザリシャリフ入りした。
 同氏は、「ユニセフは、トラックがこの後、北部同盟司令官の基地に連行されたことを知った。ドライバー8人と、トラック8台、積載物資は無事だ。職員6人とトラック2台の所在が不明だ」と述べた。(ロイター)
カブール脱出後にアフガン人から暴行を受けた=アルジャジーラ記者


 [ドバイ 14日 ロイター] アフガニスタンのカブールで報道に従事していたカタールの衛星放送テレビ、アルジャジーラのシリア人記者は、米軍による空爆を逃れてカブールのオフィスから脱出した後、タリバン政権に反対するアフガニスタン人から暴行や銃撃を受けたりしたことを明らかにした。
 アルジャジーラの特派員であるタイシール・アルーニ氏は、カブールを脱出した2日後に、再び画面に登場し、「私の経験は苦いものだった。それについて語ることはできない」と述べた。
 同氏は、12日に同氏とテレビのクルーがカブールを離れた直後、アルジャジーラのオフィスが米軍のミサイル攻撃を受けた、と述べた。その後、同氏とクルーが逃れた東部のパクティア州で、銃撃や暴行を受けたりしたという。(ロイター)
アフガン・北部同盟がカブールに進撃を続けている=米統合参謀本部


 [ワシントン 14日 ロイター] 米統合参謀本部のスタフルビーム作戦副部長は、アフガニスタンの北部同盟がカブールに進撃を続けていると述べた。
 同氏は記者団に対し、「北部同盟はカブール南部、ヘラート、ジャララバード郊外に進撃を続けている。しかし状況はなお流動的だ」と述べた。
 さらに、「アフガン南部の反タリバン勢力は、特にカンダハル近郊で抵抗を続けている。こちらの状況もきわめて流動的だ」と述べた。
 そのうえで、カンダハル近郊の空港を反タリバン勢力が制圧したかどうかはわからないと述べた。(ロイター)
米国が樹立するアフガン政府は失敗に終わる−イラク大統領=国営TV


 [バグダッド 14日 ロイター] イラクのフセイン大統領は、米国がアフガニスタンに樹立する政府は、いかなるものでも失敗する運命にある、と述べた。
 イラク国営テレビは、同大統領が閣議で、「(米国が)押し付けて新連立政権を樹立しても、これは崩壊することになる」と語った、と報じた。
 そのうえで、同大統領は「米国が気まぐれでカブールに政府を樹立しても、アフガン国民の問題は解決しない。いわゆるテロリズムの根源を断つ代わりに、むしろ、新たな理由を与えることになる」との見方を示した。(ロイター)
米大統領、アフガニスタンでの戦いの展開を歓迎


 [クロフォード(米テキサス州) 14日 ロイター] フライシャー米大統領報道官は、ブッシュ大統領は、アフガニスタンに対する軍事行動の展開を「非常に好感」している、と述べた。
 同報道官は記者団に対し、「(ブッシュ)大統領はアフガニスタンでの戦争の展開を、引き続き非常に好感している」と述べた。
 そのうえで、「最近の展開は非常に良好だが、大統領は目的が達成されるまでは安心できない。目的というのはアルカイダの壊滅とタリバン政権の崩壊であり、テロリスト集団をかくまう能力を失わせることだ」と述べた。(ロイター)
北部同盟、カブールでテレビ放送を再開へ


 [カブール 14日 ロイター] アフガニスタンの首都カブールを制圧した北部同盟は、同地でのテレビ放送をできるだけ早期に再開することを計画している、と明らかにした。
 タリバンは、5年前にテレビ放送を禁止していた。
 あるカブール住民は、「今夜か、さもなければ近いうちに(テレビ放送が)再開すると話し合っていた」とし、それに関する公式発表を聞いた、と述べた。(ロイター)
ビンラディン氏・オマル師はアフガン国内で無事=タリバン


 [イスラマバード 14日 ロイター] アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバンは、ウサマ・ビンラディン氏と、最高指導者のオマル師は無事で国内にいる、と述べた。
アフガン・イスラム通信(AIP)が報じた。
AIPは、タリバンのスポークスマンであるアブドラ氏が、「彼らはアフガニスタン国内におり、これまで危害は受けていない」と述べた、と報じた。
同氏は、ビンラディン氏の処遇をめぐりタリバンが、米国との間で妥協策を探る意向があるかをたずねられ、「ウサマの問題について、われわれの立場に変化はない」と述べた。
また、アブドラ氏は、タロカンとクンドゥズの間のタクハールと呼ばれる地域で、タリバン軍と北部同盟軍が衝突した、と述べた。同氏は、北部同盟の兵士多数や、米国人や英国人を含む20人の外国人が死亡した、と述べた。(ロイター)
アフガンでの英国軍の主要任務は人道支援物資輸送ルートの確保=首相


 [ロンドン 14日 ロイター] ブレア英首相は、アフガニスタンに派遣した英国軍部隊は攻撃に参加することが可能だが、主要任務は人道支援物資の輸送ルートを確保することだと述べた。
首相は下院での審議で、「現地に派遣した部隊の主要任務は、軍事作戦の結果開かれた人道支援物資輸送ルートの安全を確保するという国際的な協力体制に参加することだ」と述べた。
そのうえで、「英国軍部隊が攻撃の前線に参加する可能性を排除することはできない。40人の海兵隊員が不測の事態に備えて待機している」と述べた。(ロイター)
円、121円台後半=ロンドン外為

 【ロンドン14日時事】14日のロンドン外国為替市場の円相場は、アフガニスタン問題の早期解決への期待感などからドルが買われたものの、1ドル=122円を抜けなかったことから、その後はドル売り・円買いが優勢となり、値を戻した。午後4時現在は121円55−65銭と前日同時刻(121円45−55銭)比10銭の円安・ドル高。 (時事通信)
戦略核を大幅削減 米ロ首脳が確認 米「10年間で3分の1に」

 【ワシントン13日平山孝治】ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領は十三日(日本時間十四日)、ホワイトハウスで会談後、共同記者会見した。両首脳は会談で戦略核弾頭を大幅削減することを確認、ブッシュ大統領は今後十年間で保有数を現在の約三分の一規模の「千七百―二千二百発まで削減する」と表明した。米国のミサイル防衛計画推進と絡む弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の改廃問題については継続協議とした。

 ブッシュ大統領の戦略核削減表明に対し、プーチン大統領は「提案に感謝する。われわれも米国に見合う回答をしたい」と述べ、会談後のロシア大使館での演説で、ロシア側として「少なくとも三分の一以下への削減を提案する」と、米側と協調する意向を示した。

 ロシア側はこれまで千五百発までの削減を主張、今回の会談では具体的な数字は提示しなかった。削減に際しては「信頼できる、検証可能な合意が必要だ」とし、条約などの文書化を米国に求めていく意向を示した。

 ミサイル防衛計画実現のため、米国が改廃を目指すABM条約に関しては、両首脳が「ロシアとは意見が異なる」(ブッシュ氏)「(反対の)立場は変わらない」(プーチン氏)などと立場を述べた。ただ、決裂は避け協議を続けていくことになった。

 アフガニスタン問題については、テロ一掃に向けた両国の協力、厳格な核管理などを確認。タリバン政権崩壊後の政権枠組みは「国連主導下による多民族が参加した統治」の考えで一致した。

 ブッシュ大統領は、北部同盟による首都カブール制圧に対し「(北部同盟は)首都を統治する考えはないと言っている」と述べ、同盟側に自制を求めた。プーチン大統領は同盟による虐殺などの真偽を問う報道陣の質問を否定するなど親同盟の姿勢をにじませた。

 ブッシュ大統領は、旧共産圏への貿易を制限する一九七四年の「ジャクソン・バニク条項」の対象からロシアを除外、世界貿易機関(WTO)の参加も後押しする考えなどを正式に表明した。

核軍縮へ新たな一歩

 【ワシントン13日平山孝治】ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領の首脳会談で、双方は大幅な戦略核弾頭削減を確認、核軍縮へ向け両国は新たな一歩を踏み出した。ただ、具体的数については、米国だけが「千七百―二千二百発まで削減」と表明。明文・条約化の見通しは立っておらず、「国際公約」が文書化されないという危険性もはらむ。その意味で国際社会が履行を迫り、削減の推移を監視していく重要性も一層高まったといえる。

 米ロの戦略核弾頭数は、現在それぞれ六千発から七千発。ロシアは一気に千五百発への削減を提案していたが、交渉で大きな問題になったのは、削減数を従来の戦略兵器削減条約(START)などのように文書化するかどうかだった。

 ロシアが文書化にこだわる一つは、現在の核を維持更新していくのは困難な自国の経済事情がある。「十年後は自然に千五百発レベルになる」(軍事専門家)ともいわれる中、文書化で米側の「担保」をとっておきたいという思惑があった。

 また核二大国として米国の一方的宣言は面子を損なうことにもなりかねない。ロシアからみれば、交渉を前に米国が法的拘束力のない「自発的相互削減」を提案していることが最大の争点だった。

 米側は削減で残す「三分の一」の核弾頭を「自国の防衛に必要な数」とし、その意味では主張を押し通した形だ。

 一方で、米国のミサイル防衛計画と絡む弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の改廃では協議続行で合意。ブッシュ大統領はこれまで条約からの離脱を示唆しており、ロシアに配慮を示したともいえる。アフガニスタンの軍事行動でロシアの協力が欠かせないとの事情もあったとみられる。(西日本新聞)
アフガン人道・復興支援で146億円=ドイツ

 【ベルリン14日時事】ドイツ政府は14日、北部同盟のアフガニスタン北部制圧に伴う戦況の急展開を受けて、アフガン人道・復興支援として総額2億5600万マルク(約146億円)を支出する方針を決めた。国連や国際援助機関、非政府組織(NGO)などと連携し、アフガン難民の越冬支援などのための直接人道援助に9600万マルク、米英軍の空爆により破壊された社会インフラ(基盤)の再整備や女性の人権擁護、農業振興など復興対策に1億6000万マルクを拠出する。 (時事通信)
パレスチナ人の犯行=サウジ爆弾テロ

 【カイロ14日時事】リヤドからの報道によれば、サウジアラビア内務省当局者は14日、同国アルホバルの繁華街で10月に起きた爆弾テロ事件はパレスチナ人男性による自爆テロだったと述べた。
 同当局者が国営通信に語った。男性はアイマン・アブザナド容疑者(30)で、犯行の動機は不明。
 この事件では米国人と同容疑者が死亡したほか、米英人ら4人が負傷。発生は米主導のアフガニスタン攻撃開始の直前だったが、事件との関連性は確認されていない。 (時事通信)
カンダハル陥落か、タリバンはゲリラ戦に移行?

 【イスラマバード14日=末続哲也】AFP通信が、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」の駐タジキスタン高官の話として報じたところによると、カブールから撤退したタリバンは14日、南部の本拠地カンダハルも放棄した模様だ。タリバンと同じ最大民族パシュトゥン人の反対勢力の攻勢を受けたとみられる。カンダハルの放棄が事実とすれば、最後の拠点都市を失ったことを意味する。政権としての機能が崩壊したタリバンは今後、南東部の山岳地域でゲリラ戦に臨むとみられる。

 同通信によると、北部同盟高官は「(地元の)民衆がほう起し、北部同盟軍が掌握した。カンダハルにタリバン兵はいない」と述べた。

 アフガニスタンからの報道によると、北部同盟や反タリバンのパシュトゥン人勢力などは14日までに、ロガル、ナンガルハル、コナル、ラグマンの東部4州や中部ウルズガン州なども新たに制圧した。

 また、ロイター通信によると、北部同盟のカヌニ内相は14日、タリバン支配地域は同国の20%未満に落ち込んでいると語った。

 【ワシントン14日=貞広貴志】ラムズフェルド米国防長官は14日、訪問先のニューヨークで記者会見し、「カンダハル市内とその周辺で戦闘が行われている」と語った。(読売新聞)
オマル師に対し蜂起の情報 タリバン自壊兆候

 【イスラマバード14日=佐藤浅伸】イスラマバードのタリバン関係者は14日、アフガニスタン南部カンダハルで13日、タリバン構成員の一部が最高指導者オマル師に対して「蜂起(ほうき)した」と語った。 

 また、タリバンの一部は、ビンラーディンをタリバンの政策決定過程から排除するよう求めた。米軍による空爆と北部同盟の進撃により、タリバン内に動揺が広がりつつあるという。また、下級兵士がまとまってタリバンを離れ、地元部族長の傘下に入るなど、アフガン各地でタリバン自壊の兆候が見え始めたという。(読売新聞)
赤十字職員、再びカブール入り


 [イスラマバード 14日 ロイター] 9月にタリバン政権から、アフガニスタンの首都カブールから退去を命じられた赤十字国際委員会(ICRC)の職員3人が、同国北部から再びカブール入りした。
 職員のうちの1人は、北部同盟がカブールを制圧した13日に同地に入り、残る2人は14日に到着したという。
 ICRCは今後、より多くの職員をヘラートなどアフガン各地に派遣する方針。
 
 (ロイター)