2001
11/14
11/14 <アフガン>カブール制圧から一夜明け、さわやかな朝

 北部同盟によるカブール制圧から一夜明けた14日、市民はさわやかな朝を迎えた。食料配給センターでは、女性が公の場で素顔をみせていた。別の商店では、1人の女性が顔全体を覆うブルカを脱ぎ、ハンカチーフで頭を覆って働いていた。市場では、あらゆる物が売られ、24時間前とは打って変わった活況をみせている。(毎日新聞)
イスラム諸国、カタールが提案したアフガン各派との協議を検討


 [リヤド 14日 ロイター] カタール政府がイスラム諸国会議機構(OIC)に対し、アフガニスタン各派を交えた協議を来週ドーハで行うことを提案した。
 OICは話し合い実現へ向け、カタール政府による提案を検討している段階だという。
 アフガン各派はタリバン政権崩壊後の政治情勢について意見を交わすべく、カタールでの協議を計画していると報じられた。
 外交筋によると、協議にはアフガン各派に加えイスラム諸国と米国やロシアからの代表が出席する可能性がある。(ロイター)
<アフガン>タリバンが各地で撤退 政権としては崩壊

 【イスラマバード福原直樹、澤田克己】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは、首都カブールからの撤退に続いて14日も各地で主要都市を放棄し、支配圏は南部の本拠地カンダハルなど限定的な地域だけとなった。国土の9割を実効支配していたタリバンは既にその国家統治機能を喪失し、政権としては崩壊した。制圧地域を広げている反タリバン連合(北部同盟)も国土の大半を統治する段階には至っておらず、アフガニスタンは政権不在の過渡期に突入した。

 北部同盟の指導者、ラバニ前大統領は14日、カブール入りし、新しい政治的枠組みの確立に向けて活動を開始する。

 ラバニ氏は13日、カタールのテレビとの会見で「新政権にタリバン存在の余地はない」と発言した。背景にはタリバンによって政権の座から追われた経緯や、「パシュトゥン人主体のタリバン、少数民族が集まった北部同盟」という対立の構図があるとみられる。

 ラバニ氏は旧ソ連軍の侵攻に伴うアフガン戦争の後、93年に大統領に就任。96年にタリバンによりカブールから追われている。

 しかし北部同盟が権力独占を目指す姿勢で新しい政治的枠組み作りに臨む場合、新政権にタリバン穏健派を含めたいパキスタンや、「全民族による幅広い政権」を求める国連、米国との間で、あつれきを生じる可能性が極めて高い。政権不在の過渡期が、さらに混迷を深めることになる。

 一方、タリバン系のアフガン・イスラム通信は14日、タリバンが東部ナンガルハル州の州都ジャララバードと中部ウルズガン州から撤退し、地元の元ゲリラ指導者らが掌握したと伝えた。

 タリバンのシャヒーン駐パキスタン代理大使は14日、ロイター・テレビに「戦略的撤退であり、部隊の再編成中だ」と発言。またカブールからの撤退について「市民の犠牲を避けるためのものだった」とした。一方、北部同盟のカヌニ内相は14日、ラグマン、ロガル、クナル、ナンガハルの東部4州からタリバンが撤退したと主張した。

 タリバン軍は山間部に移動中の模様で、北部同盟側は「タリバンは全土の20%以下しか掌握していない」としている。(毎日新聞)
<アフガン>北部同盟の残虐な報復行為 米政府が懸念表明

 【ワシントン吉田弘之】アフガニスタンの北部マザリシャリフや首都カブールを制圧した反タリバン連合(北部同盟)のタリバン軍に対する残虐な報復行為が問題になっている。タリバン政権崩壊後に北部同盟が主体となる新政権作りやカブールの治安維持にも悪影響を及ぼしかねない情勢だ。フライシャー米大統領報道官は13日、「すべての党派が人権を尊重することが大切だ」と懸念を表明した。

 13日付のニューヨークタイムズ紙は、北部同盟軍がアフガン北部で捕まえたタリバン兵を銃殺する衝撃的な写真を掲載した。同紙によると、カブールに進攻中の同盟軍兵士が、敗走するタリバン兵を発見。命乞いするタリバン兵の衣服から必要なものを奪い取りライフル銃で胸を撃った。付近には他にも殺害されたタリバン兵の遺体があり、前線で北部同盟軍による報復行為や強奪が恒常化している様子を報じた。

 在イスラマバードの国連報道官によると、北部同盟は9日、マザリシャリフを制圧した際、学校に隠れていた100人以上のタリバン兵を処刑するなど報復行為を激化させている。

 北部同盟に関しては、米軍のアフガン攻撃以前から人権問題を懸念する声があり、恐れていた事態が表面化したと言える。クラーク国防総省報道官は同日、「事実関係は確認していない。これまでに得ている情報では(制圧した地域で)一様に歓迎されている」と打ち消しに躍起だった。

 またラムズフェルド国防長官は同日、カブールに少数の米軍特殊部隊がいるが、北部同盟の行動を監視することが困難だと明らかにした。その上で「(過去の戦争で)都市全体を消し去ったケースもある。タリバンも多数の人命を奪ってきた」と語り、タリバンの人権侵害を強調する形で北部同盟を擁護。「センセーショナルな非難は有益ではない」と苦しい弁明に終始した。

 フライシャー報道官によると、新政権構想に関してアフガン民族各派と話し合うためパキスタンを訪問するジェームズ・ドビンズ米特使は、人権尊重を訴えるブッシュ大統領のメッセージを北部同盟代表に渡す予定だ。(毎日新聞)
<アフガン>ウズベキスタンからの人道支援物資が搬送可能に

 中央アジアのウズベキスタンからアフガニスタンへの人道支援物資の第1便が14日、国境のアムダリヤ川を渡って搬送された。両国国境はこれまで、タリバンがアフガン側を支配していたため閉鎖されていたが、北部同盟が、北部の要衝マザリシャリフとその周辺地域を制圧したことにより初めて搬送が可能になった。(毎日新聞)
[11月14日22時26分更新]

タリバン支配地域20%割る

 【イスラマバード14日=末続哲也】アフガニスタンからの報道によると、首都カブールから撤退したタリバンは14日、東部ロガル州や中部オロズガン州からも次々と撤退、代わって北部同盟など反タリバン勢力の支配地域が拡大した。南部のタリバン本拠地カンダハルでも反タリバン勢力の攻勢が続いている模様だ。

 両州やカンダハルに進攻しているのは、タリバンと同じ最大民族パシュトゥン人の地元勢力とみられる。タリバンは少数民族が主体の北部同盟に加えて、パシュトゥン人勢力の攻撃にもさらされ、都市部から南東部の山岳部へ押し込まれる公算が大きくなっている。

 ロイター通信によると、反タリバン勢力「北部同盟」のカヌニ内相は14日、北部同盟などの反タリバン勢力がロガル、ナンガルハル、コナル、ラグマンの東部4州を制圧したことを確認した。同内相によると、タリバン支配地域が同国の20%未満に落ち込み、カンダハルでも反タリバン勢力が決起しているという。

 アフガン・イスラム通信によると、東部の拠点都市ジャララバードも反タリバン勢力に完全制圧された。(読売新聞)
<アフガン>通貨アフガニが高騰 首都カブール制圧で

 【クエッタ(パキスタン南西部)亀井和真】アフガニスタンの首都カブールが13日、反タリバン連合(北部同盟)に制圧された後、アフガンの通貨アフガニが高騰している。米軍の空爆が始まった1カ月前の倍以上に値を上げ、市内の両替商は、両替をする市民でごった返している。

 13日の両替レートは、540アフガニ=1パキスタン・ルピー(日本円で約2円)で、前日の650アフガニからさらに値を上げた。空爆開始前の9月は、1200アフガニ=1ルピー前後だった。「タリバン後」への期待感からアフガニは高騰しているようだ。

 クエッタ中心部のビザン・チョークは、約100軒の両替商が集まる。北部同盟による首都制圧を知った市民が続々と詰めかけ、アフガニをパキスタン・ルピーに両替していた。

 パキスタンでは、一家4人の平均的な家庭で1カ月の生活費は、約3000ルピー(日本円で約6000円)。ある両替商は「半日だけで100人が両替にきた。元国王のザヒル・シャーが戻ればアフガニも安定するだろう。アフガニの高騰は、みんなが平和と安定を望んでいる証拠だ」とうれしそうに話していた。(毎日新聞)
「北部同盟の突出、非常に心配」=来日したアフガン難民、NGOが会見

 パキスタンに逃れたアフガニスタン難民の男性(49)と非政府組織(NGO)「アフガン女性革命協会」(RAWA)の女性(22)が14日、東京都内で記者会見した。2人は北部同盟がタリバンに代わりアフガン主要都市を制圧しつつある現況に、「このまま北部同盟が突出することが心配。タリバンでも特定の部族のためでもない新たな政府がほしい」などと訴えた。
 2人はNGO「アムネスティ・インターナショナル日本」の招きで来日。全国8カ所で、長年にわたり内戦に揺れるアフガンの実情を訴える講演会を開く。2人はパキスタンに戻った後、迫害の恐れがあるとして仮名で会見した。 (時事通信)
「北部同盟の突出、非常に心配」=来日したアフガン難民、NGOが会見

 パキスタンに逃れたアフガニスタン難民の男性(49)と非政府組織(NGO)「アフガン女性革命協会」(RAWA)の女性(22)が14日、東京都内で記者会見した。2人は北部同盟がタリバンに代わりアフガン主要都市を制圧しつつある現況に、「このまま北部同盟が突出することが心配。タリバンでも特定の部族のためでもない新たな政府がほしい」などと訴えた。
 2人はNGO「アムネスティ・インターナショナル日本」の招きで来日。全国8カ所で、長年にわたり内戦に揺れるアフガンの実情を訴える講演会を開く。2人はパキスタンに戻った後、迫害の恐れがあるとして仮名で会見した。 (時事通信)
米、多国籍軍展開の決議案を安保理提示

 【ニューヨーク13日=勝田誠】アフガニスタンの首都カブール陥落を受け、米国は13日夜、多国籍軍の緊急展開を求める決議案を国連安全保障理事会の理事国に提示した。多国籍軍の投入を求めた国連の要請に応じた形で、決議案は16日にも採択される見通し。

 米国は多国籍軍編成に向け、すでに北大西洋条約機構(NATO)加盟国に打診を始めているが、さらに多くの国に参加を呼びかけていくとみられる。

 外交筋によると、現時点で参加が有力なのは、NATO加盟国のトルコのほか、インドネシア、ヨルダン、バングラデシュなどのイスラム諸国。欧州諸国が加わる可能性もある。

 ブラヒミ国連事務総長特別代表(アフガン担当)は13日、安保理に対し、首都カブールの治安維持は「急務となった」と指摘。アフガン人で構成する治安維持部隊は「短期間の編成は不可能」なため、主要都市の治安維持には「多国籍軍投入を検討すべきだ」とする案を示していた。

 米国の決議案は、ブラヒミ提案を全面的に支持する内容で、多国籍軍の任務は「タリバンの支配下でなくなった地域の安全と治安の確保」としている。(読売新聞)
沖縄の米軍は縮小を=ゴルバチョフ氏

 ゴルバチョフ元ソ連大統領は14日午後、那覇市を訪れ、同市役所で翁長雄志市長と会見した。この中で同市長が「冷戦後も沖縄に巨大な米軍基地があるのをどう思うか」と尋ねたのに対し、ゴルバチョフ氏は「世界にはアフガニスタンなど問題はあるが、(沖縄の米国の)軍事力はもう少し縮小した方がよいと思う。地域の安定システムができれば、さらに縮小できる。日本政府は同盟国の米国とよく話し合って努力すべきだ」と述べた。
 ゴルバチョフ氏は、市制80周年を記念して那覇市が招待したもので、15日まで滞在。14日夕は市内で「21世紀の世界」をテーマに講演、15日昼には地元新聞社主催の会合で講演する。 (時事通信)
<アフガン>「カンダハルはタリバンが支配」市長が電話で語る

 タリバン政権のラハニ・カンダハル市長は14日、カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」の電話インタビューに答え、「カンダハルはタリバン政権が支配している」と語った。ラハニ市長はドーハからの国際電話にビデオ電話で答え、「反タリバンである北部同盟との戦闘はない」と話した。(毎日新聞)
<アフガン>タリバン支援の義勇兵の虐殺が問題に

 アフガニスタン・反タリバン連合(北部同盟)が支配下に置いた地域で、タリバンを支援してきたパキスタンやアラブ諸国の義勇兵も迫害の対象になっている模様だ。パキスタンのイスラム原理主義勢力はこれに強く反発しており、ゲリラ戦を展開するタリバンへの支援をさらに強めることが予想される。(毎日新聞)
<カブール>「事務所から出た直後に爆撃」アルジャジーラ特派員

 米軍による爆撃を受けたカタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」のカタール特派員は14日、12日深夜から13日未明にかけて、タリバン軍は無線で「すぐにカブールから出るよう」と各兵士に連絡した。これを傍受した同テレビスタッフ全員がカブール事務所の建物から出た直後、米軍機からの爆撃を受けた、と伝えた。(毎日新聞)
タリバン、新たな作戦に備え軍再編


 [イスラマバード 14日 ロイター] タリバン政権のシャヒーン駐パキスタン代理大使は、アフガニスタンの主要都市からのタリバン部隊撤退は戦略的なものであることを強調し、新たな作戦に備え軍の再編を行っていると述べた。
 ロイターテレビとのインタビューに応じた同代理大使の説明によると、撤退に伴う衝突は発生していない。首都カブールについては、市民の命を守るために撤退したという。
 代理大使は詳細については言及しなかったが、タリバン軍は現在、最高指導者オマル師の拠点である南部カンダハルを防衛すべく、兵力を結集させているとみられている。(ロイター)
タリバン、新たな作戦に備え軍再編


 [イスラマバード 14日 ロイター] タリバン政権のシャヒーン駐パキスタン代理大使は、アフガニスタンの主要都市からのタリバン部隊撤退は戦略的なものであることを強調し、新たな作戦に備え軍の再編を行っていると述べた。
 ロイターテレビとのインタビューに応じた同代理大使の説明によると、撤退に伴う衝突は発生していない。首都カブールについては、市民の命を守るために撤退したという。
 代理大使は詳細については言及しなかったが、タリバン軍は現在、最高指導者オマル師の拠点である南部カンダハルを防衛すべく、兵力を結集させているとみられている。(ロイター)
円、121円台後半=ロンドン外為

 【ロンドン14日時事】14日のロンドン外国為替市場の円相場は、アフガニスタン問題の早期解決期待などからドルが買われた海外市場の流れを引き継ぎ、1ドル=121円台後半に軟化している。午前9時現在は121円80−90銭と前日午後4時(121円45−55銭)比35銭の円安・ドル高。
 一方、ユーロは下値を試す展開となっており、午前9時現在は1ユーロ=0.8790−8800ドル(前日午後4時は0.8815−8825ドル)で取引されている。 (時事通信)
反タリバン・グループ、ジャララバードを制圧=AIP


 [イスラマバード 14日 ロイター] アフガン・イスラム通信(AIP)によると、Maulvi Yunus Khalis司令官率いる旧ムジャヒディン(イスラム戦士)らのグループが、東部の主要都市であるジャララバードの支配権をタリバンから奪い、制圧した。
ジャララバードの新政府スポークスマンは、タリバンによるナンガハル州の支配は終わり、Khalis司令官や地元の司令官らが統治を開始した、と述べた。
同スポークスマンは、「地元の司令官らがジャララバードを支配下に収め、その指導者には有名な旧ムジャヒディンであるKhalis司令官が指名された」と述べた。(ロイター)
タリバン政権の駐パキスタン大使館、平常通り業務


 [イスラマバード 14日 ロイター] アフガニスタンのタリバン政権唯一の大使館である駐パキスタン大使館は、平常通りの業務を行っている。
 大使館職員らによると、アフガン入国を希望する報道陣へのビザ発給業務を行っている。
 反タリバン勢力、北部同盟は13日にアフガンの首都カブールを制圧。同日朝にはタリバンのザイーフ駐パキスタン大使が自宅から行方をくらまし、職員らも大使館を離れていた。(ロイター)
国連、アフガン新政権に向け暫定構想を発表


 [国連 14日 ロイター] 国連のブラヒミ事務総長特別代表(アフガニスタン問題担当)が、タリバン政権崩壊後のアフガン新政権についての構想を明らかにした。
 構想では2年以内に新政権の樹立を目指し、全民族から成る暫定評議会を招集させることが提唱された。その間、治安維持のために多国籍部隊を派遣すべきとしている。
 ブラヒミ特別代表は、なるべく早い時期に、暫定評議会の招集へ向けアフガン各派と協議を行いたいとの意向を示した。(ロイター)
タリバンがアフガン中部のウルズガン州から撤退、カンダハルが脅威に=AIP


 [イスラマバード 14日 ロイター] アフガニスタンのタリバン勢力が、同国中部のウルズガン州から撤退したことで、南部の同勢力の本拠地カンダハルが脅威にさらされることになった。
アフガン・イスラム通信(AIP)が報じた。
AIPがアフガンの情報筋の話として報じたところによると、同州の州都タリンコットは、タリバンがカンダハルに撤退した後、地元の住民や指揮官の手に落ちた。
同州は、タリバンの最高指導者ムハマド・オマル師の先祖が住んでいた州。
またタリバンは、同国東部のロガル州からも撤退した。(ロイター)
<アフガン派遣>治安維持に多国籍部隊 国連が正式承認へ

 【ニューヨーク上村幸治】アフガニスタン問題を議論している国連安全保障理事会で13日、英国とフランスが米国などの同意を得て治安維持のための多国籍部隊の現地展開を承認する決議案草案を作成し、関係国に提示した。毎日新聞は同日、この草案を入手した。国連外交筋は、決議案が16日にも採択され、多国籍部隊の派遣も正式に承認される見通しだと述べた。

 国連の承認という「お墨付き」を得ることでイスラム諸国をはじめ各国が参加しやすくなるとみられ、日本でも論議される可能性がある。

 草案は「アフガニスタン住民と暫定政権のため、タリバン支配下でなくなったアフガニスタンの地域、とりわけ首都カブールの安全を確保するための努力を、加盟国が支持することを奨励する」という表現になっている。

 国連筋は、この表現がアフガン人による治安部隊の展開だけでなく、「加盟国による多国籍部隊派遣も承認することを意味する」と述べた。

 湾岸戦争の際は加盟国に武力行使の権限を付与するために「必要なあらゆる手段を講じる権限を与える」という表現を使った。今回は治安維持を目的とするものであり、表現が異なっている。

 アフガン情勢は、反タリバン連合(北部同盟)のカブール制圧によって流動化しており、治安維持のためにアフガン人で構成する治安部隊か多国籍部隊を派遣すべきだという意見が出ている。

 国連筋は、「アフガン人部隊の構成には時間がかかり、急変している状況に対応できない」と説明、「多国籍部隊の展開が現実的だろう」と述べた。(毎日新聞)
タリバン、本拠地カンダハルを撤退か

 【イスラマバード14日=大内佐紀】ロイター通信によると、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」のアブドラ外相は13日夜の記者会見で、「カンダハルからタリバン当局者の姿が消えている」と述べた。タリバンが都市部を捨て、山岳地帯でのゲリラ戦に持ち込む戦略的撤退との見方がある。北部同盟のカヌニ内相は14日、「カンダハルで民衆ほう起が起きているとの情報がある」と語った。同内相は「タリバンはいまや、全土の20%以下しかおさえていない」と述べた。(読売新聞)
アフガン南部でも特殊作戦

 【ワシントン13日=林路郎】ラムズフェルド米国防長官は13日の記者会見で、アフガニスタンの首都カブールを撤退し、南部へ逃走中のタリバン要員に米軍機が爆撃を加えていることを明らかにするとともに、タリバンが本拠を置く南部でも、米軍が特殊作戦に踏み切り、同時テロの首謀者と見られるウサマ・ビンラーディン率いるテロ組織「アル・カーイダ」とタリバン指導部の徹底壊滅を目指す方針を改めて強調した。

 長官は同日、「軍事上の最大目的はアル・カーイダとタリバン指導部の壊滅。タリバン兵が逃亡、潜伏、再編しても徹底的に壊滅する」と強調する一方、タリバン兵に投降も促すなど切り崩し工作にも一層力を入れる方針を示した。

 また、会見に同席したマイヤーズ統合参謀本部議長によると、山岳地帯の洞穴などに潜んでいたタリバン部隊が13日、各地で姿を現して逃走を開始。米軍機はこれらを「新たな標的」と位置づけ、人員、車両、戦車、弾薬貯蔵目的の洞穴などを重点的に爆撃している。

 また、ラムズフェルド長官は、北部同盟が進駐したカブールにも「少数の米軍部隊がいる」ことを認め、北部同盟の指導者への助言や、現地情勢の把握に乗り出したことを明らかにした。これらの部隊はカブールの北方戦線で、対タリバン攻撃を支援していた特殊部隊の一部と見られる。

 南部に投入された特殊部隊を活用した特殊作戦は、南部の主流民族であるパシュトゥン人勢力内での造反勢力の形成や、「依然、相当の戦力を維持している」(マイヤーズ議長)タリバンへの攻撃のほか、拘束・暗殺対象となっている幹部の所在などに関する情報収集を目的にしていると見られる。

 長官はまた今後、タリバンやアル・カーイダ幹部が国外逃亡する可能性を指摘。イラン、パキスタン、ソマリア、スーダンの4か国の名を挙げ、「彼らを受け入れれば、その国はアフガニスタンのようにテロと一体化し、イスラム国家は不安と動乱に陥るだろう」と警告した。(読売新聞)
「アフガンに2年以内に新政権」国連構想明らかに

 【ニューヨーク13日=勝田誠】国連のブラヒミ・アフガン担当事務総長特別代表は13日、国連安全保障理事会で、首都カブールが陥落したアフガニスタンに、2年以内の新政権樹立を目指し、すべての民族、地域、宗教などを代表する暫定評議会を発足させる構想を明らかにした。首都の治安維持については、新政権樹立までの間、多国籍軍が担うべきだと提唱した。

 また、ブラヒミ氏は、アナン事務総長の指示に基づき、同日、ベンドレル事務総長特使をカブールに急派、反タリバン勢力の北部同盟との交渉に当たらせ、人道支援活動の強化のため早急に治安を回復するよう求めることも明らかにした。

 国連はカブール陥落などで急展開するアフガン情勢が、政治的真空状態を生み出すことを懸念している。

 ブラヒミ氏は、このため、できるだけ早く北部同盟などアフガン各派との会議を開き、国連支援の下で全民族、地域の代表や、政治から遠ざけられてきた女性から成る暫定評議会を招集し、国民和解の新政権づくりに必要な新憲法草案などを起草する、などの道筋を提案した。また、暫定評議会の議長は「国家統一の象徴」となる人物が務めるべきだとしており、ローマに在住するザヒル・シャー元国王が有力との見方を示した。

 安保理がこの構想を承認すれば、国連はアフガン各派の指導者をジュネーブなどに緊急に集め、準備を進める予定だ。

 ブラヒミ氏は、和平の前提となる治安回復は、アフガン人が構成する治安維持部隊が最も望ましく、同部隊の編成準備を早急に始めるべきだと提案。しかし、「短期間の編成は不可能」なため、主要都市の治安維持には、多国籍軍の投入を真剣に検討すべきだとした。国連平和維持活動(PKO)は、準備に「数か月」を要し、停戦合意のない状況には向かないとして除外した。(読売新聞)
タリバンが東部4州の支配権を失う、支配地域は全土の20%以下に=北部同盟


 [カブール 14日 ロイター] アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」のコヌニ内相は、タリバンが、地元住民の抵抗で、東部4州の支配権を失った、と述べた。
 ロイター通信に明らかにしたもの。
 同相は、「これにより、タリバンの支配地域は、アフガニスタン全土の20%以下になった」と述べた。(ロイター)
パキスタンに3億ドル=無償で追加支援−政府

 政府は14日、米国などによるアフガニスタンでの軍事行動に協力しているパキスタンに対する追加支援策として、約2年間で総額3億ドル(約360億円)の無償資金協力を行う方針を決めた。テロ対策特別措置法に基づく対米支援の基本計画が16日に閣議決定するのに併せて発表する方向で調整している。 (時事通信)
タリバンの処遇が重要=官房長官

 福田康夫官房長官は14日午前の記者会見で、反タリバンの北部同盟がカブールを制圧したことに関し、「基本的にアフガニスタン全体が平和になるのがいいことで、その方向に向かっていろいろ動きがあると思う」と指摘した上で、「それを考えながら、タリバンをどう処置するかが大事だ」と述べ、アフガンの新政権づくりではタリバンをどう取り扱うかが重要になるとの認識を示した。 (時事通信)
<アフガン>早くも温度差 米の残虐行為懸念に露は北部同盟擁護

 【ワシントン布施広】13日行われた米露首脳会談では、アフガニスタン情勢が大きな討議課題になった。両首脳はアフガン新政権の樹立や再建に協力することで一致したが、ブッシュ米大統領がアフガンでの残虐行為に懸念を示したのに対し、プーチン・ロシア大統領は反タリバン連合(北部同盟)を擁護。北部同盟との関係が深いロシアと米国の温度差が早くも浮き彫りにされた。

 会談後の共同会見でブッシュ大統領は、アフガンの安定実現のために北部同盟と協力する意向を表明し、北部同盟が「首都制圧の意図はない」と伝えてきたことを評価した。ブッシュ大統領は10日、ムシャラフ・パキスタン大統領との共同会見で、北部同盟のカブール入りを「支持しない」と表明していた。

 一方でブッシュ大統領は、北部同盟が市民の人権を尊重することを求め、アフガンから伝えられる虐殺、略奪などの情報に懸念を示した。これに対しプーチン大統領は「北部同盟が戦争捕虜を射殺しているとの情報は数日前に流れた。この時点で北部同盟はカブールに入っていない」と虐殺情報に反論した。

 さらにプーチン大統領は、北部同盟は当時アフガン北部を「解放」していたのであり、「自分たちと同じウズベク人やタジク人を射殺したと考えるのは非常に困難だ」と主張。残虐行為があったとすれば、その「証拠」が必要だと述べた。タリバンと対立するロシアは北部同盟を積極的に支援してきた。

 首都カブールに入った北部同盟は、パシュトゥン人が多数派のアフガンでは少数派の民族で構成される。米国が北部同盟の首都入城を警戒したのは、少数派が政権樹立を宣言すれば新たな内戦は避けられないとの判断からだった。

 米露首脳は、アフガンに「多民族で構成する政府」を樹立する方針では一致している。しかし北部同盟に対する歴史的関係や支援の度合いは大きく異なっており、政権の民族的構成比などで米露の意見が対立することも予想される。(毎日新聞)
 【ワシントン13日=永田和男】ブッシュ米大統領とプーチン露大統領は13日、ホワイトハウスで会談後共同記者会見し、ブッシュ大統領は米国が今後10年間で戦略核弾頭を現在の約7000発から、「1700―2200発まで削減する」と発表した。

 プーチン大統領は、「米国の提案に感謝し、同様の回答をしたい」と述べ、ロシアもやはり、核弾頭の大幅削減を行う意向を示したが、その前に「信頼できる、検証可能な合意が必要だ」との条件を付け、今回は発表を差し控えた。

 また米国のミサイル防衛構想についてプーチン大統領は、「我々の立場は変わらない」と述べ、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を維持したい考えを改めて示し、14日以降、会談場所をテキサス州のブッシュ氏の牧場に移して協議を続けると語った。

 タリバンの敗走で急がれるアフガニスタン新政権の問題を巡っては、ブッシュ大統領は、「広範な基盤を持つ、多民族による統治が望ましい」との考えを改めて表明。「北部同盟は我々に対し、首都カブールを統治する考えはないと言っている」とも述べ、少数民族で構成される北部同盟の独走をけん制した。

 これに対しプーチン大統領は、「アフガン北部では、(アフガン全体では多数派の)パシュトゥン人以外の民族が多数派であるのは事実だ」などと述べ、北部同盟の立場にも理解を示した。

 ブッシュ大統領は、旧共産圏に対する貿易を制限する「ジャクソン・バニク条項」の対象からロシアを除外する考えを正式に表明。また、北大西洋条約機構(NATO)とロシアの間で、テロなどの問題に対処する、ロシアも議決権を持つ新たな機構を設置する構想も明らかにした。(読売新聞)
<アフガン>タリバン後は多民族政府樹立で一致 米露首脳 

 ブッシュ米大統領とプーチン露大統領は13日、ホワイトハウスで会談し、アフガン情勢を集中的に討議した。両首脳はタリバン後のアフガンに「広範な基盤を持ち、多民族で構成される政府」を樹立する必要性で一致、この方向で国連を支援することを確認した。さらに生物兵器テロに対処する協力を強化することを約束した。(毎日新聞)
トルコ外相、アフガニスタンに平和維持軍を派遣する意向を表明


 [国連 13日 ロイター] トルコのジェム外相は、アフガニスタンに平和維持軍を派遣する意向があることを表明したうえで、トルコ政府はアフガニスタンの将来に対する発言権を有する、と述べた。
同相はロイター通信とのインタビューで、アフガニスタン国内でタリバン政権の支配を逃れた各地域に対し、国際社会が早急に経済支援を提供すれば、一般のアフガン国民が環境変化の恩恵を即座に受けることができるとし、国際社会の迅速な行動の必要性を強調した。
そのうえで、「われわれ(トルコ)が(アフガン)国内での重要な任務を分担するのであれば、もちろん組織の中核に加わるべきだ。アフガン国内の政治環境を決定するにあたっての発言権を封じられるのであれば、トルコは平和維持軍を派遣しない」と述べた。
さらに、今のところ正式な要請はないものの、「コンセンサスが得られれば、トルコは平和維持軍派遣における重要な役割の一部を担う」と述べた。(ロイター)
<北部同盟>「カブール進攻は治安上の問題」 アブドラ外相

 【イスラマバード澤田克己】アフガニスタン・反タリバン連合(北部同盟)のアブドラ外相は13日夜(日本時間14日未明)、首都カブールで会見した。現地からの報道によると、外相は、米国などの意向を無視する形でカブールに入った理由について、タリバン政権の首都放棄で「治安上の問題が生じたため兵力を入れざるをえなかった」と釈明した。

 外相によると、約8000人いたタリバン兵士は12日深夜ごろに撤退した。北部同盟はその後、6000人の兵士をカブールに投入して治安維持と首都防衛の任に当たらせているという。

 外相は「タリバン以外の全勢力」に対して、「タリバン後」の暫定政権協議に参加するためカブール入りするよう呼びかけた。さらに、国連にも政権協議のプロセスに参加するための代表団派遣を要請した。(毎日新聞)
<北部同盟>指導者が権力独占か 「元国王帰国は一市民として」

 【イスラマバード澤田克己】アフガニスタン・反タリバン連合(北部同盟)指導者のラバニ前大統領は13日、カタールのアラビア語衛星テレビ「アルジャジーラ」に対し、「(イタリア亡命中のザヒル・シャー元国王は)帰国できるが一市民としてだ」と述べた。この発言は、首都カブールを掌握した北部同盟による権力独占を目指したものといえそうだ。

 北部同盟のカブール制圧後、前大統領が暫定政権の枠組みに言及したのは初めて。前大統領は、14日にカブール入りすることも明らかにした。

 米国や国連はこれまで、暫定政権の中心になりうる人物として元国王を重視し、元国王と北部同盟が協力するよう後押ししてきた。この背景には、少数民族主導の北部同盟だけで安定政権を作るのは不可能だという判断がある。元国王の影響力はかなり低下しているものの、多数派パシュトゥン人まで含めた全国民をまとめる象徴になりうる人物は元国王以外に見あたらないとみられているからだ。

 前大統領の発言は、暫定政権協議で、より有利な位置を占めようとする駆け引きの一環との見方もある。しかし、北部同盟内の有力者、ドスタム将軍もカブール掌握後、毎日新聞の衛星電話での取材に対して「(暫定政権は)タリバンが権力を握る以前と同様の形になる」と言明。北部同盟による権力独占を狙っていることを示唆している。

 北部同盟が本当に元国王排除に動いた場合、米国やパキスタンとの緊張が高まることは確実だ。さらに、パシュトゥン人が強く反発することも目に見えている。安定政権が実現しなければ、もともとは内戦での敵対勢力だった北部同盟内各派の反目も強まり、ラバニ政権時代の泥沼の内戦への逆戻りが懸念される。(毎日新聞)
アフガンのカブールに小規模の米部隊を展開=ラムズフェルド国防長官


 [ワシントン 13日 ロイター] ラムズフェルド米国防長官は、アフガニスタンの首都カブールを制圧した北部同盟に助言する目的で、同都市に小規模の米軍部隊を展開していることを明らかにした。
同長官は、記者会見で、「カブールにはごく少数の米軍を展開している。首都全体を監視、もしくは警備するには不十分な規模だ」と述べた。
同長官は、カブールの「指導部」に助言し諮問に応じることと、米当局に現状を報告することが、部隊を派遣した目的だ、と説明した。
そのうえで、「現時点は報告は受けていない」と付け加えた。(ロイター)
<アフガン>地上戦本格化へ 制圧地の空港使用表明 米国防長官

 ラムズフェルド米国防長官は13日の記者会見で、北部同盟が制圧したアフガニスタンのマザリシャリフと首都カブール近郊の空港の滑走路などを近く修理し、人道支援物資の搬入に使用する意向を表明した。修理や警備のために米軍や他国の地上軍を投入するとみられ、軍事面も含めた地上作戦が本格化する見通しとなった。(毎日新聞)
米国は北部同盟に対し人権尊重の重要性を強調する=ブッシュ大統領


 [ワシントン 13日 ロイター] ブッシュ米大統領は、アフガニスタンの反タリバン勢力、北部同盟はカブールを占領する計画はないことを明らかにしているとしたうえで、米国は北部同盟に対し、人権を尊重することの重要性を強調する、と述べた。
ブッシュ大統領はロシアのプーチン大統領との共同記者会見で、北部同盟がカブールに進攻する際に捕虜を殺害したとの報告を認識している、と述べた。
そのうえで、「われわれは、北部同盟が解放している人々の人権を尊重することを確実にする方向で、北部同盟幹部と引き続き協力していく」と述べた。(ロイター)
ドイツ首相、アフガン派兵で内閣信任投票の意向を表明


 [ベルリン 13日 ロイター] ドイツのシュレーダー首相は、与党社会民主党(SDP)に対して、同国の連邦軍兵士をアフガニスタンに派遣する問題について、政府内の基盤を強めることを目的に信任投票を行う意向を示した。
SDP筋が明らかにした。
内閣信任投票の動議は、ドイツ国内では、戦後3回しか出されたことがないという。
同首相は、SDP所属の議員に向け、この投票を実施することにより連立与党内の結束を強めることを狙っているという。(ロイター)
アフガン北部同盟の勝利は勇気づけられる、状況は依然流動的=米政府


 [ワシントン 13日 ロイター] 米国防総省は、アフガニスタンのタリバン勢力との地域戦で北部同盟が迅速に勝利を収めていることに勇気付けられており、米戦闘機が、敗走するタリバン勢力と武装勢力であるアルカイダの兵員に攻撃を加えている、と明らかにした。
 同省のビクトリア・クラーク報道官は、記者団から、タリバン軍とアルカイダの兵員が首都カブールから撤退した後の北部同盟の侵攻とカブール制圧について問われ、「昨日(12日)の報道は勇気づけられる内容だ。タリバンとアルカイダ勢力が撤退したことについては確認がとれ、(米軍機は)こうした勢力に、さらに攻撃を加えている」と述べた。
 しかし同報道官は、アフガニスタン北部の状況を「流動的」であると表現し、「個人的には、『占領』や『陥落』といった言葉は使わない。こうした表現は、極めて断定的で、早急すぎる。カブールやヘラートを含むこうした多くの拠点では、アルカイダやタリバン勢力にとっては、事態が厳しい方向に向かって進展し始めている、との認識を持っている」と述べた。(ロイター)
タリバン戦略?首都撤退

 タリバン兵士を満載したピックアップトラックや戦車が12日夜から、次々とカブールから幹線道路を西と南へ向け長い列をつくった。翌朝、首都からはタリバン兵の姿はほとんどなし。入れ替わりに、9月に暗殺された北部同盟の最高指導者、マスード元国防相の写真を掲げたトラックが同盟兵士を乗せて次から次へと市中心部へなだれ込んだ。

 96年にタリバンに奪われてからほぼ5年ぶりの首都奪回。大きな戦闘はなく、事実上の無血入城となった。北部同盟はこれにより、アフガン北部地域のほとんどを手にしたことになる。

 共同電などによると、北部同盟は6000人の兵力を前線に配し、12日からカブールへの2方面からの進撃作戦を開始。タリバン兵1000人前後が投降した。アブドラ外相は、カブール市内でタリバン政権の高官や家族、重火器を伴った軍部隊が、タリバンの本拠地カンダハルに向けて集団で脱出していることを明らかにした。AP通信によると、タリバンが撤退の際、拘束している非政府組織(NGO)の米国人ら8人を連れ去るのが目撃された。

 北部同盟側はファヒム国防相率いる部隊がカブール入り。アブドラ外相も到着した。カブールには軽武装の北部同盟警察部隊約5000人が展開、治安維持に当たっている。市民はタリバン軍の撤退を歓迎、市内は平穏と伝えられているが、タリバン撤退とともに、刑務所から服役囚が逃げ出し、略奪も発生するなど、情勢はなお混とんとしている。

 アフガン・イスラム通信によると、北部同盟はカブール制圧後、東部の要衝ジャララバードに向けて進撃を開始。また、北部同盟のラバニ大統領の報道官は共同通信の電話取材に対し、カンダハルの2つの空港からタリバン勢力が敗走、同盟側が空港を制圧したと語った。


ゲリラ戦へ軍事力温存



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 順調すぎるほどの北部同盟の“快進撃”と対照的に、不気味なまでの“敗走”をみせるタリバン。ほとんど抵抗もせず首都を明け渡し撤退した背景には、軍事力を温存し、ゲリラ戦に向けて態勢立て直しを優先させたためとみられる。

 軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は「兵力1万人前後にすぎないとされる北部同盟が支配地域を広げすぎ、部隊の密度が薄くなったところで背後などから叩き、同盟全体を弱体化させること」と推察。

 一方、米国やパキスタンなどの反対にもかかわらず北部同盟がカブールを制圧したことで、アフガン情勢は流動化が加速、ビンラディン氏の身柄拘束などを目指す米国の「テロとの戦い」も一層、複雑な構図に。


米政府は歓迎と懸念

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 米政府は12日、アフガニスタンでタリバン軍が首都カブールから敗走したことは歓迎しながらも、北部同盟の首都制圧に対しては、「タリバン後」の政権づくりの混乱の種になると懸念を深めている。受け皿となる新政権や治安維持の道筋ができていない段階であり、アフガニスタン各派の反発を呼ぶのは必至だからだ。ブッシュ大統領は同日、北部同盟の首都進攻に先立ち、カブールは「多民族共存の都市でなければならない」と述べ、北部同盟の首都支配を認めない考えをあらためて強調していた。10日にはパキスタンのムシャラフ大統領とこの点で合意したばかりだった。
円、121円台後半=NY外為

 【ニューヨーク13日時事】連休明け13日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」が首都カブールを制圧したとの報を好感したドル買い・円売りに、1ドル=121円台後半に下落した。午後5時現在は121円60〜70銭と、前週末同時刻(120円25〜35銭)比1円35銭の円安・ドル高。12日は復員軍人の日のため休場だった。 (時事通信)
NY株急反発、196ドル高=ナスダックは大幅続伸

 【ニューヨーク13日時事】13日の米株式市場では、米軍主導のアフガニスタンでの対テロ戦争が早期に終結するとの期待を背景に買いが強まり、優良株で構成するダウ工業株30種平均は急反発、前日終値比196.58ドル高の9750.95ドルと、9月上旬以来約2カ月ぶりの高値水準で終了した。ハイテク株中心のナスダック(店頭市場)総合指数は大幅続伸、51.98ポイント高の1892.11で引けた。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比3億6353万株増の13億7017万株。 (時事通信)
反タリバン政権のラバニ大統領、14日にカブールに戻るとの意向を表明


 [ドバイ 13日 ロイター] アフガニスタン・反タリバン政権のラバニ大統領は14日、5年ぶりにカブールに戻るとの意向を表明した。
 同氏はカタールの衛星テレビ局、アルジャジーラに、「神のご意思にしたがい、あすカブールに戻る」と述べた。
 タリバンが1996年9月、カブールを占領し、ラバニ氏は脱出していた。(ロイター)
ジャララバードは依然タリバンの支配下にある=タリバン政権幹部


 [イスラマバード 13日 ロイター] アフガニスタンのタリバン政権情報機関幹部は、ジャララバードは依然タリバンの支配下にあると述べ、すでに北部同盟が制圧したとの一部報道を否定した。
 これより先、国営イラン通信(IRNA)は、ジャララバードはすでに陥落し北部同盟が制圧したと報じていた。
 この幹部はロイター通信に対し、「これは誤報だ。タリバン軍はなお、ジャララバードにいる」と述べた。(ロイター)
北部同盟、マザリシャリフでタリバン兵士100人以上を殺害=国連


 [イスラマバード 13日 ロイター] 国連のステファニー・バンカー報道官は、アフガニスタン北部のマザリシャリフで身を隠していたタリバン兵士100人以上が、北部同盟に殺害された、と述べた。
同報道官は記者会見で、複数の筋から確認を得た情報として発表した。これ以上の詳細は明らかになっていない。
同報道官は、「アフガニスタン国土における状況は急速に変化している」と述べ、首都カブールでは略奪も報告されているが、被害の規模は比較的小さい、と付け加えた。(ロイター)
アルカイダは依然として危険な組織=マイヤーズ米統合参謀本部議長


 [ワシントン 13日 ロイター] マイヤーズ米統合参謀本部議長は、ウサマ・ビンラディン氏が率いるアルカイダは、なお危険な組織との認識を示した。
同氏は記者団に対し、「テロ組織・アルカイダは、なお危険な存在である。アフガニスタンに対する軍事行動の目的は引き続きアルカイダを壊滅し、アフガン国内におけるタリバン勢力の支配力を消滅させることだ」と述べた。(ロイター)
数千人の反タリバン軍、アフガン南部のカンダハルに迫る=目撃者


 [クエッタ(パキスタン) 13日 ロイター] 数千人の反タリバン兵士は、タリバン勢力の拠点であるカンダハル近郊の空港を占拠した後、カンダハルに向けて進行した。
パキスタンのチャマンに到着した目撃者が明らかにしたもので、4000~5000人の兵士が、カンダハル南方30キロメートル付近にある飛行場を13日に占拠したとし、13日遅く、あるいは14日未明にもカンダハルに侵攻する可能性がある、と述べた。(ロイター)
反タリバン勢力部隊、パキスタン・アフガン国境に達する=目撃者


 [トルクハン(パキスタン) 13日 ロイター] ロイター通信のカメラマンによると、アフガニスタンの反タリバン勢力、「北部同盟」の部隊が、パキスタンとの国境に通じるハイバル峠西側の駐屯地に現地時間13日夜に達した。
 しかし、パキスタンの入国管理当局者は、タリバン兵は依然、国境地域に詰めているとした。
 しかし現地時間午後6時30分(1300GMT)頃、北部同盟の部隊が接近するにつれ、アフガン側のタリバン兵士が撤退した、とロイター通信のカメラマンは述べた。(ロイター)
国連の政治担当スタッフをカブールに派遣=ブラヒミ事務総長特使


 [国連 13日 ロイター] ブラヒミ国連事務総長特別代表(アフガニスタン担当)は、国連の政治問題担当スタッフをカブールに即時派遣するとの意向を示すとともに、アフガニスタンの将来について協議するために、できるだけ早い時期に全勢力とその支持者が会合を持つべきだと呼びかけた。
 ブラヒミ氏は安全保障理事会での演説のなかで、部下であるベンドレル事務総長特使が治安状況が確認でき次第カブール入りし、国連のスタッフがそれに続く、と述べた。(ロイター)
アフガン情勢安定化と民族紛争回避に国連軍が必要=パキスタン大統領


 [イスタンブール 13日 ロイター] パキスタンのムシャラフ大統領は、アフガニスタン情勢の安定化を図り民族紛争の勃発を回避するためには、イスラム諸国が参加するかたちでの国連軍の緊急派遣が必要との認識を示した。
 ムシャラフ大統領は、トルコのエチェビット首相との会談後、イスタンブール空港で、「国連軍を、しかもイスラム諸国会議機構(OIC)やイスラム諸国が参加するかたちで(アフガニスタンの)安定化のために派遣することがきわめて重要だ」と述べた。
 そのうえで、「アフガン情勢はきわめて速いペースで進展しており、これを上回るペースで対応策を講じる必要がある。権力の真空状態が長期化すれば、民族紛争が勃発する危険性が高まる」と述べた。(ロイター)
【フィリピン】消費者信頼指数が急降下、雇用不安増大

消費者の政府に対する信頼度や景況感を表わした「消費者信頼指数」は、11月上旬にまとめた調査で75.7ポイントとなり、前回9月末の調査時に比べ急落、今年最低値を大幅に更新した。特に消費者が雇用に不安を抱えていることが浮き彫りになった。英字紙『ビジネスワールド』と米国の調査機関オーディッツ&サーベイズ・ワールドワイド(ASW)がまとめた消費者信頼指数は、9月末から17.9ポイント低下した。現在の景況感や政府への信頼度を示す「景況感指数」が9月比マイナス23.5の92.7ポイント、今後の雇用環境や世帯収入の動向を反映する「将来期待指数」が同マイナス14.7の65.4ポイントだった。
景況感指数を構成する政府信頼度では、「政府の仕事ぶりが悪くなっている」という回答の割合が約8ポイント増加した。こうした結果についてモレノ下院議員は「エストラーダ前政権から交代した直後は、人々の間に幸福感があった。しかしそれは持続せず、国民はアロヨ政権の現実をチェックしている」と分析した。また別の質問では米軍によるアフガニスタン攻撃を支持する人がしない人をわずかに下回るという結果が出ており、攻撃を全面的に支持するアロヨ政権への評価が分かれたとみられる。
一方、将来期待指数を構成する今後6カ月の雇用に対する予測では、「雇用情勢が悪化する」との回答が全体の70.8%となり前回の57.6%から急増した。「改善する」と答えたのはわずか4.9%に減少した。
これに伴い「家計が悪化する」も約12ポイント上昇。IT(情報技術)不況や同時多発テロ事件による世界経済の停滞がフィリピン経済にも悪影響を及ぼす中、雇用不安が高まっていることが明確になっている。(NNA)