![]() |
2001 10/30 |
10/30 | 【ルポ/クエッタ難民キャンプ】「1日2000人の難民が越境」
アフガニスタンと国境を接しているパキスタン南部バルチスタン州の国境都市、クエッタ(Quetta)。一本の木も見当たらない赤い土のモルダル山を背景にしたオルスモングリ村のアフガン難民キャンプには、十数コのよれよれのテントが集まっている。ここで会った難民のバッハドロ(45)さんは「米軍の爆撃でアフガンの全ては破壊された。何も残ってない」と怒りをぶちまけた。 ▲アフガニスタン内部の状況 この難民キャンプの村長格のバッハドロさんは、アフガン南部のヘルマンドで石油部門の政府機関の公務員として働いていたが、米軍の空襲を逃れるため2週間前にここに渡ってきたという。彼は「建物の60%以上が破壊された」と主張した。また、「住民の80%はアフガンを離れようとしている。30%は近隣国に到着したが、30%は国境を越えられずにいる。残り20%は機会をうかがっている」と話した。このため、国境へと通じる道路には、避難民の行列が後を絶たないという。タリバン政権はアフガンを離れる住民を制止せず、住民らと完全に離れ、山の奥や洞窟に隠れては米軍に反撃を加えていると、彼らは伝えた。 アフガン南東部のカンダハルに住んでいたハナン(60)さんは、米軍の巡航ミサイルで危うく死ぬとこだったという。「今月11日の夕方7時ごろ、家族と家の外でお茶を飲んでいたら、何かが水平に飛んで来て家をめちゃくちゃに壊した」とのこと。彼は「爆撃が恐ろしく、翌日妻や子供、親戚など14人の家族を連れ、チャマンの国境を経てクエッタに到着した」としながら、「カンダハルの住宅や建物の80%以上が壊され、人口500万人の半分くらいが故郷を離れた」と主張した。 ▲国境の状況 パキスタン政府は押し寄せるアフガン難民を全員収容することができず、老人や子供、女性だけの入国を許可し、男性に対しては入国を禁じている。クエッタ市の警察官、アサン(23)さんは「合法的に入国する難民は、1日900〜1000人ずつチャマンの検問所を通じて入ってきている。不法越境者まで合わせると、1日約2000人くらいがクエッタに押し寄せている」と話す。 押し寄せる難民で、パキスタンの国境守備隊も限界を見せ始めている。バッハドロさんは「チャマンの検問所で国境守備隊が私たちを阻止したが、数百人が一気に押し倒した」と話した。このようなことはほぼ毎日起こっていると、彼らは伝えた。 ▲孤児が続出 砂埃の風が果てしなく吹き荒れるオルスモングリ難民キャンプのテント周辺には、靴も履いていない3〜5歳くらいの子供たちが積み上げられた石やゴミの側で遊んでいる。大きな瞳に鼻水の跡の付いたモナード・イブラヒム(5)ちゃんは10日前、叔父の手に引かれここへ来た。ヘラに住んでいたモナードちゃんの叔父、アウラング(52)さんは「米軍の爆撃で弟夫婦が死に、200匹の羊も皆殺しになった。5歳の甥を見ると胸が張り裂ける」と目に涙を溜めた。 クエッタの外郭、バロリー地域の難民キャンプは10年以上も前に建てられたが、ここにも孤児たちが押し寄せている。腐った水と泥がごっちゃ混ぜになった道に沿って中へと進めば、セメントでできた3〜4坪ほどの狭い空間で5〜8歳の子供たちが壁に向って一列に並んで座っては一生懸命に手を動かしている様子を目にすることができる。小さな手に針を持って、色とりどりの毛糸を巻きながら絨毯を編んでいるのだ。手は腫れ上がり、衣服や顔は洗ったのがいつなのか、垢でてかてかになっている。 カンダハルに住んでいたというザミール(9)君は15日前、爆撃で家族全員が死亡すると、村の人々について3日前、ここに来たという。この少年はこの絨毯工場で1日15時間働き、食事と寝場所を提供してもらっている。セメント張りの床で他の子供たちと一緒に寝る。「児童虐待」の水準だが、ここの子供たちは「道端で物乞いをするよりはまし」としながら、「アフガンより、ここが好き」と話した。 クエッタ=池海範(チ・ヘボム)特派員 |
<テロ大戦>アルカイダの中核200人、アフガンを脱出 ウサマ・ビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」の中核メンバー150人から200人が最近2カ月間、アフガニスタンを極秘裏に脱出したと28日、米ニューズウィーク誌が報道した。 同誌は11月5日付の最新号で、「旅行代行業者」と呼ばれるパキスタン密入国あっせん業者らの話を引用し、「アルカイダのベテラン戦士らが最終目的地を英国あるいはドイツと定め、中央アジアを経由し、ウクライナに向かっている」と報道した。 パキスタン国境都市ペシャワルのある密入国あっせん業者は「(アフガン内の)アラブ系戦士らは2万〜3万ドルを払い、アフガンを脱出した」と話したと同誌は伝えた。 同誌はこれと関連し、アフガン国境を越えるのは非常に簡単だと伝えた。 同誌は現地人の話を引用し「国境は大きく開かれた道路のような状態」とし、「タリバン兵士らも金を受け取って、国境を行き来する行為を黙認している」と伝えた。 また、「国境を通過するのは難しくないため、このルートを通じ、アフガン内部に関する貴重な情報が流出している点を米国は非常に重視している」とし、「特にこの情報は軍事作戦担当者には非常に意味のあるものだ」と伝えた。 姜賛昊(カン・チャンホ)記者 < stoncold@joongang.co.kr > 2001.10.29 21:49 |
|
ビンラディン氏 第2のテロ指令 -------------------------------------------------------------------------------- ビンラディン氏が第2のテロにゴーサイン(AP) ウサマ・ビンラディン氏が第2のテロにゴーサイン。29日発売の米誌ニューズウィークは、ビンラディン氏が欧米にあるテロ組織アルカイダの「細胞」に対し、第2波のテロ攻撃を指令したと報じた。同誌はアルカイダのメンバー多数がアフガニスタンをひそかに出国し、欧州に向かっていると指摘。一方、イタリアでは大物テロリストが行方をくらましており、米当局などは欧州での対米テロに警戒を強めている。 今なお、世界各地に数十の「細胞」を抱え、数千人が新たなテロ攻撃の指令を待っているといわれるアルカイダ。欧米にある「細胞」にいよいよ指令が下った可能性が出た。 ニューズウィークによると、米中央情報局(CIA)が協力者の活動や通信傍受で、ビンラディン氏が欧米の工作員に出したテロ決行の「青信号」について、多くの情報を得たとしている。具体的な攻撃目標や決行時期については明らかになっていないが、工作員は「カブールからの暗号指令を待つ必要はない」との指令を受けており、いつでも行動できる態勢に入っているという。 また、同誌はパキスタンの密出国ブローカーの話として、アルカイダのメンバーら150〜200人がアフガニスタンをひそかに出国し、欧州方面に向かっていると報じた。出国はここ2カ月に集中し、1人2万〜3万ドル(約244万〜366万円)を払って、偽の身分証明書を入手。タジキスタンやウズベキスタンからウクライナを経由し、最終的には英国やドイツなどアフガン人の多い国への入国を狙っているともいわれる。イスラマバードの外交官は、こうした密出国者が新たなテロを起こす恐れがあると指摘している。 一方、28日付のイタリアのコリエレ・デラ・セラ紙は、アルカイダにつながるアラブ系の大物テロリストが約10日前に、ミラノで警察の尾行を逃れて姿を消し、欧州の警察が必死で行方を追っていると報じた。 このテロリストはアブ・ドナのアラブ名を持ち、米情報機関の分析で、ビンラディン氏の横で写真に撮られているほどの大物と判明。アフガン国内で99年までアラブ志願兵の訓練の責任者を務め、爆弾製造のスペシャリストでもあるという。イタリア国内では、ザヒル・シャー元国王が亡命生活を送っており、緊張が高まっている。 ▼日大国際関係学部教授・大泉光一氏 欧州にはアルカイダの拠点もある上、中枢同時テロと並行してフランスの米大使館爆破計画も進められていたといわれていることから、欧州での第2のテロ攻撃の可能性は当然あり得る。欧州にはアラブ系の不法滞在者が多数おり、テロ工作員にとっては一番やりやすく、逃げやすい。 |
|
米軍、アフガン東部パクティア州を初めて攻撃 【イスラマバード29日=森太】米CNNテレビなどによると、米軍は29日、空爆地域を拡大、パキスタン国境に近いアフガニスタン東部のパクティア州にあるタリバンの軍事施設を初めて攻撃した。また、タリバンが拠点とする南部カンダハルの空港や、西部ヘラートに展開するタリバン部隊も空爆した。 アフガン・イスラム通信によると、パクティア州では米軍機が少なくとも爆弾2個を投下、村人2人が死亡した。カンダハルでも民間人2人が死亡したという。(読売新聞) |
|
韓国議員グループがテロ特措法を批判 「平和憲法破る」 韓国国会の超党派議員グループ22人は30日、日本のテロ対策特別措置法など関連3法の成立を受けて声明を発表し、「日本の平和憲法の枠を破るものだ」と批判、韓国政府に対して「断固とした立場表明」をするよう求めた。 韓国政府は公式コメントを出していないが、今回の法律が米の同時多発テロを受けた特殊な環境下にあるとして一定の理解を示している。ただ、金大中大統領がさきの小泉純一郎首相との会談で「自衛隊の活動は平和憲法の枠内ですることが非常に重要だ」とクギを刺したほか、政府当局者も「歴史的な経緯から、周辺諸国の懸念や不安を招かないよう、政策決定・遂行に透明性を確保しなければならない」と強調している。 韓国政府も、米国主導の対アフガニスタン攻撃に、医療と輸送、情報関連の部隊派遣の意思を表明している。(21:19) |
|
パキスタン、核施設に地対空ミサイル配備へ 米軍のアフガニスタン攻撃に対する抗議行動が先鋭化しているパキスタンで、政府は国内の核関連施設の警備強化に乗りだした。一部の核施設周辺には地対空ミサイルの配備も始めている。 パキスタン政府筋によると、ミサイルを配備したのは、イスラマバード東部のカフタにある濃縮ウラン処理施設。スウェーデン製で、射程6、7キロの短距離ミサイルだ。目標物をレーザーでとらえて誘導し、撃ち落とす。 同施設は、84年に本格運転を始めたパキスタン核開発の最重要施設。そのほか、中部のチャシマや南部のカラチに発電炉、首都近郊にも研究炉がある。9月中旬以降、これらを軍が直接管轄し、厳重な警備態勢をしいている。 施設周辺へのミサイル配備は、過激派のテロ攻撃だけでなく、タリバーンの戦闘機やミサイルによる攻撃も視野に入れた動きと考えられる。「核テロ」に対する米国などの懸念を反映させた形だ。 当局は、核技術の管理にも神経をとがらせている。今月下旬には政府の原子力委員会を退職した核科学者2人を拘束した。イスラム原理主義に傾倒し、「イスラム社会復興」という団体で活動していた。タリバーンやオサマ・ビンラディン氏に核技術が渡ることを懸念した当局は、数日間にわたって事情を聴いたが、28日に拘束を解いた。 ムシャラフ大統領はドイツの通信社の取材に対して27日、「核技術は安全な管理下にある。国境を越えて持ち出せるはずはない」と断言した。だが、国民の不安は消えていない。(20:11) |
|
「FBIは情報隠すな」NY市長が批判 地元警察が困惑 「FBIは各地の警察に情報を隠すな」。ニューヨーク市のジュリアーニ市長は29日、同市内で開かれた米下院テロ小委員会の公聴会に出席し、米連邦捜査局(FBI)がテロ情報を極秘扱いするあまり、ニューヨーク市警はじめ全米の地元警察が仕事にならず困っていると訴えた。 ニューヨークのテレビ局NBCに炭疽(たんそ)菌入り封書が届いたことを知りながら、FBIはニューヨーク市警に長い間隠していた。そんなトラブルを踏まえ、市長は「機密情報も大勢に開示すると漏れやすくなるのはわかる。だがテロリストは今何をしているのか、次に何をやらかすのか。われわれには最新情報が必要だ」と指摘。「FBIと各地の警察の関係を良好にするには情報をもっと開示してもらうしかない」と述べた。 FBIで働いたことがあるオクラホマ州のキーティング知事もこれに同調。「FBIは、地方の警察官は教育レベルが低く腐敗もひどいと見下している。FBIのそんなカルチャーを変えなくてはいけない」と批判した。 マラーFBI長官はこの日、出張先のカナダ・トロントで「各地の警察との関係改善に努める」と強調した。(19:33) |
|
パキスタン政変起きたら「米が核兵器を緊急管理」の報道 「パキスタンで政変が起きた場合、米国がパキスタンの核兵器を緊急管理する」との憶測が流れている。米誌ニューヨーカーが29日、米特殊部隊が中央情報局(CIA)やイスラエル軍と組んで、パキスタンでクーデターが起きた場合、核兵器を奪取したり、爆発しないようにしたりする訓練を行っている、と報じたのがきっかけだ。 しかし、パキスタンの有力紙ドーンは30日、米国務省幹部がこの見方を否定した、と報道した。 |
|