![]() |
2001 10/28 |
10/28 | <パキスタン>拘束の核科学者ら2人釈放 軍情報機関 【イスラマバード小松健一】米政府の要請でパキスタン軍情報機関(ISI)が身柄を拘束していた核科学者ら2人は27日夜、釈放された。2人はアフガニスタン・タリバン政権指導部と関係が深く、ISIが事情聴取を行っていた。ISI筋によると、情報流出はなかったという。(毎日新聞) |
<アフガン誤爆>北部同盟地域で住民9人が死亡 英BBC 【イスラマバード澤田克己】英BBC放送は28日、国際赤十字関係者の情報として、アフガニスタンの首都カブール北郊のガニヒル村で27日午後、米軍の空爆で、子供を含む住民9人が死亡、20人が負傷したと報じた。村はタリバン政権と対立する反タリバン連合(北部同盟)の支配地域で、米軍の誤爆とみられる。米軍は北部同盟を支援するため最前線のタリバン陣地を爆撃していた。北部同盟地域で、米軍の誤爆による民間人死亡は初めて。 米軍は28日、カブールや南部カンダハル、西部ヘラートなどの主要都市のほか、前線近くの北部マザリシャリフなどアフガニスタン各地への激しい空爆を続けた。ロイター通信によると、同日朝の空爆で、カブールで乳児や子供を含む12人が死亡した。 米英軍のアフガン攻撃は4週目に入った。米政府は、米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏が潜伏するアフガンのタリバン政権に対し、同氏の身柄引き渡し拒否を理由に軍事報復を決定した。しかし相次ぐ誤爆による民間人の犠牲者続出で、作戦遂行の行方が不安定になっている。 一方、米国に本部を置く人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、パキスタン西部クエッタでのアフガン難民の調査結果として、空爆で民間人計38人の死亡が確認されたと表明。「犠牲者の数は受け入れがたいものだ」と誤爆を非難し、米国防総省に調査の即時開始を要求した。(毎日新聞) |
|
<パキスタン>キリスト教会で銃乱射、17人が死亡 【イスラマバード澤田克己】パキスタン東部のバハーワルプルで28日、3人の男がカトリック系キリスト教会を襲撃し、礼拝中の信者ら計17人が死亡した。犯行声明などは出されていない。米軍のアフガニスタン空爆に反発するイスラム原理主義組織を疑う声もあるが、パキスタン軍情報機関(ISI)筋は「原理主義組織による犯行の可能性は低い」と述べ、空爆とは無関係との見方を示した。 同筋などによると、犯人は2台のバイクに分乗して教会に突入、警備していた警官1人を射殺し、教会内で銃を乱射した。教会は先月の同時多発テロ後、警察に警備強化を要請していた。 現場周辺は、イスラム教スンニ派とシーア派の武装組織同士の衝突が多く発生しており、過去9年間で1200人近くのイスラム教徒が死亡している。ISI筋は「空爆とは関係のない別のテロだろう」と述べた。 パキスタンはイスラム教を国教としているが、キリスト教徒も人口の1%程度いる。(毎日新聞) |
|
難民に乗っ取られた商業船、インドネシアのスンバワ島で発見 [ジャカルタ 28日 ロイター] インドネシア警察は、難民170人に乗っ取られた商業船が、スンバワ島東部で発見されたことを明らかにした。 警察当局者によると、船に乗っていた難民らが27日夜、地元住民らに発見された。船は入り江に座礁していたという。 同当局者によると、難民は船でオーストラリアに向かっていたが、エンジン故障に見舞われたという。 船がフロレス海上で難民に乗っ取られたのは24日。その直後、乗組員の1人が海に飛び込み、インドネシア海軍に救助される騒ぎに発展したが、船長は船が乗っ取られたことを否定している。 難民は大半がイラク人で、なかにはアフガニスタン人も含まれているという。(ロイター) |
|
<アフガン攻撃>誤爆相次ぎ、イスラム諸国批判強める 米軍のアフガニスタン空爆で、民間施設やICRC倉庫などへの誤爆が相次ぎ、軍事作戦に大きな影を落としている。28日には北部同盟の支配地域が被弾した報道も伝えられた。米軍は「テロ組織壊滅」のためにある程度の犠牲はやむを得ないとの立場だが、イスラム諸国を中心に対米批判をさらに強める事態になっている。(毎日新聞) |
|
米国民、政府の国内テロ対策に不満=世論調査 [ワシントン 27日 ロイター] 米ニューズウィーク誌の世論調査で、米国民が国内でのテロにおけるブッシュ政権の対応に不満を抱いていることが明らかになった。 調査によると、国内で発生した生物テロへの政府対応が十分であると回答したのは、半数以下の48%にとどまった。一方で、対応が十分でないとの回答は43%に上った。 また、炭疽(たんそ)菌事件と健康被害について、政府が十分に情報を公開していると考えている人は43%だった。 米国によるアフガニスタン攻撃については、88%が支持を表明。ブッシュ大統領の支持率は85%だった。(ロイター) |
|
米軍機のカブール爆撃で民間人ら12人死亡=目撃者 [カブール 28日 ロイター] 米軍機によるアフガニスタン空爆で、首都カブールの民家などが攻撃を受け、民間人12人が死亡した。 目撃証言によると、犠牲者の中には、朝食をとっていた父親と子供7人も含まれている。 民家にはミサイルが直撃したとみられており、近隣住民2人も死亡。別の場所でも、小型バスが路上で攻撃を受けて2人が死亡した。 現場は、タリバンが対空砲を設置していた丘陵地帯近くの住宅地だったという。(ロイター) |
|
<パキスタン支援>米が3億〜5億ドルを検討 AP通信 【ワシントン布施広】AP通信によると、米当局者は28日、米政府がパキスタンに対する3億〜5億ドルの追加支援を検討、週内にも具体的な支援内容を発表する見通しだと語った。米政府はパキスタンでアフガニスタン攻撃への反対論が強まっていることを重視、ムシャラフ政権への新たなテコ入れを余儀なくされたとみられる。 ムシャラフ大統領は最近、米マスコミとの会見で、米軍の攻撃が成果を上げなければ、軍事作戦は「泥沼」に入ると警告、政治交渉による問題解決を求める姿勢を強めている。またパキスタンでは、武装した約5000人の男性が、タリバン政権支援のためにアフガンに向かうなど、反米機運が高まっている。 米政府はこれまで、パキスタンの核実験実施に対する経済制裁を解除し、約1億ドルの経済支援と約3億8000万ドルの債務繰り延べを行った。(毎日新聞) |
|
タリバンの抵抗は来年も続く可能性=英国防相 [ロンドン 27日 ロイター] 英国のフーン国防相は、アフガニスタンを実効支配しているタリバン政権の抵抗は来年も続く可能性があるとの見通しを示した。 フーン国防相は英国放送協会(BBC)に対し、アフガニスタン攻撃に予定表を設けることは不可能であると指摘した。 タリバンの抵抗は来年も続く可能性があると同時に、重圧に耐えられず一晩で崩壊する見込みもあると述べた。 一方、アフガンに投入される海兵隊コマンド部隊の役割については、米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏とその一派が潜んでいるとされる洞穴などを狙い、空から攻撃を加えることになると説明した。 (ロイター) |
|
ワシントンで反戦行進、約300人が参加 [ワシントン 27日 ロイター] 米国によるアフガニスタン攻撃に抗議するデモ行進がワシントンで行われ、約300人が参加した。 参加者は「アフガン空爆を中止せよ」「ブッシュ(米大統領)の戦争を止めさせよ」などと書かれたプラカードを掲げ、警察車両や白バイに護衛されながらダウンタウンを行進した。 行進はワシントンとニューヨークに拠点を置く反戦、反人種差別団体が主催。同団体は同様の行進を、他の都市や国外でも計画しているという。(ロイター) |
|
米軍機、北部同盟支配下の村を誤爆=テレビ [ドバイ 28日 ロイター] カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」は、アフガニスタンを攻撃中の米軍機が27日、反タリバン勢力の北部同盟の勢力下にある村を誤爆し、少なくとも10人が死亡したと報じた。 同局はジャバルサラジの医療関係者の話として、誤爆を受けたのはタリバン軍と北部同盟軍が対峙する前線地帯から数キロの場所にある村、と伝えた。 地名は明らかにされていないが、同局は同地で撮影されたと思われる爆破跡の映像を放映した。 同局によると、イタリアの医療関係者は攻撃があったことを認めた上で、16人が死亡したと述べた。また、北部同盟関係者も村が攻撃に遭ったことを確認したが、死傷者については言及しなかった。 米軍機は北部同盟軍の支援を目的に、首都カブール近くのタリバン軍の前線を繰り返し攻撃していた。(ロイター) |
|
パシュトゥン人義勇兵1万人がアフガンに 【イスラマバード27日=森太】アフガニスタン国境に近いパキスタン北西辺境州ディルの現地当局者は27日、反米戦に参加するため結集した親タリバン派のパシュトゥン人義勇兵約1万人が同日、ディルからアフガニスタンに向けて出発、国境付近でこれを阻止しようとするパキスタン国境警備隊と一時にらみ合いになったことを明らかにした。 その後、義勇兵らは国境の手前約5キロの地点で野営、28日朝に国境を越える構えを見せている。既に一部が国境を通過し、アフガンのコナル州に入ったとの情報もある。 空爆開始後、これほど大規模なタリバン支援の義勇兵団がアフガンに向かったのは初めて。米国の対アフガニスタン軍事作戦の長期化とともに、パキスタン国内では各地で反米デモが起きている。今後、パキスタンからの義勇兵参戦が拡大すれば、ムシャラフ政権の対米協力路線は根底から揺さぶられかねない。 義勇兵は、この一帯のパシュトゥン人勢力のイスラム教指導者スーフィ・ムハンマド氏が「対米聖戦」を呼びかけ、ディル一帯の5つの地区から集まった。ライフル銃や対空砲を持ち、27日朝、トラックやバスなどに分乗して国境を目指した。 パキスタンの国境警備隊はバリケードを築いて国境を封鎖したが、ムハンマド氏は、「流血の事態になってもアフガン入りする。聖戦をここから始め、タリバンとともに戦う」と宣言した。モイヌディン・ハイダー内相はこれに対し、「アフガン入りするいかなる義勇兵も逮捕する」と断固阻止する構えを示した。(読売新聞) |
|
<アフガン攻撃>米軍、首都などに空爆11時間 【イスラマバード澤田克己】米軍は27日、アフガニスタンの首都カブールやタリバンの前線部隊に対する空爆を続行した。AFP通信は空爆は約11時間にわたって続き、爆弾計20発以上を投下したと伝えた。ロイター通信などは「今までで最も激しい空爆だった」という目撃者の話を伝えた。アフガン・イスラム通信によると、カブール北東のカピサ州で9人、西部ヘラートで1人、南部カンダハルで2人が死亡した。 また、国連報道官は27日の定例会見で、25日の空爆でカブールの地雷撤去を担当する国連施設が誤爆を受け、自動車2台が破壊されたと述べた。人的被害はなかったという。(毎日新聞) |
|
カブール北方で最大規模の空爆 【イスラマバード27日=森太】ロイター通信などによると、米軍は27日、アフガニスタンの首都カブールや、カブール北方のバグラム空軍基地付近のタリバン部隊に、これまでで最大規模の空爆を行った。反タリバン勢力「北部同盟」の現地司令官や目撃者の話によると、同空軍基地付近では、少なくとも3波にわたる攻撃が行われ、弾薬集積地なども爆発を起こした模様だ。 報道によると、カブールでは、同日、中心部と南部に爆撃が行われたほか、早朝には6、7回の爆発音が聞かれた。また、バグラム空軍基地付近では、10数回の爆発があったが、攻撃はタリバン側の防空網の射程外から行われ、対空砲火の音はほとんど聞こえなかったという。 バグラム空軍基地は北部同盟が制圧しているが、周辺にはタリバン精鋭部隊が展開しているため、空港は使用できない状態になっている。 一方、アフガン・イスラム通信によると、米軍は同日、カブール、タリバン拠点の南部カンダハル、西部ヘラート、東部ジャララバードも空爆した。(読売新聞) |
|
<パキスタン>支援求める難民病院 【クエッタ(パキスタン南西部)亀井和真】「医薬品や医師、難民の命を救うための支援が今すぐにでも必要だ」―病院関係者はそう訴えた。米軍の空爆が続くアフガニスタンからの難民をパキスタン南西部のクエッタで唯一受け入れている民間病院には、空爆によるけがや病気になった女性や子供たちが列をなしている。 治療費の払えないアフガン難民を受け入れる唯一の病院として知られるクエッタ南部のジャメ・シャファ病院は毎年3000人前後の治療にあたっており、今月7日に米軍が空爆を開始後、患者が増え始め、一日の患者約200人のうち、30〜40人が新しく国境を越えたアフガン難民で占められるようになった。 27日も早朝から治療を求める子連れのアフガン人女性らが並び、診察まで約4時間待たなければならないほどの混雑。列は中庭にまであふれていた。 今月19日に行われたカンダハルへの米軍の空爆で肩と足を負傷したという女性(45)は、避難のため国境に向かう途中、一緒に逃げていた息子夫婦を空爆で失った。夫とは5年前に死別し、4人の子供を養わなければならない。「アフガニスタンは家も食べる物も、安全さえない。薬をもらいに来たが払える金がない」と悲嘆に暮れる。 治療にあたる3人の医師と看護婦は12人、数人の技師だけで、スタッフの賃金や医薬品をまかなう政府からの援助はまったくない。日本の非政府組織(NGO)からの援助では足りず、経営者が自分の貯金を取り崩しているという。 薬の保管庫は、わずかな医薬品が備蓄してあるだけだ。スタッフの一人は1台だけある顕微鏡を指差し、「病気の詳しい原因を調べる道具もない。病状の悪化を食い止めるのが精いっぱいだ」と訴えた。 院内の待合室も満員で、栄養不足の幼児や両目をはらしたままの乳幼児は母親に抱かれたまま動こうとしない。 経済負担や治安の悪化を理由に国境を閉鎖しているパキスタン政府は、けが人と病気の難民の越境を例外的に許可しているが、公的な受け入れ機関はない。病院関係者は「国境を閉鎖しても流入してくる難民は確実に増えている」と海外からの支援に期待を寄せる。(毎日新聞) |
|
<パキスタン>パシュトゥン人約1万人がアフガンへ越境 【イスラマバード小松健一】パキスタン北西部の北西辺境州のマルカンド地区で27日、パシュトゥン人部族地域の住民約1万人が自動小銃などの武器を手に、アフガニスタン・タリバン政権支援のため国境に向かった。パキスタン政府はアフガンへの越境を阻止しようとしたが、部族地域は政府から自治権を与えられているため、次々とアフガン入りした模様だ。 住民に対米聖戦を呼びかけたのは、部族地域に影響力を持つイスラム原理主義指導者、スーフィ・モハマッド師。同師が率いる組織「シャリア(イスラム法)強化運動」は、各地の部族地域にもタリバン軍支援を訴えており、今後も越境する民兵が増えそうだ。(毎日新聞) |
|