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2001 10/26 |
米国防総省、テロ攻略のアイデアを一般から公募 【ワシントン26日=長谷川由紀】米国防総省は25日、テロ組織撲滅のための戦闘方法などの案を一般から公募すると発表した。米同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディン一派とタリバン勢力の掃討作戦に役立てる狙いもあろうが、戦い方のアイディアを一般公募するほど米軍が手詰まり状況にあるかのように見せ掛けて、ビンラーディン陣営を油断させ、あぶり出す情報戦の一環ともとれる。 募集するのは、<1>テロ組織との戦闘方法<2>攻撃の難しい標的の攻略方法<3>へき地での長期戦<4>大量破壊兵器に対する防衛――の4分野に関する対策案。選考は3段階に分けて行われ、採用された案については、発案者と正式に契約し、具体的な作戦に発展させるという。国防総省は作戦を実施に移すまでに1年から1年半かける方針で、ビンラーディン一派の掃討に長期戦を見込んでいることを示している。 第1次募集の締め切りは来月23日。応募方法などは同省のインターネットホームページ(http://www.bids.tswg.gov)で。(読売新聞) |
「タリバン後」NATO中核で治安確保…米国務長官 【ワシントン25日=貞広貴志】パウエル米国務長官は25日、上院外交委員会で証言し、アフガニスタンのタリバン政権を打倒した後に、自発的に軍を派遣した国々で構成する国際部隊を投入し、治安の確保に当てる構想を明らかにした。 パウエル長官は、「北大西洋条約機構(NATO)がアフガンの将来において役割を演じるのは当然だ」とも述べ、ユーゴスラビア・コソボ自治州などで実績を持つNATOを中核に、周辺国を加えた国際治安部隊が、「タリバン後」の平和維持を担う案が急浮上してきた。 パウエル長官はタリバン後の支援体制に関し、「欧州連合(EU)や主要8か国(G8)のパートナーから参加を得ることで力強い支持を得ている」とすでに国際合意があることを強調。一方で、国連については、「アナン事務総長も、(アフガン問題担当の)ラクダル・ブラヒミ事務総長特別代表も、現時点ではブルー・ヘルメット(国連平和維持軍の通称)に難色を示している」(同長官)ことを認めた。 こうした事情を受け、パウエル長官は、「部隊を送る意思のある国々から集まった、ある種の平和維持軍を配備する」方針を初めて表明した。 参加対象国は明らかにしなかったが、「軍事機構であると同時に、政治機構でもあるNATO」への期待を表明した。実際にNATO主導となった場合は、国民の多くがイスラム教徒で、アフガンに地理的にも近いトルコが中心的な役割を担うものと見られる。また、アフガンの安全保障でカギを握るパキスタンやウズベキスタンなど周辺国の参加も見込んでいる模様だ。 パウエル長官はこれまで平和維持軍の派遣を含め国連の積極関与を求めてきた。だが、国連内に慎重な意見が強いほか、米国自身も「正式な国連平和維持軍を投入するには、多くの時間と準備を要する」(同長官)との判断に傾き、機動的にタリバン後の「力の空白」を埋められる軍として、新たな国連決議を要さない多国籍軍の派遣が浮上したものと見られる。 パウエル長官は、国連の任務について「新政権が機能するまでの橋渡しの期間に、何らかの役割を果たさねばならないことは認識している」と述べ、行政分野など暫定統治の機能では主要な役割を担うべきとの考えを示した。 米政府内には、同時テロの標的であり軍事行動の主軸となった米国は、「戦後」の治安維持で前面に立つべきでないとの意向が強く、関係国に国際平和維持部隊の創設を打診してきた。国連内にはアフガン国内の軍や警察機構を治安維持の中核にすべきとの意見も出ており、26日から周辺国を歴訪するブラヒミ代理らによる調整作業が焦点となる。(読売新聞) |
<マスード将軍暗殺>同時テロの準備 米グラハム上院議員 米上院のボブ・グラハム情報特別委員長は25日、ワシントンで行った講演で、先の同時多発テロ直前に、反タリバン連合(北部同盟)最高司令官、マスード将軍(49)が爆弾テロで死亡した事件は、ウサマ・ビンラディン氏とその支援組織「アルカイダ」が同時テロの準備のため、実行したとの見解を明らかにした。(毎日新聞) |
<アフガン攻撃>クラスター爆弾で民間人9人死亡 国連発表 国連アフガニスタン調整事務所報道官は25日、イスラマバードで記者会見し、アフガニスタン西部・ヘラート郊外で米軍が使用したクラスター(集束)爆弾で、民間人9人が死亡したと発表した。クラスター爆弾は広範囲に致命的な被害を及ぼすとして、その「非人道性」が国際社会から厳しい批判を浴びている。(毎日新聞) |
「北部同盟」支援が最優先 【ワシントン25日=林路郎】ラムズフェルド米国防長官は25日の会見で、アフガニスタンでの軍事作戦について、「我々がしなければならないのは、(アフガンの実効支配勢力)タリバンを地上で打ち負かす勢力を支援することだ」と述べ、反タリバン勢力「北部同盟」の支援を当面、作戦上の最優先事項とする方針を初めて明確にした。 北部同盟との関係については、同長官はこれまで「外交問題」として発言を控える一方、作戦目標については「ウサマ・ビンラーディンの捕獲・殺害とタリバン指導部の放逐」を優先する立場をとってきた。 長官は25日、ビンラーディンを拘束または殺害できるかどうかについて、「干し草の山から1本のクギを探すよりもタリバン政権打倒の方が容易。目的はアフガンをテロの温床でなくすることだ」と発言し、ビンラーディン捕獲が予想以上に難航するとの認識を示し、ビンラーディンの身柄確保からタリバン放逐に当面の目標を転換した背景を説明した。 一方、マイヤーズ軍統合参謀本部議長によると、米軍は24日、タリバンが北部同盟と対峙するカブール北方の前線を引き続き爆撃。アフガン全土に広がる9か所の軍事目標に計80機の軍用機で空爆した。(読売新聞) |
<ABM制限条約>米ミサイル防衛関連実験を延期 露に配慮 ラムズフェルド米国防長官は25日、イージス艦を使うミサイル防衛関連の実験が、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に抵触すると判断、同種の実験を延期したことを明らかにした。アフガン攻撃が続く中、露との協調を重視したためとみられ、少なくとも米露首脳開催の11月中旬まで、条約に抵触する実験は行わない。(毎日新聞) |
<米国防長官>ビンラディン氏拘束困難 タリバン政権崩壊に重点 米国防長官は25日、同時テロの重要容疑者ウサマ・ビンラディン氏の追跡状況について「確実に捕まえられるかと聞かれれば、干し草の山から針を探すくらい難しい」と述べ、現状では拘束は極めて困難との認識を表明した。長官は今後も追跡に全力をあげる考えを強調したが当面はタリバン政権崩壊に重点を置く考えを示した。(毎日新聞) |
タリバン拘束柳田大元さん数日中に釈放か アフガニスタンで拘束された日本人男性「ダイゲン・ヤナギダ」さんが、近日中に釈放される可能性が高くなった。タリバン政権筋は25日、拘束している日本人男性のスパイ容疑は薄く、同じく拘束されているフランス人週刊誌記者よりも早く釈放される可能性があると語った。男性は東京・三鷹市のフリージャーナリスト柳田大元さん(37)とみられる。 アフガンに一時帰国しているザイーフ駐パキスタン大使は、タリバンに拘束されているヤナギダさんや、仏誌パリ・マッチのジャック・ペイラール記者(44)ら外国人4人の扱いを関係先と協議している。 タリバン筋が明らかにしたところでは、関係当局は日本人男性のスパイ容疑は薄いとの見方を強めており、ジャーナリストであることを確認すれば、数日中に釈放する方向で検討中。同じく拘束されているフランス人記者よりも先に釈放する可能性もあるという。 ザイーフ大使は「タリバンは特別に罰を与えない方針を検討している」と語っているという。 タリバンは外国人スパイの存在に神経をとがらせているが、不法入国の外国人がジャーナリストと確認された場合、釈放する方針。 しかし、拘束直後には「処刑」される可能性もあった。25日のパキスタン英字紙ザ・ニューズによると、ヤナギダさんは、タリバン警備兵に「処刑する」と告げられ、コナル州アサダバードで身柄を拘束された。24日のジャララバード移送時は、恐怖におびえていたという。25日午前に約1時間半、同午後に45分間、タリバン諜報(ちょうほう)機関の取り調べを受けたヤナギダさんは「本を書くための取材でアフガンに来た。処刑されなくて良かった。今は生きていて幸せだ」などと話したという。 タリバン筋によると、ヤナギダさんはパキスタン・ペシャワルのホテルから出て22日、同国北部の国境を現地人ガイドとともに越え、アサダバードでは単独行動を取っていた。所持品は衛星電話、ビデオカメラ、バッテリーなど。アフガン人風の衣装と帽子を身に着けていたが、アフガン人にしてはひげが短く、顔つきが東洋人風で挙動が不審だったためタリバン警備兵が職務質問。ヤナギダさんが英語で応じたため、外国人と判明した。 タリバン側はヤナギダさんの年齢を32歳、35歳などとしているが、実在する37歳のジャーナリスト柳田大元さんとは年齢が食い違っている。柳田さんが都内の出版社「青峰社」の社長に10日に「アフガンに行く」と話したことから、同一人物とみられている。 福田康夫官房長官(65)はヤナギダさんの拘束について「公式ルートでは確認が取れていない。人道上、できるだけ早く救出できるよう努力するのは当然だ」などと述べた。 |
サウジ皇太子、米大統領に対しイスラエルへの不満を表明=SPA [リヤド 25日 ロイター] サウジアラビア国営サウジ通信(SPA)は、アブドラ皇太子がブッシュ米大統領と電話会談した際、イスラエルのパレスチナ自治区への侵攻以来、イスラエルによる「侵略」が加速しているとして、ブッシュ大統領に不満を表明した、と報じた。 これによると、アブドラ皇太子はブッシュ大統領と、「イスラエルの侵攻の結果、連日にわたって住民に被害者が発生しているというパレスチナ自治区の状況」について協議した。 アブドラ皇太子は、アフガニスタンに対する米軍の攻撃についても、意見を表明したという。 (ロイター) |
インド・カシミール地方の衝突でさらに20人が死亡=警察 [スリナガル(インド) 25日 ロイター] インドのカシミール地方で連続して起きた衝突や爆破によって、さらに20人が死亡した。 警察が明らかにした。 カシミール地方では、米軍による対アフガニスタン攻撃が始まって以来、分離独立派ゲリラによる武装闘争が急激に増えている。 死者のなかには10代の少年や若い女性が含まれ、インドの軍関係者も9人死亡した。また、兵士ら20人近くも、ゲリラによる攻撃で負傷した。 アフガニスタンへの攻撃が始まって以来、カシミール地方では、ゲリラを中心に150人以上が死亡したという。(ロイター) |
「ビンラーディン拘束・殺害は困難」と米国防長官 【ワシントン25日=長谷川由紀】ラムズフェルド米国防長官は、米紙USAツデー(25日付)との会見で、同時テロの首謀者とされるイスラム過激派指導者ウサマ・ビンラーディンを発見できない可能性もあるとの見通しを示した。 長官は、ビンラーディンを拘束または殺害することへの自信を問われ、「実行はとても困難だ。世界は広く、多くの国が存在する。金持ちだし、支持者も多い。成功するかどうかは本当にわからない」と答えた。 一方、ビンラーディンをかくまうタリバン政権の転覆については、「一人の人間を見つけることよりもたやすい」と述べ、こちらの目的達成には自信を見せた。(読売新聞) |
<アフガン攻撃>米軍、各地で激しい空爆 バスやモスクも被害 米軍は24日夜から25日にかけ、アフガニスタン各地に激しい攻撃を加えた。アフガン・イスラム通信によると、南部カンダハルで攻撃ヘリコプターが発射したミサイルが満員の大型バスに命中、バスは大破し、少なくとも10人の民間人が死亡したほか、西部ヘラート近郊のモスク近くに空爆があり、信者20人が死亡した。 (毎日新聞) |