2001
10/24
10/24 <パキスタン>核開発の科学者ら2人を拘束 軍情報機関

 パキスタン軍情報機関は23日夜、パキスタンの核開発に携わった科学者ら2人の身柄を拘束した。2人は、アフガニスタン難民支援のNGOを通じて、タリバン政権幹部と連絡を取り合っていた疑いが持たれている。身柄拘束の背景には、不安定なパキスタンの核管理を懸念する米政府の圧力があったとみられる。(毎日新聞)
米統合参謀本部「タリバンの指揮能力は壊滅」

 【ワシントン23日=林路郎】米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長は23日、国防総省で会見し、米英軍のこれまでの空爆により、「アフガニスタン全土をカバーしていたタリバンの指揮・指令能力は壊滅した」と言明した。

 同副部長は同時に、〈1〉タリバンの対空攻撃能力がほぼゼロに近づいている〈2〉ウサマ・ビンラーディンのテロ組織「アル・カーイダ」がアフガン国内に持っているテロリスト訓練キャンプも分かっている限りはすべて破壊した――と述べ、空爆の戦果を強調した。

 同副部長は、破壊された「指揮・指令系統」について、軍事関連施設だけでなく、タリバン部隊が移動に使用する道路も含むと説明した。

 一方、米軍は、反タリバン勢力「北部同盟」とタリバンが交戦している首都カブール北方、北部要衝マザリシャリフ周辺で重点的に空爆を続行。22日は、戦闘・爆撃機に加え、低空から対地攻撃を行うAC130機など計80機を投入した。

 同副部長はまた、今月7日からの空爆で投下されたミサイルと爆弾の数が少なくとも3000発に達していることも明らかにした。(読売新聞)
<アフガン攻撃>米軍特殊部隊がヘリ車輪落とす 米国防総省

 米国防総省は23日、米軍特殊部隊が19日夜から20日未明にかけてアフガニスタン南部のタリバン軍施設を急襲した際、ヘリコプターが車輪部分を障害物に引っかけて落とす事故があったと明らかにした。タリバン政権が撃墜した米軍ヘリの残がいだと主張しているのはこの車輪部分だと国防総省は説明している。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米国防総省が2カ所の誤爆認める

 米国防総省は23日、アフガニスタン空爆で西部ヘラートの高齢者施設付近とカブール北西部の住宅街の2カ所を誤って爆撃したことを公式に認めた。高齢者施設は、タリバン政権が「爆撃された」と主張している病院の可能性が高い。2件とも原因を調査中だが、爆弾の誘導システムに問題があったとみられる。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米軍が首都カブールを断続的に空爆

 米軍は23日夜、アフガニスタンの首都カブールを断続的に空爆した。アフガン・イスラム通信は、22日から23日にかけてアフガン各地の空爆で計70人以上が死亡した、と報じた。また、カタールの衛星テレビによると、タリバン政権の本拠地があるカンダハル近郊の村が23日、爆撃され、民間人93人が死亡したという。(毎日新聞)
<国連安保理>ブラヒミ事務総長特別代表支持を確認

 【ニューヨーク上村幸治】国連安全保障理事会は23日、アフガニスタン・タリバン政権崩壊後の新政権問題でブラヒミ国連アフガニスタン担当事務総長特別代表と話し合い、ブラヒミ氏の作業を全面的に支持していくことを確認した。これを受け、ブラヒミ氏も同日の記者会見で、週末に現地アフガニスタンに向かい、関係者との本格的な協議に入ることを明らかにした。

 安保理のライアン議長は、この日の非公式協議終了後に声明を発表、「安保理構成国メンバーは、ブラヒミ氏の活動を全面的に支持することを確認し、関係当事者との協議を継続するよう励ました」と述べた。

 ブラヒミ氏は会見で「アフガニスタンに政治的な枠組みを押し付けても、彼らは受け入れないだろう」と述べ、あくまでアフガン各派の意見を聞いた上で、「戦後処理」の問題を考えたいと繰り返した。

 同氏は週末にイラン、パキスタンを皮切りにアフガン周辺国を訪問する一方、アフガン各派代表とも協議を行う。(毎日新聞)
米軍のアフガン空爆で民間人93人が死亡=アル・ジャジーラ


 [ドバイ 23日 ロイター] カタールの衛星テレビ局、アル・ジャジーラは、米軍のアフガニスタンへの攻撃によってカンダハル近郊で民間人93人の死者が出たと報じた。
 これによるとカンダハルの北東60キロに位置するチュカル村に対する米軍機の空爆によるもので、少なくとも40人の民間人が重軽傷を負った。
 アルジャジーラは、死者のうち18人はひとつの家族で、空爆を逃れるためにカンダハルを脱出してチュカル村に避難していた、と述べた。
(ロイター)
米軍のアフガン空爆でアルカイダの訓練施設9カ所を破壊=英国防相


 [ロンドン 23日 ロイター] フーン英国防相は、米軍のアフガニスタン空爆によりアルカイダの訓練施設9カ所を破壊し、飛行場9カ所と兵営24カ所に甚大な損害を与えたと述べた。
 同国防相は記者会見で、「アルカイダの訓練施設9カ所は完全に機能を失った」と述べた。
 さらに、「飛行場9カ所もほぼ供用に耐えない状況にあり、兵営24カ所にも甚大な損害を与えた。地上部隊に対してもさらに攻撃を加え、北部同盟の攻勢に耐えられないほどに弱体化しつつある」と述べた。
そのうえで、タリバンの空軍は「事実上もはや存在しない」と述べた。 (ロイター)
米国防総省、アフガンの高齢者用住宅近くへの誤爆を確認


 [ワシントン 23日 ロイター] 米国防総省のクラーク報道官は、米軍機1機が、アフガニスタンの高齢者用住宅施設の近くに誤爆したことを明らかにした。
 同報道官は、記者会見で、「日曜日(21日)の9時05分に、米海軍のFA18戦闘機1機が、意図された標的を外し、アフガニスタン、ヘラート郊外の高齢者用住宅近くの空き地に、誤って1000ポンド(453キロ)の爆弾を投下した」と述べた。
 同報道官によると、本来の標的は、高齢者用住宅施設から91メートルほど離れた、ヘラートの軍事兵舎の中にある車庫施設だったという。
(ロイター)
タリバン、邦人男性を逮捕

 【イスラマバード23日=森太】パキスタンの軍事筋は23日、タリバン政権に拘束されたジャーナリストを名乗る日本人男性について、密入国容疑で逮捕され、現在はアフガン東部ジャララバードのタリバン情報部施設に拘置されていることを明らかにした。男性はカメラや衛星電話を持っていたことから、現在、スパイ容疑でも取り調べを受けており、起訴後、裁判にかけられる見通しだという。

 軍事筋によると、日本人男性は22日ごろ、パキスタン北西辺境州のナマパスの国境検問所からアフガニスタン東部のコナル州に入った。男性は同州内で1泊し、翌朝、パキスタンへの帰路についていたところをタリバンの国境警備隊に見つかり、逮捕されたという。

 在パキスタン日本大使館は身柄拘束の事実確認ができしだい身柄の引き渡しを求める方針だ。

 ◆フリーカメラマンか◆

 政府筋などによると、タリバン情報部に取り調べを受けているとされる男性は、東京都豊島区のフリーカメラマン飯田勇さん(45)とみられ、今月8日から都内の写真週刊誌の取材のためパキスタン入りしていた。(読売新聞)