2001
10/19
10/19 <ビンラディン氏>伊で指令書公開 核、生物化学兵器に言及

 「イスラム教徒はパキスタンに習って核兵器を、そして生物化学兵器を保持するべきである」――。イスラム原理主義テロ組織「アルカイダ」を率いるウサマ・ビンラディン氏が98年、パキスタン初の核実験成功の直後に戦闘員にあてた指令書の内容が18日までに、伊トリノ地裁上訴審でのアラブ系過激派の公判で公開された。(毎日新聞)
大量のアフガン難民、パキスタンに流入=UNHCR


 [ジュネーブ 19日 ロイター] 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、約3500人のアフガン難民が国境を越えてパキスタンに流入、国境のチャマン周辺は混乱状態に陥っている。
 UNHCRが声明の形で明らかにした。
 難民は見るからにパニック状態で、食料も何も持たずに逃げてきているという。
 また、1日に流入した難民の数としては、米軍主導による空爆の開始以来、最大だという。
 (ロイター)
<アフガン攻撃>特殊部隊投入、地上作戦開始 米国防総省高官

 アフガニスタン空爆を続けてきた米軍は、アフガン南部のタリバン政権支配地域に特殊部隊を投入し、地上作戦を開始した。米国防総省高官が18日から19日にかけて、複数の米メディアにこの事実を認めた。同時多発テロに端を発した米軍のアフガン攻撃は、7日の空爆開始以来最大の転換点を迎え、新たな段階に突入した。(毎日新聞)
<EU特別首脳会議>テロ対策の強化結束を表明へ 19日開幕

 EUの特別首脳会議が19日、議長国ベルギー北西部のゲントで開幕する。テロ対策の強化などでの欧州の結束を表明するが、米英を中心に続いているアフガニスタンへの武力行使にはEU内でも慎重論が噴出しており、共同方針の調整には手間取りそうだ。会議では、テロ防止のための共通政策で合意する。(毎日新聞)
<テロ大戦>米特殊部隊、アフガンに進入「作戦中」



米地上軍特殊部隊がアフガニスタンに投入された。ワシントンポスト紙など米マスコミは19日、米国防総省当局者の言葉として、米国がアフガニスタン南部地域に特殊部隊を投入し本格的な地上作戦に突入したと報道した。このため、近いうちに米軍とタリバン軍との本格的な交戦が始まるものとみられる。

◇なぜ今か=10月末から酷寒期に入り、来月16日からはラマダン(断食)が予定されているため、これ以上地上戦を遅らせることはできないということだ。

さらに12日間続いた空襲の結果、タリバンの防空体系が完全に弱体化したという点も投入時期の決定に影響を及ぼした。

今回投入された米特殊部隊はグリーンベレー、レインジャー、デルタフォース、ネービーシールなど米統合特戦司令部(SOC)指揮下の各軍別特殊部隊と米陸軍第18空輸軍団隷下の精鋭歩兵兵力の一部と伝えられた。

◇任務は=アフガニスタンに今回投入された特殊部隊員の任務は、中央情報局(CIA)の工作活動を支援することだ。ワシントンポスト紙は国防部のある高官の言葉を引用し、「これらの特殊部隊員の任務は、大多数民族のパシュトゥン族の指導者を説得し、タリバン軍との関係を断絶させるCIAの作戦を拡大すること」と伝えた。

同紙はまた「現在、作戦に投入されている特殊部隊員は少数兵力」とし、「これは10年前に行われた湾岸戦争時に大規模な通常兵力が動員されたのとは全く異なる」と付け加えた。

米国防総省の別の高官は「特殊部隊員が間もなく追加配置される可能性があり、偵察、航空機のための目標設定や、極めてまれではあるがタリバンやテロ指導者に対する直接攻撃などの任務を遂行することもあり得る」と話した。

◇特殊戦をどう進めるか=特殊部隊員が主軸となり「攻撃して引き上げる」という短期的な作戦が中心となるはずだ。ひとまずラマダンの前まで正常な地上作戦を遂行できる期間は30日程度だ。この期間中、特殊部隊は役割を配分することになる。

コマンド部隊は捜索と偵察とともに打撃、破壊、捕獲などを主な任務とする一方、ゲリラ部隊は主に作戦地で地域住民とともに長期作戦を遂行し、テロ組織粉砕作戦に出るはずだ。 

これらの特殊戦要員はUH−60ブラックホーク輸送用ヘリと、多様な攻撃用ヘリで装備された米陸軍の第160特殊航空旅団の支援を受け、ビンラディン氏勢力とタリバン首脳部を捜し出して射殺、逮捕する任務を遂行するものとみられる。

特殊戦の専門家は「攻撃用のヘリコプター部隊の強力な近接火力支援のもと、精鋭コマンド特殊戦部隊が輸送用のヘリコプターを活用し、奇襲的に2、3日間の作戦を終えるパッケージ形態の作戦を断続的に繰り返すことになるだろう」と予想した。

柳権夏(ユ・クォンハ)記者 < khyou@joongang,co.kr >


2001.10.19 21:30

<アフガン攻撃>市場空爆され、7人死亡 イスラム通信報道

 【イスラマバード小松健一】アフガン・イスラム通信によると、米軍は19日朝、アフガニスタンの首都カブール、タリバン政権の本拠地カンダハル、東部ジャララバードを空爆した。カンダハルでは買い物客でにぎわっていた市場が爆撃され、7人が死亡、15人が負傷した。ジャララバードではタリバン軍部隊や軍事施設が攻撃を受けた。

 一方、米特殊部隊がアフガン南部に展開したとの報道について、タリバン政権の情報省当局者はロイター通信に対して、「タリバン軍の各部隊に確認させたが、米特殊部隊がいるとの兆候はない」と語った。(毎日新聞)
米軍隊員8人、アフガン北部同盟の司令官と合流=北部同盟


 [イスラマバード 19日 ロイター] アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」によると、同国北部に米軍の隊員8人が入り、北部同盟のラシッド・ドスタム司令官と行動をともにしている。
 北部同盟の指揮官がロイター通信に明らかにした。
 この指揮官によると、この8人はヘリコプターで到着。現在、ドスタム司令官とともに、マザリシャリフの南東約90キロのダライ・スーフにいるという。
 また、この指揮官は、8人は戦闘員というより、情報収集にあたる偵察隊員のようだと語った。
 一方、ワシントンでは、米国防当局者が、少人数の米軍特殊部隊がアフガニスタンに投入された、と述べた。(ロイター)
<テロ大戦>ブッシュ大統領、地上戦への突入を宣言








ブッシュ米大統領は17日、アフガニスタンへの空爆が「友好的な地上部隊」の軍事行動のための道を開いたとし、事実上、地上戦を開始することを明らかにした。

ブッシュ大統領は18日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の参加を前にして、「敵の空軍と防空能力は粉砕している。我々は地上の友好部隊が、彼らを審判するため、縄をゆっくり、そしてきつく引き締められるような道を開いている」と述べた。

ホワイトハウス側はブッシュ大統領のこうした発言は米国の地上軍投入を予告したものではなく、北部同盟に対する支援強化だとしているが、米国はすでに地上軍を投入したか、少なくとも投入準備を本格化している徴候が各地で明らかになっている。

ニューヨークタイムズ紙は17日、国防省官僚がタリバン空襲以降、「新しい形」の作戦のために、特別兵力を配置したと述べたと伝えた。

また、日本の海上からインド海に移動配置された空母キティホークに、ヘリコプターに乗って敵陣に投入された特別部隊が収容されており、この兵力はアフガン攻撃に合流する態勢を整えているとされている。

キティホークが今月初めに正規の艦載機も塔載せず、アフガン近隣海域に移動したのは、キティホークが特別作戦のための海上基地の役割を果たすという点を暗示している。

また、米軍は16日、カブールとカンダハルに対する空爆で、特殊部隊が使用する攻撃機AC130を初めて用いた後、2日連続で出撃させたが、これが地上戦開始の信号弾ではないかとされている。

また、17日、タリバンと北部同盟が対立している前線で、タリバン陣地に空爆を行い、初めて反乱軍を近接支援するなど、反乱軍との実質的な合同攻勢作戦に突入した。これに続き、イラン官営ラジオ放送もパキスタンとアフガンの国境から出撃した米軍ヘリコプターがアフガン領内に進入、地上軍を投入させたと報道したが、国防部はこれを否認した。

米メディアは「米軍はカブールの北方50キロ地点にあるタリバンの唯一の全天候飛行場、バグラム空軍基地を占領した。ここを拠点とし、特殊部隊など地上軍を投入して、タリバンに効果的な打撃を加えるのではないか」と伝えた。

しかし米メディアは「米軍が地上戦で北部同盟とどの程度連合関係を深めるかは定かではない」と指摘した。ニューヨークタイムズ紙は北部同盟を不信しているアフガニスタン内の多数派、パシュトゥン族と、北部同盟と対峙状態にあるパキスタンなど、外国を考慮しなければならない米国の立場を言及しながら、米軍首脳部内でも北部同盟との合同作戦範囲をめぐって見解が分かれていると伝えた。

姜賛昊(カン・チャンホ)記者 < stoncolf@joonang.co.kr >


2001.10.18 22:18

ビンラディン氏の側近、自分が持っていた手りゅう弾で死亡


 [イスラマバード 19日 ロイター] アフガニスタンで、ウサマ・ビンラディン氏の側近が、自分が手に持っていた手りゅう弾の爆発で死亡した。パキスタンを本拠とするアフガン・イスラム通信(AIP)が報じたもの。
AIPによると、エジプト人のAbu Baseer al-Masri氏は、爆発で腕や胸を広範囲に負傷し、2日後の13日、ジャララバードの病院で死亡した。
先に、ビンラディン氏の側近は、米軍の爆撃で死亡したと報じられていた。(ロイター)
<アフガン攻撃>「必ずカブール落とす」 北部同盟前線基地ルポ

 【ジャバルサラジ(カブール北方)大木俊治】アフガニスタン北部を支配する反タリバン連合(北部同盟)の基地パンジシール渓谷のジャバルサラジに18日入った。カブールまでは70キロ。攻略の拠点になる。数十キロ離れた前線からは、時折砲弾を放つ音が響く。町はタリバン撃退を目指す機運と緊張に包まれていた。

 記者はタジキスタンとの国境の町ホジャパファウディンから四輪駆動車や大型トラックを乗り継ぎ、ファイザバードを経由して6日間かけて到着した。

 途中の山岳地帯では、切り立ったがけ沿いの悪路が続いた。すでに岩山の山頂は白く雪化粧し、夜間は氷点下に冷え込む。パンジシール渓谷の手前には標高約4500メートルの峠があり、車を降りて徒歩で越えた。

 この道路は北部同盟の兵員や武器弾薬を輸送するルートにもなっており、ムジャヒディン(イスラム聖戦士)を荷台に大勢乗せた旧ソ連製大型トラック「カマズ」を途中で何度も追い越した。

 兵士らは、タロカンやマザリシャリフの攻略に向けた北部前線での戦闘に4カ月間派遣され、交代のためパンジシールへ戻る途中だった。パンジシールの手前で会った兵士、ホンオゴール君(19)は「必ずカブールを攻略する。我々に困難はない」と胸を張った。

 テロで死亡した同盟の指導者、マスード将軍の故郷、バザーロク近郊では、将軍の墓地を建設中で、多くの住民が花を手に墓参に訪れていた。レンガ造りの塔状の廟を建てる計画という。墓地の前には、将軍の演説文が掲げられていた。「私の目標はアフガニスタンの独立。ただそれだけだ」(毎日新聞)
<米中首脳会談>「テロとの戦い」協力で新たな関係づくりへ

 APEC出席のため中国・上海を訪れたブッシュ米大統領は19日午前、同市内で江沢民・中国国家主席と会談した。江主席はアフガン攻撃の現状と見通しを大統領から聞いたうえで、「テロとの戦い」への協力を改めて表明する見通し。ブッシュ政権発足後、初の米中首脳の直接会談は、新たな米中関係へと踏み出す機会になる。(毎日新聞)
イラン国内で米軍機墜落事故が発生すれば救助する=情報相


 [テヘラン 18日 ロイター] 国営イラン通信(IRNA)は、ユネシ情報相が、米軍機が対アフガニスタン軍事行動に参加した際、イラン国内に墜落した場合にはこれを救助する、と述べたと報じた。
 このなかでユネシ情報相は、「イラン政府は米政府に対して、イラン国内で航空機の墜落事故が発生した場合、これを救助し(乗組員と機体を)返還する、しかし米軍機の領空通過は認めないと伝えた」と述べた。(ロイター)
<アフガン攻撃>アルカイダメンバー複数死亡 米当局、初の確認

 【ワシントン吉田弘之】米国防総省高官は18日、アフガニスタン空爆でテロ組織「アルカイダ」の複数のメンバーが死亡したことを明らかにした。空爆開始後、米国防当局者がアルカイダメンバーの死亡を確認したのは初めて。

 ロイター通信によると、高官は「アルカイダの軍事組織とみられる集団の動きがあり、標的となった。何人かのメンバーが死亡している」と述べた。しかし、死亡したのが同時多発テロ事件の重要容疑者、ウサマ・ビンラディン氏の側近なのかどうかは不明だ。

 マイヤーズ米統合参謀本部議長によると、米軍は17日の空爆でAC130に加え、地上施設などを攻撃できるF15E戦闘機を投入した。

 一方、ラムズフェルド国防長官は、米特殊部隊がすでにアフガン国内で展開しているとの情報の確認を避けながら「陸海空軍力だけでは(テロ組織に)対抗できない」と述べ、特殊部隊の有効性を強調した。米軍はすでに上空からタリバン軍に投降を呼びかける放送を開始。その中に「投降する際は、両手を上げて、米兵に近づきなさい」という内容があり、米メディアは、すでに特殊部隊が展開されている可能性を指摘している。(毎日新聞)
<タリバン政権>米の攻撃での死者・不明900人 衛星TVで

 【カイロ小倉孝保】タリバン政権のスポークスマンは18日、カタールのアラビア語衛星テレビ「アルジャジーラ」に出演し、米軍の攻撃による死者・行方不明者は900人になっている可能性があることを明らかにした。

 スポークスマンはアフガニスタン国内からビデオ電話で出演し、「空爆開始からこれまでで、死者は600人から900人になっている。がれきの下に埋まっていて確認できない犠牲者が大勢いる」と述べた。

 アルジャジーラは18日、カブールやカンダハルで、住民が協力してがれきの下の遺体を次々と運び出す映像を流した。スポークスマンの発表した数字の確認は不可能だが、民間人に大量の被害が出ていることは間違いないとみられる。(毎日新聞)
アフガン空爆でアルカイダ幹部死亡の可能性あるが未確認=米国防長官


 [ワシントン 18日 ロイター] ラムズフェルド米国防長官は、米軍のアフガンニスタンに対する空爆でアルカイダ幹部が死亡した可能性はあるが、確認はとれていないと述べた。
 同長官は記者会見で、「アルカイダの幹部が死亡した可能性がある、という言い方が最も正確だ。可能性はある。しかし確認はしていない」と述べた。(ロイター)
アフガン空爆で60人以上が死亡=タリバン政権教育相


 [イスラマバード 18日 ロイター] アフガン・イスラム通信(AIP)は、タリバン政権のアミル・カーン・ムタキ教育相が、現地時間17日朝からの空爆でカブールとカンダハルで60人以上の死者が出たと述べたと報じた。
これによると、カンダハルでは少なくとも47人の民間人が死亡した。
AIPは、カブールとその近郊で少なくとも15人が死亡したと伝えた。(ロイター)
【オーストラリア】首相、豪軍の派兵を発表

ハワード首相は17日午前10時過ぎに緊急会見を開き、現在行われている米軍によるタリバン攻撃に協力するため、近く豪軍の派兵を行うと発表した。当初予定を大幅に上回る総勢1,550人が今後数週間のうちに、アフガニスタンなどに向けて送り出されることになりそうだ。メルボルンで行われた会見の中で同首相は前夜、ブッシュ米大統領との間でテロ事件発生以来2回目となる電話会談が行われたことを明かしている。
同大統領は豪州が早い段階から米国を支持し、テロリストとの対決姿勢を一貫して取り続けていることに対する感謝を表すとともに、両国共同による作戦を実施に移すことを示唆。実質的な協力要請が行われたという。
同首相はこれに先立つ今月4日、米軍への協力体制として、◇特殊空てい部隊(SAS)150人◇燃料空中補給機2機◇フリゲート艦HMAS『アンザック』またはその後継艦、などを投入する計画を発表。当時、派兵総数は約950人とされていた。
しかしハワード首相は今回、この数字をはるかにしのぐ、総勢1,550人の派兵に加え、新たにF/A18戦闘機4機の投入の意思を明らかにしている。
派兵の時期については来月半ばとの見方が有力だが、詳細な日程については後日確認されるもよう。
なお同首相は会見に先立ち、野党労働党のビーズリー党首に対し、16日夜と17日朝の2回電話連絡を取り情報の伝達を行っている。
選挙期間中ではあるものの、同党首はこの件に関し米国との共闘を主張。政府与党と同じ立場にあることを訴え続けている。
■死傷者が出る可能性も
ハワード首相は会見で、派兵に伴い豪軍の中から被害者が生じる可能性についても言及。戦場に赴いていく以上、「危険はないと偽ることはできない」とコメント。死傷者が出る確率について「極めて高い」との見方を示している。
とりわけ豪軍の精鋭部隊SASについては、調査・救援活動だけでなくタリバン側兵士と実際に地上戦を繰り広げることも予想されるため、「大変危険な任務である」と位置づけている。
また、多国籍軍を率いて参加した2年前の東ティモール派兵時と比較。より困難な状況になるだろうとの意見を述べている。
一方米国下院議会は先ごろ、米豪両国の相互防衛を定めたアンザス条約の採用を決めたようだ。(NNA)