2001
10/16
10/16 アフガニスタン、16日も首都カブールや近郊で爆撃


 [カブール 16日 ロイター] 複数の目撃者によると、米国主導のアフガニスタン空爆が続き、首都カブールやその近郊で爆撃が行われた。
  ロイターの記者によると、首都カブールでは投下された爆弾が2発爆発した。 これまでの爆弾が首都郊外に投下されたのと異なり、今回の空爆では爆弾が市内に落とされたもよう、という。
 被害や死傷者などについては現時点では不明。
 ロイターの記者によると、カブールの爆撃に先立ち、カブール近郊にも爆撃が行われたが、タリバンの対空砲火は小規模ものだった。 米国によると、タリバンの防空体制は壊滅状態で、米軍機は思いのままの攻撃が可能という。(ロイター)

<イスラム教>スンニ派最高機関が「アルカイダは誤った教徒」

 カイロにあるイスラム教スンニ派最高権威機関アズハルの総長、タンタウィ師(72)は毎日新聞との会見に応じ、米軍のアフガニスタン攻撃について「市民に被害の出る攻撃は許されない」と非難。一方でウサマ・ビンラディン氏が率いる過激派組織「アルカイダ」は「誤ったイスラム教徒であり、犯罪者集団だ」と糾弾した。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>AC130攻撃機を投入して初の低空作戦

 米軍は15日、アフガニスタンのタリバン政権の拠点カンダハルで、AC130を投入した初の低空攻撃を行い、作戦はタリバン政権の指導部殺害も視野に入れた新段階に移った。アフガン攻撃圏内には、新たに到着したセオドア・ルーズベルトを含めて4隻の米空母が集結、空爆態勢も強化されつつある。(毎日新聞)
米国防総省が「イコノス」の衛星写真を買い占め

 【ワシントン16日=館林牧子】米国防総省の関連機関、国家画像地図局(NIMA)は16日までに、米スペースイメージング社の所有する衛星「イコノス」が撮影するアフガニスタンの写真を独占する権利を確保したことを明らかにした。

 本格的な地上作戦を前に、米軍の展開状況などの衛星写真が、アフガニスタンを実効支配するタリバンやウサマ・ビンラーディン一派に流れるのを防ぐ狙いがあるとみられる。

 イノコスは世界で最も解像度の高い画像を提供する民間衛星の1つで、約1メートルの地上の物体を見分けることができる。

 推定解像度が約10センチ・メートルとされる米軍の衛星に比べれば性能は劣るが、米軍では長時間、戦闘地域の情報を得るために補完的に利用する計画だという。

 買い占めのための契約額は数百万ドル(数億円)とみられる。同社は「詳細は明かせないが、素晴らしい取り引き」と語っている。(読売新聞)
<アフガン攻撃>北部同盟がマザリシャリフでタリバンと戦闘

 ロシアの各テレビが16日、反タリバン連合筋の情報として伝えたところによると、ドスタム将軍の部隊が同日未明、アフガニスタン北部バルフ州の要衝マザリシャリフ郊外に到達し、タリバン勢力との戦闘を展開している模様だ。マザリシャリフ陥落の可能性が強まったとみられる。マザリシャリフはアフガン北部最大の町。(毎日新聞)
干ばつのタジキスタン、国連機関が緊急食糧援助を呼び掛け


 [ドゥシャンベ 16日 ロイター] 国連専門機関の世界食糧計画(WFP)は、2年間の干ばつで約100万人の住民が飢饉(ききん)に直面しているタジキスタンへの緊急食糧援助を呼びかけた。
 WFPが、声明文で明らかにした。
 現在は米英軍の空爆を受けている隣国のアフガニスタンが国際人道支援の焦点となっているが、WFPはタジキスタンも深刻な危機に瀕していると指摘。
 声明は、「タジキスタンの長期にわたる干ばつは地域的な現象の一部であり、隣国のアフガニスタンにも被害を及ぼしているが、タジキスタンへの支援は少なすぎる」としている。
 WFPが今回支援を求めているのは、タジキスタンの山岳地帯の住民100万人が冬季に必要とする食糧6万7000トン(3600万ドル相当)。
 この地域では住民のわずかな食糧備蓄が既に底をついており、雇用機会も皆無に等しい状況という。
カンダハル、15日に約130回の米軍主導の攻撃を受ける=タリバン


 [イスラマバード 16日 ロイター] アフガニスタンを実効支配するタリバン政権は、国内南部の拠点としているカンダハルが15日に約130回の米軍主導の攻撃を受け、犠牲者が出ていることを明らかにした。
 タリバン情報省の当局者はロイター通信に対し、カンダハルの北西約30キロに位置するラル・モハマド村への攻撃で、一般市民4人が死亡し、8人が負傷したと述べた。
 当局者は「(ラル・モハマド村の)がれきの下には、まだ犠牲者がいる。15日の空爆の犠牲者はこれ以上いるが、現地の基地と連絡がとれず、正確な人数をつかめていない」と話した。(ロイター)
<テロ大戦>タリバン最精鋭「第55旅団」とは



米国がタリバン「第55旅団」をせん滅目標1号に指定したことで、この部隊の正体に関心が集まっている。

タリバンの最精鋭部隊である「第55旅団」は「タリバン信徒」で構成されている。 アフガニスタン出身とパキスタンおよびアラブ国家出身の外国人志願兵で構成された多国籍軍だ。

正確な兵力規模は知られておらず、分析者によって1000人から数千人までと推算も幅広い。 この部隊は内戦期間、タリバンがアフガニスタン北部の拠点マジャリシャリフを占領した際にも率先し、先週の北部同盟との戦闘でも主力となった。 タリバン政権の核心部隊というわけだ。

この旅団は構成員が「死を誓って」志願した激烈派であるうえ「海外派戦士」の数が増えたことで、最近数年間、タリバン内部での発言権を大きく強化した。

特に第55旅団は、ウサマ・ビンラディン氏が率いる「アルカイダ」の海外支部に同部隊出身戦士を供給している。 したがって第55旅団は軍事組織でありながらも、ビンラディン氏とタレバン政権を連結する政治的役割も果たすといわれる。

米国は同部隊の破壊を通じて▽タリバンの戦力瓦解▽ビンラディン氏とタレバン政権分離▽アルカイダ組織の弱体化−−などを狙っていると、ワシントンポストは分析している。

姜賛昊(カン・チャンホ)記者 < stoncold@joongang.co.kr >


2001.10.16 12:25

<アフガン攻撃>特殊作戦の演習? 米軍がヘリ投入 ロイター

 【ワシントン布施広】ロイター通信によると、米軍は15日、低空から地上の標的を銃撃するAC130機を、アフガニスタンのタリバン政権の拠点カンダハルの攻撃に投入したと報じた。爆撃機や戦闘機以外の航空機による直接攻撃は初めてで、特殊作戦の予行演習との見方もある。

 AC130は14人乗りで、1分間に約2500発撃てる機関銃や105ミリ曲射砲などを搭載、地上の敵との接近戦に多用される。制空権を握った米軍は、低空攻撃も可能と判断、同機の投入に踏み切った模様だ。標的などは明らかでない。

 これより先、米CNNテレビは、カンダハルで住民がヘリコプターからと見られる機関銃の連続発射のような音を聞いたと報じ、特殊作戦が始まったとの観測も流れていた。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>「民間人死亡」は「うそ」 米国防長官

 【ワシントン布施広】ラムズフェルド米国防長官は15日、アフガニスタンのタリバン政権地上軍への攻撃を強める方針を示す一方、空爆で多数の民間人が死んだとするタリバン側の主張を「馬鹿げている」と一蹴、タリバンは「うそつきだ」と非難した。また、マイヤーズ統合参謀本部議長は、米軍はあらゆる天候に対応できると述べ、冬に入ってもアフガン攻撃を続ける構えを見せた。

 ラムズフェルド長官は会見で、タリバン部隊の攻撃に重点を置いていることを確認。タリバン部隊が、空爆を逃れて都市部より前線に隠れる傾向があることに触れ、「今後、そこ(前線)は安全な場所ではなくなるだろう」と前線空爆を強化することを示唆した。また、1週間以上の空爆にもかかわらず、タリバン側は航空機やヘリコプター、対空ミサイルなどを温存しているとの見方を示し、標的に関する情報を集めて空爆を続行する意向を示した。

 一方、マイヤーズ議長は、米軍が14日から「テロとの戦い」に理解を求めるビラをアフガン国民にまき始めたことを明らかにした。深い雪が積もる冬も軍事作戦は可能かとの記者団の問いに、議長は「我々は全天候型の戦力を有している。冬からその先についても、作戦立案を進めている」と語った。(毎日新聞)
対アフガン攻撃にトマホーク巡航ミサイルを投入=米統合参謀本部議長


 [ワシントン 15日 ロイター] マイヤーズ米統合参謀本部議長は、米軍が前週末、アフガニスタン国内の約24カ所を目標に空爆を実施し、この作戦にはトマホーク巡航ミサイルを投入したことを明らかにした。
 また初めて宣伝ビラを投下したことも明らかにした。
 マイヤーズ議長は、13日には米軍は「テロリストのキャンプ、軍事訓練施設、飛行場、防空施設、指揮系統」などを含む約17カ所の標的を攻撃したと述べた。
 13日の作戦には10機の長距離爆撃機を含め約25機の航空機が参加したほか、米英軍の艦船および潜水艦から約15発のトマホーク巡航ミサイルを発射したと述べた。
 また14日には約7カ所の標的に攻撃を加え、これには軍事訓練施設のほか地対空ミサイルの格納庫や部隊集結地など「アルカイダのインフラストラクチャー」を含むと述べた。(ロイター)
独テレビ局、タリバン政権による暗殺対象者リストを入手


 [ベルリン 15日 ロイター] ドイツの公共放送ARDテレビは、アフガニスタンのタリバン政権によるものとされる「暗殺対象者リスト」を入手した、と述べた。
 このリストは、タリバン政権の最高指導者であるオマル師が7月に署名したとされるもので、ザヒル・シャー元国王を含む同政権の敵対勢力106人の名前が列挙されているという。
 ADRの番組「リポート・マインツ」のスタッフは、ロイター通信に対し、このリストが作成されたのは、米軍による報復攻撃が始まる前で、リストには西側諸国の政治家の名前は含まれていない、と述べた。(ロイター)
タリバンをテロリスト集団と認識したことはない=パキスタン外務省


 [イスラマバード 15日 ロイター] パキスタン外務省のカーン報道官は、現在も過去においても、アフガニスタンを実効支配しているタリバンをテロリスト集団と認識したことはないと述べたうえで、ウサマ・ビンラディン氏の身柄を拘束するために米軍を中心に実施しているアフガンに対する攻撃が短期間で終結することに期待を表明した。
同報道官は、パキスタンはタリバンをテロリスト集団とみなしているのか、との質問に対し、「タリバンはテロリスト集団ではない。そのように認識したことはない」と述べた。
そのうえで、米国主導の軍事行動が短期間で終結することに期待を表明し、「軍事行動の長期化は新たな懸念材料になる。長期化することで、罪もない多数の市民の命が失われる不幸な出来事が予想されるからだ」と述べた。
そのうえで、この日パキスタンに入る予定のパウエル米国務長官と、この問題について協議すると述べた。(ロイター)
米主導のアフガニスタン空爆、1週間で60の攻撃目標破壊=英当局者


 [ロンドン 15日 ロイター] 英国防当局者によると、米軍主導のアフガニスタン攻撃は、開始から1週間で、60カ所の攻撃目標を破壊した。
攻撃対象は、タリバン政権の軍事施設やテロリスト訓練キャンプなど、すべて軍事関連のものだという。
また、英国は、潜水艦3隻、空軍偵察機や空中給油機などを投入、兵士800人が作戦に参加したという。
同当局者はさらに、巡航ミサイル「トマホーク」が、2夜にわたって英潜水艦から発射されたことを初めて認めた。(ロイター)
<アフガン攻撃>北部同盟部隊がマザリシャリフへ急接近

 【モスクワ石郷岡建】タス通信は15日、反タリバン連合(北部同盟)の情報として、北部同盟に参加するウズベク系ドスタム将軍の部隊が、タリバン勢力の支配するマザリシャリフ郊外の飛行場まであと約6キロと迫ったと報じた。

 ドスタム将軍の部隊は、マザリシャリフの南と南東方向から急接近していた。タリバン勢力数千人がドスタム将軍部隊の側に合流し、兵力は1万人を超える勢いにあるいう。(毎日新聞)
米軍がカブール、カンダハルなどで空爆続行

 【ワシントン15日=長谷川由紀】米軍によるアフガニスタン・タリバン勢力に対する武力攻撃は15日午後(現地時間)も断続的に続き、米CNNテレビによると、米軍は首都カブール北方の空港や軍事施設、タリバンの本拠地カンダハルで空爆を続けた。タリバン側も対空砲で応戦した。

 また、アフガン・イスラム通信によると、米軍は同国北部マザリシャリフの軍用空港を戦闘機で4回にわたって攻撃。東部の拠点都市ジャララバードではタリバン司令部を攻撃した。

 ロイター通信は、タリバン政権の広報担当者の話として、北西部バドギス州の州都カレナウの空爆で、住人12人が死亡、32人が負傷したと伝えた。(読売新聞)
【シンガポール】建国以来最大の試練:ゴー首相

世界的な景気後退に対処するため、政府はリー・シェンロン副首相を中心とした経済戦略委員会を設立する。ゴー・チョクトン首相が14日、明らかにした。労働組合や雇用者の代表約1,200人を前に演説した同相は、シンガポールは建国以来、最大の試練を迎えている」と述べ、「全国民は政府の下で一致団結し、国家の安定と繁栄を脅かす危機を乗り越えなくてはならない」と力説した。リー副首相率いる経済委員会は、シンガポールの発展戦略と経済再編策の青写真作成を目的として設立される。リー副首相のほか、トニー・タン副首相、通産省や人的資源省、大蔵省の担当者が省の枠を超えて課題に取り組む。
ゴー首相は先の建国記念日の演説で、シンガポールが今後取り組むべき課題として、◇経済活動範囲の域外への拡大◇国民の起業心を鼓舞し、経済成長の柱とする◇革新的な国になる――など3点を挙げており、これに応じた青写真づくりが行われるとみられている。
ゴー首相はまた、テロ事件と米国の報復行動に絡み、シンガポールが直面する3つの脅威として、◇テロによって安全が脅かされること◇米国の対テロ戦争によって国民が分断され、社会的な結束が失われること◇経済減速が長引いた場合に国民の生活と雇用が深刻な影響を受けること――を挙げた。
■テロ集団が求人活動
ゴー首相によると、1985年にインドネシアのジャワ島中部で起きたボロブドゥール仏教遺跡爆破事件の犯人とされるインドネシア人宗教家が、1990年代初期に少なくとも5人のシンガポール人と接触。同宗教家が所属する中東のテロ組織にシンガポール人を勧誘し、シンガポールに同組織の支部を設立するよう促したという。このシンガポール人らは結果的に同組織との関係を絶ったというが、同相はこのエピソードを紹介し、「われわれはこの経験から、国民自身がテロ組織の活動に加担していなくても、第3者からは『シンガポール人がテロ計画を支援した』と見られるかもしれないことを学んだ」と語り、テロ活動への警戒を強化する必要性を強調した。
■「聖戦」呼びかけに注意
ゴー首相はまた、対テロ制裁を目的とした米国主導のアフガニスタン攻撃が、人種や宗教の違いに応じ、国民の間に異なる反応を引き起こしていると指摘。一方で、シンガポールは他国と違い、非イスラム教徒によるイスラム教徒への「疑念」はないと語った。
同相は、ムスリムの代表者らが自らの姿勢(テロ反対)を明確にし、タリバンによる「米国に対するジハード(聖戦)」の呼びかけに惑わされていないことを強調した。(NNA)
<アフガン攻撃>15日も空爆は継続 標的は13施設以上

 米軍によるアフガニスタン空爆は現地時間の15日も行われ、米国防総省高官によると戦闘機約50機、B1など爆撃機約10機を動員した最大級の攻撃を展開している。ロイター通信によると、標的はタリバン政権の地上軍や軍事施設など少なくとも13施設に上るという。(毎日新聞)