2001
10/11
10/11 空爆でアフガンの標的40カ所を破壊=英当局


 [ロンドン 11日 ロイター] 英当局は、米軍主導による4夜連続の空爆でアフガニスタン国内の40カ所の標的を破壊したとした上で、この攻撃は長期戦の始まりに過ぎない、と警告した。
 英国防当局のボイス参謀長は記者会見で、「まだ始まったばかりだ。テロリズム撲滅という目的の達成には、まだ遠い」と述べた。
 一方、フーン国防相は、タリバンを離れる兵士が出てきているとし、空爆作戦が”タリバンの団結力”に打撃を与えている、との見方を示した。
 同国防相はまた、民間人の犠牲者に関する情報を調査中であるとした上で、約100人が犠牲になったとのタリバンの情報に関しては確認できていない、としている。(ロイター)
タリバン大使が「100人死亡」主張

 【イスラマバード11日=岡田滋行】ザイーフ・タリバン政権駐パキスタン大使は11日、イスラマバードで記者会見し、最大規模となった10日夜の米軍による空爆で、アフガニスタン東部ジャララバード近郊で、約100人の死者が出たと主張した。また同大使は、ジャララバード市内のモスク(イスラム教寺院)も空爆にあい、15人が死亡したと述べた。

 アフガン・イスラム通信によると、ジャララバード西方約35キロのカラム村が空爆され、子供や女性を含む約100人が死亡し、村は完全に破壊されたという。(読売新聞)
米軍、パキスタンに展開

 【イスラマバード11日=佐藤浅伸】パキスタンの軍当局者は11日、アフガニスタンで国際テロ勢力掃討作戦を展開している米軍に対し、国内の2空港の使用許可を与え、既に米軍が進駐を開始していることを認めた。また、11日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、アフガンの反タリバン勢力「北部同盟」幹部の話として、米英の特殊部隊がすでに北部同盟支配地域のアフガン北東部に展開していると伝えた。

 アフガンに隣接するパキスタンの空軍基地を確保したことで、米軍は低空ヘリ攻撃を主眼に、特殊部隊の投入を念頭に置いた軍事作戦の第二段階に着手した。

 パキスタン政府が米軍に使用許可を出したのは、同国南部シンド州ジャコババードと、アラビア海にのぞむバルチスタン州パスニ。パキスタン軍はさらに幾つかの空港施設も米軍の作戦に応じるられるよう考慮しているという。

 制空権を掌握した米軍はこの2空港を足場に、足の短い低空ヘリを投入し、洞くつなどに潜むビンラーディン一派やタリバン部隊に近接攻撃で打撃を与えつつ、特殊部隊本格投入の機会をうかがうと見られる。

 一方、ニューヨーク・タイムズは、北部同盟支配下に展開する英米特殊部隊の活動内容や規模は明らかにしていないが、西側筋によると、フランスも20―30人規模の諜報(ちょうほう)部員をアフガン国内に派遣したという。

 米国は、北部同盟と事実上、連携し、軍事作戦を遂行する姿勢を示してきたが、特殊部隊がアフガン領内に拠点を築き始めたことが伝えられたのも初めて。また、パキスタン政府当局者は、パキスタンに確保した2空港から英米特殊部隊が投入され、ビンラーディンのテロ組織「アル・カーイダ」部隊に対する攻撃が行われる可能性にも触れた。(読売新聞)
<アフガン飢餓>食糧空輸で米軍と協力も WFP会見

 来日中の世界食糧計画(WFP)のグレース事務次長は11日夕、都内で会見、アフガニスタンに冬期に食糧を空輸する際、米軍機を使う可能性があると語った。米軍は現在、アフガンの制空権を確保しており、民間機が飛べない場合、米軍と協力して飢餓対策に当たる考えを示唆した。(毎日新聞)
北部同盟、タリバンへの総攻撃・カブール進攻を延期

 【モスクワ支局11日】タス通信などによると、アフガニスタンの反タリバン連合「北部同盟」は、首都カブールへの総攻撃を数週間、先延ばしすることになった。カブール進攻の延期で、米英軍の軍事作戦は少なくとも数週間は続く可能性が出てきた。

 総攻撃の延期は米国などと協議して決めた。北部同盟は、タリバン打倒後の政権構想が固まらないうちに首都に進攻すれば、一般市民を巻き込んだ混乱や流血を招きかねないとしている。

 北部同盟は、抗争を続けてきたタジク人、ウズベク人、ハザラ人などの寄り合い所帯。「打倒タリバン」では一致しているが、その後の新政権の主導権をめぐり、民族間では思惑の違いも生じている。

 このため、同盟内では、タリバン後に安定した体制を築くためにも、総攻撃前に各勢力の立場を調整することが必要との判断が強まったと見られる。

 タリバンの軍事施設は7日に始まった米英軍の空爆で破壊が進んでいる。しかし、タリバンが地上戦に備えてどの程度の武器や兵士を温存しているかは不明で、北部同盟も現時点で一気に攻勢をかけられる状況にないのも事実だ。

 カブール進攻を延期する背景には、タリバンが一層弱体化するのを待つ方が得策との判断もあるとみられる。(読売新聞)
<サウジアラビア>ブレア英首相訪問を拒否 アラブ有力紙報道

 【カイロ小倉孝保】ロンドン発行の汎アラブ有力紙アッシャルク・アルアウサトは11日、サウジアラビア政府がブレア英首相のサウジ訪問の申し入れを拒否したと伝えた。米英軍のアフガニスタン攻撃でアラブ・イスラム社会には反米英感情が高まっており、サウジ政府は英国と接近している印象を国民に持たれるのは得策でないと判断したようだ。

 同紙によると、ブレア首相は当初、10日にオマーン入りし同日午後、サウジを訪問する意向を持っていた。9日に同首相はアブドラ・サウジ皇太子に電話で訪問を受け入れるよう説得したが、サウジ政府は同意しなかったという。

 サウジ政府筋は「サウジ政府が自身のアラブ・イスラム社会での立場を考え、この時期に英首相を受け入れるべきでないと考えた」と説明している。サウジはメッカ、メディナのイスラム2大聖地を抱えていることから、イスラム世界の盟主という自負が強い。米英軍がアフガンを攻撃している今、英首相の訪問を受け入れれば、サウジ政府が同胞への攻撃を支持しているとイスラム教徒が考え、反発がサウジ政府自身へ向くと考えたとみられる。

 一方、ブレア首相に同行している英政府筋は「サウジ訪問の希望はあったが、実務面で実現できなかった。近く訪問する機会があるだろう」と語っている。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米軍パキスタン国内に駐留 大統領報道官

 【イスラマバード小松健一】パキスタンのクレシ大統領報道官は11日、米軍が既にパキスタン国内に駐留していると明らかにした。パキスタン軍情報機関筋によると、政府はシンド州とバルチスタン州の2カ所の空港について米軍に使用許可を与えており、米軍はこの2空港に輸送機やヘリコプターなどを派遣して、後方支援体制の整備を始めたという。

 同筋はまた、米空母キティホークがパキスタン領海付近に展開していると述べた。米軍はアフガニスタン北隣のウズベキスタンに山岳師団を派遣している。パキスタンでの後方支援基地確保によって、地上部隊投入をにらんだ準備が着々と進んでいると言える。

 米軍が使用許可を得たのは、シンド州のジャコババード空軍基地、バルチスタン州の民間共用のパスニ空港とみられる。クレシ報道官は「(パキスタンにいる米軍は)戦闘部隊ではないと認識している」と、2空港は攻撃基地ではないと強調。情報機関筋も、通信、航空管制などの後方支援▽米軍機の補修など緊急時の利用――に限った空港使用だと指摘した。

 11日付の米紙ワシントンポストによると、両空港に到着した米兵は数百人に上るという。(毎日新聞)
<アフガン>カブールで食料配給へ寄付金募る 福岡のNGO

 パキスタン北西部のペシャワルを拠点に同国やアフガニスタンで医療活動を続けるNGO「ペシャワール会」の現地代表、中村哲医師(55)は11日、福岡市内の事務局で、アフガンの首都カブールにある会の五つの診療所周辺で近く、食料配給を始めると発表した。「多くの市民が餓死する危険がある」と訴え、寄付金を募る。(毎日新聞)
<パキスタン>12日、反米抗議行動を計画 原理主義勢力

 米英軍のアフガニスタン攻撃を受け、パキスタンのイスラム原理主義勢力が空爆後、最初のイスラム教の金曜礼拝日にあたる12日に全国規模の反米抗議行動を計画している。これに対し、政府は反テロ法を適用して徹底的に弾圧する構えだ。騒乱に発展して反政府運動につながる恐れもあり、ムシャラフ政権は正念場を迎える。(毎日新聞)
アフガニスタンの反タリバン勢力、首都カブールとヘラート結ぶ主要道路を制圧


 [テヘラン 11日 ロイター] アフガニスタンの軍閥幹部イスマイル・ハーン氏に忠誠を誓う勢力は、アフガンの首都カブールと西部の都市ヘラートを結ぶ幹線道路にある主要都市を制圧したことを明らかにした。

同勢力のスポークスマンが、衛星電話でロイター通信に述べた。
タリバン軍が、アフガン北部とカブールを結ぶ主要補給ルートを失った、と北部同盟が10日に発表した後だけに、これが事実ならばタリバンにとって大きな痛手となる。(ロイター)
<パキスタン>駐イタリア大使がアフガン元国王を高く評価

 パキスタンの駐イタリア大使は9日、毎日新聞と会見し、ローマに亡命中のザヒル・シャー元アフガニスタン国王(86)を「広範な支持を集められる指導者」と高く評価、パキスタン政府との交渉が進んでいると表明した。元国王を中核にした新政権樹立により、アフガンへの影響力を維持したい意向を表明したと言える。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>米の空爆は開始以来、最大規模 特殊爆弾も使用

 【ワシントン吉田弘之】米軍がアフガニスタンに対し現地時間10日夜から11日未明に行った空爆で、現地からの報道によると首都カブールへの爆撃は7日の開始以来、最大規模だった。南部カンダハルへの空爆も激しかった。各地の頑丈な地下施設などを標的とする場合、特殊爆弾も使用され始めている模様だ。また、ウサマ・ビンラディン氏の行方追及のため大がかりな特殊部隊の投入を計画しているとされ、作戦は新段階に入りつつある。

 米国防総省当局者は10日、ビンラディン氏が率いるテロ組織「アルカイダ」やタリバン軍の地下施設などを破壊するために特殊爆弾の使用を本格化することを明らかにした。AP通信などによると、使われるのは「バンカー・バスター」(GBU28)や「クラスター爆弾」など。

 バンカー・バスターは地中に深く潜って爆発する。AFP通信は10日、米国防当局者の話を引用して、少なくとも1発のバンカー・バスターが9日に初めて使用されたと伝えた。

 クラスター爆弾は、投下後に内部の小型爆弾が飛散し、広範囲の目標物を破壊する。地上軍の部隊や車両などを攻撃し、将来の地上作戦に備えるものとみられる。

 これまでの空爆では、兵士を中心に多数の死者が出ている模様。CNNテレビによると国防総省当局者は、7日の爆撃でタリバンの最高指導者オマル師の男性親族2人を含む政権指導者数人が死亡したと明らかにした。タリバン軍に近い筋の情報だという。

 国防総省の10日の発表によると、9日は5〜8機の爆撃機と10機の戦闘機が出撃、6施設を空爆した。北部マザリシャリフではタリバン地上軍を標的にした。10日の空爆の詳細は公表されていない。(毎日新聞)
<クウェート>「アルカイダ」スポークスマンの国籍をはく奪

 クウェート政府は10日、米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏が率いるテロ組織「アルカイダ」のスポークスマン、スライマン・アブ・ゲイス氏(36)のクウェート国籍はく奪を決めた。同氏は米英両国が実施した対アフガニスタン攻撃後に、アルカイダが行った米国への「報復テロ宣言」も発表していた。(毎日新聞)
最終的には武装ヘリの投入を計画=米国防総省筋


 [ワシントン 10日 ロイター] 米国防総省の当局者らは、サウジアラビア出身のイスラム過激派ウサマ・ビンラディン氏と連合を組むゲリラを掃討するため、米国が最終的には武装ヘリコプターのアフガニスタンへの投入を計画していることを明らかにした。
 ただ、同当局者らはロイター通信に対して、爆撃機や戦闘機による攻撃が現在続けられており、そうした武装ヘリコプターによる超低空攻撃は差し迫ったものではない、と述べた。

 武装ヘリコプターによる攻撃計画は最初に10日付のニューヨーク・タイムズ紙で報じられたが、同当局者の1人は、同計画について、「そうした攻撃が直ちに行われると予想しないほうがいい」と述べた。
 国防総省当局者らによると、特殊部隊用のヘリコプターを含め、UH−60「ブラックホーク」などの武装ヘリコプターが、AH−64「アパッチ」戦闘ヘリコプターなどの援護を得て、投入される可能性がある。
 超低空ヘリコプターは、タリバン政権の軍隊やビンラディン氏と連合を組むゲリラの砲撃を受けやすい可能性がある。 (ロイター)
米国で防毒マスクの需要が増大、海外企業も大量受注


 [サンティアゴ(チリ) 10日 ロイター] 米国で、生物学兵器を使ったテロ行為への懸念が高まっていることを受け、防毒マスクの需要が増大し、海外の企業が生産に追われている。
 チリの首都サンティアゴを拠点とする防毒マスクの製造メーカーは、このひと月、通常の生産量を上回る1万個の防毒マスクを米企業から受注した。
 同社関係者は今週、ロイター通信に対し、米国内で防毒マスクが完売となったために大量の注文を受けたものの、生産力には制限がある、述べた。
 米国民の多くは、ウサマ・ビンラディン氏を標的としたブッシュ米大統領によるテロとの戦いを支持しているが、アフガニスタンに対する米国の軍事攻撃により、米本土での新たなテロや生物化学兵器を使った事件が発生する可能性があることを懸念している。
 このため、防毒マスクや銃器、非常用品などを買い求める消費者が増えている。(ロイター)
<アフガン攻撃>米、特殊爆弾の使用を本格化 地下施設を破壊へ

 【ワシントン吉田弘之】米軍はアフガニスタン空爆を現地時間10日夜から11日未明にも行い、4夜連続の集中的な攻撃となった。現地からの報道によると、首都カブールへの爆撃は7日の開始以来、最大規模だった。南部カンダハルへの空爆も激しく、パキスタン国境にごく近いアフガン東部の軍事施設も標的になった。

 一方、米国防総省当局者は10日、ウサマ・ビンラディン氏が率いるテロ組織「アルカイダ」やタリバン軍の地下施設などを破壊する特殊爆弾の使用を本格化することを明らかにした。また、同氏の行方追及のため大がかりな特殊部隊の投入を計画しているとされ、作戦は新段階に入りつつある。

 空爆では兵士を中心に多数の死者が出ている模様。CNNテレビによると国防総省当局者は、7日の爆撃でタリバンの最高指導者オマル師の男性親族2人を含む政権指導者数人が死亡したと明らかにした。タリバン軍に近い筋の情報だという。

 国防総省の10日の発表によると、9日は5〜8機の爆撃機と10機の戦闘機が出撃、6施設を空爆した。北部マザリシャリフではタリバン地上軍を標的にした。10日の空爆の詳細は公表されていない。

 一方、AP通信が国防当局者の話として伝えたところでは、米軍は「バンカー・バスター」(BGU28)や「クラスター爆弾」などの特殊爆弾の使用を本格化させる模様だ。バンカー・バスターは地中に深く潜り爆発するため、ビンラディン氏らが潜伏に使用するとみられる洞窟やタリバン政権の地下施設などを破壊するために用いられるとみられる。

 クラスター爆弾は、投下後に内部の小型爆弾が飛散し、広範囲の目標物を破壊する。地上軍の部隊や車両などを攻撃し、将来の地上作戦に備えるものとみられる。(毎日新聞)
軍事行動地域拡大の可能性、米国務長官が示唆

 【ワシントン10日=長谷川由紀】パウエル米国務長官は10日、アフガニスタン以外のテロ組織や支援国への軍事行動について、「現段階では計画していない」とする一方で、「我々は物事を1つずつ片づけていく」と述べ、アフガンに対する攻撃が終了した後、軍事行動を他の国にも拡大する可能性を示唆した。

 ブッシュ大統領は今回の作戦について、「特定のテロリスト集団に限らず、すべてのテロ組織と支援者(国)を対象とした戦いだ」と強調しており、10日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディンとの関係が指摘されるフィリピンのイスラム原理主義過激派組織アブ・サヤフや、インドネシア、マレーシア国内の組織が対象に上がっていると報じた。

 一方、米CNNテレビは10日、米国の軍事作戦拡大に当たり、米政府が必要に応じて、旧在比米軍基地の使用をフィリピン政府に要請することで政権内の合意に達したと伝えた。アロヨ比大統領はテロ事件後、比国内の空港や港湾の使用を認める方針を示している。

 フィリピンには米国のスービック海軍基地とクラーク空軍基地があったが、フィリピン上院が1991年に米軍の基地使用を許可する協定を否決したため、92年までに全面撤退した。

 マニラからの報道では、フィリピンのゴレス国家安全保障顧問は「米軍がフィリピンに対して軍事行動を取ることはあり得ない」と否定し、「(アブ・サヤフ掃討作戦を実施している)比軍に対する技術支援や情報提供などの協力はあり得る」と述べた。(読売新聞)
タリバン政権内に分裂の兆し=英国防当局者


 [ロンドン 10日 ロイター] 英国防当局の幹部は、4日間にわたる米軍主導のアフガニスタン空爆を受けて、タリバン政権内に分裂の兆しがみられる、との見方を示した。
 ただ複数の国防当局者は、テロリズムに対する国際的な戦争が、過酷な長期戦となる見通しで、数年を要する可能性もある、と指摘している。
 英国防当局の幹部は、会見で、「タリバン内に分裂の兆しがみられる。これは希望的観測ではない」と指摘。
 さらに、「これまでのごく限られた軍事行動で、アフガニスタンの内部情勢が変化した可能性がある」との見方を示した。
(ロイター)
議論無しでアフガン以外まで戦火が拡大することはない=英首相


 [アルシャーファ(オマーン) 10日 ロイター] ブレア英首相は、同盟諸国に対し、米国主導の対テロ戦争が、議論を尽くすことなしにアフガニスタン以外にまで拡大することはない、と言明した。
 また同首相の側近は、米英がこの機に乗じてイラクに目を向ける可能性がある、との観測を否定した。
 ブレア首相はロイターテレビとのインタビューで、対米同時テロに対する行動の第1段階は唯一、(テロに対して)責任のある人々に、正義の裁きを与えることを目的としている、と語った。
同首相は、テロに対して責任のある人々として、「アフガニスタン国外で、タリバン政権の支援を受けたり潜伏しているテロリストのネットワーク」と述べた。
 また同首相は、「第2段階は、このほかにどこで国際テロの活動が行われているかを調べることだ」と述べた。
 同首相は、オマーンで演習を行っている英国軍の視察と、今回の行動に対して懐疑的な見方をとるアラブ諸国の理解を獲得するため、同国を訪れている。(ロイター)
低空攻撃準備?最大の空爆

【イスラマバード11日=岡田滋行】カブールからの報道によると、米軍は10日夜から11日未明にかけて、アフガニスタンの首都カブールやタリバン本拠地の南部カンダハルなどで、戦闘機やミサイルによる空爆を断続的に実施した。7日の米英軍による軍事行動の開始以来、最も激しい空爆となった。

 アフガン・イスラム通信は、パキスタンとの国境付近の軍事施設に対しても爆撃が行われたと伝えており、制空権を握った米軍が爆撃の規模と範囲を拡大し、低空ヘリ攻撃に向けての準備段階に入った模様だ。

 AP通信やAFP通信などがカブールから目撃者の話として伝えたところによると、爆撃は外出禁止令の対象となる午後9時(日本時間午前1時半)前後から4波にわたって行われ、カブール市内中心部や空港などで大きな爆発音が聞こえたという。タリバン側は対空砲火などで応戦したが、発射回数はこれまでに比べ減っている。タリバン側のラジオ放送が空爆で機能を停止しており、詳しい被害内容などは明らかにされていない。また、南部カンダハルでは、大きな爆発音が数度にわたって聞かれたという。

 アフガン・イスラム通信は10日夜現在、連日の爆撃で、少なくとも76人が死亡、100人近くが負傷したと報じている。(読売新聞)
<アフガン攻撃>タリバン・オマル師が反米行動を呼びかける声明

 英BBC放送によると、タリバン政権の最高指導者オマル師は10日、世界のイスラム教徒に反米行動を呼びかける声明を出した。オマル師が肉声で声明を出すのは、米英両国軍がアフガン攻撃を実施して以降、これが初めて。声明は「全てのイスラム教徒は、利己的な力に対抗し、断固として行動しなけばならない」と強調した。(毎日新聞)
<アフガン攻撃>タリバン指導者数人死亡か

 米CNNテレビは10日、米政府当局者情報として7日のアフガン空爆でタリバン幹部数人が死亡した可能性があると報じた。(毎日新聞)
米軍はアフガンに対し4日目の空爆を実施=国防総省筋


 [ワシントン 10日 ロイター] 米国防総省高官は、米軍機はアフガニスタンの首都、カブールや同国を実効支配するタリバン勢力の本拠地カンダハルを含めアフガニスタン内の軍事拠点に対する4日目の空爆を実施していると述べた。
 この高官は匿名を条件にロイター通信に対し、タリバンの航空施設や指揮所など広い範囲の標的に対して夜を徹して実施していると述べた。
 そのうえで、8日夜以降は巡航ミサイルは使用していないと述べた。
これ以上の詳細への言及は避けた。
(ロイター)
NATO、軍事攻撃の支持をアフガンから拡大するには一層の証拠必要


 [ワシントン 10日 ロイター] 北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は、米英軍が現在行っているアフガニスタンへの攻撃を他国に拡大することをNATOが支持するには、さらなる証拠が必要だ、と述べた。
 同事務総長は記者会見で、NATOの支持は「9月11日の対米テロ攻撃に関連した者、ならびに関与した者への対処」に基づくものだ、とした。
 そのうえで、「対米テロ攻撃に関連しており、他国で身元が明らかにされたテロ組織に関するより多くの証拠が入手可能であれば、われわれは結束して対応する」と付け加えた。

(ロイター)
イタリア、国内の主要建物防衛に兵士4000人を配備へ=内相


 [ローマ 10日 ロイター] イタリア政府は、米軍によるアフガニスタン空爆を受けて、国内の標的になりうる建物を防衛するために、最大4000人の兵士を配置することを明らかにした。
 スカイヨラ内相は、安全保障上の決定を下す政府委員会の開会前、記者団に対し、「高い警備力を維持するためには、人員を配置しなければならない」と述べた。
 同内相は、「すべてを管理したり、すべての標的の安全を確保するのは不可能だが、可能なかぎりの高い警備を実現し、日常生活における平穏を維持できるよう最大限努めなければならない」と述べた。(ロイター)
アフガンのタリバンによる仏人記者へのスパイ容疑は不条理=仏政府


 [パリ 10日 ロイター] フランス政府は、アフガニスタンで拘束されたフランス人記者、ミッシェル・ペイラール氏をスパイとするタリバン政権による告発を”不条理”とする見解を示し、同氏の釈放に向けて努めていることを明らかにした。
 ペイラール氏は、写真誌パリ・マッチの記者で、女装してアフガニスタンに入国したところ、9日に逮捕されていた。
 アフガン・イスラム通信(AIP)によると、タリバン政権は、ペイラール氏とガイド2人をスパイの罪状で告発していた。
 フランス外務省のスポークスマンは、「ミッシェル・ペイラール氏が有名なジャーナリストであることは明らかだ。同氏は記者として活動していた。彼がスパイだという告発は不条理である」と述べた。(ロイター)
WFP、アフガニスタン向けの陸路による食糧輸送を増加=声明


 [ローマ 10日 ロイター] 世界食糧計画(WFP)は声明で、 アフガニスタン向けの陸路を利用した食糧輸送を増加することを明らかにした。食糧を積んだ輸送車が、パキスタン、イラン、トルクメニスタン、タジキスタンからアフガニスタンの国境を越えるという。
 WFPは、「合計3285トンの食糧を輸送する。これは飢えに苦しむ70万人のアフガニスタン人の1週間分の需要に相当する」とした。
(ロイター)
ビンラディン氏の報道官の市民権はく奪を検討=クウェート政府


 [クウェート 10日 ロイター] クウェート政府は、ウサマ・ビンラディン氏のスポークスマンとして登場し、米国を脅迫する内容の声明を発表したスレイマン・ブガイス氏の市民権のはく奪を計画しているという。
 クウェートのマスコミ関係者が明らかにした。
 クウェート政府は、市民権はく奪を実行するための法的な手段を検討しているという。
 同氏は9日、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラを通じた声明で、米国がイスラム諸国から撤退するまで、「戦い」を止めない、と述べていた。
 同氏は、1965年生まれ。教師と聖職者の経歴がある。2000年6月にクウェートからアフガニスタンに渡り、ビンラディン氏の側近として頭角を現したという。(ロイター)
少なくとも4機がカブール上空に飛来し7発の爆弾を投下=目撃者


 [イスラマバード 10日 ロイター] 目撃者によると、少なくとも4機の戦闘機がカブール上空に飛来し、市内の広い範囲で7回にわたって爆発音が聞こえた。
 ある目撃者は、「少なくとも4機が飛来し、7発の爆弾を投下した」と述べた。
 これに対してタリバンの兵士が、対空砲火で応戦している。
(ロイター)
ビンラディン氏はアフガンを基地にできない=タリバン


 [イスラマバード 10日 ロイター] アフガン・イスラム通信(AIP)は、アフガニスタンを実効支配しているタリバン政権のアミル・カーン・ムタキ教育相が声明を発表し、ウサマ・ビンラディン氏は声明の発表を認められているだけで、アフガンの国土を敵対的行動の基地として利用することは許されていないと述べたと報じた。
 このなかでムタキ氏は、「タリバン政権はウサマ・ビンラディン氏に声明の発表のみを認めている。しかしアフガンの国土を他国に敵対する行動をとるために使用することは禁じている」と述べた。
 これより先、タリバンのスポークスマンはBBCのパシュトゥン語放送で、ビンラディン氏に対する行動制限をすべて解除し、これによって、ビンラディン氏は自由に米国に対する聖戦を実施できると述べていた。
(ロイター)
過去24時間でタリバン兵約1800人が離脱=北部同盟


 [ベルリン 10日 ロイター] アフガニスタンを実効支配するタリバン勢力の兵士約1800人が過去24時間で同勢力から離脱し、これに対抗する北部同盟に参加した。
 北部同盟のドイツ大使館のAbed Nadjib氏が明らかにしたもので、同氏はロイター通信に、「昨日(9日)以来、ほぼ1800人(のタリバン兵士)が同政権から離脱した」と述べた。
 同氏の推計によれば、タリバン政権の兵力は1万5000~2万5000人程度。(ロイター)
対アフガン空爆で最低76人が死亡、約100人が負傷=AIP・当局者


 [イスラマバード 10日 ロイター] 7日に開始された米国が主導するアフガニスタン国内の拠点に対する空爆で、少なくとも76人が死亡、約100人が負傷したという。
 アフガン・イスラム通信(AIP)とアフガニスタンを実効支配するタリバン政権の高官が明らかにした。
 死傷者数は、AIPとタリバン政権が空爆を受けた主要都市から集計したもの。死者は、南部のカンダハルで28人、首都カブールで25人が確認されているという。
 また、東部のジャララバードでは6人、西部のヘラートでは2人、北部のマザリシャリフでは8人、西部のファラーでは7人の死亡が、それぞれ確認されているという。(ロイター)
<OIC緊急外相会議>空爆に言及せず閉幕 激しさ増す反米デモ

 【カイロ小倉孝保】ドーハで10日開かれたイスラム諸国会議機構(OIC)の緊急外相会議は、採択した声明に米国のアフガニスタン空爆には言及しないまま閉幕した。「テロ組織の打倒」という国際世論の中、米国の攻撃に反対することは難しいが、一方で各国内でのイスラム教徒による反米デモは激しさを増す。国際的立場と国内問題との間で揺れたイスラム諸国が出した回答は「黙認」。イスラム教徒の目には後ろ向きとも映り、怒りは収まりそうもない。

 OIC加盟国で、米国のアフガン報復攻撃を批判していたのはイラン、イラク、レバノン、シリアの4カ国だけ。サウジアラビアやパレスチナ自治政府は何の立場表明しなかったが、多くの国は報復攻撃への支持を明らかにしていた。

 だが、採択された声明はアフガン市民への被害拡大を懸念しつつ、結局は米国の攻撃自体への非難を避け、攻撃を黙認したと言ってよい。アフガン国民救済のための基金設立を決めたが、多くのイスラム教徒が「米国の圧力に屈し、アフガンのイスラム教徒を見捨てた」と感じるだろう。

 イスラム諸国の多くは、自分たちの忠告を聞かなくなったタリバンを危険な存在と感じる。また、ウサマ・ビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」がイスラム教徒に対しジハード(聖戦)を呼びかけていることを、危険と認識する。米国の「テロ対策」に反対せず、協力する姿勢を示したいのが本音だ。

 一方、イスラム教徒はアフガン攻撃に反対する感情を強め、各地で反米デモを繰り返している。ジハード呼びかけへの賛同も高まり、親米のイスラム諸国が米国支持を強く打ち出すことも難しい情勢だ。

 米国への反発を強めるイスラム原理主義者たちが自国政府、さらに10億人を超えるイスラム教徒をまとめるOICの姿勢を弱腰と感じるのは確実だ。(毎日新聞)
<OIC緊急外相会議>不拡大の声明採択 直接の対米非難避ける

 【カイロ小倉孝保】米同時多発テロと米国のアフガニスタン攻撃について、イスラム諸国の対応について話し合うイスラム諸国会議機構(OIC、55カ国・地域で構成)の緊急外相会議が10日、カタールのドーハで開かれた。採択された声明は米国に対し、攻撃対象を他のアラブ・イスラム諸国へ拡大しないことを求めた。イラク、イランなどは米国の攻撃への非難を盛り込むよう要求したが、多数の国が反対し直接の対米批判を避けた。

 声明は同時テロについて「多くの人命を奪った残忍なテロリストを厳しく非難する」とした一方、「アフガンへの報復攻撃によって罪のない市民に被害が広がることを懸念する」と述べた。

 米国の攻撃がアフガン以外へ拡大した場合、エジプト、ヨルダンなど親米国も米国を支持することが難しくなる。このため、他のアラブ・イスラム諸国に拡大しないよう声明に盛り込むことで、OICとして米国に圧力をかける狙いがある。

 会議冒頭、カタールのハマド首長が米国の同時テロを批判し、犠牲者への哀悼の意を表明する一方、「米国はアフガン攻撃で罪なき市民を殺害することは許されない。テロ組織攻撃のためには明確な証拠を示すことが必要」と米国の攻撃にくぎを刺した。

 アフガンの反タリバン連合を構成するラバニ政権はOIC加盟国だが、今回は欠席した。(毎日新聞)