
<アフガン>米軍の使用空港に4発のロケット砲
【イスラマバード春日孝之】ロイター通信によると、アフガニスタン東部ホスト州で11日、米軍が使用している空港に4発のロケット砲が撃ち込まれた。また、首都カブール北方のバグラム空軍基地でも同日、武装した男が発砲した。犯人はすぐに拘束されたという。両事件とも、けが人など被害はなかったという。消息筋によると、アルカイダやタリバンの残存勢力はアフガンに展開する米軍へのゲリラ攻撃を強化する方針で、情勢はさらに悪化するとみられる。(毎日新聞)
王者の一撃…米軍がアフガンでテロ組織全滅作戦
【カブール10日=源一秀】カブール郊外のバグラム空軍基地の米軍報道官は10日、米軍が同日までにパキスタン国境の南東部パクティカ州シキンの山岳地帯でテロ組織アル・カーイダおよびタリバンの残存勢力に対する大規模掃討作戦に踏み切ったことを明らかにした。作戦名は「チャンピオン・ストライク(王者の一撃)」。11日で米同時テロ発生から1年になるのを前に、同残存勢力の殲滅(せんめつ)を目指すとともに、パキスタンへの逃亡ルートを断つのが狙いと見られる。
同報道官によると、米軍による大規模掃討作戦は今年3月の「アナコンダ(大蛇)」作戦に続くもの。作戦の焦点となっているのはシキン地区のベルマル渓谷で、急襲攻撃を専門とする米軍第82空てい部隊を中心に数百人が投入されている。武装勢力と交戦も始まっているが、死傷者は出ていない。作戦の開始日や作戦期限についてなど詳細は明らかにされなかった。
米軍は数か月前からシキンに多数の残存勢力が潜むとともに、パキスタンへの逃亡ルートの拠点にもなっているとの見方を強め攻撃準備を進めていた。また、「タリバン指導者のオマル師が周辺に潜んでいる」(北部同盟幹部)との情報もある。
シキンと国境をはさむパキスタン側は、「トライバル・エリア」(部族地域)と呼ばれる自治区。タリバンを主に構成するパシュトゥン人が多く住む。また、シキンを含むアフガン南東部、東部はパシュトゥン人集落が集中している。
この地域では、普段から両国のパシュトゥン人が国境を行き来しており、「国境はないに等しい状態」(地元ジャーナリスト)。また、厳しい山岳地帯で、アフガン、パキスタン当局の警備も手薄だった。
シキンを拠点に南東部や東部に同残存勢力が潜伏しているとの情報は、最近になり、数多く寄せられるようになったという。
カブールの治安にあたる多国籍軍「国際治安支援部隊」(ISAF)筋も、「南東部国境付近に残存勢力が集中しているとの情報を受けている」としている。(読売新聞)